言う程でもないか。
今回もお楽しみください!
一夏side
8月になって夏休みも中盤になって来たある日。
今、俺はダークネスドラゴンWの煉獄騎士団本部に来ていた。
理由は単純、ダークネスドラゴンW...というか、バディワールドで調べたい事があるからだ。
「ディミオス、準備できたか?」
《ああ。だが、流石に我だけでは両方同時に運ぶのは無理だ》
俺がディミオスに声を掛けると、ディミオスが目の前に置いてある荷物を見ながらそういう。
そこにあるのは、2機のIS。
そう、これからこのISをヒーローWに運び、実験をするのだ。
実験の内容は、モンスターの細胞などがISにどんな影響を及ぼすかだ。
クラス対抗戦の時の襲撃者にはギアゴッドver.Ø88のパーツが、臨海学校の時の銀の福音にはアジ・ダハーカ様の細胞が組み込まれていた。
そして、その2機は通常ではあり得ない程のスペックをしていた。
その理由を探るために、今回実験することにした。
実験するのは未来の技術が詰まっているスタードラゴンWでも良かったのだが、博士がいるヒーローWの方が良いと判断した。
「確かにな。如何しようかな...」
いかにディミオスでもIS2機を同時に運ぶのは無理だろう。
このISが束さんに直接作ってもらった武装も何もないISとはいえだ。
さて、如何しようか。
まぁ、普通に2回に分けて運ぶか...
俺がそんな事を考えていると、
《ディミオス様、一夏、手伝います》
と声を掛けられる。
俺とディミオスは同時にその方向に振り返る。
そこにいたのは...
「オルコスじゃん。久しぶり」
ディミオスと似た容姿を持つドラゴン。
煉獄騎士団の解放者 オルコスソード・ドラゴンだった。
《ああ、久しぶりだ》
俺の言葉に、オルコスはそう返してくれる。
オルコスは一時期ディミオスに変わり煉獄騎士団を率いた事があるらしい。
らしいというのは、その時俺はまだ煉獄騎士団と関わっていなかったから話を聞いただけだからな。
《それで、これを運べばいいのですか?》
《ああ、頼む。ヒーローWまでだ》
オルコスが手伝ってくれるなら、普通に1回で運びきれるな。
《これが、ISなのですね》
「そうだよ。ディミオスと、俺が使ったモンスター達以外は見た事ないと思うけど...」
《それはそうだ。博士も、ISが見れると物凄くワクワクしていたぞ》
ディミオスのその言葉に、俺とオルコスは思わず笑みを浮かべてしまう。
眼を輝かせてワクワクしてる博士の姿、簡単に想像できるなぁ。
「じゃあ、早速運ぼう。俺もずっとこっちにいれる訳では無いからな」
俺がこうしている間にも、仕事は溜まり続けるからな。
無駄に過ごす時間を少しでも減らしておかないといけない。
こうしてディミオスとオルコスにIS2機を運んでもらって、ヒーローWに来た。
《そこそこ重い...》
オルコスはそう呟く。
普通にISをなんのサポートも使わずに運べるのは凄い。
やっぱりモンスターだなぁ。
そんな事を考えながら暫く歩き、博士の研究所前に着いた。
ISを持ったままのディミオスとオルコスに変わり、俺は研究所の扉を開き、
「博士ぇ!一夏です!来ました!」
と、研究室の中に向かって叫ぶ。
すると、研究室の中からバタバタと走る音が聞こえてくる。
「はいどーも!バディファイトを研究して100年!メンジョ―はかせです!」
そして、目の前に現れた白衣を着て口元にまるでサンタの様な白髭を生やし、丸いサングラスを掛けた男性がそうハイテンションで言ってくる。
「知ってますよ?」
そう、この男性がステルスカーテンなどを作ってくれた博士、メンジョ―はかせだ。
モンスター正式名称は、メンジョーはかせ “
IS学園に入る前に何回も会ってるから今更自己紹介しなくていいのに...
