無限の成層圏と煉獄騎士   作:ZZZ777

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ひっさびさの千冬視点。
そして久々にサブタイにチカラの文字が。

今回もお楽しみください!


煉獄のチカラは消え去らない

千冬side

 

 

「お、織斑君の煉獄騎士の反応消失(シグナルロスト)...生体反応(バイタルサイン)も確認できません...」

 

 

は...?

私は、その報告を、直ぐに理解できなかった。

 

 

ハワイ沖で実験していた軍用IS、銀の福音が暴走。

それを、何故か私達IS学園が対処することになった。

当然私は反対した。

生徒の安全を脅かすようなことを、教師である私がすんなりと許容出来る訳がない。

だが、日本政府の馬鹿どもや、アメリカ政府にイスラエル政府、更には国際IS委員会と4か所から言われたら従うしかない。

 

 

そうして、作戦会議をした結果、まだ専用機持ちになって日が浅い織斑妹を除き、全専用機持ちが銀の福音を止めるために出撃した。

指揮権は、作戦の立案者でもある織斑兄に託した。

織斑兄達が出撃した際、教員たちは海上を封鎖した。

作戦指令室には、私と織斑妹と山田先生だけが残って、監視用空中ドローンで戦闘の様子を確認していた。

織斑兄達には伝えていないが、実は密漁船が戦闘海域に侵入しようとしたというアクシデントもあったが、何とか引き返させることに成功した。

そうして、織斑兄達は銀の福音を海に落とすことには成功した。

だが、その後銀の福音は海から空中に上がり、その姿を大きく変えた。

そのおどろおどろしい姿に、山田先生は小さく悲鳴を漏らしていた。

姿を変えた銀の福音は、圧倒的なパワーで一気に戦況を変えた。

織斑兄以外の専用機持ち達も動きが鈍る中、その事件は起こった。

橘の接近用ブレードが、織斑兄の事を貫いたのだ。

 

 

「お兄ちゃぁああん!!」

 

 

その瞬間に、織斑妹が悲鳴を上げる。

そして、山田先生が呆然と報告をした。

私も、一瞬何も考えられなくなる。

だって、織斑兄が、一夏が.....

 

 

だけれども、この緊急時でそんな事をしている余裕はない。

 

 

「マドカ...束を連れてこい」

 

 

「.....分かった」

 

 

マドカも、覇気がない声でそう返事をし、作戦指令室から束を呼びに出て行った。

っ!駄目だ。

弱気になるな。

今は悲しんでる場合じゃない。

今は勤務中で、緊急時だ。

私はそう自分に言い聞かせながら、ドローンからの映像を確認する。

映像では、ボーデヴィッヒ達が橘を拘束しながら慌てて旅館に向かって来ている。

そして、ディミオスソードが単身銀の福音に向かっていく。

ディミオスソードはそのまま破壊されてしまったが、何とか銀の福音をその場にとどめる事には成功した。

それを確認した私は、全教員に向かって指示を出す。

 

 

「織斑兄が橘のフレンドリーファイアで墜ちた。今現在橘を拘束しながら専用機持ちが旅館に戻ってきている。教員は先に旅館に戻り、専用機持ちから橘の拘束を引き継いでくれ。橘はいったん倉庫にぶち込んでおけ。銀の福音は、ディミオスソードの活躍で動きを止めている」

 

 

私がそう指示を出すと、通信先からは驚いたような声が聞こえた後、

 

 

『了解...』

 

 

その様な声が次々と聞こえてくる。

やはり、教員たちにとってもいち...織斑兄が墜ちたことは衝撃的なようだ。

 

 

「山田先生、私もいったん浜辺に出ます」

 

 

「はい、分かりました」

 

 

私は山田先生とそんな会話をした後、浜辺に出る。

すると、海上封鎖をしていた教員続々と戻ってくる。

 

 

「織斑先生...」

 

 

「榊原先生、取り敢えずISを解除して、橘を拘束する準備を...」

 

 

「はい」

 

 

私の指示に従って、榊原先生はISを解除して、先程篠ノ之を拘束する際に使用した手錠等の予備を持ってくる。

そうして、教員たちが揃ったタイミングで、専用機持ちを確認した。

橘は俯いていて表情が良く分からないが、橘以外の専用機持ちはやはり全員顔色が優れていない。

私は、橘を見た時沸々と怒りが湧いて出てくる。

だが、あの混戦状態では橘のフレンドリーファイアーが故意か故意ではないかの判断が出来なかったし、教師が生徒を殴るだなんてことは出来ない。

私は右手を思いっ切り握りしめながら、

 

