でも、内容はサブタイまんま。
今回もお楽しみください!
マドカside
夏休みも中盤になって来たある日。
今、私はIS学園のアリーナ近くにいた。
会社でシャルさんに束さんが『PurgatoryKnights』の開発主任だと明かした日。
あの後は命の危険を感じる方法で束さんの研究室に連れていかれ、私の銃騎士とシャルさんのラファール・リヴァイヴ・カスタムⅡは束さんに整備された。
大きく変わった所とかは無いけど、少しエネルギー効率を見直したらしい。
らしいというのは、束さんの作業が早すぎて気が付いたら終わっていてしっかりと見ていないから。
やっぱり開発者っていうのは凄いなぁ...
そしてその日の2日後、お兄ちゃんは海外から帰って来た。
シャルさんと一緒に空港まで迎えに行ったけど、その表情はチョッとイライラしていた。
理由を尋ねると
「1週間も経ってないのに書類が3000枚溜まってる...」
って言っていた。
如何にかしてあげたいけど、この仕事は私達では如何することも出来ない。
何も出来ない自分が悔しくなってくる。
シャルさんも同じだった。
折角お兄ちゃんのサポートするって決めたのに...
お兄ちゃんはそんな私達に
「これは俺の仕事だから。マドカとシャルは気にしないで良いよ」
って言いながら笑っていたけど、気にしない訳がない。
本当に如何にかしないと、お兄ちゃんが倒れちゃうかもしれない...
そして、お兄ちゃんが帰って来てから3日後くらいから各国に帰っていた専用機持ちのみんなが日本に戻って来た。
みんな各国での代表候補生の仕事は終わらせたので、あとやるべきことはIS学園の課題のみ。
お兄ちゃんは以外の専用機持ちが集まって必死に課題を終わらせた。
やってみて分かった、これを終業式の日の夕食前に終わらせたお兄ちゃんは凄い。
終わらせてからは、私達は夏休みらしく遊んだ。
みんなでお買い物したり、プールに行ったり、夏祭りに行ったり...
お兄ちゃんは仕事でその全部に参加していなかった。
楽しかったけど、やっぱりお兄ちゃんの事が心配だった。
雰囲気を壊さないようにしてたけど、心配なものは心配。
本当に、何か...
そして今、IS学園のアリーナ近くにいる。
私の周りには、シャルさんを始めとしたお兄ちゃんと橘深夜以外の専用機持ちと、とある1人の生徒。
「サラ先輩、落ち着いて下さい」
「そうはいってもね...緊張するのよ、セシリア」
その生徒とは、イギリス代表候補生のサラ・ウェルキン先輩だ。
そして、このメンバーで集まっている理由。
それは...
「だって、私に専用機が与えられるのよ?」
そう、サラ先輩にイギリスから専用機が与えられるからだ。
本当だったら私達はいらないのだが、折角なので見学させてもらう事にした。
因みにお兄ちゃんは、今学園にはいない。
名目上は『PurgatoryKnights』本社に行ってる事になってるけど、本当はディミオスソードと一緒にダークネスドラゴンWに帰っている。
何でも、ダークネスドラゴンWで調べたい事があるとか...
「サラちゃん、良かったわね」
「そうっス!これで2年生で3人目っスよ!」
ガッチガチに緊張してるサラ先輩に、楯無先輩とフォルテ先輩がそう声を掛ける。
確かに、今年の1年生が異常に専用機持ちが多いから忘れかけてたけど、2年生以上の専用機持ちは現状3人。
今回のサラ先輩で漸く4人目だ。
そうなって来るとダリル先輩の仲間外れ感が凄いが、まぁ、本人は気にしていないようだし、良いだろう。
そんな事を考えていると、
「ウェルキン候補生」
という声が響く。
私達が一斉にその方向に振り向くと、そこにはタブレットを手に持ちスーツを着た金髪の大人な女性が立っていた。
「エアリ候補生管理官、如何も。この間ぶりです」
そうして、サラ先輩がその女性にそう返答する。
この人がイギリス代表候補生管理官かぁ...
「エアリさん」
「オルコット候補生も、この間ぶりですね」
そのままその女性...エアリさんにセシリアさんも挨拶をする。
そうして、そのまま3人で会話をする。
なるべく聞かないようにしながら、シャルさんや鈴さん達と集まって会話をする。
「なんか、やっぱり私達邪魔じゃないですか?」
「そうだね...生徒会長のお姉ちゃん以外は、来ない方が良かったかも...」
「でも、特に何も言われてないし良いんじゃない?」
鈴さんのその言葉で、確かにエアリさんから何も言われていない事に気が付く。
これなら、良いのかなぁ?
