.....まぁ、タイミング的に分かりますよね。
今回もお楽しみください!
一夏side
あの後、篠ノ之を引きずって職員室に行き、織斑先生に今後の対応を託した。
この時の織斑先生の果てしない音量のため息に、職員室にいた他の教員の皆さんは驚いていた。
だが、ため息をつきたくなる気持ちも分かる。
篠ノ之は問題しか起こさないからなぁ...
本当に、何でこんなのが退学処分に出来ねぇんだ。
国際IS委員会ふざけんな。
早く束さんに全世界に向けた声明を出して欲しい。
職員室によったため、そこそこな時間が経ってしまっていた。
俺は急いで整備室に向かった。
すると4組の生徒全員がせわしなく動いていた。
俺は全員に指示を出していた簪の元に行き、手伝った。
そして、最終下校時刻10分前。
遂に、簪の専用機打鉄弐式が完成した。
完成した瞬間に、その場にいた全員が喜びの声を叫んだ為、整備室の壁にかかっている工具がガタガタ言ったのは内緒だ。
取り敢えずその日はそこで解散となった。
稼働テスト等はまだ終わっていないので、これで終了という訳ではないが、一区切りついたのは間違いない。
簪の嬉しそうな顔を見ると、道具を手配して良かったと思う。
因みに、皆と一緒に笑顔を浮かべている簪の事を陰で
「うふふふふ...簪ちゃぁぁぁん」
とか言いながら見ている生徒会長がいた。
こんな言動でよく生徒会長出来るなと思いながら簪にバレないように気絶させた。
簪にバレて姉の威厳が失われるだなんてことをしなかっただけ感謝してもらいたい。
そして、そんな日から1週間が経った今日。
時刻は4:50。
俺は何時ものように朝のトレーニングをしていた。
今日は、シャルルと生徒指導室で1対1で話す日だ。
今日までに、シャルルについて調べながら、掛けられる鎌を掛けてみた。
先ず、調べて分かったことは、社長夫婦間にシャルル・デュノアという子供はいない。
社長夫婦の子供は、シャルロット・デュノアという女子がいるだけだ。
シャルロットと、シャルル...気付いて下さいと言わんばかりの偽名だなぁ。
それに、これはまだ確定している情報じゃないが、如何やらシャルロット・デュノアは社長の子ではあるのだが、社長夫人の子ではないらしい。
つまるところ、愛人との隠し子である可能性が高い。
それに、スコールさんに聞いた情報なのだが、デュノア社は経営難に陥っているらしい。
デュノア社は、ラファール・リヴァイヴという世界シェア3位の訓練機の開発元だが、ラファール・リヴァイヴはあくまでも第二世代型ISだ。
未だに第三世代型を開発できていないデュノア社は、かなりピンチのようだ。
.....まぁ、シャルロット問題が解決したら、
そんな事を考えながら、俺はトレーニングを続ける。
そして、
《一夏、6:55だ》
「りょーかい」
ディミオスにそう言われたため、俺はトレーニングを終了し、自室に戻る。
シャワーで汗を流した後身体を拭き、髪を乾かした後制服を着る。
制服を着たら、髪型のセットをする。
と言っても、ただ単に髪のはねが無いチェックするだけだ。
まぁ、さっき乾かしたばっかりだし、はねがある事は無いのだが...よし、無い。
そのまま俺はキッチンに移動し、パンにマーガリンを塗ってからトースターに入れる。
「自分の部屋で飯食うのって久しぶりだな...」
そう呟きながら、冷蔵庫から取り出した卵を使い目玉焼きを作っていくおく。
...よし、今日は半熟の気分だしこれぐらいだな。
用意しておいた皿に目玉焼きを移動させる。
そして、コーヒーメーカーの電源を付け、コーヒーを淹れる。
コーヒーとトーストを待つ間に、冷蔵庫の野菜室からキャベツとミニトマトと人参とを取り出し、切る。
切り終わった野菜類を皿に盛り付け、特性ドレッシングをかけると、織斑印のサラダの完成!
.....自分で言っておいて何だが、織斑印ってなんだ?
