こういう日常も大事ですよね。
今回もお楽しみください!
UAが55000を超えました!ありがとうございます!
一夏side
シャルロットが再転入してきた日。
その日は1時間目から体育なので、俺は更衣室に移動した後直ぐに体操着に着替え、体育館に向かう。
IS学園の体操着は、何故か肩まで露出している上に、ブルマーという仕様だ。
男子は下は半ズボンなのだが、上は女子と共通なのだ。
深夜は特に気にせず着ているが、俺にはあんな体操着は着れない!
そんな訳で、俺は学園長に直接交渉をし、何とか特別製の体操着を着れる権利を獲得した。
俺の体操着は、色は通常のものと色は同じで、白生地に赤いラインが入っているもので、形はただの半袖Tシャツと半ズボンだ。
そして、制服と同じ位置に『PurgatoryKnights』のマークが付いている。
冬用に、同じデザインで長ジャージも持っている。
そして、俺は体育館に着いた。
この学園の体育館も、全校集会などが行われるため、生徒全員が入れるくらいには広い。
織斑先生が言っていた通り4組との合同授業なため、もう既にそこそこな人がいた。
まぁ、着替えること自体は男子の方が早いが、この学園では男子更衣室はアリーナにしかないので移動に時間が掛かる。
そのため、体育とIS実技には時間ギリギリにならないと到着できないのだ。
しかし、なんでこの学園は体操着にブルマーだなんて旧式のものを採用してるんだ?
なんかこう、弾とか数馬が中1の頃から変わってなかったら、歓喜しそうだな。
俺はクラリッサとチェルシー以外では興奮などしないから特に歓喜などという感情は分からないんだけどな。
「あ、一夏」
「お、簪か」
そんな事を思っていると、簪が声を掛けて来た。
「.....なんか、元気ないか?」
簪は、何となく元気が無いように見える。
俺がそう聞くと、簪は頷いて、
「...動きたくない」
と言った。
それを聞いた俺は、苦笑いするしかなかった。
簪はアニメや漫画が大好きで、休日は部屋でずっと見ている、完全なインドア派らしいのだ。
だから、身体を動かすしかない体育は苦手なんだろう。
「ISは大丈夫なのに、体育は駄目なのか?」
「うん。ISは良いんだけど、体育は...特に、球技が駄目」
「そ、そうか.....」
ISの方が激しく動くと思うんだけどなぁ...
俺がそんな事を考えていると、
「全員集まっているな、整列!」
織斑先生が開口一番指示を出す。
生徒たちは直ぐに1組と4組に分かれて、そのまま整列する。
この間3秒。
もうみんな、完全に織斑先生の指示に反応する速度が最高速度になってる。
「さて、本日から体育ではバスケットボールを行う!ただし、身体能力の関係上、男子2人には別の事をしてもらう」
「織斑先生、その別の事とは?」
女子に混ざって球技が出来る訳が無いのは理解しているので、俺はその別の事の内容を聞く。
「男子2人には、私の目が確認できるところで基礎トレーニングをしてもらう。1人はステージ上、もう1人は体育館の入り口だ。今じゃんけんして決めろ」
織斑先生から指示を貰ったため、俺は深夜とじゃんけんするために移動する。
「「最初はグー、じゃんけんポン」」
俺がチョキ、深夜はパー。
俺の勝ちだ。
「じゃあ、ステージで」
俺はステージでやる事を織斑先生に伝える。
織斑先生は頷くと
「良し、それでは準備体操をした後、体育館を5周だ!その後、女子は再整列、男子はトレーニングを開始!」
『はい!』
織斑先生の指示に従い、全員一斉に準備体操を開始する。
この準備体操が、運動の中で一番大事だと言っても過言ではない。
これを怠ると、怪我をする可能性がぐんと高まるからな。
そして、準備体操が終わったから、体育館5周か...
