平穏です。
今回もお楽しみください!
一夏side
チェルシーに案内されながら歩いて大体5分。
5分歩かないと目的の部屋に付かないくらいには屋敷が広い。
貴族っていうのは凄いな...
そんな事を考えていると、
「一夏、着いたわ」
とチェルシーが言う。
此処か...
「ディミオス」
《了解した》
俺がディミオスの事を呼ぶと、ディミオスは胸ポケットからSDで出て来る。
《久しぶりだな、チェルシー・ブランケット》
「久しぶりね」
そして、ディミオスはチェルシーにそう言う。
チェルシーがディミオスの言葉に返すと、
《そして、おめでとう》
とディミオスが言う。
その瞬間に、チェルシーは顔を赤くする。
可愛い。
「じゃあ、扉を開けるわね」
チェルシーは何とか表情を整えると、そのまま扉をノックする。
「旦那様、奥様、チェルシーと一夏です。入っても宜しいでしょうか?」
『ああ、良いぞ。入ってきてくれ』
入室の許可を貰ったので、チェルシーは扉を開ける。
「「《失礼します》」」
チェルシーの声に合わせて、俺とディミオスも同じ様に声を発する。
中にいたのは、ロバートさんとロザリーさん、そして先程先に向かうと言っていたセシリアとエクシアだ。
「ロバートさん、ロザリーさん、お久しぶりです!」
《久しぶりだな》
俺とディミオスは取り敢えずロバートさんとロザリーさんに挨拶をする。
「本当に久しぶりだ。元気そうで何よりだ」
「ええ!久しぶりね!」
俺が挨拶すると、ソファーに座っていたロバートさんとロザリーさんも挨拶を返してくれる。
「一夏君、座ったらどうだい?」
「そうですね、座らせてもらいます」
ロバートさんにそう言われたので、俺は開いているソファーに座り、ディミオスは俺の膝の上に座る。
何でこの部屋にはソファーが4つもあって、机も2つあるんだろうか。
ソファー自体も物凄く高そうだし、部屋に飾ってある骨董品も高そうだ。
「では、私は紅茶を淹れてまいります」
チェルシーはそう言って頭を下げると、部屋から出て行った。
あ、チェルシー.....
俺は出て行った扉を見つめていたが、何時までもこうしていると怪しまれると思い、視線を戻す。
「それにしても、本当に久しぶりね!見ない間に本当に成長したわね!」
すると、改めてロザリーさんがそう言って下さる。
「そうですかね?自分では良く分からないんですが...?」
「そうよ。顔つきも雰囲気も大人になってるわ」
そう言われて、俺は反射的に自分の頬を触る。
そうかなぁ...?
「確かにここ最近は1日10時間くらい仕事をしてるから多少はそうか...?」
「10時間ですか!?」
「ん?声に出てたか?」
《ああ、出てたぞ》
エクシアの驚きの声でさっきのが声に出てた事に気付く。
見ると、ロバートさんとロザリーさんは若干引いてて、セシリアは納得という表情をしていた。
まぁ、セシリア以外は俺が普段から仕事してることも、夏休みに仕事が山のようにある事も知らないか...
「一夏君、君は本当に高校生かい?」
すると、ロバートさんが苦笑いしながらそう尋ねて来る。
それに対して俺も苦笑いしながら
「定期的に良く言われますが、俺は高校生ですよ。ただ、世界で2人しかいない男性IS操縦者の1人で、『PurgatoryKnights』所属なだけで」
そう返す。
「君は凄いな...」
「いえいえ、俺はそんなに凄くないですよ。俺以上に頑張ってる皆さんがいるので」
そこから、暫くロバートさん達と談笑する。
IS学園での生活や、オルコット家の皆さんの生活の事などを話していると、部屋にノック音が響き、
『チェルシーです、紅茶をお持ちしました』
といった声が部屋に響く。
チェルシーだぁ!
「入っていいわよ」
「失礼します」
ロザリーさんの声に応じて、チェルシーが部屋に入って来る。
その手にはトレイが乗っており、そのお盆には紅茶が入ったカップとお茶菓子。
あんなに乗ってるのにバランスを崩さず運べるのは凄い。
それに、あの真剣そうな表情が良い!
