無限の成層圏と煉獄騎士   作:ZZZ777

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夏休み!
漸く!
ヒロインと会える!

今回もお楽しみください!


夏休み
黒兎たちとの再会


一夏side

 

 

無事に夏休みに突入して、今日で4日目。

俺は今現在私服で空港にいた。

 

 

専用機持ちはみんな夏休み初日か2日目に自分の国に帰って行った。

今日本に残っている専用機持ちは、日本の代表候補生である簪と、本社が日本にある『PurgatoryKnights』所属の俺とマドカだけだ。

同じく『PurgatoryKnights』所属のシャルだが、シャルはフランス代表候補生と兼任してるし、家族もフランスにいるのでフランスに帰っている。

 

 

そうして、俺が空港にいる理由。

それは簡単。

今からドイツに向かうからだ。

俺は夏休みに入ってから仕事まみれだったが、結構頑張り何とかスケジュールを開ける事に成功した。

まぁ、ドイツ、並びにイギリスに行った後は更に忙しくなりそうだけど...

 

 

「さて、そろそろ出発ロビーに行こうかな」

 

 

俺はそう呟くと、置いてあったデカい旅行鞄を持ち、リュックを背負って自動チェックイン機に向かう。

そうして、チェックインを終わらせて預け荷物の手続きをする。

その後、保安検査場でのセキュリティチェックや税関審査、出国審査を受けた後、搭乗口に向かう。

 

 

「かなりスムーズだったな」

 

 

搭乗口前のベンチに座りながらそう呟く。

そう、周りの人たちが手続きに20分近くかかっているのに、俺は10分もかからずに全ての手続きが終了した。

 

 

[まぁ、マスターのパスポートは特別製だからね]

 

 

そんな事を考えていたら、白式がそんな事を言ってくる。

そう、俺は今現在無国籍なので第2回モンド・グロッソの際に取得した日本のパスポートが使えないのだ。

その事を社長に相談すると、何と国連と国際IS委員会をも巻き込んでの会議にまで発展したらしい。

その結果、俺は世界で恐らく唯一であろう国連発行のパスポートを所有している。

深夜がパスポート申請をするなら同じく国連発行のパスポートになるんだろうけど、今深夜は謹慎中なので今すぐにパスポートを申請する事は無いだろう。

 

 

(国連発行という信頼性が1番あるパスポートだから、手続きが早かったのかな?)

 

 

[そうだと思いますよ。何しろ世界で1番大きくて、世界のトップの組織ですからね]

 

 

俺が考えていたことに白騎士が肯定する。

そのまま、軽く白式と白騎士の2人と会話していると、搭乗アナウンスが流れる。

俺はその指示に従って搭乗手続きをして自分の座席に向かう。

今回の飛行機、俺の座席はビジネスクラスだ。

8月になったら夏のボーナスも入るし、今の段階でもお金に余裕はあるし、普段から学業と並行して仕事してるのだ。

飛行機の座席くらい豪華で良いだろう。

 

 

「ここだな」

 

 

自分の席に着いた俺は、リュックからPCを取り出し、リュックを仕舞う。

ファーストクラスだったらここまでやってくれるんだろうけど。

そんな事を考えながら座席に座る。

そして、そのままPCを起動させる。

 

 

「さぁ、ギリギリまで頑張りますか...」

 

 

[[マスター、頑張って!!]]

 

 

白式と白騎士の応援を聞きながら、俺は仕事を開始するのだった...

 

 

----------------------------------------------------------------------------------------------------

 

 

飛行機に乗り込んでから約12時間後。

悪天候などの問題もなく、俺は無事にドイツに着いた。

日本とドイツの時差は8時間。

俺が日本を出発したのは12:00なので、現在時刻は16:00。

12時間というフライト時間だが、ビジネスクラスの良い座席のお陰で体に痛みは無い。

だが、12時間中10時間仕事してたので普通に疲れた。

 

 

「仕事が最近やけに多いな...お盆前だという事を考慮しても多いな...」

 

 

俺はそんな事を呟きながら預けておいた旅行鞄を受け取ると、そのまま到着ゲートから出る。

ゲートを出た先では飛行機から出てくる人を待つ人が集まっていた。

ビジネスクラスはエコノミーよりも前に出て来るので、結構な人数がいる。

 

 

「お、いたいた」

 

 

そんな中でも、俺は目的の人物2人を直ぐに見つけた。

理由は簡単。

シュヴァルツェ・ハーゼの制服に眼帯という分かりやすすぎる特徴だからだ。

 

 

「ラウラ!クラリッサさん!」

 

 

俺がそう言うと、2人とも俺に気付いたようだ。

俺に顔を向けて手を振ってくれる。

ああ...そんなクラリッサも可愛い!

