日本は夏真っ盛り。
トレセン学園に通うウマ娘たちは今日も夢を掴む為に練習を重ねている──が、やっぱりサボっちゃう娘も中には居て………
「ふわぁ……この木はセミも居ないし快適ですなぁ…」
彼女の名前はセイウンスカイ。
実力はあるのにサボっちゃう系女子筆頭ウマ娘である。
そんな彼女は絶賛木の上でうたた寝中。
セミが居ないのは「セミの集合体を見たリアクションを観察したい」と某ハジケウマ娘が100均の虫かごにぎゅうぎゅう詰めにして連れていったからなのだが、それは別の話。
「見つけましたわよスカイさん!!またこんな木の上なんかに登って、もうっ!」
そんでもって授業&練習をサボったセイウンスカイを探しに来た彼女の名前はキングヘイロー。
決して頭を下げない王様の中の王様である。
なんとか説得し、キングはスカイを木の上から降ろす事に成功する。
「ハァ…木の上に登ってうたた寝なんて。恐怖心って物が無いんですの?」
「いやいやぁ、そんなに褒めなくても~」
「褒めてません!」
てれりこてれりこと恥ずかしがるスカイにキングは突っ込みを入れる。
「んで、怖い物だっけ?」
話を戻したスカイは悩むそぶりを見せてこう言った。
「う~ん……特には無いかなぁ……あ!でも一つだけあるねぇ。」
「あるんですのね…」
「おまんじゅうが怖いなぁ~……見ただけで背筋が凍っちゃうよ。」
その時、キングに電流走る。
(これは、今までの仕返しをするチャンスなのでは?)
スカイがニヤリと笑っていたのに気づくことなく、キングは話を続けようとする。
「おまんじゅう……ですか。お菓子のですのよね?」
「そうだよ~………ああ怖い。体調も悪くなってきちゃった。今日は寮に帰って寝るとしますかね。」
言い終わるとスカイは掛かったかの様に寮へと走り去っていった。
その夜。寮長へ許可を取ったキングはと言うと。
「店員さん!!このお饅頭を一箱くださいな!」
近場の和菓子店で売っていた饅頭を手当たり次第に買っていた。
温泉まんじゅう、蕎麦まんじゅう、栗まんじゅう、赤まんじゅう、白まんじゅう、葬式まんじゅう、肉まんじゅう。
多くの種類の饅頭を買いそろえたキングはホクホク顔で帰路へついた。
こっそり買ってきた饅頭を寝ているスカイの近くに置き終えると、キングも眠気に襲われ、部屋へ帰って就寝した。
朝。
ぎゃあ、という声で飛び起きたキングは急いでスカイの部屋の前へ行き、息を潜め、扉に耳を当てていた。
「なんでこんなにおまんじゅうがあるのさ……!!」
若干泣き声が入ったスカイの叫びにキングは大満足していると……
「温泉まんじゅうだ。ああ怖い。」
「蕎麦まんじゅうだ………うま…怖い怖い。」
なんと、スカイは怖いと言っていたお饅頭を食べているではありませんか!
「だ、騙しましたわね!?」
「ふふーん。騙される方が悪いのさ。………ああそうだ、本当に怖い物思い出したんだよね。」
「今は美味しいお茶が怖いなぁ。」
サイゲは早くメジロまんじゅうをかえるまんじゅう的なデフォルメして発売しろ