チョクセンバンチョー視点
「おお~・・・!」
リン母ちゃんとキシ母ちゃんと共に暫し北海道まで空の旅を堪能した後、レンタカーを借りて移動する最中に外の景色を見ているバンチョーだ
いやぁ、昔何処かのポスターに書いてあったという北海道はでっかいどう、なんていうキャッチコピーがあったものだが本当にデカいな此処は
見渡す限り豊かな森と草原が広がる道を後部座席の窓から見ているが、もの凄く走りたくなるような綺麗な大草原が広がってやがる
それにやっぱ空気がウマいし車の音以外じゃ鳥のさえずりや草木の揺れる音位しかなくてとても静かだ
そういや晩年を過ごした牧場もこんな感じでのどかで静かな場所にあったな・・・牧場主の大将やスタッフの奴等元気にしてるのかねぇ?まぁ今となっちゃ分かんねぇけども、大分世話になったからなぁ礼を言いたかったわ
にしてもまぁこんな所を全力で走り回れたらさぞ楽しいだろうな、何処まででも駆けていけそうだ・・・レースじゃないそういう走りも私は好きだ
キメジが時折ハンドル手綱を付けた私の背に乗って、牧場内を時に蛇行させたり時に全力で走らせたりと好き勝手に走り回らせた練習・・・確かキメジ曰くツーリング、だったか?アレを思い出すぜ
おっと、そんな事を考えていたら目的地の農場についたらしい
野球帽を逆向き被ってて家の前で手を振ってるあの金髪の姉ちゃんがスぺのお母ちゃんで・・・あ、隣に私と同じウマ娘が居る
あの子が多分スぺかな?
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スぺシャルウィーク視点
「久しぶりだねリン、キシもわざわざ来てくれてありがとうね。さ、スぺも挨拶して」
「お久しぶりです!リンさん、キシさん!また会いに来てくれて凄く嬉しいです!」
「ああ、久しぶりだね。・・・うん、君もスぺちゃんも元気そうで安心したよ」
「お久しぶりですね、スぺ。二人共元気そうで何より・・・スぺ、貴女の好きそうなお土産も沢山持ってきましたよ。後で食べましょう」
「本当ですか!?わぁぁ、嬉しいです!キシさんありがとうございます!」
「おや、私には何もなしか?寂しいな・・・」
「ふえっ!?あっ、やっ、違いますよ!?リンさんもありがとうございます!」
「ちょっとちょっと、リン?うちのスぺをあんまいじめないで頂戴よ?」
「ふふっ、悪い悪い。スぺが可愛くてつい、な」
皆さん、初めまして!スペシャルウィークです!
今日は生みのお母ちゃんと同期で親友だった二人のウマ娘・・・ガソリンテンゴクさんことリンさんとオキシドールさんことキシさんが私達の家に遊びに来てくれました
お二人は私の生みのお母ちゃんとは同期でよくレースで競った好敵手だったそうで、私の知らないお母ちゃんとの日々の出来事やトレセンでの思い出などをよく聞かせてくれたし、私が日本一のウマ娘になる約束をお母ちゃんとした時には、ここで出来そうな練習方法を色々と考えてくれてとてもお世話になっています
そんなお二人なんですが・・・普段はお仕事とかの都合でお盆とかにお一人ずつ来るのに、今日は二人で来られたしこの時期に来るのも珍しいなぁ?何かあったのかな?と思っていたんですが
「さて、スぺちゃんも気になっているようだしそろそろ紹介するとしようか?」
「そうですね、では・・・セン、そろそろ出て来ても良いですよ?」
「お、出ていいのか?おっしゃ!」
がらり、と車の後部座席が開いて誰かが出てきました
先ず目を引いたのは黒くて艶々した長い髪と耳、そして私と同じように髪の一部分だけ綺麗な紅色の前髪をした・・・私より少しだけ小柄なウマ娘が地面にすたり、と着地します
そしててくてく歩いて来ると私とお母ちゃんの前で立ち止まって
「初めまして!私はチョクセンバンチョーって名前なんだ、宜しくな!」
と挨拶してきました
「ああ、この子が二人の子供の・・・チョクセンバンチョーって言うんだね?宜しくね。」
「あっ、えっと、は、初めまして、スペシャルウィークって言います。えっと、名前が長いから気軽にスぺって呼んでね?」
「おう!で、えーっと・・・スペシャルウィークだからスぺか・・・んじゃあスぺ姉ちゃんだな」
「す、スぺ姉ちゃん!?」
「おう、私よかスぺ姉ちゃんのが年上だからな。それに私も一人っ子でな、姉ってえのには憧れてたんだよ。駄目か?」
私より少し年下のような少女の挨拶に、初めて歳の近い子に会えた事による衝撃で一瞬だけ戸惑ったけれど何とか挨拶を返した私に更に驚くような一言が飛んできた
姉ちゃん!?今姉ちゃんってこの子言ったの!?