少ないな。
20周はしても良いんじゃないですかね、織斑先生。
そんな事を思いながら、俺は軽めに走る。
軽めに走ったのに、何故かラウラたちを2周くらい周回遅れにした。
全く、代表候補生ならこれくらいは出来ないと。
そんな事を思いながら、俺は取り敢えずステージに上がる。
「ディミオス、何したらいいと思う?」
俺がディミオスにそう尋ねると、ディミオスはSDで出てくる。
《そうだな...切り合うか?》
「いいね、それ。じゃあ、重り持ってくるから、模造剣頼んだ」
ディミオスの提案を採用した俺は、そのまま重りを持ってきてそのまま身に着ける。
両腕と両足と腰、合計5個。
1個10Kgなので、50Kg。
ディミオスが模造剣を持ってくるまで暇なので、軽く筋トレをする。
良い感じに身体が温まって来たところで、ディミオスが模造剣を2本持ってきた。
俺はその内片方を受け取る。
《ルールは如何する?》
「ステージから出る、又は降参で負け。あとは、怪我をしないようにする。これくらいでいいかな?」
《了解した》
ディミオスはそう言うと、模造剣を構える。
SDのままだが、侮ってはいけない。
ディミオスはSDのままでも十分すぎる身体能力を有している。
俺はディミオスの事を見据えたまま、模造剣を構える。
俺が先程していた筋トレで発生していた汗が、床に落ちる。
その瞬間に、俺は床を思いっ切り蹴り、模造剣を振るう。
ディミオスもそのまま模造剣で俺の攻撃を防ぐ。
ガキィ!
そんな鈍い音が響く。
なんか視線を感じるが、気にせず俺とディミオスは切り合う。
俺は何度もディミオスに攻撃をするが、避けられて、時には捌かれてしまう。
SD形態は、通常の姿よりパワーはないものの、その分小回りが利くため、簡単に避けられてしまう。
俺が剣を振り抜いたタイミングで、ディミオスは俺に向かって遂に攻撃してくる。
だが、俺は振り抜いた勢いのまま身体を倒し、低い位置から再度攻撃をする。
ディミオスはこれに気付いたようで、攻撃を中断しそのまま模造剣で俺の攻撃を受ける。
ガキィ!
と、また鈍い音が響く。
《フム、中々やるようになったな》
「そりゃ、如何も!!」
俺はそのままディミオスの持つ模造剣を押しのけると、突き攻撃を行う。
ディミオスはそれを躱すと反撃してくる。
俺はそれを避け、体制を整える。
それからは、攻撃、防御、反撃、防御の繰り返し。
ガキィ!ガキィ!ガキィイ!
何度も模造剣同士がぶつかる。
攻撃もどんどん激しくなっていくが、身体の動き自体は最小限に抑える。
身体が大きく動くというのは、それだけ隙を生みやすいという事。
ディミオス達バディモンスター相手では、生身だとその隙が命取りになる。
それは、ダークネスドラゴンWでの修行で嫌という程理解させられたからな。
そんな応戦を繰り返していると、
バキィイ!!
と、今までとは違う音が鳴る。
「《ち、折れたか》」
俺とディミオスの声が重なる。
そう、何度もぶつけ合ったからか、俺とディミオスの持つ模造剣は同時に折れてしまった。
俺とディミオスは、取り敢えず破片を集めてから、ステージ上に座る。
そして、俺は身に着けていた重りを外す。
と、ここで体育館にいるすべての人間が俺とディミオスの事を見ているのに気付いた。
「...バスケしないんですか?」
俺はそう呟く。
この時間は、バスケの時間だったはずだ。
それなのに、俺とディミオスの切り合い訓練を見てて良いのか?
俺がそんな事を思っていると、
「織斑...ステージでそんな事をして、集中できるとでも思っているのか?」
織斑先生がそう言ってきた。
そんな事ってなんだ?
「ただの訓練じゃないですか」
「いや、一夏。あれは訓練ではない。ただの戦闘だ」
ラウラがそう言うと、体育館にいる人間全員が頷く。
「えー、戦闘だったらもっと激しいよな、ディミオス」
《ああ、戦闘だったら我はSDではないし、そもそも得物は模造剣ではない》
「それに、わざわざ場外負けのルールも作らないよなぁ」
いやぁ、ダークネスドラゴンWで何回死を覚悟したことか...
