対戦相手が専用機持ちでは無いので...
今回もお楽しみください!
一夏side
第一試合の後。
そこからは特に違和感等を感じる事は無く、学年別トーナメントは進行していた。
そして、現在は昼休み。
この時間で生徒たちは昼食を取り、アリーナではシールドの点検を行う。
そんな時間で、俺とディミオスは自身の寮の部屋に戻っていた。
食堂は如何考えても混むので、自分の部屋で飯を食った方が良いと判断した。
それに、昼食後の試合に遅れても、俺は最終試合だから問題は無い。
いや、あるかもしれないが...まぁ、いいだろう。
「それにしても、やっぱりセシリアと鈴は勝ったな」
《このルール、ハンデがあるとはいえやはり専用機持ちが有利だから仕方が無いだろう》
ディミオスとそんな会話をしながら、俺は自分の昼食を作るために冷蔵庫を開ける。
今日の昼は、スタミナ丼だ。
この後に試合があるから、気を引き締める必要があるからな。
材料を取り出し、手を洗う。
調理をする時は気を付けないと怪我をするので、集中をする。
大体10分後、完成したスタミナ丼と箸を机に持っていく。
そして、ノートPCを立ち上げながら、スタミナ丼を食べ始める。
うん、手抜き料理だけど、まぁまぁの完成度で出来たな。
「それにしてもさ、学園外の観戦者って学園敷地外のホテルに泊まるじゃん?」
《そうだな》
「それで、翌日も朝早くから学園に来るからさ、大変だよね」
今日1日で終わればいいんだが、何せ人数がなぁ...
全校生徒が参加するイベントなので、参加人数が多く、それによって試合数も非常に多い。
3学年、別アリーナで同時にトーナメントが進行するとはいえ、やはり人数は多い。
初日である今日は一回戦で日程が終了するほどには。
そのため、外部からの関係者は1回敷地外のホテルに泊まる必要があるのだ。
《本来ならば、敷地内に入る事が出来ないのだ。アリーナで試合を観戦できる対価とすれば、安いものだろう。今年は男が出るのだから、余計にな》
「まぁ、その男の1人はもう負けたけどな...」
ここで俺も負けたら、観戦者から不満が出そうだ...
全く、俺も深夜も学生なんだから、そういう事に巻き込まないで欲しい。
まぁ、俺は企業所属の人間でもあるんだけどな...
でも、そんなの関係ない。
「ただ戦い、勝つだけだ」
《そうだな...だが、対戦相手は更識簪と布仏本音だ。強敵だぞ》
確かに、先ず専用機持ちの代表候補生というだけで一般生徒より強いのは確かだ。
それに打鉄弐式は簪と4組の皆(と一応俺)の絆の証の様なものだ。
第三世代型だが、第二世代型で随一の安定性を誇る打鉄の発展機だという事で安定性も高いうえでの、最新式の第三世代型兵器が搭載されている。
そして、そんな大事な専用機の大事なデビュー戦。
簪も気合が入っているだろう。
ペアも幼馴染ののほほんさんだという事で、連携も申し分ないだろう。
これは、ディミオスの言う通り間違いなく強敵だ。
だが、それでも、
「全力で行くのが、バディファイターだ!」
《ISだぞ?》
「バディモンスターのディミオスがしていいツッコミではない」
確かにその通りだけどさ...
まぁ、全力で戦い、勝つ!
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深夜side
ま、負けた...
何でだ!!
何で俺は負けたんだ!?
学年別タッグトーナメント、一回戦第一試合。
俺は、箒と共に出場した。
対戦相手は、ラウラと鷹月のペア。
俺にはマスター・コントローラーのメタ機能、それに千冬並みの身体能力があるのに...
何でだよ!
何で俺は、鷹月みたいな一般生徒にも翻弄され、しかもメタを発動させたのにも関わらず、ラウラに倒されたんだよ!!
チクショウ、訳が分からねぇ!!
しかも、VTシステムが発動しなかったじゃねえか!
訳が分からねぇ...
箒からは
「何が『俺と組めば、一夏に力を見せつけられる!』だ!負けたではないか!使えない奴め!!」
そう言われてしまった。
クソ!
何でだよ!
俺は主人公だろ!
何でヒロインに嫌われないといけないんだよぉ!!
ふざけんな...ふざけんなよぉ!!
何で転生特典が生かされない!
この世界は、俺が活躍してハーレムを作る世界だろうが!
何でだよ...何でだよぉ!!
いや、まだだ。
ラウラと一夏が戦うなら、VTシステムが発動する可能性がある。
そうしたら、俺が乱入してラウラを助けるんだ。
それに、1学期末には、臨海学校がある。
そこで、俺が福音を倒せば、俺が主人公だと、英雄だと証明できる!
そうすれば、俺のハーレムだって作れるはずだ!
