チョクセンバンチョー視点
授業終了のチャイムが鳴るトレセン学園A組の教室
これから自主トレを行う者、チームメンバーと練習を行う者、或いは今日はオフであり何処に羽を伸ばそうか考える者と、各々の予定がある者達が次々と教室から外へと出て行く
今日の日直だろうにトレーニングに行きたいが為に教室から走って出て行くスカーレット、それを注意しながら追い掛けるウオッカに苦笑いをしながら視線を移動させれば、手に持った本を何やら真剣な表情で読んでいる見知ったウマ娘が居る
「よぉ、マックイーン。真剣な顔してどうしたんだ?何か悩み事か?」
「あら、バンチョーさん。ええ、少し悩み事がありまして・・・」
彼女の座る席の前の椅子に腰かけ、向かい合う様になった所で聞いてみれば何やらお悩み中らしい
ちらりと手に持っている本を見てみればそれはリギルを始めとしたチームの一覧表であった
「ああ成程、チーム選びに悩んでるのか?」
「ええ、どうにも決めきれずに思い悩んだまま今日に至ってしまって」
「なはは、聡明なお前さんらしくない悩みじゃああるがそれも仕方ないか。学園には相当数のチームがあるしトレーナーの実績に指導方針、チームの雰囲気自分の目標その他諸々悩む理由は多々ある訳だしな」
「本当は私もリギルを第一目標にしていたのですが、それは結局エルコンドルパサー先輩が射止めてしまいましたから。それに代わるチームを・・・と思ってはみたのですが」
「決めきれていない、と」
「その通り、ですわ」
そう言って困ったような笑みを浮かべて肩をすくめるマックイーン
マックイーン程のステイヤーならばどのチームであろうと熱烈歓迎されそうではあるが、中々本人の好みに合わない様で悩みは深い様子だ
「確かバンチョーさんはカノープス、でしたわね?どうですのチームの雰囲気としては」
「私の所か?そうだなぁ、ネイチャにしろターボにしろ昔からの親友だから勝手知ったる付き合いをしてきてるし、互いに気楽にやれるチームだよ。南坂トレーナーも温和で優しい人なんだが、私達の努力を押してくれるい良いトレーナーだぜ?最も、ちと此方側の押しに弱い所は、あるかな?」
「あら?そうなのですか?」
「そりゃあそうだろうよ。マックイーン程の綺麗なウマ娘なら猶更かもしれんぜ?なっはっは!」
「ふふっ、お上手ですわねバンチョーさんは」
おっと?うちのチームにも興味があるのかね?まぁうちは今のところ昔からの馴染みのある面々で構成されているから他よりは大分気楽にやらせて貰えるし、スピカみたいに完全な放任主義じゃないしリギルみたいなガチガチの管理主義でもない、ある程度の自由がある管理主義寄りのチームだ
ネイチャがリーダーだし雰囲気も和気あいあいとした感じで居心地も上々だから、もしマックイーンが来るならチーム総出で歓迎すると思うな
にしても、チームの事を簡単に紹介しながら軽く冗談を混ぜて話してみりゃあ、右手を口元に当てながらクスクス笑うマックイーン
流石メジロ家の御令嬢だわ、動作のそれに品があるなぁ
フェロモンの奴もウマ娘になってりゃ彼女と同じ様な品のある女になってたのか・・・いや、うーんどうだろ?アイツもクセ馬だしなぁ、名前が匂い関係だけに
・・・よし、今のは無かった事にしよう、そうしよう、これは駄作だ
「しかしマックイーン、お前程のステイヤーが何時まで経っても無所属は流石に不味いだろ。各方面からせっつかれてんじゃねえか?」
「そうなのです、既にお婆様だけでなくアルダンお姉様やライアン、ドーベルにもチームなり専属トレーナーなりと契約して練習に励めと言われて」
「私が思ってた以上にせっつかれてんだな!?」
あ、そうかメジロアルダン先輩もメジロライアン先輩もメジロドーベル先輩も皆メジロ家のウマ娘じゃん、身内が近くに居りゃあそれは言われるわな!