「お嬢様、代表候補生管理官の方から書類が届いておりました」
すると、チェルシーはトレイを持ったまま書類をセシリアに渡す。
それを受け取ったセシリアはその書類を確認する。
「すみません、急遽この書類を提出との事なので、私はこれで...」
「ああ、セシリア。頑張ってこい」
ロバートさんの言葉にセシリアは頷くと、そのまま部屋から出て行く。
やっぱり代表候補生っていうのは大変だな。
俺がそんな事を考えていると、チェルシーは全員の前に紅茶を置いていく。
その動作1つ1つが洗練されてて、俺は見惚れてしまう。
これも、チェルシーだからかな?
「お嬢様の分が余ってしまいましたわね」
「あら、ならチェルシーが飲むといいわ。休憩も必要よ?」
「奥様...そうですね、そうさせていただきます」
ロザリーさんの提案によって、チェルシーも紅茶を飲む事にしたようだ。
俺の隣に腰かける。
今の座り方は、ロバートさんとロザリーさんが1つのソファーに座っていて、その前にエクシア。
そして、エクシアが座ってるソファーの隣のソファーに俺とチェルシー。
今チェルシーの横顔を眺められないのが少し悔しい。
俺がそんな事を考えていると、何やらロバートさんとロザリーさんとエクシアが何かヒソヒソと話し始める。
チラッとチェルシーの事を見ると、チェルシーも不思議そうに3人の事を見ている。
だが、膝の上のディミオスは納得したかのように軽く頷いていた。
俺は取り敢えず紅茶を飲もうと手を伸ばす。
「お姉様とお兄様って、もう付き合ったんですか?」
「「ふぇあ!?」」
その瞬間に、エクシアにそう言われ俺とチェルシーは同時にそんな声を出す。
な、なななな!?
何で、急にそんな!?
顔が急速に赤くなっていくのが分かる。
隣を見ると、チェルシーもガッツリ顔を赤くして慌てていた。
《一夏、その反応は肯定だ》
「分かってるわ!」
自分でやって直ぐに分かった。
この反応は肯定だって。
エクシアたちの方を見ると、3人とも口元に笑みを浮かべていた。
「やっとですか!」
「おお、遂にか...」
「あらあら」
そして、3人ともそんな反応をする。
その事に思わず俺は視線を3人からずらす。
《前に言っただろう?前々からこの3人は気付いていたと》
「...確かに言われた」
完全に忘れてた。
「んふふ...お兄様、お姉様、お話詳しく!」
すると、エクシアがジリジリと詰め寄りながらそう言ってくる。
その後ろでは、ロバートさんとロザリーさんも興味津々という感じで此方を見てくる。
あそこまでテンションが高いロバートさんは初めて見る。
「チェルシー、如何する?」
「もう言わないといけないわね...」
俺とチェルシーはそう言い合うと、そのまま3人に説明をすることにした。
告白された状況を説明するというのは物凄く恥ずかしい。
俺とチェルシーは顔を真っ赤にしながら説明をした。
この時、俺がクラリッサを含め2人の女性と同時に付き合っている事を言っても、特に反応は無かった。
「えっと、これで全部ですね...」
俺とチェルシーが説明し終わると、エクシアが俺に近付いてくる。
そして、俺の右手を握って
「お兄様!お姉様の事をお願いします!!」
そう笑顔で言ってきた。
その事に、俺は少し拍子抜けてしまう。
「え?それで良いのか?俺、2人の女性と同時に...」
「はい!本人達が納得しているなら私達は何も言いませんし、お兄様みたいな素敵な男性でしたら寧ろそれくらい応援したくなります!」
エクシアがそう笑顔で言ってくる。
その事に俺は思わず顔を赤くしてしまう。
そして、チェルシーの方を見るとチェルシーも顔を赤くしていた。
...可愛いなぁ。
「本当に、良い青春ね~」
「ああ。微笑ましいな」
ロザリーさんとロバートさんは柔らかい笑みを浮かべながらそんな事を言ってくる。
「一夏!」
「え、ちょ、チェルシー!?」
すると、唐突にチェルシーが背中から抱き着いてくる。
「これで、認められたわね」
「まぁ、確かに」
「大好き!」
「.....俺もだ!」
そう言い合い、俺とチェルシーは笑い合う。
《はぁ...全く》
「これが、イチャイチャというもの...!」
「...甘いな」
「甘いわね...」
そんな声を聞きながら。
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オルコットの屋敷に来た翌日。
現在時刻は11:00。
俺は屋敷の厨房にいた。
昨日はあの後も談笑をして、食堂で夕食を食べ、普通に客室で寝た。
本当はチェルシーと一緒に寝たかったがセシリアが戻ってきてしまい言い出せなかった。
そして今日の朝、俺は身体を動かした後そのまま朝食を食べた。
チェルシーは勤務中という事もあり一緒に食べる事が出来なかった。
悲しいがそれは仕方が無い。
そして午前中は今日まで休暇のエクシアにディミオスと共にバディファイトを教えながら遊んでいると昼食準備の時間になった。
そんな時間に何で俺が厨房にいるかというと...