そう言われてあわあわしてる私に、にかっとした笑顔で理由を説明した後で小首をかしげながら私を見上げて来るバンチョーちゃん
な、何だか本当に妹が出来たように感じて嬉しくなっちゃう・・・
「う、うんいいよ!宜しくねバンチョーちゃん!」
「ん?スぺ姉ちゃん、私も気軽にセンって呼んでくれよ?その方が何かお揃いみたいでしっくり来るしな!」
「そ、そうなんだ?じゃ、じゃあそう呼ばせて貰うね!改めて宜しくねセンちゃん!」
「おう!・・・なあなあ、スぺ姉ちゃんもやっぱウマ娘だから足速いのか?速いんなら競争しようぜ競走!」
「競走?いいよ、私も走りには自信があるから、センちゃんには負けないよー!」
「やったぜ!んじゃあ外行って競争しようぜぇ!リン母ちゃんキシ母ちゃん、スぺ姉ちゃんと競走してくるぜ!」
「お母ちゃん、センちゃんと外で競走してくるねー!」
お母ちゃんにそう言って二人で外に出る・・・リンさんやキシさんとは一緒に走った事は何度かあるけど、こうして歳の近い誰かと一緒に草原を駆けるのは初めてで・・・何だかとてもワクワクする
それにセンちゃんも私と走るのが楽しみなのか、さっきからウキウキしてるし黒い耳と尾がぱたぱたと動いてて思わず私も笑顔になっちゃった
でも・・・私はいつか日本一のウマ娘になるって目標があるから、走る事に関しては負けたくない。だから、全力で行かせて貰うねセンちゃん!
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チョクセンバンチョー視点
いやー、スぺ姉ちゃん速いわ・・・ガキ同士の何もねえ直線の競争と言う名のかけっことはいえ、負けちまった
お互いガキだからまだまだ体格もフォームも出来てねぇけど後ろから来た時の末脚すげぇわ、一気にまくられた
リン母ちゃん達があれこれ指導してるとはいえ、元々の素質もすんげぇわ
でも、負けた事自体は悔しくはあるが・・・やっぱ誰かと競りながら走るのは楽しいし、メッチャ燃えるぜ
へへ、馬だった頃からだけど、俺に勝るとも劣らねぇような互角以上の競う相手がいて戦わねぇと面白くねぇわ
「はぁ、はぁ、は、速いねセンちゃん。なまら驚いたよぉ、逃げ切られるかと思って慌てちゃった、あはは」
「ぜぇ、はぁ、そ、そう言いながらもすげぇ末脚で追い越したじゃんよぉスぺ姉ちゃん・・・なはは」
ぐたぁ、と疲れ切って草原で2人して突っ伏しながら、笑い合う
「えへへ、だって私の夢は日本一のウマ娘だからね!例えセンちゃん相手でも負けないから!」
「・・・日本一」
日本一・・・かつて私がまだ"俺"だった頃に見続けた"あの好敵手"が背負ってた日の丸を、スぺ姉ちゃんは目指しているらしい
結局アイツには戦う機会があった四回のJWC全てで勝ちきれなかった。高くて、遠くて、でもそれでも追い掛け続けた・・・無敗の三冠馬にして私の最大の好敵手、ギンシャリボーイ
この世界に私が居る様に、アイツもこの世界に来ているのだろうか?他の連中もやはり各地に居るのだろうか?
それにスぺ姉ちゃんのような、私を燃えさせてくれる速いウマ娘達が、この世界にはまだまだ居るのだろうか?
ああ、くそ、そう思ったら滅茶苦茶ワクワクすんじゃねえか
まだ見ぬ好敵手、まだ見ぬレース場、数多のレース・・・それらを思い浮かべるだけでぞわりと私の心が躍る、私の魂が震える
競ってみたい、挑んでみたい、勝つか負けるかの勝負をあのターフの上でやりたい!
