漸く一夏に平穏が...
今回もお楽しみください!
一夏side
前日のダウンから一晩で復活した俺は、そのままシュヴァルツェ・ハーゼの制服を着てそのまま食堂に向かった。
そして、昨日は碌に出来なかった会話を終わらせてクラリッサの隣でご飯を食べた。
そこそこ早く食べ終わったので、俺は机の下でクラリッサの膝の上に手を乗せた。
自分でやっといてなんだが、恥ずかしい。
だけれども、クラリッサと触れ合えて嬉しい。
そうして、朝食を食べ終わり、現在時刻は8:00。
今から基礎訓練だ。
俺も制服から動きやすいジャージに着替え、外のグラウンドにいた。
そして、俺は今クラリッサと共に準備運動をしている。
身長が1番近いという理由だけでクラリッサとペアになれた。
嬉しい。
「それでは!今から基礎訓練を始める!先ずはランニング20周だ!」
ラウラがそう指示を出したので、ラウラも含めて全員でグラウンドの外周を走る。
まぁ、グラウンド外周のランニングだなんて身体のアップみたいなものだし、軽くで良いだろう。
そう思っていたのだが、何故かクラリッサやラウラを含め、全員を4周くらい周回遅れにした。
「みんなが遅いのか、俺が速いのか...」
《後者に決まってるだろ。現役軍人で、IS部隊員が遅い訳がない》
「そうかなぁ...?」
これくらいは誰でも出来ると思ってたんだがな...
ディミオスと軽く会話していると、みんなが走り終えた。
みんな俺がゴールしたタイミングでペースを上げて、残り4周を更に速い速度で走っていた。
その為、全員息が切れ始めている。
「い、一夏...何故軍人である私達よりも、速いんだ...」
ラウラが呼吸を整えながらそう言ってくる。
「んー...鍛えてるからかな?」
「お前は何時も仕事してて、鍛えてる時間は無いように見えるが?」
「基本4:20から訓練はしてるし、可能な限りの訓練はしてるぞ?」
俺がそう言うと、その話を電話でしたことがあるクラリッサを除き若干引いている。
泣くぞ。
いや、まぁ、IS学園のみんなは基本7:00以降起きだし、確かにこの基地でも起床時間は6:00か...
「それで、次は?筋トレ?」
「あ、ああ。んん!それでは、各自ペアで筋力トレーニングを始める!」
俺がラウラに次のトレーニング内容を尋ねると、ラウラはそれを肯定し、そのまま指示を出す。
その指示に従い、全員がそのまま準備運動の時のペアに分かれる。
「良しクラリッサ、やろうか?」
「ああ。やろう」
周りに聞こえないくらいのボリュームで俺がクラリッサにそう言うと、クラリッサはそう返してくれる。
うん、やっぱり敬語よりもこっちの方が良いな。
そうして、そのまま全員筋トレを開始する。
そのまま全身の筋肉を良い感じにほぐしたところでペア同士での模擬戦をする事になった。
ここで、俺は1つの問題に直面してしまった。
クラリッサを投げたり出来ないという問題に。
万が一にでもクラリッサに、恋人に怪我をさせてみろ。
俺は間違いなく最低男の烙印を押される。
それだけじゃない。
最悪捨てられる。
そんな事になったら俺は耐えられない。
だからといって、訓練の手抜きを行う訳にもいかない。
怪我をする可能があるし、クラリッサにも失礼になる。
その為、俺が取った行動はスタミナ切れを狙った模擬戦だ。
口で言うは簡単だが、これはなかなか難しい。
そもそも俺のスタミナがクラリッサより無かったらこれは出来ないし、クラリッサから繰り出される攻撃を全て躱す必要がある。
「フ!ハ!」
クラリッサがそう言いながら攻撃を繰り出す。
だが、俺は身体を反らしたり、時にはそのまま受け止めたりと攻撃を喰らわないようにする。
「はぁ、はぁ」
クラリッサの息が上がって来た。
そうして、蹴りをしてきたところでスタミナ限界が来たのか、クラリッサは大きく隙を見せる。
「今!」
「くっ!?」
俺はその隙をつき、クラリッサの足を払う。
そしてそのまま身体を倒すクラリッサと地面の間に身体を滑り込ませるとそのままクラリッサを受け止める。
よし、完璧。
「はぁ、はぁ...一夏、お前は強いな」
すると、クラリッサがそんな事を言ってくる。
「まぁ、鍛えてるから。それに...」
俺はそれにそう返しながら耳元に口を近付ける。
「これくらいしないと、大切な恋人は守れないだろ?」
そして、俺はそう囁く。
すると、クラリッサの顔が赤くなる。
可愛い。
俺はそう思いながら
「立てるか?」
とクラリッサに声を掛ける。
「ああ、問題ない」
すると、クラリッサはそのまま立ち上がる。
「ならば、私も強くならないとな。大切な恋人を守りたいのは、私も一緒だ」
その瞬間に、クラリッサも俺の耳元でそう囁く。
それを言われた俺も顔が赤くなる。
恥ずかしいけど、嬉しい...