 

「橘...お前を拘束する。全員ISを解除しろ」

 

 

そう指示を出す。

すると、専用機持ちはいったん橘に装備を突き付ける。

橘は、織斑兄を刺してしまったショックか、ただ単純に装備を突き付けられたからか、特に抵抗を見せず教師に拘束された。

そうして、教師に連れて行かれる橘を見ながら、専用機持ちは専用機を解除する。

だが顔色は一向に良くならない。

 

 

「...取り敢えず、作戦指令室に戻れ」

 

 

私はそう言うと身体の向きを変え、作戦指令室に向かって歩き出す。

 

 

「「「「「はい...」」」」」

 

 

専用機持ち達も、覇気がない声で返事をしながら私の後を付いてくる。

私が何か声を掛けれると良いんだが、私も無理矢理落ち着かせてるだけだから、如何声を掛けていいのか分からない。

そんな重い空気の中、私達は作戦指令室に戻る。

作戦指令室には、もう既に橘と篠ノ之を拘束している教師以外の教師全員と織斑妹、そして束が揃っていた。

束も、何時ものやかましい雰囲気は無くなり、何とも真剣な表情になっている。

恰好はウサミミエプロンドレスなので、違和感が凄い。

 

 

「さて、銀の福音が何時までもあのように止まっている訳がない。今から作戦会議をする」

 

 

私はそう言うも、やはり専用機持ちの反応が無い。

 

 

「織斑妹、デュノア、凰、オルコット、ボーデヴィッヒ、更識。ショックを受けているのは分かるが、織斑兄とディミオスソードが何とか稼いでくれた時間だ、無駄には出来ない」

 

 

「「「「「「っ!はい」」」」」」

 

 

私の声掛けで、

専用機持ちは何とか顔を上げ、表情を暗いものからやるべき事をする決意の表情へと変える。

良し、これなら何とかいけそうだ。

 

 

「束、お前もどうせ見ていただろう?あの銀の福音の姿の変わり方はただの二次移行なのか?」

 

 

私がそう言うと、作戦指令室にいる全ての人間の視線が束に集まる。

束はその視線を気にせず、

 

 

「いや、あれは違うかな。そもそも、あのISはまだ試験段階だったんでしょ?なら、絶対に二次移行はしないね。恐らくだけど、私の可愛い可愛いISに何かが仕込まれたね」

 

 

と、私の質問に答える。

その答えを聞いて、私達全員が頭を抱える。

ただでさえ暴走した軍用ISという強敵なのに、何かIS以外のものが使われているとなると、何処まで、どんなことが出来るのか分からない。

だが、ここで銀の福音を抑えれないと日本本土が壊滅してしまう。

正直に言うと、日本政府がどうなろうと知ったことでは無いが、無関係の人間を巻き込むことなど出来ない。

だから、私達がやらないといけないんだ。

 

 

「...束、織斑妹。専用機である銃騎士は使えるのか?」

 

 

「銃騎士は遠距離系のISだから、接近しなくていいから戦いやすいし、『ガレッド・シューター』を使えばある程度は戦えると思うけど...」

 

 

「やっぱり、あの銀の福音に有効かどうか分からない」

 

 

く、やはりか...

さっきまでの状況と違い過ぎるから、作戦が建てずらい...

そもそも、さっきまでの作戦は織斑兄が単独で考えたものだ。

普通、あそこまで簡単に作戦は思いつかない。

時間が無いから急がないといけないのに、急ぐほど焦って作戦が思いつかない...

と、ここで

 

 

『GYAAAAAA!!』

 

 

と、言った叫び声ともとれる音が作戦指令室に響く。

私達は一斉に監視用ドローンからの映像が写っているディスプレイを見る。

そるとそこには、エネルギー球体を霧散させた、銀の福音がそこにいた。

 

 

『GAAAAAAAAAA!!』

 

 

銀の福音は、再びそう叫ぶようなアクションをした後、日本に向かって移動を開始した。

それを見て、私達は一斉に焦り始める。

 

 

「く、取り敢えず出撃する!あの銀の福音に攻撃が通る可能性がある織斑妹を主軸とする!専用機持ちは直ぐに準備を...!」

 

 

私が急いで指示を出そうとした時、

 

 

バシャアア!!