ん、おいおい、ラウラ。
なんでそんな軽く引いたような表情になる。
セシリア?シャルロット?簪?織斑先生?
それに清香たちまで...
泣くぞ。
俺がそんな事を思っていると、
「おい一夏!ふざけているのか!」
篠ノ之がそう叫びながら近づいてきた。
ふざけてるのはお前だろ。
今授業中だぞ。
「何だ篠ノ之。俺は別にふざけていない」
本当は反応すると逆効果かもしれないが、反応しなかったら反応しなかったでこのアホは暴れるので、反応しない訳にはいかない。
周りを見ると、織斑先生は思いっ切りため息をつき、セシリア達は嫌そうな表情になる。
ただ、シャルロットだけはあまり篠ノ之と関わってこなかったので良く分かってなさそうだ。
これは、後でキチンと篠ノ之とは関わるなと言っておかないといけないな。
「何故篠ノ之流剣道を使わん!そんな邪道な剣は捨てて、剣道をしろ!」
あ?
今コイツはなんつった?
邪道な剣...だと.....
「ふざけるのもいい加減にしろ篠ノ之ぉ!!お前に、何が分かるってんだよぉ!!!」
この戦い方は、ディミオス達煉獄騎士団が、長い年月を掛けて作って来たものだ。
確かに、煉獄騎士団は一度道を踏み外している。
そうだったとしても、今はこうやって自分たちの罪と向き合い、償いをしている。
そんな誇りを、邪道だと...?
少なくとも、篠ノ之が言っていいことでは無い!
「一夏!お前、幼馴染に何て口をきくんだ!」
「何度も言ってるだろ!俺とお前は幼馴染では無い!」
俺はそう言いながら、ステージから降りる。
篠ノ之はプルプルと腕を振るわせて、
「一夏ァァァァ!!」
と叫びながら突っ込んで来た。
正直、このまま殴ってやりたいが、そんな事はしない。
俺は篠ノ之の腕と胸元を掴むと、そのまま地面に叩き付ける。
背骨の1、2本折ってもいい気がするが、会社に迷惑が掛かるので、気絶にとどめておく。
「.....織斑先生、どうしますか?」
「.....生徒指導室に運んでおく。さて、諸君!時間も時間なので、少し早いが1時間目を終了する!2時間目に遅れないように!解散!」
織斑先生の指示に従い、皆体育館から出て行く。
俺も篠ノ之を織斑先生に渡し、更衣室に向かう。
ディミオスは何も言わずに俺に付いてくる。
こうして、気分を害したまま1時間目は、終了した。
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時間は進み、昼休み。
今現在俺は深夜を除く1年生の専用機持ち全員と食堂で昼食を食べていた。
「そ、そうなんだ...じゃあ、篠ノ之さんとはあまり関わらないようにするよ」
「そうした方が良いですわ」
シャルロットにも篠ノ之の問題児っぷりを話したから、これで大丈夫。
「それにしても、またやらかしたのね」
鈴はそう言いながらラーメンを啜る。
今この場にいる人物の中で唯一体育館にいなかったから、こんな感想になるんだろう。
「ああ、そうだ。もしかして、アイツの家系はそう言う人間が多いのか?」
ラウラは首を傾げながらそう言う。
おいおい、それは流石に失礼だぞ。
「いや、あのアホのご両親は立派な人だった。子供たちへの武道の教えをしていた人で、千冬姉の戦い方の基礎はそこで習ったものだ」
「織斑先生は...ていう事は、一夏の戦い方は違うの?」
俺がそう説明をすると、簪が首を傾げる。
「ああ、俺が色んな世界を旅している時に出会った人たちの教えを1つ1つ取り入れてるんだよ」
実際にファイトではそこまで活かせない事が多いが、確実にバディワールドでの修行は俺の為になっている。
「それに、忘れてるかもしれないが、あのアホのお姉さんは束さんだぞ」
「「「「「あ...」」」」」
フム、完全に忘れられているようだ。