受け止める体勢だった俺も立ち上がる。
「じゃあ、ラウラに終わった事を報告しに行こう」
「ああ、そうだな」
そうして、2人でラウラの元に向かう。
うん、昼間に授業以外で身体動かすの久々だったから気持ち良かったな。
引き続き、頑張りますか!
----------------------------------------------------------------------------------------------------
時刻は進み、現在16:45。
訓練は昼食を挟んで15:00まで行われた。
模擬戦後の訓練も基本クラリッサとペアで行った。
学年別タッグトーナメント後のから直接会う機会は無かったため、少しでも触れ合えるのは嬉しい。
ディミオスは器具の準備等の手伝い等もしていたが基本空気だった。
そして、今何をしているのかというと...
「《最初はグー、じゃんけんポン》」
《先攻》
「後攻か...」
バディファイトだ。
自由時間になった際、是非やってみたいと何人かの隊員が言い出し、気が付いたらラウラやクラリッサを含め全員がバディファイトを始める事になった。
いったんディミオスにバディワールドから大量の構築済みデッキを持って来てもらい、そのまま俺とディミオスでルール解説をした。
そして、初心者大会のスタッフの様な気持ちで俺はそのままファイトしているみんなに教えながら徘徊していた。
全員がルールを覚えたところで、俺とディミオスのファイトが見たいとの事で、俺とディミオスがファイトすることになった。
ただ、2人とも使用デッキが煉獄騎士団でミラーマッチになりそうだったので、それ以外のデッキを使う事になった。
その為、俺はディミオスのデッキを知らない。
「《バディーファイト!オープン・ザ・フラッグ!》」
《百鬼夜行!》
「ヒーローW!」
《バディは、
「
百鬼か...
なかなか面倒だな...
ディミオスの表情から見て、ディミオスも同じ様な事を考えているんだろう。
《我のターン、チャージアンドドロー》
ディミオスは取り敢えずチャージアンドドローをして考えるように顎に手を当てる。
《設置、汚されし淵神の祠》
そして、ディミオスは汚されし淵神の祠を設置する。
っていう事は...
《ライフ1を払いライトにコール、御雷の騎士 リベリウス》
ですよね...
《リベリウスの登場時能力、他に百鬼があるのでゲージプラス1、1ドロー。祠の能力、爆雷持ちが出たので1ドロー》
これでディミオスのライフは9、手札は6、ゲージは4。
《ゲージ1を払いキャスト、災禍の襲来。デッキからヤミゲドウを1枚手札に加える》
そう言って、ディミオスが手札に加えたのはバディのヤミゲドウ・ミカズチ。
《センターにコール、導魔 ダインガス。登場時能力でドロップゾーンのカード2枚をゲージに置く》
さっき使った災禍の襲来と払ったゲージがゲージに行く。
《レフトにコール、御雷の従者 グラシャラボラス。そして、リベリウス、ダインガス、グラシャラボラスの3体をソウルに入れゲージ4を払い、センターにバディコール!天和御魂 ヤミゲドウ・ミカズチ!》
メンドクセェ!
1ターン目からバチバチに使いやがって...
ディミオスのライフは10、手札は3、ゲージは1。
《ターンエンド》
「俺のターン」
《ターン開始時、ヤミゲドウ・ミカズチの能力!デッキから百鬼を1枚ソウルに入れる。これで入れるのは.....コクジョウヤミゲドウ》
「メンジョ―?」
《コクジョウ》
お馴染みのやり取りをしたが、かなり面倒だ。
「今の爆雷は?」
《ターン1の魔法と、モンスターコールと、ターン1の爆雷を与えた時だ》
爆雷、それは条件を満たすと相手にダメージを与える能力。
ヤミゲドウ・ミカズチはソウルのカードの爆雷全てを得る。
今の爆雷は、俺が魔法を使った時と、俺がモンスターをコールした時と、爆雷でダメージを与えた時か...
「ドロー、チャージアンドドロー」
取り敢えず俺はカードを引く。
でも、動くしかないか...