ここで、トースターとコーヒーメーカーから完成を知らせる音が鳴る。
それを確認すると、トーストも皿に移す。
そして、一回皿3つを机に移動させた後、コーヒーが入っているカップを持って机に戻る。
コーヒーを啜りながらノートPCを起動させる。
本来だったら食べながらPCをいじるのはマナー違反なのだが、仕事のチェックはこの時間にしないといけないので、勘弁してほしい。
トーストに目玉焼きを乗せてかじりながらメールの受信欄を確認する。
...うん、新規の仕事は来てないな。
来てたら昼休みにまでに完全に終わらせないといけないミッションが発生するため物凄くきついんだが、無くて良かった...
そんなこんなで朝食を食べ終えた俺は、皿とコップを洗う。
「さて、シャルロットは如何出るかねぇ...」
《あそこまで鎌を掛けても鎌を掛けられてることに気付いていないから、此方が大分有利だがな》
そう、シャルロットは、かなりの数のボロを出している。
ボイスチェンジャー(『PurgatoryKnights』製)で声を女性のものにして、陰からシャルロットと呼んだら、必要以上に身体をビクっとさせたり。
男性特有の身体の悩みを相談(相談内容は嘘)すると、何を言っているか分かってなかった。
その他にも、男性と女性の違いを使って何度か仕掛けてみたものの、全てで引っ掛かっていた。
.....一般的な鎌かけとは違うかもしれないが、十分怪しさは引きずり出せたのでOKだ。
「さて、皿洗いも終わったし、教室に行くか」
《そうだな》
ディミオスはそう言いながら、カードに戻って俺のポケットに入って来た。
それを確認した俺は教科書類が入っている鞄を持ち、部屋から出る。
しっかりと鍵をかけ、教室に向かう。
学園の校舎内に入って、1年1組に向かって歩き出す.....のだが、何やら校舎内が騒がしい。
俺は首を傾げながら、取り敢えず教室に向かおうと思い、歩く。
やっぱり、何かザワザワしている。
更には、さっきからちらっちら見られてる。
入学したての頃にも見られていたが、その頃に感じてた視線とはまた違う感じの視線を全身に受けている。
な、何だ?
俺、何かやらかしたか?
居心地の悪さを感じながら、教室に急ぐ。
教室前に着いたのだが、何やら1年生の廊下も、各教室もざわついていた。
い、いったい何なんだ?
俺は戸惑いながら、教室の扉を開け、中に入る。
「おはよう」
「一夏君!噂って本当!?」
「う、噂...?」
何の事だ?
心当たりがあるもんはねえぞ。
「今度の学年別トーナメントで優勝した人は、一夏君と付き合えるって話!」
「.....ふざけんな、何だそのクソみてーな話は」
流石に怒ったぞ...
「誰が、最初にそれを言った.....?」
「し、篠ノ之さんかな?」
あのゴミ、1回断ったことを無理矢理合法化するために虚言を吐きやがったな...
「ブッ飛ばす...」
俺の本気の怒りが伝わったのか、クラスメイトの友人達は、この話が嘘だって分かったようだ。
誰が、好きでもない相手と付き合うよなことをするもんか。
クラリッサさんやチェルシーさんとデートしたことも、無い、の、に.....?
な、何で俺はまたここでクラリッサさんとチェルシーさんの事を考える...?
もしかして、俺って、クラリッサさんとチェルシーさんの事が、好きなのか..........?
は、ははは...
そうだったとしたら、俺、最低じゃねぇか...
2人の女性に、好意を同時に抱くだなんて...
「あ、あの一夏さん?如何いたしましたか?」
「あ、ああ。セシリアか...何でもない」
俺がジッと考えていると、セシリアが声を掛けて来た。
咄嗟に、俺は突き放すように返事をしてしまう。
正直に言うと、今は放っておいて欲しい。
「一夏さん、怒っているのは理解しますが、落ち着いて下さい」
「.....ああ。善処する」
俺はそう言うと、自分の机に荷物を置き、席に座る。
怒っているのもあるが、自分の最低さに嘆いていたんだが...
怒ってるって事にしておこう...
「やばいやばい、一夏君相当怒ってる...」
「誰か職員室に行って噂の鎮静をした方が良いんじゃない?」
「でも、後5分でSHRだよ」
「なら、教室に来た織斑先生と山田先生に直ぐ言おう」
皆がそんな感じに喋っているが、俺には殆ど聞こえていない。
ああ、クソッ...