だけれども、クラリッサの表情は何処か不満気だった。

まぁ、俺が呼び捨てしなかったからだろう。

でもラウラも近くにいるし許して欲しい。

その不満気な表情もいいなぁ...

 

 

「一夏、ようこそドイツへ」

 

 

俺が2人に近付くと、ラウラがそんな事を言ってくる。

 

 

「ああ、本当に久しぶりだな」

 

 

俺もそんな事を返す。

だが、睡眠時間2時間未満の為、少しふら付いてしまう。

 

 

「一夏、大丈夫か?」

 

 

そんな俺の状態を見てか、クラリッサが心配そうに声を掛けてくれる。

良い恋人だ。

 

 

「ああ...10時間仕事してたから疲れたんだよ」

 

 

俺がクラリッサの問いにそう返すと、

 

 

「そ、そうか」

 

 

と、少し引きながらそう言ってくれる。

俺はそれに苦笑いする。

するとラウラが、

 

 

「では、そろそろ行こうか?」

 

 

と言ってくる。

俺とクラリッサは頷くと、俺は2人に誘導される形で空港内を歩いて駐車場に向かう。

そうして、駐車場に停まっている側面にウサギのマークが付いた黒い車の前まで来た。

 

 

「これってシュヴァルツェ・ハーゼの部隊用の車だよな?」

 

 

俺がそう質問すると、2人は頷く。

 

 

「俺が乗って良いのか?」

 

 

「ああ、問題ないぞ。もう既に基地内に入る許可は取ってあるからな。基地内に入るには軍所属である身分証の掲示か、関係車両に乗っている必要があるんだ」

 

 

「つまり、入る許可があるって事は、乗る許可も同時に出るって事か」

 

 

「その通り」

 

 

なるほど、ラウラとの会話で理解した。

俺は取り敢えず2人に手伝ってもらいながら荷物をトランクに積み込む。

そして、クラリッサが運転席に、ラウラが後部座席に乗り込む。

 

 

「一夏は助手席に乗ってくれ」

 

 

クラリッサにそう言われたので、俺は助手席に乗る。

クラリッサの隣だ...嬉しい。

 

 

「っていうか、クラリッサ免許もってたんだな」

 

 

「ああ、運転出来て損な事は無いからな」

 

 

「確かに」

 

 

そう短く会話した後、クラリッサは運転を始める。

俺は窓の外の景色を見る...という事は無く、ジッとクラリッサの横顔を眺めていた。

車の運転に集中しているクラリッサの表情は真剣なもので、かっこよくて美人だ。

そうして、ラウラにバレないようにクラリッサの顔を見続け、やがてシュヴァルツェ・ハーゼの基地に着いた。

正直に言おう、時差ボケと仕事疲れで眠気がピークだ。

寝ておけば良かったか...?

だが、クラリッサの横顔を眺めるという至福の時間を失う訳にはいかなかったのだ。

 

 

「.....眠い」

 

 

俺はそう呟きながら車から降り、リュックを背負う。

 

 

《一夏、鞄は我が持つぞ》

 

 

「ディミオス...ありがとう」

 

 

旅行鞄を持とうとした時、胸ポケットからディミオスがSDで出て来て鞄を持ってくれる。

 

 

《久しぶりだな、クラリッサ・ハルフォーフ》

 

 

「ああ、久しぶりだな、ディミオスソード」

 

 

すると、ディミオスはクラリッサにそう言う。

前に俺がクラリッサとチェルシーに会ったときは、ディミオスはダークネスドラゴンWに戻っていたから本当に久しぶりだろう。

 

 

《それと、おめでとうと言っておこう》

 

 

すると、ラウラに聞こえないようにディミオスがそう言う。

それを言われたクラリッサは一気に顔を赤くする。

急に顔を赤くしたクラリッサにラウラは首を捻りながらも、

 

 

「では、基地内に入ろう」

 

 

そう言いながら基地に向かって歩き出す。

そんなラウラに続いて俺とクラリッサとディミオスも基地に向かっていく。

そうして、俺はふらつきながら歩いて行き、基地の中に入る。

.....懐かしい。

もうちょっと元気だったら良かったんだが...