「ファイナルフェイズ!」
《そうだよな...》
「必殺変身!機甲戦鬼 ゼータ!」
変身、それはモンスターをアイテムのように装備できる能力。
そして必殺変身は、ファイナルフェイズに1回だけ行うことが出来る、必殺モンスターへの変身だ。
「ゼータに変身している時、このカードは破壊されず、手札に戻せない。そして、俺は必殺モンスター以外のモンスターをコールできず、1ターンに何回でも必殺モンスターをコールできる!」
そう、このデッキは通常のデッキと異なり、通常は1ターンに1回しかできない必殺コールを何度も行うデッキだ。
「キャスト、人造符:THREE GAUGE!ゲージプラス3」
《魔法を使ったのでソウルのリベリウスの爆雷!そして、ダメージを与えた事でソウルのグラシャラボラスの爆雷!》
これで、俺はダメージを2喰らってしまう。
だが、問題ない!
「ゲージ1を払いキャスト、人造符:TWO DRAW!2枚ドロー」
《相変わらずそのままのカード名だな》
「俺に言うな。ライトに必殺バディコール!複製模倣兵器 ジェムクローン!」
《モンスターコールにより、ソウルのコクジョウヤミゲドウの爆雷!》
だが、この爆雷はバディギフトと合わせて実質チャラだ。
「ジェムクローンはバディゾーンで効果がある。フラッグがヒーローWの時、ヒーローW以外の必殺モンスターを使える!」
《ルールをぶち壊すな》
「こういうデッキだ!ジェムクローンの効果!ゲージ1を払いカード名にジェムクローンを含まない必殺モンスターを重ねてコールコストを払わずコールする!これでコールするのは、複製番竜 クリムゾン・アロガント!」
《爆雷!》
そうして、俺とディミオスはそこそこな激闘を繰り広げた。
爆雷によってじりじりとライフが擦り減っていく中、俺が必殺モンスターを使い攻めていくという展開。
そして...
「ジェムクローン “オリジン・ブレイカー!”でアタック!ソウルの複製騎士団 レギオンの効果で、打撃力は8上がり10!そして、ソウルのドラムバンカー・ドラゴン “ドリル・ラム・バスターブレイク!”の効果で相手は対抗を使えず、貫通!!」
《...負けた》
「しゃあ!」
俺の勝ち!
「激戦だったな...」
「これが、初心者とは違うプロの戦い方...」
プロでは無いんだがな。
まぁ、俺はディミオスと出会った時からずっとしてるし、ディミオスはそもそもバディモンスターだからな。
そりゃあ今日始めた初心者よりかはバディファイトが出来る...と、思う。
「今何時だ?」
俺はラウラの事を見ながらそう質問する。
結構長い事ディミオスとバディファイトしていた。
その為、今が何時かの判断が出来ない。
「17:30だな」
「30分以上してたのか」
《それぐらいは普通だろ》
「俺らからしたらそうだが、してない人からすると長いと思うだろ。俺らが将棋7時間とか聞いて何やってんだと思うのと一緒で」
《そうだな》
俺とディミオスはそう言いながらデッキをケースに仕舞い、プレイマットも仕舞う。
そして、
「そろそろ飯の準備...はしなくていいのか」
そう呟く。
昼間に勉強も仕事もしなかったのは久しぶりだったので、普通に飯の準備する気満々だった。
「久々に料理したいな」
「ム、なら、明日の晩御飯を作ってくれないか?」
俺の呟きにラウラがそう反応する。
「明日?別にいいけど...急に良いのか?」
「ああ、問題は無い。厨房には私から話を付けておこう」
そんなこんなで、俺は明日料理することになった。
何作ろうかな...
俺は明日のメニューを考えながら、プレイマットとデッキを戻しに部屋に行くのだった。
----------------------------------------------------------------------------------------------------
時刻は進み、22:40。
あの後、そのまま夕食の時間になりクラリッサの隣の席で夕食を食べた。
恋人の隣でご飯を食べるのがこんなに幸せだなんて思わなかった。
本当はもう片側にチェルシーもいたら良いんだろうな...
3人で、雑談しながらゆっくりとご飯食べて...
今の俺の仕事の忙しさ、それに加えクラリッサとチェルシーの仕事柄簡単に会えない。
そんな事は分かっているが、それでもそういう生活を考えるのは、仕方が無い。
だって、2人が好きなんだから。
そして、俺が今何をしているのかというと...