 

 

そんな音が、作戦指令室に響く。

私達は再びディスプレイを見る。

そこには...

 

 

ヘッドパーツが外れてしまったんだろう。

長くなった髪を風になびかせ、両目を黄金に光らせた一夏がいた。

 

 

「お、お兄ちゃん...」

 

 

マドカが、そんな声を漏らす。

一夏が出て来た個所は銀の福音の前。

 

 

『GAAAAAAAAA!!』

 

 

銀の福音は、一夏に向かってそんな叫びをあげる。

 

 

「ゴー・トゥー・ワーク.....!」

 

 

一夏は、銀の福音を見据えながら、そう呟いた.....

 

 

----------------------------------------------------------------------------------------------------

 

 

一夏side

 

 

視界にあるのは、黒。

なんの歪みも無く、ただただ何処までも沈みそうな黒が、俺の目の前に広がっていた。

 

 

「う、あ...ここは.....?」

 

 

俺はそんな声を漏らしながら、身体を起こす。

今まで俺が寝転がっていた床も、見渡す限りの空間も、全てが黒。

俺は深夜に刺されて、海に落ちたはず...

なんで生きてて、こんな真っ黒なところにいるんだ...?

いや、待て。

ここは、1度何処かで...

 

 

「ディミオスと初めて会った時の、俺の精神空間...?」

 

 

そうだ。

俺はここで初めてディミオスと会話したんだ。

でも、なんで今ここに?

俺がそんな事を考えた時、

 

 

「ぐぅ....えぁ....?」

 

 

全身に違和感を感じた。

思わず、その場に膝をついてしまう。

 

 

「何だ、この、身体から、何かが、湧き出て、くるような、感覚は...?」

 

 

俺は身体にかかる違和感を拭いきれず、そのまま前に倒れる。

そうして、地面に顔面からぶつかっていく。

 

 

ボスッ!

 

 

....ボス?

それに、顔面から倒れた割にはそこまで痛くないな。

俺はそう思いながら、再び身体を起こす。

するとそこは、

 

 

「浜辺...って事は、白式と白騎士がいるところ...」

 

 

そう、ここは今まで何回か来たことがある浜辺だ。

相変わらず、白い砂浜と青い海と空のコントラストが綺麗。

俺がそんな呑気な事を考えていると背後から、

 

 

「「マスター!!」」

 

 

と、声を掛けられる。

俺が振り返ると、そこには当然ながら白式と白騎士がいた。

 

 

「「無事でよがっだぁああああ!!」」

 

 

2人は半分泣きながら俺の方に突っ込んで来る。

 

 

「え、ちょ、ま!!」

 

 

俺は2人を止めるも、そのまま2人は俺に抱き着いて来た。

その衝撃で俺は仰向けに倒れる。

 

 

「よがっだぁ、よがっだよぉ...」

 

 

「マズダーが、死んでじまうがどぉ...」

 

 

フム、如何やらかなり心配を掛けてさせてしまったようだ。

まぁ、取り敢えず。

 

 

「離れてくれ...苦しい...」

 

 

俺は2人にそうお願いする。

すると、2人ともすんなりと離れてくれる。

そして俺は上体を起こす。

あー、苦しかった。

 

 

「...俺は、深夜に刺されて海に落ちたはず。何で、まだ生きてるんだ?」

 

 

俺は、さっきまで俺の精神空間だと思われる空間で感じていた疑問を2人に尋ねる。

すると、2人は涙を拭ってから説明してくれる。

 

 

「確かに、マスターは橘深夜に刺されて、多量出血に内臓も傷ついていて、かなりの重体だったよ」

 

 

「ですが、私達が何とか治療することに成功しました」

 

 

フーン...

ん?

 

 

「え、そんな事出来たの!?」

 

 

知らなかったんだが!?

 

 

「はい。全てのISで私しか持っていない操縦者の生体再生能力で、マスターの身体を治療しました」

 

 

全ISで白騎士だけ...

流石は、伝説のIS...

 

 

「っていうか、煉獄騎士はISじゃないのによくそんなことが出来たな」

 

 

俺がその疑問を口にすると、白式が説明してくれる。

 

 

「うん。マスターの煉獄騎士は、ディミオス達が魔力で造ったものだからね!そこからエネルギーを使ったよ!」

 

 

「そうか...ディミオス達に感謝だな」

 

 

そもそも、このダークコアデッキケースが臥炎財閥制だったら、白式と白騎士は宿ってないか...

