今回は前回から時間が飛びます。
そして漸くタグバレしているヒロインの一人が...?
更新する時間がバラバラ過ぎて申し訳ない...
UAが1000を突破しました!ありがとうございます!
今回も楽しんでください!
一夏side
俺が千冬姉に頼んでドイツ軍と一緒に鍛えてもらい始めてから、半年が経過した。
今ではすっかりIS部隊であるシュヴァルツェ・ハーゼのみんなに認めてもらっているが、最初の頃は大変だった。
ドイツ軍に交じってやる訓練だ。
そりゃあきついのは承知の上だった。
.....だけど、人間関係でここまで苦労することになるとは思わなかった。
シュヴァルツェ・ハーゼはIS部隊だから、当然のように女性しかいない。
男子が俺しかいないのは分かってはいたつもりでも、なかなかにキツかった。
軍のため、女尊男卑思考の人こそいなかったものの、やはり俺は素人だ。
初めのころは軽蔑の目で見られていた。
それだけではなく、
「何であんなのと一緒に訓練しないといけないのよ」
「生半可な覚悟の遊びのつもりなら帰ってほしいわ」
このような陰口を言われたりもした。
因みに本当にヒソヒソ言われることもあれば、結構聞こえる声で言われることもあった。
まぁ、俺は今までもこのような事しか言われてこなかったので、少し耐性がついていた。
そのためそこまで気がめいるようなことはなかった。
千冬姉...おっと、教官だった。
教官はそのようなことを止めるように言おうとしていたが、待ってもらった。
何故か、と理由を尋ねられたので
「俺は今までこういうことを無視してきた。
でも、チカラっていうのは何も物理的『力』なものだけではないと思うんだ。
俺は自分のコミュニケーションのチカラを使って、自分で解決したいんだ」
という俺の思いを正直に伝えた。
すると教官は
「分かった。ならばお前に任せよう。だが、つらくなったら私に報告しろ」
とおっしゃたので、俺は自分にできることから始めてみた。
俺がしたこと、それは料理だった。
織斑家では家事全般が俺の担当だったため、自信があった。
料理した食事を食べてもらうことで、少しでもいい印象を持ってもらおうと考えた。
俺は軍の食事を作っている厨房に行き、後で皿洗いを手伝うという条件のもと、料理をさせてもらった。
厨房にはいろいろな材料がそろっていたので、何を作ろうか迷ったが和食である焼き魚定食を作ることにした。
「ゴー・トゥー・ワーク」
あの日から、俺は何か行動をする際にこの言葉を口にするようになっていた。
定食なので、メインである鰺の塩焼きの他に白米と味噌汁もセットだ。
余談だが、
「味見をしてやろう」
と言い、シェフが一食食べたのだが、何故かショックを受けたような顔をして、膝をつき倒れてしまった。
...なんでだろ?
まぁ何はともあれ焼き魚定食は完成した。
早速食べてもらおうかと思ったが、やはり印象が良くなかったからか、食べてもらえなかった。
自信があっただけにちょっとショックを受けていると、
「フム、焼き魚定食か。もらおうかな」
と言ってきた人がいた。
シュヴァルツェ・ハーゼの副隊長であるクラリッサ・ハルフォーフ大尉だった。
俺の作ったものを食べることに他の隊員が驚く中、ハルフォーフ大尉は鰺の塩焼きを一口食べ
「おぉ...これは...」
と言った後、一言も喋らずに間食した。
そして俺に顔を向けると、
「ご馳走様。美味しかったよ。」
と言い、微笑んだ。
...ちょっとドキッとした。
ハルフォーフ大尉が食べてくれたおかげで、他の隊員たちも食べてくれた。
そうしたおかげで、隊員達とは少し仲良くなった。
このとき、ハルフォーフ大尉が
「私のことはクラリッサと呼んでくれ」
と言われたため、今では名前で呼び合う仲になっている。
たぶんクラリッサさんが一番仲いい隊員なんじゃないだろうか。
それから暫くすると、隊の中での俺の評判はかなり上がっていた。
クラリッサさんは
「おそらく一夏の料理、
それに訓練を始めて1年も経っていないのに教官の訓練についていけてるからじゃないかな?
私も刺激をもらっているよ」
と言っていた。
まぁ、とりあえず人間関係は解決したようでよかった。
.....ん?教官の訓練はどうだって?
逆にちょっとでも優しいところがあるとでも思ってんの?
