お母ちゃん視点
あの子と同期で私の親友である二人が、話に聞いていた娘のチョクセンバンチョーを伴ってやって来た日の夜遅く
寝静まったスぺとセンの様子を見に行っていたキシが、静かに居間に帰ってきた
「・・・キシ、二人は寝たか?」
「ええ。模擬レースみたいな事もしていましたし、その後も二人して遊んでいましたからね・・・疲れたのでしょう、気持ちよさそうに寝ていますよ」
「そう・・・二人から見て、今のスぺはどうなんだい?」
「・・・ウマ娘としての意見だと直ぐにでもトレセン学園に入学して貰い、いいトレーナーの指導を受けて貰いたい程の大器だと見ている」
「同感です。ミドルディスタンス、或いはステイヤーの素質は十分にあるでしょう。今年のジュニア級Aクラスの子も才能溢れる世代ですが、その中でも屈指のものではありますね」
重賞にも数多く出て戦って来た二人の言葉に、私は俯いてしまう
確かにスぺの素質は傍で見てきた私が一番分かっている・・・分かっては、いるんだけど・・・
「・・・おい待て話は最後まで聞け、あくまでもさっきのは先達のウマ娘としての意見だ。だろうキシ?」
「当然でしょう、まぁ・・・私は一応トレーナーとしての視点も入ってはいます。しかし先程の意見はあくまでそちらの観点からでしかありません。貴女が心配しているのは『ウマ娘としてのスペシャルウィーク』としてではなく、『自分の娘としてのスペちゃん』でしょう?」
「・・・はは、流石だねキシ」
「貴女の心配は分らないでもありません。ここからトレセン学園のある府中はとても遠く、帰ってくるのも中々難しいですから。それに・・・」
「それに其処から右も左もわからない場所に送り出すのは親としては心配だし、スぺは今まで私達以外のウマ娘に会う機会が無かったからな、その辺りもか?」
「うん、親としては恥ずかしい話だけどそうなんだよ。あの子が眠るこの場所で、元気に育っていくスぺを見せてやりたいからこその選択だったんだけど・・・そのせいで色々不便な思いをさせちゃってるし、此処からトレセン学園に行って馴染めるかも心配でね」
「何を言う、不便だと私達は思った事は無い。それに今日のスぺちゃんとセンの様子を見ていたろう?大分打ち解けていたし、お前の思う様な心配は現状ないと思うぞ」
「それにセンも現在進路としては現状トレセン学園を志望するようですし、2年後に二人が学園で寮生活を始めてくれればスぺちゃんにしろセンにしろ私達が学園勤めで諸々フォローに回れますから」
「入学手続き等にしても私達がサポートしよう。学園には籍もあるしトレセン学園OBだからな、ある程度の融通はしてくれるさ」
「・・・そうだね。ごめんね二人共、色々世話になっちゃって。その時はお願いしてもいい?」
「無論だな(です)」
「ありがとう」
スぺ、お母ちゃん達はスぺの夢を応援するよ。だからもう少しだけ待っててね・・・
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チョクセンバンチョー視点
北海道でスぺ姉ちゃんと3日程遊びまくった
釣りしてみたり山道走ったり、川遊びしたりタイヤ引きしてみたり、草原で昼寝してみたり丸太持ってスクワットしたりとしていたらあっという間だったわ
スぺ姉ちゃんも私も基本は中長距離の差しでスピードもパワーもスタミナも居るもんだから、そういう感じのトレーニングを一応中央のトレーナー資格もあるキシ母ちゃんが組んでくれるんだけど、もの凄い疲れる
間に遊ぶ時間とか勉強する時間とか休む時間もきっちり取ってるけど、ウマ娘でもキツイぜこのメニュー・・・隣でスぺ姉ちゃんが頑張ってなけりゃ途中で投げてたかもしれんなぁ
練習後のストレッチとか入念にして風呂に入って上がれば飯食う時には瞼が結構落ちて来てすぐに寝ちまうんだが、スぺ姉ちゃんと二人して布団に倒れるようにして寝たもんだから朝起きた時に気付いたらスぺ姉ちゃんに抱き枕宜しく抱き締められてたので、二度寝ついでにこっちも同じように抱き締め返しておいた
・・・私が雄のまんまだとしたらウマ息子か?もしそれだったらリン母ちゃん達に絶対説教されるやつだなこれ
その姿を朝飯だと呼びに来てくれたスぺ姉ちゃんのお母ちゃんに見られてホントに姉妹みたいだねぇ、と言われたのでこんなに良い姉なら大歓迎だぜ?と答えたらスぺ姉ちゃんに満面の笑みで頭撫でられたがなんでだ
基本の脚質が同じ先行差しが得意(一応私は逃げも追い込みも出来ん事は無いが)で競い合えるし、トモを触って確かめたキシ母ちゃん曰く適正と思われる距離が中長距離と被ってるので併走でも噛み合うしで練習時の相性もばっちりでそういう意味も含めての答えなんだが・・・解せぬ
あとキシ母ちゃんや、ボソッと二人共素質があるから沖野君にもトモを・・・とか何か言ってたがありゃどういう意味ですかね?