あーあー溜息も吐いちまって苦労してんだなぁ、しかしウチ以外だと私の伝手のあるのはヒシアマの姉さんの居るリギルかテイオーやスぺ姉ちゃんの居るスピカなんだよな~
けどリギルはエルコンドルパサー先輩が加入してチームとしてはほぼ満員の状態だし、テイオーの加入をカイチョーが止めてた辺りテイオーと実力が拮抗しているであろうマックイーンの加入も望み薄、かな?
となると勧めるのはやっぱ
「それなら丁度良さそうだね。ねえマックイーン、スピカに入らない?」
「急に横から現れてどうしたテイオーさんや」
「全くですわ、急にどうしましたの?私は今バンチョーさんとお話をしておりましたのに」
「うん、途中までそれ聞いてたよ。聞いた上で言ってるんだけど」
「・・・貴女自分で何を言っているのか分かってますの?」
「というかお前さん的にはOKなのかマックイーンの加入は?」
「んー、僕としてはライバルを同じチームに入れるのはちょっとだけ戸惑うんだけどね?けどゴールドシップがメジロマックイーン連れてこないとドラゴンスープレックスだって言って聞かないんだよ」
「何か、随分とゴールドシップに入れ込まれてるけど何か心当たりあるかマックイーン?」
「いいえ、全く。大体一方的に絡んでくるので困っている位で、何が気にいられたのか皆目見当もつきませんし」
「それって僕とカイチョーみたいな感じ、なのかな?」
「そこで私に同意を求めるなよ、そんなの分かる訳ねェだろ。兎も角だ・・・マックイーンも一回何処かのチームを直接見てみるのは悪くないと思うぜ?幾ら本を読んでも分かんねぇ事なんて沢山あるんだ、あー・・・何だっけ百聞は・・・」
「百聞は一見に如かず、ですわ。」
「ああ、それだ。社交的な場で耳に心地いい事言って近付いて来ても、それが本当の事言ってるかどうか何て分らんのはマックイーンなら分かんだろ?実際にやってる所見て選んでみるのもいいと思うぜ」
「そう、ですわね・・・分かりましたわ。テイオー、明日スピカのトレーナーさんに会ってみようかと思いますから、貴女から紹介をお願いしますわ」
「うん、まっかせてよ!」
「お願い致しますわ。では、私はこれで・・・バンチョーさんも、相談に乗って頂き感謝いたしますわ」
「なぁに、気にしなさんな。また明日な~」
「じゃあね~」
「・・・で?あんな感じで誘導すれば良かったのかいテイオーさんや?」
2人してマックイーンを見送った後に、私はそうテイオーに問う
何を隠そうこのマックイーンへの誘い、実はテイオーに協力を頼まれたのだ
ゴールドシップの奴が何故かマックイーンのチーム加入に凄く熱心で、完全にとばっちりをくらったテイオーがプロレス技を掛けられるのは嫌だと私に助けを求めてきやがった
私としてもマックイーン程のウマ娘が埋もれるのは面白くも無かったし協力した訳だが、これ別に私が協力せずとも大丈夫だったんじゃないかねぇ?マックイーンの奴結構こういうの断らんだろうし
まぁ、結果的にはテイオーに恩を売れた訳だし、良しとしとくか
「うん、バッチリ。はぁ~、これで明日はプロレス技かけられなくて済みそうだよ。ありがとねバンチョー、助かったよ~」
「仕方ねぇなぁ全く・・・今度お前さんがよく行ってるっつーはちみつドリンクの店、教えろよ?」
「うん、良いよ?何なら一緒に行かない?色々買い物したいし」
「お、良いねぇ私も買い物したいし今度一緒に行くか、荷物持ちぐれぇならしてやるよ」
「うん、宜しく!」
「んじゃ、私もこの後呼ばれてから行ってくるわ」
「そうなんだ、何処行くの?職員室?」
「うんや、生徒会長室。カイチョーさんに呼ばれてるんだわ」
「そっか~、カイチョーに呼ばれてるんだね・・・って、ええー!?」
ええい其処まで驚く事か!?別に何か悪い事して呼び出し食らった訳じゃねえからな!?