《博士、何処に置いたらいい?》
「んっとね...ついて来て」
《了解した》
博士に連れられて、ディミオスとオルコスは研究所の中にISを運ぶ。
その後ろから俺も研究室に入る。
うん、少しごちゃごちゃしてる。
掃除したいな...
そしてディミオス達に付いて行き、物凄い量のコンピュータと配線で繋がれた水槽がある部屋に着いた。
ディミオスとオルコスは持っているISをコンピュータ近くの台座に置く。
そして、博士はそのままISをコンピュータに有線で繋ぐ。
《ディミオス様、一夏。ここで失礼します》
「ああ。オルコス、ありがとうな」
ここで、オルコスはダークネスドラゴンWに帰って行った。
さて、後は俺とディミオスと博士で実験する事になる。
「これが、コアもしっかりあるISかぁ!いいなぁ!」
博士はハイテンションでそういう。
そういえば、残った白式の外装はディミオスが博士の所に運んでたな。
「じゃあ、早速実験しましょう」
「そうだね。チャチャッとやっちゃおう!」
《先ずは、モンスターの細胞を埋め込んだ際の反応からだな》
そうして、俺とディミオスと博士は実験を開始するのだった...
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「...これは、かなり厄介だな.....」
実験は終了して、今現在は研究所の休憩室に移動していた。
博士は、まだ何かしたい事があると来ていない。
《確かにな...》
俺の呟きに、ディミオスが同調する様に頷く。
実験の結果、モンスター細胞やモンスターパーツはISに取り込まれた時に異常な威力が出る理由が分かった。
ISのコアには、コア人格が存在する。
そんなところにモンスターが入り込んでくると、コア人格が一種の拒絶反応を起こすらしい。
人間がウイルスに感染すると発熱するのと同じような現象が、あの異常な威力の原因のようだ。
それが分かったのはいい。
だが、もう1つ厄介な事実が判明した。
「
そう、それだ。
それが今回の実験で分かったもう1つの事。
これがどういう事か。
臨海学校での銀の福音に寄生していたアジ・ダハーカ様の細胞。
寄生をしていた理由は、こっちの世界に流出した細胞が成長するための依り代に銀の福音を選んだからだと思っていた。
だが、今回判明した事実では、そんな事あり得ないという事になってしまう。
一応キョウヤさんに頼んで持ってきたアジ・ダハーカ様の細胞をISの近くにおいてみたが、自分から寄生する事は無かった。
《つまり、アジ・ダハーカの細胞を銀の福音に寄生させた何者かかいるな。それは、ギアゴッドver.Ø88のパーツを再利用した奴と一緒だろう》
ディミオスがSDになってソファーに座りながらそう呟く。
ギアゴッドver.Ø88のパーツは如何あがいても1人では再起動出来ないので、何者かが再利用していたのは分かっていた。
だが、まさかアジ・ダハーカ様の細胞まで何者かが利用したものだったとは...
《しかも、最悪の場合、その何者かがアジ・ダハーカの細胞を培養して保管している可能性がある》
「それなんだよなぁ...」
もしそうだったら、本当に最悪だ。
これからもアビゲールさんのような強力なモンスターと同じくらいのスペックを誇る奴らが大量に襲撃してくる可能性がある。
そうなると、俺と煉獄騎士団だけじゃ確実に撃退できない。
マドカやシャルたちに手伝ってもらわないと...
だけど、そうしたらシャルや楯無さん達にディミオス達の説明をしないと...
流石にこれ以上説明する訳には...
[襲撃に悩む高校生だなんてマスターくらいだよ...]
俺がそう考えていると、白式がそう声を掛けて来る。
(いやいや、楯無さんも考えてるだろ。生徒会長だぞ)
[ですが、今日は新しい専用機の見学をしているのでは?そのまま、交流会を開いたりしてそうですし、マスターの方が深刻に考えているかと...]
(白騎士...そんな事は言っちゃ駄目だ)
折角フォローしたのに。
それに、実際にそういう事をしてそうなんだよな...
