ウマ娘、チョクセンバンチョー!   作:狐の行商人

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第二十四走:日本総番と漆黒の幻影、正体不明の『お友だち』

チョクセンバンチョー視点

 

梅雨が終わりを迎える辺りに私はスピカへの並走パートナー協力の要請期間が終わり、カノープスへと復帰した

その後夏前に行われたテイオーとマックイーンのメイクデビュー戦はどちらも快勝し、これで晴れてスピカの全メンバーが遂にレースの場へと出揃う形になった

二人のデビューに続けとばかりに、この後に控えていた宝塚記念に対してスぺ姉ちゃんは意気込んでいたが・・・

 

(・・・やっぱり、勝てなかったか。スぺ姉ちゃん)

 

放課後の食堂にて1人、注文していたマカロンを頬張りながら私はつい昨日行われた宝塚記念の結末が載る学園の広報誌を読む

其処には、最終直線でスぺ姉ちゃんを差し切り優勝トロフィーを受け取るグラスワンダー先輩の姿が大きく写されていた

宝塚記念に向けて、いやライバルのスぺ姉ちゃんとの戦いに燃えていた先輩相手に、スズカ先輩の事ばかりを考え浮ついていたスぺ姉ちゃんではやはり勝てなかったのだ

これからのスピカはスズカ先輩の本格的なレース復帰に向けた調整と、レースに対しての自信と目標を喪失しかけているスぺ姉ちゃんのメンタルケアで大忙しだろう

 

対し、現状のリギルは順調だ

宝塚記念でスぺ姉ちゃんと同期対決に勝ったグラスワンダー先輩、凱旋門賞に向けてフランスの地でレースと練習に励むエルコンドルパサー先輩も調子を上げてきているだろう

まぁ会長さんを始めとして学園トップクラスのメンバーが揃うチームだ、地力も経験量も他のチームとは格が違うしこれから迎える2度目の夏合宿でどれだけ秋に向けて伸ばせるかがスピカの鍵となるだろう

 

(まぁ、それはウチもなんだがな)

 

今回の夏合宿は前回の合宿以上に熱が入らざるを得ない、私もネイチャもターボもジュニアCクラスへの編入が決定し、いよいよ以てクラシック戦線へと殴り込んでいく事が決定したからだ

ただ、距離適性的に言えば私とネイチャは其処まで問題じゃないしネイチャに至ってはどちらも得意な距離であるが・・・ターボのクラシック三冠挑戦は菊花賞だけは無理だろうな、南坂トレーナー曰くどう見ても適正が合わないし、そもそも3000mという長丁場に最初っから全力で疾走するターボのスタミナが中盤位までしか持たないのが目に見えているかららしい

まぁターボの奴はそもそもクラシック三冠にあまり興味が無いらしく、テイオーやマックイーンと競えるなら其処までレースのグレードには拘らないとの事で上手い事お互いのレースの出走予定がかみ合えば二人との対決も夢じゃないだろう

其処まで考えて次のマカロンに手を伸ばして、何処からか私と同じ様にマカロンに手を伸ばして来た『彼女』に気付く

 

「―――・・・?」

「何だ、アンタか。席なら空いてるから座るかい?あぁ、あと良ければこのマカロンも食べてみるかい?中々美味いぜ?」

「―――♪」

 

私がそう勧めるとコロコロと喜ぶような仕草と嬉しさを表すかのような声を出しながら、幾つかのマカロンを手に持ち私の向かいの椅子に彼女は腰掛けしげしげと色とりどりのマカロンを見ていたかと思えば気に入った色を見つけたのか幾つか手に取り食べる、と思えばお手玉をしたり空中に投げたそれを口でキャッチして食べたりと自由気ままに振る舞うウマ娘らしき女性

一年前に体の精密検査を受ける為に訪れたコールサックの教室、其処で出会った彼女とは学園で時たま出会う事がある・・・んだが、どうも私ともう1人以外誰も彼女の存在を認識出来ないらしい

まぁ俗にいう幽霊、というものなのかもしれないが正直な話私からすればあぁ本当にそういうの居るんだな~程度の感覚しかないんだ

だって私UMA、いやイエティと昔走った事あるしなぁ・・・こっちの世界来て漸くアイツの名前知ったけども、相当珍しい存在だったらしいからそれに比べて結構有名な幽霊と言う存在の目の前の彼女に関して其処まで驚けないって言うかさぁ

しかし、こうして彼女が私の前にやって来たって事はつまりあの先輩も傍まで来てる訳だな・・・

 

「・・・矢張り、貴女に会いに来ていましたか。こんにちわ、バンチョーさん」

「なはは、余程気に入られちゃったみたいですね私は。こんにちわカフェ先輩」

 

私も同席させて貰いますね・・・と椅子に座るのはもぐもぐとマカロンを頬張り続けるウマ娘に瓜二つのウマ娘、マンハッタンカフェ先輩だ

彼女もまたキシ母ちゃんのチーム、コールサック所属のウマ娘で常に彼女『お友だち』と共に居る落ち着いた感じの先輩である

最初に彼女と出会った時はお友だちと余りにも瓜二つ過ぎて一瞬コールサックの部室で会ったか聞いて別人ならぬ別ウマ娘と知って驚いたのだが、彼女もまた私がお友だちがしっかりと見えている事に驚いていたっけかな