そう考えると、ますますディミオス達に感謝しないといけなくなってくる。

俺がそんな事を考えていると、

 

 

「マスター、そのカードは何ですか?」

 

 

と白騎士が聞いてきた。

俺はそれを聞いて首をひねる。

今、俺はカードだなんて持って無いはず...

そう思いながら手元を見ると、何故か右手にバディファイトのカードを横向きに持っていた。

 

 

「っ!これは...」

 

 

横向きという事は、必殺技か必殺モンスターのカードか...?

俺はそう思いながら、カードの表面を確認する。

 

 

「今まで見たことが無いカード...でも、これなら...!!」

 

 

そう、声が漏れる。

銀の福音が今どんな状況かは分からない。

でも、まだ戦っているのだとしたら、このカードは確実に有効だ。

.....まぁ、()()()()()()()だがな。

俺はそう思いながら、白式と白騎士の事を見つめながら

 

 

「白式、白騎士。行こう」

 

 

そう言う。

すると2人は、

 

 

「「はい、マスター!」」

 

 

そう元気よく返事をする。

その瞬間に、視界が光に包まれた。

 

 

----------------------------------------------------------------------------------------------------

 

 

ガッツリ海の中だな。

俺が目を開けて思った事はそれだった。

まだ辛うじて太陽の光は届く深さで助かった。

これが無かったら、何処に行けばいいのかも分からないからな!

 

 

「バディスキル、インフェルノサークル」

 

 

俺がそう呟くと、両足に円盤が出現する。

まぁ、海中なのでゴポゴポ泡が出ただけだけどな。

そして、俺はいったん両目を閉じた後、開く。

これで俺の両目は黄金に輝いているだろう。

俺は、そのまま水圧を考えながらゆっくりと上がっていく。

そして、もう水圧をもうあまり受けない水深に来てから、勢いよく海中から飛び出す。

 

 

バシャアア!!

 

 

先ず感じたのは、長髪が風になびいている感触。

さっきまで頭部もちゃんとあったんだが、如何やら海中から飛び出した際取れてしまったようだ。

そうして目の前には、竜の頭を携えた銀の福音。

 

 

『GAAAAAAAAA!!』

 

 

銀の福音は、叫ぶようにそんな音声を発する。

今見ると、何処となく苦しそうにもがいているようにも見える。

俺はそのまま銀の福音を見据えながら

 

 

「ゴー・トゥー・ワーク.....!」

 

 

ゴー・トゥー・ワーク(いつもの)を呟く。

だが、俺の今のライフは、0...

この先に行動できるかどうかは、ここの賭けだ...!

 

 

「設置魔法、その身を砕き、我を支えよの効果!自分のライフが0の時!このカードをドロップゾーンに置き、デッキの1番上のカードをドロップゾーンに置く!そのカードが魔法だったら、もう1つの効果が発動する!」

 

 

この煉獄騎士の戦闘モードは、通常のファイトと同様、手札とゲージを使う。

だが、この手札はただの行動可能数(使えるカード枚数)を表すもので、本来の手札と違う。

そして、使用したカードが送られるゾーンがドロップゾーンである。

デッキから直接ドロップゾーンに送られるカードは、ランダムでデッキに入っているカードの内どれかになる。

俺は、左腕の紫の眼を銀の福音に見せて、そのまま左手を振り抜く。

すると、紫の眼からカードが1枚飛び出て、俺の前にやってくる。

そうして、俺はそのカードを確認する。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「魔法カード、ドラゴンシールド 黒竜の盾!よって、効果を発動!」

 

 

その瞬間に、黒竜の盾とその身を砕き、我を支えよが破壊され、辺りにエネルギーが漂う。

 

 

「ライフ2で復活する!!」

 

 

そして、そのエネルギーが吸収され、俺のライフは2に戻る。

 

 

『GYAAAAAA!?』

 

 

銀の福音は、目の前で起こったことに驚いているようだ。

俺はそれを確認して、宣言する。

 

 

「俺のターン!!」

 

 

さぁ、まだ終わらないぞ!!

 




私はアニメでの牙王君とタスク先輩のパニッシャー対決の後、何方も設置魔法で生き残るシーンが大好きです。
必殺技とは?
まぁ、必殺コールを1ターンに何回も出来るようにするするゼータとかいうやつもいるし、いいか。

次回もいつになるか分かりませんが、楽しみにしていてください!

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