「束さんは束さんでヤバい人だが、少なくともあのアホよりはましだ」
「篠ノ之博士って、ヤバい人なの?」
簪がそんな事を聞いてくる。
「ISを造って世界を混沌に陥れて失踪した人だぞ?尊敬できるところ(会社への貢献)もあるが、ヤバい事の方が多い」
俺がそう言うと、5人は少し納得したような表情になった。
うん、やっぱりこの説明だけでヤバい人判定できるくらいには、色々やらかしてる。
俺はそんな事を思いながら昼食を食べ終わる。
すると背後から
「お前が織斑一夏か?」
と声を掛けられる。
俺が振り返ると、そこにいたのは、
「ダリル・ケイシー先輩」
そう、ダリル先輩だった。
俺は直ぐに立ち上がり、身体ごとダリル先輩の方を向く。
「初めまして。社長のスコールからは話を聞いています。これからよろしくお願いします、ダリル先輩」
「おう、よろしくな。それと、私の事は普通にダリルで良いぜ。ダリルお姉ちゃんも可」
そう言うと、ダリル先輩はニシシと笑う。
うん、大分フランクリーな人だ。
それでいて、何か付いて行きたくなるような安心感がある。
千冬姉も安心感があるが、ダリル先輩みたいな性格の姉も欲しかった。
「じゃあ、よろしく願いします、
俺は笑いながらそう言い、右手を差し出す。
ダリル姉は、
「お、おう...」
そう言いながら俺の右手を握り、握手をする。
んあ?
心なしかさっきまでより顔が赤い。
なんで照れてんだ?
「あ、ダリル、ここにいたっスか?」
ここで、別の方向から新しい声を掛けられる。
その方向に振りむくと、そこにいたのは
「フォルテ・サファイア先輩」
2年生のフォルテ先輩だった。
発言から察するにダリル姉を探していたみたいだ。
「お、フォルテ。すまないな」
ダリル姉はそう言うと、フォルテ先輩に近付き、後ろから抱き着く。
「...お2人の関係性は?」
何となく気になったので聞いてみる事にした。
すると、2人は
「恋人だ」
「こ、恋人っスね...」
という。
「へー、ダリル姉同性愛者だったんですね。お2人とも、お幸せに」
2人の女性と同時に付き合っている俺としては、特に思う事は無い。
普通に、恋人同士は幸せになるべきだと思う。
「ダリル姉?」
フォルテ先輩が首を傾げる。
まぁ、それは当然か。
「ダリル姉が、『ダリルお姉ちゃんも可』との事だったので」
「な、なるほどっス」
この説明で、フォルテ先輩も納得したようだ。
「じゃあ、私もフォルテ姉でいいっスよ」
フォルテ先輩は、冗談半分と言わんばかりの表情でそう言ってくる。
まぁ、許可を貰ったなら、
「じゃあ、これからよろしくお願いします、
そう呼ぼうかな?
俺は笑いながらそう言う。
するとフォルテ姉は、少し顔を赤くしながら
「よ、よろしくっス...」
と言ってきた。
...何で照れるんだ?
すると、ダリル姉とフォルテ姉は、此方に背を向けてヒソヒソと話し出す。
「何だアイツ!カワイイ!」
「ほ、本当に弟みたいっス...」
...男にかわいいとか使うもんじゃ無くないか?
まぁ、何はともあれ、
「お2人とも、俺の事は一夏で良いので。これからよろしくお願いします」
もう一度、俺はそう言うと、
「「ああ、よろしくな(よろしくっス)。一夏」」
と言ってきた。
こうして、俺は今日で姉(的な人)が2人増えた。
妹的立ち位置は増えていくのに、姉は増えていかなかったので、普通に嬉しい。
これからも、賑やかになりそうだなぁ...
ダリルとフォルテが、何時の間にやら一夏のお姉ちゃん(的立ち位置)になってた。
なんで?
まぁ、いいか。
次回もいつになるか分かりませんが、楽しみにしていてください!
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