俺がそんな事を思っていると、

 

 

「一夏、この内履きを使ってくれ」

 

 

クラリッサが大きめサイズの内履きを差し出してくれる。

俺は外履きからその内履きに履き替える。

うん、サイズもピッタリ。

すると、ラウラとクラリッサは歩き始める。

俺とディミオスが慌ててその後を追う。

だが、俺の歩き方がフラフラの為、どうしても遅れてしまう。

 

 

「おーい...待ってくれ...」

 

 

俺がそう言うと、2人はいったん立ち止まる。

そうして、直ぐにクラリッサはこっちに戻ってきてくれた。

 

 

「一夏、すまない」

 

 

「大丈夫ですよ、クラリッサさん」

 

 

...やっぱり、これだと他人行儀だな。

恋人だしやっぱり普通に喋りたいな。

ラウラも俺に合わせてゆっくりと歩いてくれる。

そして、歩いていると食堂の前に着く。

 

 

「食堂...?」

 

 

俺がそう言葉を漏らすと同時、ラウラとクラリッサが扉を開ける。

そして、

 

 

『一夏、久しぶり!!』

 

 

食堂の中にいた隊員たちが、一斉にそう言ってくれる。

 

 

「あ、ああ。久しぶり...」

 

 

本当だったら俺も元気よく返した方が良いんだが...

今の俺にそんな気力は残ってない。

 

 

「ん?一夏、如何したの?」

 

 

「飛行機で10時間仕事したうえでの時差ボケで眠気がピークだ」

 

 

そんな俺に隊員の誰かがそう聞いてきたので、俺は簡潔にそう返す。

ヤバい、誰が誰かがパッと分からないくらいには眠い。

 

 

「だから、集まって貰って悪いけど、取り敢えず明日で...」

 

 

俺が目頭を押さえながらそう言うと、俺が限りなく眠い事が伝わったようだ。

全員分かったと言ってくれる。

 

 

「では一夏。部屋まで案内しようか?」

 

 

「クラリッサさん...お願いします」

 

 

すると、クラリッサが部屋まで案内してくれるというので、俺とディミオスは再会の雰囲気をぶち壊して部屋に向かう。

その際の少し気まずい感じは今の俺でも感じ取れる。

だが対応は出来ない。

そうして、暫く歩いて俺が宿泊する部屋に着いた。

 

 

「前の俺の部屋じゃねえか」

 

 

そう、その部屋は前に俺がお世話になっていた時に使っていた部屋だ。

 

 

《一夏、我は先に荷物を入れておく》

 

 

ディミオスはそう言うと、俺が背負っていたリュック事荷物を部屋に入れてくれる。

そうして、ここには俺とクラリッサが2人きり。

 

 

「クラリッサ...会いたかった!」

 

 

「一夏、私もだ!!」

 

 

そうして、俺とクラリッサはそう言い合うと、同時に抱きしめ合う。

ああ、あったかい...

本当に、会いたかった...

 

 

「クラリッサ」

 

 

「ん?一夏、如何し」

 

 

クラリッサの言葉は、そこで途切れる。

何故なら、俺が唇で唇を塞いだから。

クラリッサの顔も、俺の顔も赤くなる。

 

 

「じゃあ、クラリッサ。おやすみ。晩御飯はいらないから」

 

 

機内食を変なタイミングで食ったから腹は減ってない。

最悪腹減ったら持ってきたブロックタイプの栄養調整食品を食べればいい。

顔を赤くしたままのクラリッサは

 

 

「あ、ああ。おやすみ...」

 

 

そう返してくれる。

俺はそのまま部屋に入って、ディミオスがそこら辺に荷物を置いている中、内履きを脱いでベッドにダイブするのだった...

 

 

----------------------------------------------------------------------------------------------------

 

 

クラリッサside

 

 

一夏がシュヴァルツェ・ハーゼ基地にやって来た翌日。

結局昨日、一夏はその後部屋から出ることなくずっと寝ていたらしい。

前々から電話越しで忙しいという事は聞いていたが、あそこまで疲れるほど忙しいのだろうか...