理由は簡単。
今日の昼食は俺が作るからだ。
俺が作って良いのかとも思ったが、ロバートさんが是非との事で厨房に話を通していたらしい。
作る相手はロバートさん、ロザリーさん、セシリア、エクシア、そしてチェルシーの5人。
さて、何を作ろうか...
(白式、白騎士、何が良いと思う?)
[そうだね...日本っぽいのが良いんじゃない?]
[そうですね、白式の言う通りイギリスでは滅多に食べられないものが良いんじゃないですか?]
(なるほどね...)
俺は2人のアドバイスを参考にしながら取り敢えずここにある食材を確認する。
結構いろいろあるな...
何だこの野菜。
見たこと無い。
....食べてみたいが、今回は人に食べさせる料理だから使うのは控えておこう。
「お、魚...冷凍ものだけど、しっかりとしてるから解凍すればそのまま使えるな」
まぁ、イギリスも島国だから、結構簡単に魚は手に入るのか。
マグロのサクにサーモン。
魚以外にも海老やイカ...
さっき調味料の所に酢があったな。
「良し、寿司だ!」
俺はそう言いながら酢を取り出し、シャリの為のご飯を炊き始める。
普通に米があって助かった。
米を炊いている間にマヨネーズソースを作っておく。
[マスター、お寿司握れるの!?]
(ああ。何回か握った事がある)
[な、なんでまた...]
(大体小学校3年くらいかな?その時から千冬姉は忙しかったけど、偶に帰って来るんだよ。帰って来た時には豪華な飯にしたかったけど何にしようか迷った時に、スーパーで超安売りされてたサーモンのサクがあったんだよ。それと同じく安かった酢を使ってなんちゃってで握ったのが始まり)
その後も何回か握ったし、バディワールドでは角王の方々に握るために1回本気でやった事がある。
魚はフグとかの免許いるやつ以外は全部捌けるし、魚の扱いも出来る。
「なかなか、寿司握ったことある高校生は少ないんじゃないかな?」
そんな事を考えていると、ご飯が炊きあがった。
俺はそのままご飯をボウルに移し、酢を混ぜ合わせる。
そして、大体混ざった所で冷やす。
本来はうちわが良いのだが、そんなもの無い為ただの板で冷やす。
結構やり辛いが何とか終わった。
「後は捌いて握るだけ...」
俺はそう呟くとさっき確認した魚を取り出し、捌く。
寿司のネタに使えそうなのはさっき確認した4つくらいなので俺はそのまま捌く。
そして、そのままシャリを手に取り握る。
余り長い事手に持っていたらなまってしまうので素早く。
多めに作ったサーモンの1部にマヨネーズソースを塗り、置いてあったガスバーナーで炙る。
何で置いてあるんだろう?
「良し、完成!」
そうして、俺は全ての寿司を完成させた。
まぁ、出来としては回転寿司レベルのものだが、十分だろう。
「ディミオス!運ぶの手伝って!」
《了解した》
寿司は鮮度が1番。
厨房と食堂は続いているとはいえ、一度に運んでしまった方が良い。
そうして、俺とディミオスで寿司を置いてあるプレートを1度に運ぶ。
喜んでくれると良いんだけどな...