いや、いくら楯無さんでも、少しはそういう事を考えている...はず。
「一夏君、待たせたね!」
ここで、博士が休憩所に入って来た。
その手には、何かの機械を持っていた。
「博士、それなんですか?」
俺がその機械について尋ねると、博士はその機械を休憩所の机の上に置く。
そして、
「一夏君のダークコアには、ISのコア人格が宿ってるんだったね?」
と聞いてくる。
「はい、そうですけど...」
「この機械は、その人格の声を一夏君以外にも聞こえるようにするものだ!」
「え!?スゲェ!!」
流石博士!
そんなものまで作れるなんて...
「ただ、これは一夏君のダークコアじゃないと使えないし、この研究所じゃないと使えないんだ」
《今持ち運んでるのにか?》
「そうだよ」
うん、理由の説明はしてくれないんだ...
そこは博士らしい...
「じゃあ一夏君!使ってくれい!この溝にダークコアをはめるだけでOKだ!」
「分かりました」
俺はダークコアデッキケースを取り出しながらそう答える。
(白式、白騎士、はめたら何か喋ってくれ)
[[分かりました!]]
白式と白騎士の返事を聞いた俺は、そのままその機械にダークコアデッキケースをはめる。
すると、
『あ、ああ。マスター、如何?』
と、白式の声が機械越しに聞こえてくる。
「お、聞こえてる!ディミオス、如何?」
《我にもしっかりと聞こえているぞ》
おお、スゲェ!
「成功!やったぁ!」
博士もテンション高めでそう歓喜する。
《白式、白騎士。こうやって会話するのは初めてだな。何時も一夏の隣というかなり近い距離にいるんだがな》
ここで、ディミオスが2人に向かって話し掛ける。
『うん、初めまして。ディミオス!』
『マスターと一緒にいるという共通点はありましたが、私達はマスター以外と話せませんでしたからね』
そうして、白式、白騎士の順でディミオスにそう返事をする。
そこからディミオスと白式と白騎士で会話をし始める。
俺は普段から話してるし、話題が振られた時だけ会話に参加すればいいか。
俺がそう思いながら、博士に声を掛ける。
「博士、白式の外装ってどうなってます?」
すると、博士は白髭を撫でてから俺の方に振り返る。
「解析は終わってるんだけど、コアが無くて実験とかには使えないからチョッと持て余してる」
「なら、煉獄騎士の強化に使えませんか?正直、ただの鎧だとこれ以上きつくて...」
「ああ、全然いいよ。でも、今からだと4ヶ月は掛かっちゃうよ」
4ヶ月かぁ...
まぁ仕方が無い。
「それでもです。お願いします」
「OK!準備が出来たらディミオス経緯で呼ぶから来てくれい」
「分かりました」
俺と博士の会話が終わったタイミングで、ディミオス達の会話も終わったようだ。
「ディミオス、終わったか?」
《ああ、終わったぞ》
「じゃあ、帰って社長と主任に報告して仕事だな」
『マスター...本当に大丈夫?』
「大丈夫大丈夫」
確かに忙しいが、まだまだ元気だ。
エナジードリンクにも手を出してないし、大丈夫だろ。
俺はそう思いながら、機械からダークコアデッキケースを取り外し、ポケットに入れる。
「じゃあ博士。ありがとうございました」
「全然だいじょーぶ!じゃあ、次回に会うまで~、チェック・ディス・ワン!!」
博士の独特な挨拶を背に、俺とディミオスは休憩所を出る。
そして研究所の外に出ようとする前に、今日実験に使ったISが視界に入った。
俺は、そのIS前に移動して、2機に同時に触る。
「今日はごめんな。実験に使っちゃって。でも、君たちのお陰で事実が判明したよ。ありがとう」
そして、笑顔でそう声を掛ける。
まぁ、返事は無
[全然大丈夫だよ!]
[あなた達のお役に立ててよかったです!]
へっ...?
い、今...
《一夏、もう行くぞ》
「あ、ああ。分かった」
ディミオスにせかされたので、俺はそのまま研究所の外に出る。
今、確実にあの子たちの声が.....