え?何?もしかしてトモをいきなり触ってくるような事するトレーナーの奴が居るの?まさかぁ・・・
トレセンに行くのが若干不安になる呟きは気にしない様にしつつも、楽しい時間はあっという間に過ぎてしまい、別れの時となった
しかし色々と噛み合い過ぎるのも困りもので、帰る時にはスぺ姉ちゃんも私もお互いにウルっと来てしまったので時折電話や手紙とかしようと思う
帰る時に全力で手を振り合ったが・・・今度は地元の事を色々案内して一緒に歩きたいものだ
「ってな感じで向こうで楽しんでたんだよなこの前の連休」
「あぁ~、だから家に誰も居なかったんだね」
「むぅ~、折角ターボが遊びに行こうと思ってたのに・・・」
「なはは、スマンなターボ。その代わり向こうで色々お土産買って来たから後で持って行くよ」
「ホントか!?楽しみにしてる!」
「へぇ~、良かったじゃんターボ」
「いや何言ってんだよ、お前の分も買っといたぞネイチャ?」
「うぇ?私も?別にいいのに・・・」
「いやぁ、ネイチャにはターボ共々勉強色々教えて貰ってるしな?そのお礼だよお礼」
連休明けてのリトルスクールで、私は同級生のわんぱく娘ことツインターボ、ツインテ娘ことナイスネイチャに北海道での事を話しながら昼の休み時間を過ごしていた
最近はこの3人で飯を食った後にこうしてあれこれ話をするのがいつものお決まりになっているんだが、今回は連休中の過ごし方についての話になった
ネイチャもターボも自宅で過ごしていたのだが、ターボが『休みの間にバンチョーの家に遊びに来ようとしたのにどうして居なかったんだよ~、寂しいじゃん!』と悲しそうな顔で聞いて来たので彼女の頭を撫でつつ苦笑いしながら事のあらましを聞かせてやった
その後も向こうでスぺ姉ちゃんとした練習や遊びの内容を話してやるとターボは森とか草原で走るの楽しそう!と目を輝かせ、ネイチャは確かにそんだけ広大な草原なら全力で走れば気持ちが良いだろうねぇ、と笑みを見せた
・・・見せたが、君らキシ母ちゃんの練習に何か一言無いのかね?え?キツそう?実際キヅいぞ?二人もやって・・・あ、首全力で横に振られた残念
「そ、それより!今度のトレセン学園のオープンキャンパスの話しよう!」
「そ、そうだな!」
「そこまで嫌なんかい二人して・・・まぁいいけども」
「なぁ、バンチョーはトレセン学園に行った事ないのか?リンおばちゃんやキシおばちゃんと」
「ないなぁ。流石に私がリン母ちゃんやキシ母ちゃんの娘だからってあっさり入れるような所じゃあないだろうさ、天下のトレセン学園だしな」
「生徒会長のシンボリルドルフ会長がいる名門チームリギル、地方出身の怪物オグリキャップ、白い稲妻タマモクロス、その二人に負けないポテンシャルを持ってるスーパークリーク、ヤエノムテキ、メジロアルダン・・・と、いやぁ名前上げればきりがない程輝くメンバーがそろってる所だから、マスコミとかの部外者が入らない様にもしてるんじゃないですかねぇ?」
「・・・えーと、つまり?」
「知らない人が学園内に入らない様にしてるって事だ、学園相当広いらしいからな。勝手に入ったら迷子になっちまうぞー、ってな」
「成程!」
「しかしまぁ、こうして聞くと挑んでみたい諸先輩方が多いねぇ・・・へへっ、勝負してみてぇなぁ」
「うわ~、相も変わらずバンチョーはチャレンジャーだねぇ」
「まぁな、こういう方々だからこそ競ってみたいってもんだぜ」
「ターボも勝負したい!で、大逃げして皆に勝ってやるんだから!」
「二人してやる気満々ですねぇ・・・ま、私もトレセン学園に入ったらやるだけやってみますか」
そうして迎えるトレセン学園のオープンキャンパスの日
この日、私はかつての”好敵手《ギンシャリボーイ》”を思い出させる新たな《天才》と出会う事になった・・・
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チョクセンバンチョー
スぺちゃんと一緒に連休中遊んだり練習したりしてエンジョイしてた。
連休明けに学校でその話をしたが遊びは兎も角ネイチャとターボにはキシ母ちゃんの練習受けたいとは思われなかった模様。
因みに親友二人への土産はターボへは『じゃがポックル』、ネイチャへは『わかさいも』というお菓子であったという。
スペシャルウィーク
無意識にバンチョーを抱き締めて寝たお姉ちゃん。結構いい夢見れた模様。
一人でやるより二人でやる方が練習も遊びもやっぱり楽しい!
水風船トレーニングも勿論二人でやりました!
お母ちゃんズ
原作ではお母ちゃんが一人でこういう事全部スぺちゃんの為にしてあげてた様子。ホントいいお母ちゃんだと思います。
この作品ではリン母ちゃんとキシ母ちゃんが手助けしてます。
ツインターボ・ナイスネイチャ
モロバレしてるであろうバンチョーと同級生のコンビ。
原作2期のこの二人はホントいい師匠っぷりとヒロインっぷりで大好き。
1期軸終了後に多少幕間を挟む予定です、あるとすればどれが見たいですか?
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チームスピカの話
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チームリギルの話
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チームカノープスの話
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チームコールサックの話
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生徒会の話
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親や他のウマ娘との話
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JWCの面々の話