そうだ、この世界の主人公は俺で、英雄なんだぁ!
そうだと証明してやる!!
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一夏side
PCを確認しながらの昼食も終わり、俺はアリーナに向かっていた。
追加の仕事もなく、午後には俺が出場する一回戦最終試合があるため、アリーナにもういた方が良いと判断したからだ。
「俺の仕事は無かったけど、会社としての仕事はそこそこあったな」
《その3分の1が日本政府、又は国際IS委員会からの書類だ》
「何か、申し訳ねぇ...」
その2つからの書類って、絶対俺関係じゃん...
《社員たちに不満は無いようだから、別にいいんじゃないか?》
「不満が無いのは、社長をはじめとした上司の人柄の良さだよ...」
だって、ただの高校生の俺に頭を下げる取締役だなんて、『PurgatoryKnights』以外にはいないよ?
いや、男性IS操縦者の俺は
本当に、良い人たちしかいない会社で良かったぁ。
そう思うと、やっぱり俺関係で仕事が増えるのは申し訳なく感じる。
書類を送ってきて仕事を直接増やしているのは日本政府と国際IS委員会だが、その書類を送って来る理由は
社長も気にしないでとは言って下さるが、如何しても気にしてしまう俺は悪くはない。と、思う。
.....あれ?
俺って学生だよな?
いや、企業所属の人間でもあるけどさぁ...
俺がそんな事を考えながら歩いていると、
「あら、一夏さん」
そう声を掛けられる。
俺がその方向を向くと、そこにはセシリア、鈴、ラウラと、もう既に一回戦を終わらせ、無事に勝利した3人がそこにいた。
「ああ、セシリアと鈴とラウラか。如何した?みんな集まって」
俺がそう聞くと、鈴が
「普通に暇だったから喋ってただけよ」
そう返してきた。
ひ、暇って...
それで良いのか、国家代表候補生。
「全員、一回戦は突破したな」
「一夏、まだ本命のお前が残っているぞ」
「ほ、本命って...」
俺、そんな立場だったけ?
「私たちは、一夏さんにリベンジがしたいのですわ」
「そんなリベンジ対象が負けちゃったら如何しようもないじゃないの!!」
「ああ、そういう事ね...」
確かに、俺はここにいる3人に負けた事は無いが...
俺は別にそこまで強う訳じゃ無いんだがなぁ。
ていうかそもそも、
「トーナメントの組み合わせ的に、俺よりも前にセシリアと鈴は戦うだろ」
「「あ...」」
おいおい、それは失念しちゃダメだろ...
「私と戦うには、決勝戦じゃないといけないからな」
「まぁ、見事に端と端だからな」
何か仕組まれてないか?
このトーナメント表。
「まぁ、いいや。んじゃ、頑張って来る」
「頑張りなさいよ!簪も、きっと強いんだから!!」
「分かってるよ」
俺達はそう会話を終わらせると、3人は観客席に向かっていった。
早めに確保しておこうという事だろう。
まぁ、俺は最終試合なので休憩時間が終わっても暫く暇な時間があるんだが...
別にいいだろう。
それに、誰にも関わらないで集中する時間も欲しいしな。
「ム、織斑、ここで何をしている」
そう思ったら、タイミングが良いのか悪いのか、誰かが話し掛けて来た。
いや、もう正体は分かるんだけどね。
「織斑先生、試合時間まで集中して士気を高めようとしてただけです」
そう、織斑先生だ。
俺は返事をしながら織斑先生の事を見る。
.....なんか、俺ってもしかしなくても後ろから声掛けられる率物凄くないか?
何時も振り返ったり体の向きを変えてる気がする。
まぁ、そこまで重要なことでは無いし、別に気にしなくてもいいか。
「そうか。ならば、邪魔をしてしまったな」
「いや、織斑先生に確認したい事があったので、言ってしまえば都合が良かったです」
「教師によくそんな事が言えるな」
織斑先生は苦笑いだ。
普通だったら言えないかもしれないが、俺は織斑先生...いや、千冬姉の弱点なら山のように握っているからな。
「それで、その確認したい事とはなんだ?問題でも発生したか?」
「いや、何方かと言うとプライベートでの話ですね」
俺がそう言うと、織斑先生は少し顔が引きつった。
...またなんかやらかしたな?