それは今はいいか。
「戻って報告するのが先だしな」
《そうだ。早く話し合って損なことは絶対にない》
そうして、俺とディミオスは『PurgatoryKnights』に向かうのだった。
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「以上が、今回の実験で分かった事です」
『PurgatoryKnights』に戻って来た俺とディミオスは、社長室で待ってもらっていた社長と主任にそう報告をした。
その報告を聞いた社長と主任は難しそうな表情を浮かべる。
「そっかぁ...それは、かなり厄介だねぇ...」
主任は顎に手を当てながらそう呟く。
「ねぇスーちゃん。もしかしなくても、
「ええ、あるわね」
そうして、主任と社長はそう会話をする。
「「亡国企業...!」」
2人は、同時にそう呟く。
それを聞いて俺も思い出した。
社長やオータムさん、マドカやダリル姉が所属していたテロ組織、亡国企業。
確かに、社長たちは亡国企業の一部隊に過ぎなかった。
抜けても組織自体は残り続けている。
その可能性も十分にあり得る。
「そうなって来ると大変すぎますね。国際的なテロリストが相手だと、IS学園を襲撃されても対処しきれない」
専用機持ち達は良いかもしれないが、一般生徒達はそう上手くはいかない。
直ぐにパニックになってしまうだろう。
「そもそも、仮にアイツ等だったとして、目的が分からないわ。一夏なのか、千冬なのか、IS学園なのか、『PurgatoryKnights』なのか...」
社長は手元を見ながらそう呟く。
確かに...
クソ、正体不明だし目的不明だ。
「いっくん、何が起こるか分からないけど、確実に何かが起こると思うんだ。だから、絶対に気を引き締めてね」
「分かっています、主任」
主任が違和感が生じるくらい真面目な表情で俺に言ってくるので、俺もしっかりとそう返す。
「じゃあ、一夏、束。何か起きたら私に相談してね」
「分かりました」
「おっけ~」
そうして、社長の声にそう返事をする。
此処からこれ以上俺達で会話をしても何も発展しない為、ここで終了することにした。
そして、俺は学園に戻ろうとした時、仕事で相談したい事があったのを思い出した。
丁度いいからここでしてしまおう。
「社長、相談したい事があるのですが、良いですか?」
「良いけど...一夏、本当に大丈夫なの?最近仕事しかしてないんじゃない?」
「確かに仕事しかしてないですけど、大丈夫ですよ」
それに、これは俺にしか出来ない仕事だ。
俺が頑張らないと...
「いっくん...辛くなったら、相談するんだよ?」
「はい、分かってます、束さん」
俺がそう言うと、主任は笑顔になってから社長室を出て行った。
そこから俺は社長と大体1時間くらい相談した後、社長室を出る。
現在時刻は15:30。
想定してたより長くなっちまったな。
さぁ、帰ろう。
俺がそう思った時、
♪~~~♪~~~
と、スマホが着信音を鳴らす。
この音は電話だ。
俺がスマホを取り出すと、そこに表示されていたのは、チェルシーの名前。
チェルシーだ!
そう思ったら、もう既に通話に出ていた。
「もしもし、一夏だけど。チェルシー、どうかしたか?」
『あ、一夏。その...これからお仕事だから、どうしても一夏の声が聞きたくて...』
く、何て可愛いんだ!
確かに、時差の関係でイギリスは今6:30。
これからお仕事だな。
「そっか。チェルシー、頑張ってね!」
『ええ、ありがとう。一夏も頑張ってね」
「ああ!」
ここで、通話は終わってしまう。
これは仕方のない事だが、やっぱり悲しい。
でも、
「チェルシーに頑張ってって言われたから、元気が出た!」
これで、学園に帰ってからの仕事も頑張れる!
[マスターは、本当に恋人さんの事が大好きですね]
(当然だろ?)
大好きだから恋人なんだ。
俺にとって、クラリッサとチェルシーはこれ以上ないほど大切で守りたい存在なんだ!
「さぁ、帰って仕事だ!」
倒れない程度に、頑張るぞ!
しれっとオルコスの初登場とメンジョ―さんの名前出し。
はかせまでが名前なので、如何するか悩みました。
漢字表記は立場で、ひらがなは名前です。
次回もいつになるか分かりませんが、楽しみにしていてください!
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