「・・・あぁ、悪くねぇなぁ」
「ふえ?」
「いや、スぺ姉ちゃんの夢はすんげぇ高い山の上にあるだろうけど・・・いい目標だと思うぜ、私はさ」
「だ、だべ!?お母ちゃんとの約束なんだ・・・何時か、何時の日か私は日本一のウマ娘になってみせるよ!・・・ところで、そう言うセンちゃんの夢は?」
「ん?私か?」
「うん、何かあるのかな?って・・・」
「そうだなぁ、私の場合は夢って言うか目的になるんだけど・・・熱い勝負、だな」
「熱い勝負?」
「そ。私は別に有名なレースを制覇するとかそういうのはあんま考えてないんだ。ただ、重賞を勝ち上がればきっとスぺ姉ちゃんみてぇな速いウマ娘の先輩や同期や後輩達と戦える。そういう奴らとレースで競い合いてぇ・・・例え負けても、そのレースに後悔しない全力の勝負を相手としたいんだ、私はさ。だから今の目的はそういう全力で競える相手と同じレースで戦う事、かな」
「・・・そうなんだ、それが、センちゃんの・・・そういう想いも、あるんだ」
「・・・だからさ」
そこで言葉を区切り、私は上体を起こしてまだ寝そべっているスぺ姉ちゃんを見た
「今度はスぺ姉ちゃん、私とレースで競い合おうぜ?・・・そん時にゃあきっとスぺ姉ちゃんは日本一のウマ娘になってるんだろ?」
「!!」
がばっ、と起き上がったスぺ姉ちゃんは激しく頷きながら笑顔を見せる
「うん、うん!なる、なるよ!だからきっと、また競い合おうね!約束だよ!」
「なはは、約束だかんな!今度は負けねーぞ!」
「何を~!?今度も私が勝つんだから!」
そう言って二人して笑い合う。次に勝負する時は、きっとお互いトレセン学園に入学してからになるだろう
その時に向けて、明日からも励まねぇとな!
「でも日本一かぁ・・・いいなぁ、私も目指そうかな・・・」
「へ?え?ええ!?だだ、駄目だよ私がなるんだから!」
「えー、ずりぃよスぺ姉ちゃん一人だけ目指すなんてよー。私だって重賞戦っていきゃあそれなりに有名になるかもしれねーんだしさ?
ケチケチすんなよー私だって目指す位いいだろ~?それに・・・」
「そ、それに?」
「・・・・・・や、今は内緒にしとくぜ」
「むぅ・・・気になる・・・」
「いやいや大した事じゃねえって、スぺ姉ちゃん」
納得してないオーラをまだ此方に向けるスぺ姉ちゃんに苦笑しつつ、俺は雲も無い青空を見上げる
(そう、大した事じゃねえんだ。頂点目指してりゃあきっと速え奴らがいるレースで熱い勝負が出来るのは変わんねぇ。ただ、それを目指してたらまたお前にいつか会えるかもしれねぇとか、お前があの4回目のJWCの時に見ていたモンが、背負ってたモンが私にも分かるのかもしれねぇな・・・
なぁ?ギンシャリボーイよ・・・)
その日の夕方
「す、スぺ姉ちゃんって結構食うんだな・・・」
「え?ふぉうかなぁ?(もぐもぐ)んぐ・・・お母ちゃんの料理も美味しいけど、リンさんの料理も美味しいからパクパクいけちゃうからね!」
「や、分からなくはないんだぜ?分からなくは・・・(だとしてもカツ丼特盛3杯は子供にゃ多過ぎねぇかぁ!?)」
「ごくん・・・リンさん!お代わり下さい!」
「うぇあっ!?まだ食えるんかい!?」
補足、熱い勝負は好きなんだが、それがもし大食い勝負になったらスぺ姉ちゃんの食欲にはきっと一生勝てねぇだろうなぁ・・・
―――――――――
チョクセンバンチョー
本作主人公。夢は未だ決まっていないが、トレセン学園に行くのはレースで熱い勝負を他のウマ娘としたいという目的がある為。
未だにギンシャリボーイと戦ったあの日々を思い出す事がある。
人より食う量は多いがウマ娘としては並より上程度。
スペシャルウィーク
1期主人公。母親の友人達が会いに来てくれたり、バンチョーと会ったりと原作よりも他のウマ娘と会う機会が早くから生まれている。
時折バンチョーの両親からあれこれレース関係の指導も受けているので、1期序盤であったデビューレース前後の幾つかの失敗フラグが無くなった。
まだまだ子供で体が出来ていないので無理せずに怪我しにくい体づくりを、のコーチスタンスだったので原作よりもちょっぴり強くなる程度。
原作開始まではあと2年弱。
ガソリンテンゴク
スぺちゃんの母親とはトレセン学園にて同期の桜だった。娘も可愛いが、スぺちゃんも相当可愛がってる。
お母ちゃんにウマ娘用料理レシピメモ帳を作って渡している。
オキシドール
娘もスぺちゃんも怪我や病気にはなって欲しくないと思ってる。
お母ちゃんにウォーミングアップやクールダウンに有効なストレッチ、機器が無くても出来る簡易的な練習についてのノウハウが書いてあるお手製教本を渡している。
お母ちゃん
北海道で小さな牧場を経営しているスぺちゃんの育ての母親。
原作においては彼女が一人でスぺちゃんを育てあげているが、本作においてはリンとキシに色々相談しつつ援助もしてもらいつつトレーニングをして鍛えた。
1期軸終了後に多少幕間を挟む予定です、あるとすればどれが見たいですか?
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チームスピカの話
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チームリギルの話
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チームカノープスの話
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チームコールサックの話
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生徒会の話
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親や他のウマ娘との話
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JWCの面々の話