まぁ、それの追及は後でいいや。
「学年別トーナメントの後、教員寮の俺の部屋に外部の人間を入れていいですか?」
「お前の部屋にか?」
「はい。如何やら外部に漏れたらいけない話があるようで...」
こういう言い方だと、何か仕事の話みたいになるな。
いや、最初にプライベートだと言ってあるから大丈夫だ。
勘違いしてくれたら勘違いしてくれたで楽なんだけどな。
織斑先生は考え込むように顎に手を当てていたが、やがて息を吐くと、
「そういう事情ならば仕方が無いが...人数は?」
「2人ですね」
クラリッサさんとチェルシーさんだから、2人。
この言い方だと、更に仕事だと思われる。
まぁ、どっちでもいいや。
俺は事実しか話してないんだから。
勘違いしたのは織斑先生の責任という事で。
「それくらいならば問題は無いな。許可を出す」
「ありがとうございます」
ふう、無事に許可を得られた。
話を聞くのはこのトーナメントが終わってから...つまりは、最終日だ。
そこまでに結構時間の猶予はあったとはいえ、貰える許可は早めに貰っておいて損は無いだろう。
俺はその場でもう一度織斑先生にお礼を言うと、織斑先生は去っていった。
向かう先は、アリーナ管制室だろう。
「...トイレだな」
《.....まぁ、そうなるだろうな》
ディミオスはそう言うと、カードに戻り、ポケットに入っていった。
[マスター、私達の事忘れてませんか?]
(いや、忘れてないぞ。何でそう思ったんだ?)
ここで、何故か白騎士がそんな事を質問してきた。
俺がそう聞き返すと、今度は白式が
[だって!最近マスターと会話して無いよ!]
と言ってきた。
そんなしてないか?
..........
してないな。
(確かに、最近会話してなかった気がする)
[そうだよ!だから忘れられてないか心配で心配で...]
(わ、悪かったって。元気出してくれ)
[ならマスター。今度頭撫でてください!]
(分かった、分かったから)
[約束ですよ!!]
何とか白騎士と白式の機嫌も良くなったようだ。
あ、危なかった...
しかし、頭を撫でる約束1つで機嫌が直るだなんて...
そんなに良いもの何だろうか?
白式も、白騎士も、簪も、マドカも、クロエさんも、ラウラも。
何故か頭を撫でるだけで気持ちよさそうなんだよなぁ。
自分では良く分からないんだよなぁ。
今度束さんに頼んでそういうの測定してもらおうかな?
いや、それよりも前に篠ノ之箒関連の声明発表と深夜の専用機の調査だな。
それに、何となくだがそういう測定をあの兎に任せるのは何となく不安だ。
そんな事を考えていると、何時の間にやらこの学園の中でも数少ない男子トイレに着いた。
このトイレは俺と深夜と学園長と一応男子扱いのシャルルしか使わない。
学園警備員の方にも男性はいるが、警備員の方々は警備員専用トイレを使用されるので、このトイレは使用者が4人(正確に言うなら3人)しかいない。
俺はそんなトイレの個室に入ると、目を閉じる。
さて、試合時間までまだあるし、集中の前に、1回考え事をしよう。
束さん以外の人物、又は組織が造ったと推測されるコアを搭載したIS。
白式と白騎士が言うには、訓練機では無く専用機らしい。
そして、無所属なのに何故か深夜は専用機を所有いている。
その専用機は、何故かコアネットワーク越しの呼びかけに応じない。
これだけ見ると、確実に深夜の専用機が件のコアを搭載したISだ。
しかも、あの専用機にはAICのデータが無いと作れない対策がされていた。
それは、ラウラがAICを使わなかったら腐った機能だった。
だが、ラウラはAICを使う事を戦術にしている。
つまりは、深夜のあの機体は完全にラウラのデータを揃えたうえで、ラウラと戦う事を想定している。
「まるで、メタカードを入れたデッキのようだ」
メタカード。
例えば、レジェンドWのアイテム、竜滅剣 バルムンクは属性に『ドラゴン』か『竜』を含むモンスターにアタックした場合、無条件に破壊できる。
だが、攻撃力は3000しかないので、ドラゴン又は竜以外のモンスターへの攻撃には向いていない。(サイズ2以上のモンスターの防御力は大体5000程が多い)
そんな特定のデッキにしか使えないカード、それがメタカード。
そして、まるで深夜の専用機はまさにAICメタのようだった。
怪しい。
何故深夜は如何やってその機能を作り、何故搭載した?
そもそも何故ラウラがAICを使う事を知っていた?
.....待て。
前のクラス代表決定戦で深夜はセシリアと戦っていた。
まさか、その時にブルー・ティアーズのメタの様なものを使っていたら...
そうだったら、ますます深夜が怪しい。
深夜に怪しんでいる事を知られないように、調査しないと...
あ、俺にそんな時間なかった。
日本政府と国際IS委員会と篠ノ之め~~~。
やりたい事が出来ねえじゃねぇか!
はぁ...まぁ、今はいい。
今俺がやる事は、簪とのほほんさんのペアと戦う事。
そして、勝つことだ。
さぁ.....やってやる!!
流石に省略し過ぎたかなぁ?
許してください。
次回もいつになるか分かりませんが、楽しみにしていてください!
感想と誤字報告、何時もありがとうございます!
今回も、是非お願いします!