ウマ娘短編合作   作:マーベラスきのこ

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必殺技で怪現象が起こればファンタジーですよね!


必殺技占い 作:七次元事変

「はい! マチカネフクキタル水晶占いです! あら〜! スズカさんじゃないですか! 予約ですねっ! はいっ! では、お待ちしてますっ!」

 

 薄暗い屋敷で黒電話の受話器を置いたのはマチカネフクキタル。トゥインクルシリーズで活躍した彼女は、引退後、水晶占いの店を開いていた。ウマ娘相手にはレース占いをすることもあったが。とはいえ、日本では1年に数千人しか産まれてこないウマ娘。その人口は日本の総人口1億人強に対して数十万人と、マチカネフクキタルが占った相手はウマ娘より人の方が多かった。つまり、

「久しぶりにレース占いの用意ですねっ! さてさて、野良レース場を予約しましょう! 来週の方位は…なんと、南南東! むむむ…ありました! 羽田公園です!」

 

 約束の当日、マチカネフクキタルは羽田にある人工島に建設された公園である、羽田公園の一角にテントを立てていた。カンカンッとペグを土に差し込み、下にレジャー用の机を置いた。そして周りにケープを垂らし、簡易占い小屋の完成である。

 

「むっふっふ、占いではここに陣取るのが吉とありました! これでスズカさんを迎える準備は万端、オールオッケーです!」

 

 フクキタルは懐中時計を見た。サイレンススズカとの約束の時間には一二時間ほどあった。

 

「ふむ・・・時間が余りましたね。あら、あんなところでウマ娘の女の子がサッカーをしています! いいですねぇ〜、最近は競バ以外にもウマ娘が活躍するスポーツが増えて・・・シンボリルドルフ会長のお陰様です! ありがたや〜」

 

 フクキタルがサッカー娘たちを見ていると、彼女らもフクキタルの占いテントに気づいたのか示し合わせて駆け寄ってきた!

 

「すごーい! 本当にマチカネフクキタルさんだ!

「占って〜!」

「ダメだよキセちゃん! フクキタルさんの占いって超お高いんだよ」

「でもでもロイちゃん! あのテイオーさんと同じトレセン学園のマチカネフクキタルさんだよ! ねえネオちゃん!」

「そうだよ! とってもすごいんだよ! メジロパーマーさんに逃げるべしって占ったのはフクキタルさんなんだよ!」

 

 フクキタルの前ではしゃぐ子供たち。フクキタルは褒められると調子に乗るタイプだが、引退してもそれは変わらなかった。

「ふっふーん。皆さん分かっているじゃないですか! 私の占い、そう、シラオキ様の素晴らしさを! 占ってしんぜましょう!」

 

「やったー!」

「いいんですか!?」

「ありがとうございます!」

 

「はてさて〜? 何を占って欲しいんですか〜?」

「じゃあ、わたしから!」

「はい、どうぞ! お名前は?」

「キセキノテイオーですよ! 私は、サッカーの必殺シュート、何属性が私に一番あってますか?」

 

「へ? 必殺シュート? 属性?」

「実は私も!」

「私も同じこと考えてました!」

「ネロちゃん、ロイちゃんも! ど、どういうことでしょう? サッカーってそんなものが? 競バだとたしかに、必殺技みたいなものはありましたが・・・」

[16:50]

「ウマ娘は他のスポーツでもできるんですよ!」

「ひょえ〜!? でしたら、私もシラオキ様シュート!というのもできちゃったりするんですか〜!」

「た、多分何かしら出来るんだと思います!」

「それでは、やってみるが吉、ですね! どうやるのか、教えてください! その方が占いもいい結果が出ること間違いなしです!」

 

 そうして、マチカネフクキタルはサッカーボールを転がしPKの位置についた。

 

「行きますよぉ〜! 万!福!元!来! シラオキ様ストライク!」

「おぉ〜! やっぱりトゥインクル・シリーズで活躍したウマ娘は一発で必殺シュー」

 

スカッ! フクキタルはキックをはずした!

「ふんぎゃーっ!」

 さらに、脚の勢いを殺しきれず後ろ向きに倒れてしまった!

 

「は、走るのと蹴るのは脚の使い方が違いますからね…」

「し、シラオキ様が見えます・・・」

「わわ、頭打ってませんか!?」

「大丈夫です・・・私の今日の運勢は『蹴吉』でしたから、何回かやれば必殺シュートが打てるはずです・・・」

「なんてピンポイントな」

 

 一息ついた後、キセキノテイオーが切り出した。

「必殺シュートってボールが浮いた状態から打つ物が多いんですよ。グラスファイアなんかは違いますけど・・・」

「グラスファイア!? なんだか物騒な名前ですね!?」

「ボールを地面に沿わせて蹴るんですけど、炎が出るほど強力な前回転をかけるんです! シュート後は芝コートが焦げちゃうので『グラスファイア』っていう名前なんですよ!」

「グラスワンダーさんを燃やすわけではないんですね・・・びっくりしました」

 

「でも、ボールに足が当たらないと必殺シュートなんてとても打てません」

「ぐがっ!」

「水晶の扱いはとっても上手なのに」

「ぺぶしっ!」

「みんな〜! フクキタルさんにトドメ刺すのやめてよぉ〜! 占って貰えないじゃん〜!」

「ぼぐらっ!」

 