「久しぶりだね、チョクセンバンチョー。オープンキャンパスで会った時以来か」
「そうなりますね、カイチョーさんもお変わりないようで安心しました」
「ああ。神色自若、泰然自若を心掛けているからね・・・学園には大分馴染んできたようだね?チームカノープスは元より、ルームメイトのシンコウウインディとの仲の良さやテイオーの居るスピカのメンバーとも親しいとは聞いているよ」
「なはは、いやはや耳が早い事ですね・・・」
生徒会長室にお呼ばれされてカイチョーさんと向かい合う様にしてソファに座るが、いやぁ久しぶりにカイチョーさんに会ったがこの人変わんねぇなぁ、相変わらず凄い存在感だ
何か、気持ち前よか強くなってる感じがする辺り流石この学園トップのウマ娘だ、迫力が違うぜ
でも私何かしたか?呼び出される様な悪い事はしてない筈だし、メイクデビューの辺りからの呼び出しにしちゃああれから結構経ってるから違うだろうし・・・
「で、ええと・・・あの、なんで呼び出されたのか聞いても良いですかね?」
「ん?ああ、そうだな・・・言っておくが、別に叱ったりする為に呼んだ訳じゃあ無いんだ。今日は生徒会長としてではなく、シンボリルドルフ個人として君と話がしたくてね」
「は、はぁ・・・」
いや、焦るわ!生徒会長直々の御呼出しとか普通は焦るか慌てるから!?こっちに呼び出される心当たりがないから猶更焦ったぞ!
あー安心したぜ、何だ個人としてのお呼び出しかなぁんだハハハ安心・・・いや出来ねぇ!え、じゃあ何で私を呼び出したんだ?
「バンチョー君も知っての通り、現在我が学園では来る日本ダービーに向けて多くの学生が鍛冶研磨に励み、スピカのスペシャルウィークや我がリギルのエルコンドルパサー、皐月賞覇者のセイウンスカイやキングヘイロー等がこれに向けて奮励努力している事は君も承知していると思う」
「まぁ、それは確かに知っていますよ。実際私もスペシャルウィーク先輩に協力している身ですし」
「ふふ、家庭科室を借りてまで協力しているそうだね?中々の料理上手だとテイオーも話していたし、私も興味があるな、機会があれば作って貰えないだろうか?」
「機会があれば振る舞う事自体はやぶさかじゃないですよ、私は」
「楽しみにしているよ。さて、この日本ダービーと言うレース何だが、実は私とテイオーが初めて会ったレースでもあるんだ」
「え?そうなんですか?」
「ああ。クラシック2冠を成し遂げた際の記者会見の場で初めて出会ったんだ」
ほぉ、カイチョーさんとテイオーは其処で出会ったんだな、オープンキャンパスん時に出会ったもんだと思ってたがまさかレース場、しかも日本ダービーの後で、とはな
中々ロマンがある出会いしてるじゃねえか
「・・・その時も、カイチョーさんみたいな強くてカッコいいウマ娘になりたい!って、言ってましたか?」
「言っていたよ。そして今でもそう思っているだろうね、何時か私と共に走る日を夢見て」
「でしょうねぇ、カイチョーさんはアイツの憧れですから」
「・・・ただ、最近は少し変化があってね?」
「ほぉ?それは何でまた」
「君の存在さ」
「・・・へぇ、私の、ですか?」
「先日、テイオーに先んじる形でメイクデビュー戦を迎えて無事に勝利しただろう?どうやらあれがかなり響いたらしくてね?同期のライバルである君に何時までも遅れを取るまいと日々練習に励んでいるようだ。ふふ、トレセン学園に所属するウマ娘は大半がそうなんだが、やはりテイオーも中々の負けず嫌いなのだろう」
「なはは、そうでしたか!そりゃそりゃ、頑張った甲斐があったってもんですね。ウインディの奴とのレースも燃えましたが、テイオーとのレースも負けねぇように熱い戦いにしますよ」
「楽しみにしているよ。今のクラシック世代、君達の世代でも今後のトゥインクルシリーズを大いに盛り上げて欲しい。・・・さて、私としてからは以上だ、済まないねわざわざ呼び出したりして」
