ウマ娘短編合作   作:マーベラスきのこ

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学園要素がサイレンススズカ並みに逃げましたが、生徒会が出てくるのでセーフです。


ミホノブルボンはサイボーグウマ娘である。 作:雅媛

ミホノブルボンはサイボーグウマ娘である。

悪のマッドサイエンティストに体の多くの部分を機械化された彼女は通常のウマ娘の1倍もの力を発揮できるのだ!

 

「それって意味がないですよね」

「正確には0,96倍ですから正直マイナスです」

 

ミホノブルボンが無表情で自分はサイボーグだと告げる。

これが冗談なのか本当なのか、ライスシャワーには判断できなかった。

 

 

 

ミホノブルボンはサイボーグウマ娘らしい

 

 

 

「そ、それでブルボンさんはどうしてサイボーグにされちゃったの?」

 

昔のミホノブルボンだったらこんな冗談を言うことはなかっただろう。

しかし最近はライスシャワー以外にも逃げ切りシスターズのみんななんかとも付き合いがあり、表情はいまだに無表情なことが多いが、昔のように真面目一辺倒でもなく時々冗談を言うようにもなっていた。しかし口調や表情は昔と同じく平坦で無表情なのでそこから冗談かどうか判断できないのだ。

つまり、このサイボーグ発言も冗談なのかどうなのか、ライスシャワーには判断ができなかった。

なのでひとまず情報収集だ。ミホノブルボンに負けず劣らず、あまりコミュニケーション能力が高いわけではないライスシャワーは必死に質問をひねり出した。

 

「悪いマッドサイエンティストが世界征服のために私をサイボーグウマ娘にしたらしいです」

「???」

 

なぜミホノブルボンをサイボーグにすると世界征服できるのか。

なぜミホノブルボンがそんなものに選ばれたのか。

そもそも悪いマッドサイエンティストって何なのか。

情報が端的過ぎてライスシャワーにはまったく意味が分からなかった。

でもマッドサイエンティストというと……

 

「も、もしかして」

「悪いマッドサイエンティストということでアグネスタキオンを真っ先に想定した私は、彼女をぶちのめしました」

「乱暴なことはだめだよ!?」

「大丈夫です。正義のサイボーグウマ娘ミホノブルボンは悪のマッドサイエンティストをぶちのめしていいウマ娘ライセンスを持っていますから」

 

情報は増えていくが、意味の分からなさ、状況の混沌さが増していくばかりで理解できる状況にはどんどん遠ざかっていく。

アグネスタキオンは大丈夫なのだろうか。ライスシャワーは心配になった。

 

「ライスさん、心配しなくても大丈夫ですよ。こちらに退治して改心済みのアグネスタキオンさんを準備しております」

「三分クッキングじゃないんだよ!?」

「やあ、ライスシャワー君」

「タキオンさんももっと抵抗してください!!」

 

ミホノブルボンは、どこからともなく首根っこ捕まれて猫のような状態のアグネスタキオンを取り出した。

 

「ところでライスシャワー君」

「な、なんですか?」

「この薬、飲んでみてくれないか? まだ研究段階なのだが君の身長を伸ばして外見年齢を引き上げることができる「サイボーグパンチ」ぐはぁ!」

「ブルボンさん!?」

「ライスさんは全国1億2000万人のお兄様お姉様の妹なんですよ。それを育てるなんて言う暴挙、日本国憲法が許しませんよ!」

「ブルボンさんが何を言っているかわからない……」

 

理解を超えた展開が続き、ライスシャワーの困惑は深まるばかりである。

ただ、あのアグネスタキオンが持っている七色に光る薬だけは飲んではいけないということだけは本能的に理解していた。

 

「し、しかしブルボン君」

「遺言なら聞きますよ?」

「ライスシャワー君が成長してお姉さんになった様子、見てみたくないか?」

「……」

「想像してみてくれ、キミより少し身長が高くなり、豊満になったライスシャワー君を。そんなライスシャワー君がブルボン君に、「ブルボンはいけない子だね」といいながら膝枕してくれる様子を」

「タキオンさん、正直ドン引きです」

 

ライスシャワーは引いていた。

どんな性癖や妄想を持っていようが自由だが、他人を巻き込まないでほしいとライスシャワーはささやかに祈った。

しかし、そんな悪魔のささやきはブルボンのサイボーグ的な琴線に触れてしまったらしい。

アグネスタキオンから薬を受け取り、その手元の薬とライスシャワーを見ることを繰り返し始めたミホノブルボン。無表情でも考えていることはバレバレである。

 

「ライスさん」

「何ですかブルボンさん」

「ライスさんは大人に」

「ブルボンさんは正義のサイボーグですから悪のタキオンさんの誘惑なんかに負けませんよね?」

「え?」

「負けませんよね?」

「え、あ」

 

ほとんど誘惑に負けていたミホノブルボンだったが、ライスシャワーの念押しに困ったようだ。

手元の薬を見て、ライスシャワーを見て、タキオンを見て、という謎行動を繰り返し始める。壊れた人形か何かのようだった。

 

「ブルボン君?」

「ブルボンさん?」

 

両側に挟まれて追い込まれたミホノブルボン。

どうにもならなくなったブルボンは手元の薬をいきなり飲み干し……

 

そして爆発した。

 

「……タキオンさん。大人になる薬じゃなかったんですか?」

「あれぇ? おかしいなぁ」

「……」

 