---------------------------------------------------------------------------------------------------
クラリッサside
ここ最近、我々シュヴァルツェ・ハーゼの雰囲気は変わっていた。
みんなが生き生きとした表情で訓練をしたりしている。
やはりこれも半年程前から関わり始めた、教官と一夏のおかげだろう。
教官は言わずと知れたブリュンヒルデだ。
訓練メニューは相当厳しいが、最高峰のIS操縦者ということもあって指導が的確で、まだ半年だがみんな相当実力が伸びたと感じているようだ。
一夏は最初の頃は嫌われていた。
それでも訓練を続け、時にはみんなの食事を作ったりしていく内にみんなの評判は良くなっていた。
教官は以前から訓練を受けていた私達でも厳しいと思うような訓練をするのに、少し前で一般人だった一夏がついてきているので、みんな刺激されているようだ。
料理に関しても私達の胃袋をガッチリと掴んでいる。
以前からいたシェフよりも一夏の料理の方が食べたいとみんなが思っている。
胃袋を掴まれていないのは隊長だけじゃないだろうか?
一夏は
「あの時、クラリッサさんが食べてくれなかったら、たぶん今でも馴染めてませんよ」
と言う。
確かに一夏の料理を最初に食べたのは私だ。
私はみんなよりも前から一夏のことを認めていたからな。
因みに、一夏が行動をするときに言う言葉、
「ゴー・トゥー・ワーク」
もみんな言うようになった。
一夏公認だ。
そして今、休憩時間ということで、一夏と二人で話している。
内容は日本の漫画についてだ。
...私は最近、一夏と二人で過ごす時間が凄く楽しみになっている。
何故なんだろうか?
「そういえばなんですけど...」
と、一夏が話してきた。
「うん?なんだい?一夏」
「俺、シュヴァルツェ・ハーゼの隊長とあったことがないんですけど、何でですか?」
.....隊長か。
シュヴァルツェ・ハーゼの隊長、ラウラ・ボーデヴィッヒ少佐。
隊長は、未だに一夏のことを嫌っている。
隊長はアドヴァンスドと呼ばれる、遺伝子強化試験体。つまりは試験管ベイビーだ。
幼い頃から戦うための道具として、様々な体術や兵器の扱い方を教わりマスターしてきた。
しかし、ISが登場し今までの兵器など役に立たなくなってしまった。
そのため隊長はIS適正を上げるため、ヴォーダン・オージェの移植手術を行わされた。
ヴォーダン・オージェは疑似ハイパーセンサーと言えるもので、肉体に埋め込むことにより、ハイパーセンサーとの併用で普通よりも有利にISを操縦することができる。
しかし、隊長は適合が高すぎたため左目が金色に変色してしまった。
それからというもの、能力を制御しきれずに成績が急降下。
そのことから、『出来損ない』と呼ばれるようになった。
しかし、教官が一から鍛えなおしたことで実力を付け直し、シュヴァルツェ・ハーゼの隊長になった。
そのことで教官の狂信者のようになっており、教官が一番気にかけている一夏のことを毛嫌いするようになった。
余談だが、隊長は金の目を隠すために左目に眼帯をしている。
そんな隊長に合わせて、シュヴァルツェ・ハーゼ全員が、同じ眼帯をしている。
私はこのことを言うか悩んだ。
本来なら言うべきではないのだろう。
しかし一夏なら...
そう思い一夏のことを見つめてみる。
一夏はジッと見られて疑問を感じたらしく、
「クラリッサさん?どうかしましたか?」
と、首を傾げながら聞いてきた。
.....キュンとしてしまった。
一夏はみんなのことを変えてくれた。
そんな一夏なら隊長のことも変えてくれるはず。
そう思い、私は一夏に全てを話した。
一夏は話を聞いているとき、とても悲しそうな表情を浮かべていた。
全て話終わった後、一夏は暫く黙っていたが、口を開いた。
「大体わかりました。
でも、試験管ベイビーでも人間は人間です。
人間なら、変わることができます。
そう信じて、いつか隊長とも笑いあってみたいですね。」
そう言って一夏はニコッと笑みを浮かべた。
.....やめろ。ドキドキするではないか。
-------------------------------------------------------------------------------------------------
一夏side
クラリッサさんから、ラウラ隊長についての話を聞いた。
その日の夜、訓練や夕食も終わり自分にあてがわれた部屋に帰ってきて学校の課題をしている。
俺はまだ中学生のため、ドイツのオンラインの学校に転入したのだ。
その課題も終わると、俺はラウラ隊長について考えた。
隊長は、俺に似ていた。
出来損ないと言われたことと、教官...千冬姉に助けられたことが。
隊長は『力』が全てだと考えているらしい。
でも、俺は違うと思っている。
確かに物理的な『力』も大切だ。
だがコミュニケーションなど物理的以外の力もこの世には存在する。
俺は、それらすべてを合わせた『チカラ』が大切だと思っている。
ダークコアデッキケースから伝わってくるのも『チカラ』だからな。
だから、俺は........
「俺の『チカラ』、『煉獄のチカラ』であなたの『力』を超える!」
ヒロインの一人であるクラリッサが登場しました!
...一夏、まだバディに出会ってないのに。
不定期ですので次回もいつになるか分かりませんが、
待っていてください!
評価や感想、誤字報告もよろしくお願いします!