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時刻は進み、現在22:20。
俺が作った回転寿司とかスーパーのお惣菜クオリティーの寿司だが、5人全員に喜んでもらえた。
白式や白騎士の言う通り、日本らしいものを作ったのが良かったのかな?
そして今、俺はチェルシーの部屋に向かっていた。
昼食の後、隙を見つけたチェルシーが俺に顔を赤くしながら
「あの、その...今日は、一緒に寝ない?」
と言ってきた。
これは断れる訳がない。
手には勿論チェルシーへのプレゼントが入った袋を持っている。
クラリッサにプレゼントをあげたのに、チェルシーにあげない訳がない。
ディミオスは客室で留守番。
《どうせイチャイチャするんだろ?胸焼けする》
との事。
イチャイチャって何だよ。
俺はやろうと思ってしてる訳じゃ無いんだが...
そんな事を思っていると、チェルシーの部屋の前に着いた。
俺はそのまま扉をノックする。
「チェルシー、一夏だけど」
『あ、入ってきていいわよ』
入室の許可を貰ったので、俺はそのまま部屋に入る。
「一夏!」
「チェルシー!」
その瞬間、チェルシーが俺に突っ込んで来た。
俺はそのままチェルシーの事を抱きしめる。
その瞬間に、チェルシーの温かさを感じる。
「チェルシー...」
「一夏ぁ...」
お互いに名前を呼び合いながら暫く抱きしめ合う。
そのまま暫く抱きしめ合っていたが、
「チェルシー、プレゼントがあるんだ」
俺のその言葉により、チェルシーは俺の胸に埋めていた顔を上げる。
「プレゼント?」
「ああ」
俺はそう言いながら、袋からラッピングされた箱を取り出し、チェルシーに差し出す。
「開けて良いの?」
「勿論!」
俺の言葉に応じて、チェルシーはラッピングをほどき、箱を開ける。
そして、その中身を見たチェルシーは驚いたような表情を浮かべる。
俺がプレゼントしたのは、耳に穴をあけないタイプのイヤリング。
ダイヤモンドがそれぞれに付いていて、デザイン自体はとてもシンプルな物。
クラリッサにプレゼントしたものよりもダイヤモンドのサイズは小さいが、2個使われているため値段は同じくらいだった。
「え、これ、え!?」
チェルシーはそんな驚きの声を発する。
「ん?如何した?」
「こ、こんな高級な物、貰っちゃって良いの!?」
チェルシーの問いに、俺は笑顔を浮かべながら
「当然!チェルシーの為に買ってきたんだから!」
そう返す。
すると、チェルシーは箱を机の上に置いて笑顔を浮かべながら
「ありがとう!嬉しい!!」
と俺に抱き着いてきた。
俺はそんなチェルシーの事を抱きしめ返す。
また暫く抱きしめ合っていたが、一回離れるとベッドの縁に腰を掛け、2人で談笑する。
「ねえ一夏。私明日と明後日休暇なの。だから、明日私と出掛けない?」
「お、勿論!チェルシーとだったら出掛けるに決まってるじゃん!」
そうして、俺は明日の予定が決まった。
いやぁ、楽しみだ。
その後、俺はチェルシーとも連絡先を交換した。
物凄く嬉しい。
そこから暫く談笑していると、23:00になった。
「じゃあ、チェルシー、そろそろ寝よう」
「そうね」
そうして、部屋の電気を消して、チェルシーが先にベッドに入り、俺も同じベッドに入る。
うん、やっぱり少しは緊張するけど嬉しさの方が上回る。
「ねぇ、一夏...」
すると、チェルシーがそう俺の名前を呼んでくる。
その声で、俺はチェルシーの事を抱きしめ
「チェルシー...」
名前を呼んでから、チェルシーにキスをする。
「ん、んん//」
キスをした時、チェルシーも俺の事を抱きしめ返してくる。
そして1分間近くキスをした後、1回唇を話す。
「おやすみ、チェルシー」
「うん、おやすみ、一夏」
そう言い合った後、再びキスをする。
そして、その後唇を離し、俺とチェルシーは眠りに付いた。
夏だというのに気にならないお互いの温かさを感じながら。
作者は某回転寿司チェーンで働いてます。
だから何だですけど。
次回もいつになるか分かりませんが、楽しみにしていてください!
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