無言でライスシャワーはアグネスタキオンの口に、薬の残りを突っ込んだ。

無表情で何を考えているかわからなくて最近特にカオスな状況を作り出すミホノブルボンだが、ライスシャワーにとっては友人なのだ。

それを爆発させた悪のマッドサイエンティストは自分で自分の薬を治験するべきである。

 

謎薬を飲み干したアグネスタキオンはなぜか縮んで5歳児ぐらいになった。

通りかかったダイワスカーレットとスーパークリークがアグネスタキオンの取り合いをし始めたが、ライスシャワーは見なかったことにした。

 

「それでですね、ライスさん」

「わぁ!?」

 

そんなことをしていると、爆発したミホノブルボンが復活してライスシャワーに話しかけてきた。

爆発したミホノブルボンだったが無事ではなかったらしく、制服が吹き飛んでなぜか勝負服を着ていた。

 

「悪のマッドサイエンティストですが、実はタキオンさんじゃなかったんです」

「その話、まだ続くんですね」

「? はい。それでですね。ついに黒幕がウマ王であるゴールドシップさんだと突き止めたのです」

「なるほど?」

 

ライスシャワーも破天荒なスピカのゴールドシップは知っていた。というか一度拉致されたことがあるので苦手意識が強い。

だがゴールドシップとミホノブルボンをサイボーグに改造したというところがいまいち結びつかなかった。

 

「では勇者ライスさん、ウマ王ゴールドシップさんを倒しに行きますよ」

「え!? なんでライスが勇者なの!?」

「それはライスさんだからです」

「わけわかんないよ!」

「ライスさん、それはテイオーさんのセリフです。料金とられますよ」

「お金取られるの!?」

 

なぜセリフでお金を取られなければならないのか、そんな葛藤をライスシャワーがしている隙を突かれて、ライスシャワーはミホノブルボンに拉致された。

 

 

 

 

「くらえフジキセキ! 新必殺ブルローズチェイサー!!」

「さあ来いブルボン!! 私は実は一回刺されただけで死ぬぞぉ!!」

「ブルボンさんライスの固有特技取らないで!? あとフジ先輩1回刺されたら誰だって死にます!!」

「ぐわああ!! こ、このザ・フジと呼ばれる四天王のフジキセキがこんなサイボーグに……」

「フジ先輩!?」

 

こんな感じで四天王の一人を倒し

 

「フジキセキがやられたようだな」

「フフフ、奴は四天王の中でも最弱…」

「サイボーグごときに負けるとはウマ娘の面汚しよ!」

「くらええええ!!!」

「ぐわあああああ!!!!」

「ブルボンさんライスの勝負服のナイフ勝手に使わないで!!」

 

ヒシアマゾン、ナリタブライアン、エアグルーヴの四天王三人を倒し

 

「よく来たな、サイボーグミホノブルボン」

「こ、ここが生徒会室だったのか」

「そうだよブルボンさん!? ブルボンさん生徒会室で大暴れしてるからね今!」

「感じる、シンボリルドルフのウマソウルを」

「ゴールドシップさんどこ行っちゃったの!?」

 

ウマ王ゴールドシップを倒すのではなかったのか。なぜ今ブルボンは生徒会室にカチコミをして、寮長と生徒会役員を倒しているのだろうか。

ライスには理解できなかった。

 

「ミホノブルボンよ。一つだけ言っておくことがある。お前は私を倒すのに「虹色の人参」を食べる必要があると思っているようだが」

「そんなの食べちゃダメですよ!? ルドルフ会長!!」

「別に食べなくても倒せる。というか食べるとお腹壊す…… 今もおなか痛い……」

「な、なんだって!?」

「なんでそんな怪しいもの食べちゃったんですかルドルフ会長!?」

 

完全にしょんぼりルドルフであるが勢いは止まらない。

 

「フ… 上等です… 私も一つ言っておくことがあります。ライスさんは私の生き別れた妹です」

「そうか」

「ちがうからね!? ルドルフ会長も「そうか」じゃないよ!?」

「うおおおお! いくぞおおおお!!」

「すまんミホノブルボン、お腹痛いからトイレ行ってくる…」

「あ、ハイ」

「ルドルフ会長、保健室も行ってください!!」

 

ミホノブルボンの勇気が世界を救うと信じて…!

 

「これで終わりなの!?」

 

ライスは思わず叫んだ。

 

 

 

結局ミホノブルボンがサイボーグかどうか、ライスシャワーにはわからずに終わった。

ミホノブルボンは生徒会室で大暴れしたことについて、生徒会の役員と一緒にリギルの東条トレーナーに怒られた。

意外と生徒会のウマ娘たちもノリがいいんだな、とライスシャワーは思った。

 

「ライスさん、今日は遊んでいただいてありがとうございました」

「う、うん、どういたしまして?」

 

ライスシャワーはとても疲れていた。

遊んでいた、と言っていいのかライスにはわからなかった。だが、ミホノブルボンが楽しそうに薄く笑うのを見て、良かったのかな、と思った。

 

「明日はゴールドシップさんが用意した宇宙戦艦に乗りましょうね」

「うちゅうせんかん……?」

「アクシズを押し返す必要がありますから」

 

やっぱりミホノブルボンが何を言っているか、ライスシャワーは理解できなかった。




ミホノブルボンのテンションは叩いたら治りました。
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