「いいえ、自分の走りのお蔭でアイツが燃えてるって聞けてこっちも負けてられねぇと一層頑張る気になれたんで良かったですわ。では、失礼し・・・あ~、そうだそうだ、言い忘れてましたわ」
「うん?」
ソファから立ち上がり、生徒会長室から立ち去ろうかと思ったが、最後にカイチョーさんに伝えておかなきゃいかん事を思い出した私は途中で立ち止まる
「テイオーの奴は、随分とスピカに馴染んでますよ?チームの雰囲気というか、空気が合っているみたいですしね。先程話に出た料理の時も、ふざけ合ったり、笑い合ったりとチームメイトと大分打ち解けているみたいでしたから。・・・きっと、互いに切磋琢磨していつの日か、貴女の前に立つ時には今以上に強く速いウマ娘になってるでしょう。ですんで、お互いうかうかしていられねぇですよ?」
「・・・そう、か。うん、そうか。ありがとうバンチョー、教えてくれて助かるよ」
「アイツの事、大分気にかけているんでしょう?大丈夫ですよ。アイツはきっと、貴女の隣に立つウマ娘になるんですから・・・最も、同期として負ける気も負け続ける気も無いですし、私も何時かカイチョーさんに挑ませて貰いますんでそん時ぁどうぞヨロシク、お願いします」
「ふふふ、そうか。では、君との戦いも楽しみにしておこう。また何時でも此処に来てくれ、待っているよ」
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チョクセンバンチョー
テイオーと2人してマックイーンをスピカへ誘う事に成功
後日テイオーと2人で買い物に出かけはちみー片手に荷物持ちする事に
カイチョーさんに色々お話を聞いた後に何時か挑むと挑戦の意思を伝える
尚、流石に場所によってはスぺ姉ちゃん呼びは控える模様
トウカイテイオー
1期アニメ5話での1幕、ただしバンチョーが居る為マックイーンの加入に関しての不満が軽減されている
カイチョーからの呼び出しがあったバンチョーにちょっぴり嫉妬
後日バンチョーと2人で買い物に出かけた際に結構な大荷物を持たせるという意地悪をするがバ鹿みたいに力のあるバンチョーには全く堪えてなかった模様
メジロマックイーン
漸く登場の御令嬢、当時は気付かなかったが実は結構な期間チームに未加入だった様である
バンチョーとはターボ経由で顔見知りで仲は結構良好
時折気まぐれにバンチョーが作るスイーツについつい手が伸びてパクパクしてしまう甘党さん
シンボリルドルフ
トレセン学園生徒会長にして学園最高峰のウマ娘
日本ダービーにおいてのテイオーとの出会いをバンチョーに語る
テイオーがスピカに馴染んでいるのはタイキシャトルとの戦い等から間接的に聞いてはいたがそれでも少し心配していた
バンチョーからも保証され一安心である
1期軸終了後に多少幕間を挟む予定です、あるとすればどれが見たいですか?
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チームスピカの話
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チームリギルの話
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チームカノープスの話
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チームコールサックの話
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生徒会の話
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親や他のウマ娘との話
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JWCの面々の話