「では、ウェルキン候補生。早速行きましょう。もう既にアリーナに整備士と専用機はスタンバイしてます」
「わ、分かりました」
ここで、エアリさんがそうサラ先輩に声を掛ける。
サラ先輩は緊張した面持ちで返事をすると、そのまま2人で移動していく。
「では、私も与えられている仕事がありますので...」
セシリアさんもそう言って2人とは別の方向に歩いて行った。
そうしてこの場には、余り必要のないメンバーだけが残った。
「じゃあ、私達は観客席に行きましょうか」
楯無先輩の声で、私達はアリーナの観客席に移動する。
何だかんだで臨海学校の初日に転入したから、観客席に入るのはこれが初めてだ。
アリーナ自体には期末テストだったりで入ったことはあるけど。
そこから暫くして、アリーナのピットから1機のISが飛び出してきた。
全体的に濃い青色のカラーリングで、蝶を連想させるシルエット。
「あれがイギリスの開発した新しい第三世代型ISの、サイレント・ゼフィルス...」
なるほど...
そこから、サイレント・ゼフィルスを纏ったサラ先輩はそのままアリーナを滑空する。
今回が初登場という事で、テスト滑空らしく速度は遅めだ。
だが、前々からサイレント・ゼフィルスの機体スペック等は聞いていたのだろう。
サラ先輩の表情は少し余裕があるように感じる。
「は、はい!」
ここでサラ先輩が急にそう声を発したかと思うと、機体のスピードを上げ、複雑な動きを開始する。
多分プライベートチャネルでそんな指示が出たのだろう。
ジグザグに動き、急上昇に急下降。
クイックターンに完全停止。
今日初めて使う機体とは思えないほど、かなり使いこなしている。
やっぱり代表候補生は凄い。
そんな事を思っていると、サラ先輩が出て来たピットとは反対側のピットからブルー・ティアーズを身に纏ったセシリアさんが出て来た。
そしてセシリアさんはビットとライフルを展開し、サラ先輩に攻撃をする。
だが、サラ先輩はスラスターを吹かしその攻撃を避ける。
セシリアさんがフレキシブルをしていない事や移動をしていない事、サラ先輩が反撃しない事を考えると、回避テストなのだろう。
「セシリアが言っていた仕事とはこのことだったのか」
ラウラさんがそう呟く。
そのまま暫くセシリアさんが射撃をしていたが、サラ先輩の被弾はゼロ。
ミサイルビットやフレキシブルを使っていないとはいえ、これは凄すぎる。
お兄ちゃんでも普通に被弾するらしいし...
そして、セシリアさんがビットを戻しライフルも仕舞う。
それと同じタイミングで、サラ先輩はライフルとビットを展開する。
今度は逆で、サイレント・ゼフィルスのビットとライフルのテストだろう。
そうしてそのままサラ先輩はセシリアさんに向かって射撃を開始する。
ライフルでの射撃はセシリアさんと同じくらいの精度だけど、
「く、うぅ...」
ビットの操作はやはり慣れていないみたいで、サラ先輩は表情を歪めながらそんな声を発する。
見る限り、サイレント・ゼフィルスのレーザービットは6基。
ブルーティアーズの4基よりも扱いは格段に難しいだろうし、そもそもセシリアさんの方がビットの使用期間は長いし練度も上だ。
セシリアさんよりもビット操作が出来ないのは仕方のない事だろう。
その証拠に、ビットはかなりフラフラしながら飛行している。
「なら、いったん...!」
サラ先輩はそう呟くと、6基のビットの内4基を戻す。
数を減らすと、当然ながら1基向けられる意識は大きくなる。
だから、数を減らして精度を上げるのは普通の判断だ。
だけれども、やっぱりビットの扱いはセシリアさんの方が精度は上だと感じる。
「ふぅ...ここまでですわね」
ここでセシリアさんがそう呟き、その場に留まる。
それと同時に、サラ先輩も射撃を止める。
「はぁ、はぁ、き、キツイ...」
「大丈夫ですか?」
思いっ切り肩で息をしているサラ先輩に、セシリアさんがそばに移動してからそう声を掛ける。
「せ、セシリアは良くあんなに滑らかにビット動かせるわね...」
「サラさんよりも長くBT兵器を扱っていますから...それに、一夏さん達と特訓しましたし」
「お兄ちゃんと?」
サラ先輩とセシリアさんの会話に、思わず私は首を傾げてしまう。
まぁ、私の声は2人に届く訳が無いので2人とも特に反応しない。
「確かに、一夏とかなり特訓してたわね」
「どんな感じだったんですか?」
「なんでも、『プログラムでのランダムより考えて動く的の方が良いだろ!』って、一夏とあのロボット達が攻撃せずただただハイスピードで避けるのをビットだけで狙うって感じだったね」