心配だ。

もし一夏が倒れたりしたら、私は、私は...

想像するだけで不安になって来た。

早く一夏の顔を見たい。

 

 

そんな私だが、今食堂にいる。

現在時刻は6時20分。

これから朝食という時刻だ。

そして、食堂にはシュヴァルツェ・ハーゼの隊員が全員集合していた。

昨日は再会もそこそこに一夏がダウンしてしまったので、今日は朝からという訳だ。

 

 

「一夏はもう起きているのだろうか?」

 

 

「はい、さっき男性用シャワールームに人がいたので起きてると思いますよ」

 

 

隊長と隊員の1人、ネーナがそんな会話をする。

シュヴァルツェ・ハーゼの隊員は全員女性だが、今回の一夏のように本当に偶にだが男性が宿泊することもある。

その為物凄く狭いが男性用のシャワールームも存在しているのだ。

そして、今この基地にいる男性は一夏しかいない。

男性用シャワールームに誰かいたという事は、一夏がいたという事だろう。

良かった...

疲れすぎてそのまま体調崩すだなんてことが無くて本当に良かった。

私達がそんな会話をしていると、食堂の外から足音が聞こえてくる。

一斉に扉に視線を向けると、そのまま扉が開く。

そこにいたのは、一夏とディミオスソードなのだが...

 

 

一夏は、男性用のシュヴァルツェ・ハーゼの制服を着用していた。

流石に眼帯はしていなかったけど。

私達がその事に驚いていると、一夏は

 

 

「昨日はごめんね。久しぶり!」

 

 

そう言いながら笑顔になる。

それを見た隊員たちは

 

 

『うん、久しぶり!』

 

 

笑顔でそう返しながら一夏に寄っていく。

それにつられて、私と隊長も一夏に近付く。

こうやって見ると、私の恋人は人気があるんだな...

 

 

「一夏、如何して制服なんだ?」

 

 

取り敢えず、私はその事を一夏に尋ねる。

 

 

「折角貰ったんですし、ここで着ないと着る機会が無くなりそうだったからですね」

 

 

すると、一夏はそう返してくれる。

だが、人前という事で一夏は敬語だ。

.....やっぱり呼び捨てが良いな.....

 

 

「それにしても、これがデカすぎなんだよ。今年になって漸く着れたんだぞ?」

 

 

「丁度良かったじゃないか」

 

 

「それはそうなんだがな...」

 

 

一夏と隊長はそのように会話する。

そこから、一夏は隊員たちと共に談笑をする。

 

 

《フム、元気が戻って良かった》

 

 

ディミオスソードが此方に移動しながらそう言ってくる。

 

 

「一夏はそんなに忙しいのか?」

 

 

《ああ。最近は特にな。お前やチェルシー・ブランケットに会う時には絶対に日程を開けると言っていたぞ。昨日は、ギリギリ間に合って無かったがな》

 

 

私がディミオスソードに一夏の事を聞くと、ディミオスソードはそう返してくる。

 

 

《それ程、恋人の事が大切という事だ》

 

 

すると、唐突にディミオスソードがそう言ってくる。

思わずにやけてしまう。

そうか、一夏はそんなにも私の事を思ってくれてるのか...

 

 

「そろそろ飯食べていいか?」

 

 

すると、一夏がそんな事を言ったので、朝食を食べる事にした。

勿論私は一夏の隣の席を確保した。

そうして、私は朝食を食べながら一夏の横顔を眺める。

うん、カッコいい.....

私がそんな事を思っていると、

 

 

「ごちそうさまでした」

 

 

一夏はもう食べ終わっていた。

は、早い...

男子は、食べるのが早いのか?

すると、一夏は手を机の下に入れると、私の膝に手を置いてきた。

 

 

「っ!」

 

 

私が一夏の顔をもう一度見ると、一夏は視線を逸らす。

 

 

「.....」

 

 

私も少し恥ずかしさを感じて、朝食を食べるのを再開する。

一夏の手が膝に置いてある。

それだけなのに、物凄く幸せに感じる。

一夏も何処か嬉しそうだった。

 

 

「「...♪」」

 

 

そんな幸せな時間を、私と一夏は過ごすのだった...

 




長く会えて無かったからか、一夏もクラリッサもデレデレ。
ただし、他人には見せない。

次回もいつになるか分かりませんが、楽しみにしていてください!

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