放課後には1対1で話す大事な日なのに、俺がこんな状態では駄目だ。
何とか気合いを入れ直さねえと。
俺がそう思っているとチャイムが鳴り、織斑先生と山田先生が教室に入って来た。
「良し、全員いるな。それでは、朝のSHRを「お、織斑先生!山田先生!」...谷本、如何した?」
「い、今学園内で学年別トーナメントで優勝したら一夏君と付き合えるっていう噂が出てて、それを聞いた一夏君が怒ってます!」
「な、何!?」
由子と織斑先生がそう会話する。
怒ってはいるのだが、それを超える自己嫌悪が...
「皆、こういう噂があるというのは本当か?」
『はい』
皆からの返答を聞いた織斑先生は、頭を押さえる。
そして、ため息をついた後、
「.....後で放送でその噂は間違いだと伝える」
そう言葉を発する。
織斑先生の言葉を聞いて、取り敢えず俺は安堵の息を漏らす。
だけれども、心の中の自己嫌悪は消えなかった。
1回気付くと、自分の気持ちにウソなど付けない。
俺は、2人の事が好きだ...
そう思う度、俺は自己嫌悪に陥ってしまう。
でも、今はSHRだ。
話をしっかり聞かないと...
「んん、それではSHRを開始する。さて先週から自室謹慎の篠ノ之だが、無断で外出していることが判明した、よって、自宅謹慎の期間が延びた。大体学年別トーナメント直前までの期間となる」
...学園内で日本刀を振るったのに、そんなに短いのかよ。
せめて夏休みまで謹慎させとけよ...
「それと、1つ重要なお知らせがある。今度の学年別トーナメントだが、ルールに変更がある」
織斑先生の言葉に教室内がざわつく。
しかし、織斑先生は咳払い一つで黙らせると、続きを話し始める。
「具体的には、個人トーナメントからタッグトーナメントに変更となった。タッグのペアは各自で決めてもらう事となる」
「織斑先生、質問があります」
「ん、如何したオルコット」
ここで、セシリアが織斑先生に質問をする。
織斑先生が質問の内容を確認する。
「そのペア作りに制限はあるのですか?」
それは、ペア作りのルールを確認するものだった。
織斑先生は頷くと、説明を始める。
「先ず、専用機持ちの生徒、代表、代表候補生の生徒は一般の生徒とペアを作らなくてはならない。理由は分かり切っていると思うが、少しでも不平等を無くすためだ。SEに関しては、専用機持ちは6割、代表候補生は8割から始めてもらう。正し、対戦相手にも専用機持ち等の自分と同じ立場の人間がいる場合のみ、SE制限がなくなる」
なるほど...まぁ、妥当なルールか...
それでも、専用機持ちが有利な事には変わりはない。
実際に、微かにだが視線を感じる。
...何で俺だけ?
セシリアとかラウラとかシャルルも代表候補生の専用機持ちだよ?
ただし、俺に向けられるその視線は織斑先生の続きの説明で驚きのものに変わる。
「ああ、後織斑はペアを作らず、個人で出場してもらう」
...何で?
流石に今の俺でも疑問に思う。
「.....織斑先生、何故ですか?」
なので、織斑先生を見ながら質問をする。
すると織斑先生は、
「お前は元々個人でペア対戦が可能だからだ」
そう言う。
確かに、ペアと言わずにモンスターはセンター、ライト、レフトそれぞれに一体ずつ出せるが...
だからってペア競技にソロで出させる?
何処のFPSゲームだよ...
「さて、これで伝えることは全てだ、トーナメントに関しては終礼のHRに詳しいルールが乗ったプリントを配布する。それでは、1時間目の準備をしておけ」
最後に織斑先生がそう伝えると、山田先生と共に教室から出て行った。
教室内は、休み時間だというのに微妙な空気に包まれていた。
いや、俺が原因なんだけどね..
でも、俺に周りの事を気にしている余裕はない。
あああああ、クソ...
何で、何で俺は2人の女性を同時に好きになるんだ。
本当に、最低過ぎる...
これじゃあ、クラリッサさんにもチェルシーさんにも失礼だよ...
こんな事がバレたら、嫌われちゃうよ...
2人の事が好きだ...
こんな感情、思ってはいけないのに...
本当に.....
駄目駄目で、最低男だ....................
サブタイの内容がちょこっとしかない詐欺事件。
それよりも、一夏が、一夏がぁ!
自己嫌悪モードに陥ってしまった...
一夏、頑張って!
次回もいつになるか分かりませんが、楽しみにしていてください!
感想を頂けると凄く嬉しいので、是非お願いします!