だから、鈴さんとシャルさんがそう説明してくれた。
「お兄ちゃんがって事は、まだその時は仕事以外の事する余裕があったんですね...」
思わず私はそう呟く。
その瞬間に、観客席にいた専用機持ちのみんなは表情を暗くする。
お兄ちゃんが最近仕事しかしてないのはみんなが知ってる。
だからこそ、みんな心配なんだろう。
「一夏は今日も仕事なんだよね?」
そして、簪さんはお兄ちゃんの事を尋ねて来る。
私とシャルさんは頷いてから
「そうですね。今は会社にいます」
「学園にいても、自室で仕事してるらしいし...」
そう答える。
そうすると、みんなが心配そうな表情になる。
「これなら、一夏君との模擬戦だなんて絶対に出来ないわね」
「そうだね。約束してるとはいえ、絶対に出来ないと思うよ」
ここで、楯無先輩と簪さんがそう会話をする。
お兄ちゃん、そんな約束してたんだ。
「お兄ちゃんは真面目なので、心の中では絶対に『何時か模擬戦しないと...』って考えてると思います」
「確かにな」
私の呟きに、ラウラさんが頷く。
「同じ会社のアンタたちは、何か出来ないの?」
ここで、鈴さんが私とシャルさんにそう尋ねて来る。
私とシャルさんはそのまま1回視線を合わせてから、言葉を発する。
「お兄ちゃんの仕事は、お兄ちゃんじゃないと出来ないものばかりなんです。立場の問題とかがあって、私達が簡単に手を出していいものじゃないから、私達では正直何も出来ないんです」
「社長も何とかしようとしてるけど、社長を始めとした取締役の皆さんにももう余裕がないから...」
そして、視線をアリーナに戻す。
そこにはもうサラ先輩もセシリアさんもいなかった。
多分、ピットに戻って色々話し合っているんだろう。
「私達に出来る事は、なるべくお兄ちゃんに負担を掛けないようにするだけですね...」
私の言葉に、みんなが頷く。
お兄ちゃん、みんなお兄ちゃんの事心配してるから、辛くなったら頼ってね。
「じゃあみんな。セシリアちゃんとサラちゃんの所に行きましょう」
楯無先輩は立ち上がりながらそう言葉を発する。
そんな楯無先輩に私達も続いて立ち上がり、そのままアリーナの外に移動する。
アリーナの外では、セシリアさんとサラ先輩はエアリさんと会話をしていた。
「オルコット候補生、ウェルキン候補生。この先の学園生活も頑張って下さい」
「「はい!」」
「それでは、私達はこれで」
エアリさんはそう言うと、後ろに控えていた整備員だと思われる人達と共に正門に移動していった。
「サラちゃん!本当におめでとう!」
「おめでとうございます!」
そうして、その場に残ったサラ先輩に楯無先輩とシャルさんがそう声を掛ける。
「ありがとう!」
サラ先輩は、笑顔になりながらそう返答する。
そして、サラ先輩は私達の事を見ながら、
「これから私も専用機持ちなので、よろしくね!」
と言ってきた。
それに対して、私達も
『よろしくお願いします!』
「よろしくっス!」
「ああ。よろしくな」
思い思いの反応をする。
「それにしても、ここに男子2人が来れば専用機持ち全員集合になるんだね」
ここで、サラ先輩がそう呟く。
確かにお兄ちゃんと橘深夜が来れば、この場にはIS学園に所属してる全ての専用機持ちが集まる事になる。
その人数は12人。
多い。
「お兄ちゃんも今日は見学したそうでしたけど、生憎会社にいるので」
「えっと...織斑君って、噂では聞いてたけどそんなに忙しいの?」
私の言葉に、サラ先輩がそう尋ねて来る。
『うん/はい』
その疑問に、サラ先輩以外のこの場にいる人間が一斉に頷く。
一糸乱れぬ私達の返事に、サラ先輩は苦笑いを浮かべていた。
ここで、楯無先輩がパンパンと手を叩く。
「セシリアちゃん以外の1年生はサラちゃんとの関わりが無かったし、みんなで交流会をしましょう!」
そして、ニッコニコの笑顔で楯無先輩はそういう。
「お姉ちゃんはそういうの好きだね...」
「良いじゃない、簪ちゃん!」
楯無先輩と簪さんがそのように会話する。
交流会か...楽しそう!
「じゃあみんな、生徒会室へGO!」
楽しそうにそう言った楯無先輩は生徒会室に向かって歩いていく。
私達も苦笑いを浮かべながら楯無先輩に付いて行く。
お兄ちゃんもいると、もっと楽しくなるんだろうけどな...
お兄ちゃん、本当に大丈夫かなぁ...
サラはバイザーしてません。
してません。
大事な事なので2回言いました。
次回もいつになるか分かりませんが、楽しみにしていてください!
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