それ以来ちょいちょい会ったり話をしたりするのだがその度にお友だちが私に悪戯を仕掛けて来てあわあわする事もよくある、私としてはウインディと同じく彼女なりのスキンシップなんだろうなと受け止めているが

というか今も人の頭の上に自分の顎を乗せてマカロン食ってるしな、自由人か

 

「気に入られ過ぎだと、よく思うんですけどね・・・」

「そう言われても私にゃ此処まで気に入られる理由が当たり無いんですがねぇ?」

「―――、―――♪」

「んー?私の周りは何時も誰か居て賑やかで飽きないから良いって・・・・・・えっ、今私等以外誰も居ないのに?もしかしてそれ私現在進行形で何かに憑かれてるって意味?何ソレ怖っ」

「バンチョーさんに憑りついてる子達は・・・良くも悪くも個性的な子達ばかりなので大丈夫だと思いますよ?」

「待って、カフェ先輩?憑いてるのは否定しないの?えっマジで居るの?しかも複数?お祓いとか行った方が良い奴です?」

「・・・お祓いでは、決して落ちないと思いますよ」

「えぇ・・・」

 

速報、私何か憑りついてるらしい・・・しかも複数かつ落ちない奴が

えーそんな情報知りたくなかったなぁ、このゆうれいは のろわれている って奴ですか?いや幽霊ってそもそもオカルト系だから呪いの側面もあるから当然っちゃ当然なのか?

けどまぁカフェ先輩やお友だちがそれを知ってても私に特に忠告や助言をしてこない辺り放置しても大丈夫な奴なのだろう、ベシベシと『ドンマーイw』とでも言いたげに背中を叩いて来るお友だちのリアクションでそう思う、事にした・・・けどお友だちさんアンタの腕力で叩かれると結構痛いから程々でやめてくれ

 

 

 

それから他愛もない話をカフェ先輩とお友だちとコーヒー片手に暫ししていれば、今度は珍しい人物が此方にやって来た・・・あの人が部室の外に出てるのも珍しいな、とか思ってたらやべぇこっちに気付いた!?

 

「やぁやぁカフェ、それに・・・おぉや、バンチョー君じゃないか!丁度君を探していたんだよ。いやぁ最近コールサックの部室に来てくれなかったから寂しかったよ、レースでかなり調子を上げてきていると聞いているしまた色々と調べさせて貰いたかったんだがねぇ?いや何なら、試薬品のテストに付き合って貰うというのも私的には有難いのだが?」

「いや、遠慮しときます・・・」

「・・・折角楽しくお話をしていたのに・・・それに、また?タキオンさん、性懲りも無くまた何か実験を・・・?」

「いやいやまぁまぁ待ちたまえよ、カフェ。それは別の機会にするさ、今はバンチョー君に話があってねぇ」

「ん?私にですか?」

「ああ、今度の合宿の事でね。南坂トレーナーやカノープスのリーダーであるネイチャ君には先程先生が話に行った筈だよ・・・全く、私は実験で忙しかったのだが君にも話をしておけと使番代わりに叩き出されてねぇ、困ったものさ」

 

肩をすくめながらさも当然の様に席に腰を下ろし、まだ多少残っていたマカロンを頬張るタキオンセンセ

しかし合宿の事で私等に話、ねぇ?南坂トレーナーからは特に何も聞いてないしキシ母ちゃん側からのお話なんだろうか?

 

「所で、先日はスピカに並走パートナーとして雇われていたそうじゃあないか?その時の話を私に色々と聞かせてくれたまえよ。あのチームに所属している子達も中々の粒ぞろいでねぇ、君から見たスピカのメンバーの実力や走り方について参考までに聞いておきたいんだよ・・・それに、私としては少し気にかけている子も所属しているんだ」

「確か、ダイワスカーレットさん・・・でしたか?貴女にしては珍しく勉強を教えたり、ちゃんとしたサプリメントを手渡したりと目にかけているみたいでしたね・・・」

「ああ、カフェは知っているのかい?いやぁ、彼女に関しては何故か他人に思えなくてねぇ、ついつい手を貸してしまうんだよ。しかもそれが不思議と嫌じゃなくてね、実験に忙しくても彼女に頼まれたらついつい其方を優先してしまうんだ」

「へぇー、実験一筋のタキオンセンセにしちゃあ珍しい事もあるんですねぇ」

「そういう意味では・・・お友だちも、あのチームには興味があるんですよ。スペシャルウィークさんや、サイレンスズカさんが特に・・・サイレンスズカさんが怪我をした時は、大分心配していましたし」

「ほう?そうなのかい?」

「んー、そういうのに近いのか分かんねぇっすけどシンボリルドルフ先輩とテイオーの奴も似た様な感覚あるらしいですし、マックイーンとゴルシの奴もそういう感覚あるみたいですよ?まぁマックイーンは否定してましたけど」