お土産片手にクラリッサの部屋に向かっていた。
夕食の後、顔を真っ赤にしたクラリッサから
「きょ、今日は私と一緒にいてくれないか...?」
と言われた。
恋人が、そんな感じでお願いして来たら断れる訳がない。
それに俺もこのお土産を渡したかったからな。
因みにディミオスは部屋でお留守番だ。
そうして廊下を歩いていると、クラリッサの部屋に着いた。
俺はそのまま扉をノックする。
「クラリッサ、俺だ」
『一夏か。入っていいぞ』
クラリッサから入室の許可を貰ったので俺は部屋に入る。
すると
「一夏ぁ!」
とクラリッサが俺に突っ込んで来た。
そして、そのまま俺の背中にクラリッサの両腕が回される。
「うおっと...クラリッサ、痛い」
「すまない...でも、人前ではあまりくっつけないから...」
「まぁ、確かに」
俺もそう言いながら、クラリッサの背中に腕を回す。
そうして、俺とクラリッサはしばし抱きしめ合う。
やっぱり、こうして触れ合えるだけで幸せ...
「ん?一夏、何か手に持っているのか?」
そうしていると、クラリッサがそんな事を言ってくる。
俺は笑いながら言葉を発する。
「クラリッサ、実はプレゼントがあるんだ」
「プレゼント?」
俺がそういうと、クラリッサは俺から離れる。
そして、俺はそんなクラリッサに持っていた袋からそのプレゼントが入った綺麗にラッピングされた箱を取り出す。
「はい、これ」
「あ、開けて良いのか?」
「勿論」
俺がそういうと、クラリッサはそのまま俺が渡した箱のラッピングをほどき、箱の蓋を開ける。
すると
「えっ...」
と驚いたような表情になる。
俺がプレゼントしたのは、ペンダントネックレス。
銀のチェーンに、ペンダント部分にはダイヤモンドが1つ輝いているシンプルな物。
「い、一夏、これって...」
「ん?ダイヤモンドを使ったペンダントネックレス」
「そうじゃなくて!良いのか、こんな、高価なもの貰って...」
「当然!クラリッサに似合うと思って買ったんだから」
もう少し豪華なものもあったが、クラリッサの雰囲気的にシンプルな物の方が似合うだろうと判断した。
「ありがとう...嬉しい!」
クラリッサはしばしそのネックレスを見つめた後、箱ごと机の上に置いてからまた俺に抱き着いてくる。
「喜んでくれたようで良かった」
「最愛の恋人から貰ったんだぞ...嬉しいに決まってるじゃないか」
さ、最愛...
嬉しいやら恥ずかしいやら...
そこから、俺とクラリッサはベッドに腰を掛けて談笑をする。
「そう言えば一夏。私は明日買い出しなんだ」
「買い出し?」
「ああ。訓練に必要なものを発注したりするんだ。副隊長は、そういうのも仕事だからな」
そうか、やっぱり副隊長っていうのは大変だな...
「それで、その...一緒に来てくれないか...?」
クラリッサは、若干上目遣いでそう言ってくる。
それを見て、俺は笑いながら
「当然。断る訳ないじゃん」
そういう。
すると、クラリッサは一気に笑顔になる。
可愛い。
その後も、俺とクラリッサは色々会話をした。
この間主任から貰ったスマホで連絡先を遂に交換した。
滅茶苦茶嬉しい。
これで今までよりも簡単に連絡が取れる!
そうやってまったりしていると、時間は23:00になった。
「じゃあ、そろそろ寝ようか?」
「ああ、そうだな」
クラリッサの言葉に俺が応じる。
そして、部屋の電気を消してから2人でベッドに入る。
前にクラリッサと寝た時は緊張しまくりだったが、今はそうでもない。
緊張していない訳では無いが、それ以上の喜びがある。
「一夏」
すると、クラリッサが俺の名前を呼んでくる。
その一声でクラリッサが何をしたいのか俺も理解した。
「クラリッサ...」
俺がクラリッサの名前を呼ぶ。
そして、何方からという事もなく、俺とクラリッサの唇が重なる。
そうして、大体1分経ったところで唇を離す。
「おやすみ、クラリッサ」
「ああ、おやすみ、一夏」
そうして、俺とクラリッサはお互いにそう言い合った後、もう一度唇を重ねる。
そのまま俺とクラリッサは抱きしめ合う。
唇が離れると、眠気が襲ってきた。
俺は腕の中にクラリッサの存在と温かさを感じながら、眠りに付くのだった...
特に好きなカードは鏡効符:THE FUTURE。
名前もカッコいいし、強い。
次回もいつになるか分かりませんが、楽しみにしていてください!
評価や感想、誤字報告もよろしくお願いします!