「しゅ、蹴吉ですし! もう一回やれば!」

 

「話は聞かせてもらったわ!」

 フクキタルがボールを蹴ろうとした時、一同に声をかける栗毛のウマ娘が現れた。

 

「スズカさん!」

「サイレンススズカさんだー!」

 

「フクキタル、実は私の依頼は、その子たちを占って欲しいということだったの」

 

「そうだったんですか!」

「その子たち、体が頑丈なのだけど、競バで勝てる足ではなくて。だからこそ、ウマ娘サッカーで勝てるように手助けして欲しいわ。」

 

「そういうことだったんですか! お任せください! あ、ですがそれはそれとしてあとでレース占いしましょう!」

 

「ええ」

 

「謎の手紙の主はサイレンススズカさんだったんですね!」

「ええ」

 

「光るボールに任せればあんし〜んって書いてあったから、安心澤先生がウマ娘リトルのユニフォームを作ってくれるかと」

 

「それは・・・」

「あとでその手紙を見せて欲しいです!」

「フクキタル・・・」

 

 

 色々あったが、一同はスズカにフクキタルのサッカーセンスが皆無であることを話し始めた。

[16:50]

「なるほど・・・たしかに、サッカーができないと難しいものな気がするわ・・・」

 

 うーんと左回りしながら考えるスズカ。

 

「メジロパーマーを占ったときはどうだったの?」

「水晶占いでした!」

「普通にそうすればいいんじゃないかしら。ダメだったら・・・練習すればいいわ」

「それもそうですね!」

 

仮設占いの館に戻った一行。ロイとネロの必殺シュートは、火属性と水属性が吉、という結果で、確かに他の属性より威力が高かったり、ボールスピードが速かったりした。

 フクキタルは子ウマたちから尊敬の眼差しを集め、鼻息を荒くドヤ顔だった。

 

「私の必殺シュート、どうすればいいですか!」

「それでは、最後にキセキノテイオーちゃん行きますね! はんにゃか〜ふんにゃか〜どりどり〜けりけり〜キエエエエエエエエッッ!!」

 

「ゴクリっ!」

 

「出ましたっ!」

 

「「「おおっ!」」」

「け結果は!?」

 

「軽やかにステップするが吉と出ています! 蹴ってみてください!」

 

「ステップ・・・? よくわかりませんが、はい!」

キセキノテイオーはテントの外へ駆け出した。

 

「うーん、ステップしてシュートするのって難しいよ! どうしようかな・・・」

 

 ポーンポーンとリフティングしながら考えるキセキノテイオー。

「それだ!」

とロイが指差す。

「ステップをしながらリフティングすればいいんだよ!」

「それだ!」

 テイオーは気を取り直すと、ボールを足裏でバックスピンさせリフティングした。ボールを右に飛ばして右にステップ、今度は左腿で左に飛ばし左にステップ。

 

「ほほ〜! なんとなく力が集まっているように見えます! 大逃げした時のスズカさんみたいですね!」

「キテる時のフクキタルみたいだわ」

 

「きた! いっくぞー! 『テイオートライアングル!』」

 

 キセキノテイオーはボールに合わせて前方宙返りし、身体を捻ってオーバーヘッドを繰り出した! テイオーがボールに触った地点を結ぶと三角形が形成されており、なんだか3点を結ぶ線が見えるようだった。

 

「必殺技だ!」

「本当に出るものなんですね! 私もできる気がしてきました!」

「フクキタルさんはボールに慣れるところから」

「ぴぇ〜! いえ、やってみせますとも!」

「やって見せてね。フクキタル」

「なんとでもなるはずです!」

 フクキタルはボールを一個受け取り(手で)地面に落とし蹴り始めた。ドリブル位はできるようだ。

 

「うおおおおおお!」

 最初はおっかなびっくり蹴っていたフクキタルも、少し経つとドリブルをモノにしていた。蹴って遠くへ飛ばすのと、走りながら触るのでは違うようだ。

 

「フクキタルさん、ドリブルはすごくうまいです!」

「やっぱり私は、走る方がいいみたいです! シラオキ様のおかげですね!」

 

「フクキタル、私を抜いてみて!」

 

「スズカさん! な、なんだか技が出せそうです! 『シラオキ様ドライブ』!」

 

 フクキタルにウマ娘力のようなものが集まっていく。その力が臨海に達した時、フクキタルが二人に増え、スズカの両隣を同時に駆け抜けた。スズカはどちらをブロックするか迷ってしまい、遅れて右のフクキタルを守備したが偽物だった。

そしてゴールまで辿り着き、シュート・・・はスカってしまって転んだが、ドリブルの勢いでゴールポストには入った。

 

「シラオキ様スト・・・ふんぎゃ〜!」

「ナイスゴール!」

「フクキタルさんすごーい!」

「すごいです〜!」

 

「くぁばば、シラオキ様が見えた気が気がします〜。というか、今シラオキ様が迎えにきてます〜」

 

「フクキタル、とても良かったわ。ゴール占いは大吉ね!」

「私もドリブル技練習してみます!」

「ステップが吉だし、やってみてもいいかもしれないね!」

「私もやるー!」

 

 マチカネフクキタルの周りには今日も吉がいっぱいだった。




最後までお読みいただきありがとうございました! フクキタルの口調を考えるの難しかったです…
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