「ふぅン、複数のウマ娘に似た様な感覚があるのかい?それは興味深い現象だねぇ、今度調べてみようか・・・」

「調べるのは勝手ですが、話・・・脱線してませんか?」

「おっと、そうだったねぇ。失敬失敬・・・まぁ何、今度の夏合宿は君達カノープスと我々コールサック合同で行わないかとの話さ」

「コールサックと合同、ですか」

「うむ、知っているかとは思うが我々コールサックはチームとしては君達と同じく小規模。スピカやリギルに比べて合宿で出来る事は大分限られるんだ、おまけにメンバーも私にカフェにデジタル君にシャカール君、とまぁ個性派揃い。それ故他のチームと合同の練習を始めとして中々交流が持ちづらくてねぇ・・・困っていたんだよ。だが、新興チームであるカノープスは違う。我々に変な先入観も無いだろうし、君と我等がトレーナーは親子関係で私達とも顔見知りだ。それに・・・君は挑むんだろう?あのクラシック三冠に」

「・・・ええ、クラシックを競い合うチームメイトとライバルが居るもんでね」

「うんうん、そうかそうか。ならば尚の事、今年が大事な事も理解しているだろう?」

「なはは、当然ですね・・・分かりました。トレーナーとネイチャがOK出せば自分も賛成しますよ、その合同夏合宿。カフェ先輩、その時は一緒に走って貰えますか?お友だちと合わせて3人で」

「・・・はい、喜んで。ふふっ・・・今年の合宿の事は驚きましたが、実はバンチョーさんと走れる時が来るの楽しみにしてたんですよ・・・私達。ね・・・?」

「―――♪」

「じゃあ今回の合宿で長距離を走る為のコツとかステイヤーとしての走り方とか色々しっかり学ばせて貰いますからヨロシク、お願いします!」

 

そう言って私が頭を下げれば、ニコリと微笑みながら頷くカフェ先輩とサムズアップするお友だち

ここでまた更に強くなって、テイオーの奴といい勝負が出来る様に磨き上げとかねえとな!

今年の夏は熱く行きたいもんだぜ

 

 

 

 

 

「ん?いや待ちたまえ、もしかしてバンチョー君は・・・カフェのお友だちがまさか見えているのか?」

「え?はい、まぁ何でかバッチリしっかりと」

「ほうほう、それはそれは興味深い・・・」

「え?あの、タキオンセンセ?なんで私に近付いて来てるんすか?」

「いや何、君に益々興味が湧いただけさ・・・ついでにまた色々と調べさせてもらいたいんだが構わないね?返事は聞かないが」

「待って!?いや返事は聞いてくださいって!ちょ、ま、カフェ先輩助けてぇ!!」

 

この後滅茶苦茶カフェ先輩に助けて貰った・・・お友だちは私達のそんなやり取りを見て爆笑してやがった、せめて助けてくれよぉ・・・

―――――――――

 

チョクセンバンチョー

 

スピカとの並走パートナーを終え、その直後にスぺの宝塚記念の敗北を知る

この敗北を糧にしてスぺ姉ちゃんには頑張って貰いたいと思っている

カフェのお友だちに非常に懐かれている、しかも何かが複数形で憑りついてる事が判明しちょっとビビってる

合同合宿でクラシック三冠、特に菊花賞の様な長距離レースに向けた練習や未だに前世からの弱点のスタミナ補強に勤めたい所

コーヒーも紅茶もイケる口、どっちもどっちの良さがあっていいよね

 

 

 

マンハッタンカフェ&お友だち

 

自分以外にもお友だちの理解者というか認識者が現れた事にびっくり

しかも特に気にした様子も無く友人感覚で話をしたりするバンチョーに2人して好印象

お友だちはバンチョーに憑りついてる奴等とかなり仲が良くなっている模様、彼女曰く『個性しかない連中ばっかで笑う』そうな

コールサックの良心にしてストッパー役、そしてバンチョーの合宿時の練習相手となる

この作品ではお友だちは多少物の飲み食いが出来る設定でいきますので、カフェのコーヒーとかよく飲んでます

 

 

 

アグネスタキオン

 

スピカの面々の実力や走り方とかを言える範囲でバンチョーから聞き出そうとした

スピカ、特にダイワスカーレットには注目しているし多少なり面倒を見ている模様・・・何だか放っておけなくてねぇ

今までカフェ以外視認出来ていなかったお友だちを視認出来るバンチョーに益々興味津々

 

 

 

カノープス&コールサック

 

少数のチーム同士なので合同練習しないとスピカ、リギル並みの人員に届かない

カノープスは中距離や長距離で活躍する先輩方の走り、コールサックはチームには居ない逃げ策の練習や普段とは違う練習相手との交流を目的としている模様

総勢7人による夏合宿となる

 




アンケートは夏合宿終了まで継続しておりますので、是非投票お願い致します

1期軸終了後に多少幕間を挟む予定です、あるとすればどれが見たいですか?

  • チームスピカの話
  • チームリギルの話
  • チームカノープスの話
  • チームコールサックの話
  • 生徒会の話
  • 親や他のウマ娘との話
  • JWCの面々の話
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