「いやぁ~、急な模擬レースの申し込みを受けて貰って感謝するでぇ~東条チャン」
「い、いえ...国際レースでも活躍しているグラバスターとのレースが出来ると聞き、リギルメンバーは元よりトレーナーである私も今日を今か今かと待っていました...」
「そらぁアイツ等も喜ぶわぁ...黒沼チャンも変わり無さそうでホンマ嬉しいわ、ブルボンちゃん達も元気しとるか?」
「お久しぶりです、真島の兄さん...ブルボン達は元気にやってますよ。あいつ等は今日、観客席で模擬レースの見学をしてますんで、色々兄さんとこのメンバーの走りを勉強させます」
「ほぉ~そうかぁ、どれ...おお、おったおった!...ほー、黒沼チャンとこのウマ娘も皆ええ面ァしとるわ...で、東条チャンとこのリギルもチームリーダーのシンボリルドルフ始めとしてここ数年で加入したっちゅうエルコンドルパサーもグラスワンダーも、随分仕上がっとる。これはウチの奴等も油断ならんなぁ?流石トレセン学園№1なチームやのぉ...なあ黒沼チャン?」
「トレセン学園でどのチームが頭か、と質問すればほぼいの一番に名前が出て来るチームですから」
「お、お褒めに預かり光栄です...」
京都競馬場来賓席
此処ではチームリギルの東条ハナトレーナーと2人のトレーナーがレース前の調整を行うリギルメンバーを見下ろしていた
1人は黒沼トレーナー...そしてもう一人はチームグラバスターの真島トレーナーである
黒沼トレーナーと真島トレーナーは過去に新人トレーナー時代に付き合いがあったらしく顔見知りである為、今回の模擬レースのオブザーバー兼解説役として来賓席に招かれたのだが...
普段通りのグレーのパンツスーツを着こなす東条トレーナーに対し、黒沼トレーナーも真島トレーナーも白と蛇柄のジャケットの前を開け鍛え上げられた屈強な上半身を見せつける様な格好であり、遠目からはコワモテな2人組と秘書という3人がトレーナーだとは思えない組み合わせにしか見えないのが現状だったりする
若干早く帰りたいとも思い始めているおハナさんを余所に、眼下で準備運動を終えた様子のリギルメンバーを確認した真島トレーナーは己のスマホを取り出して電話を掛けた
「...おう、真島や。お前等出番やでぇ...相手チーム噂通り皆相当の強敵みたいやから、負けんと全力で走ってきぃ!」
『...トレセン学園関係者、そして学園のウマ娘達が待ちに待った日がやって参りました。チームリギル対チームグラバスターの模擬レース10番勝負。学園最強チームと名高いチームリギルとグラバスターより選び抜かれたウマ娘達による頂上決戦が、遂に出走を迎えます。日本のライバル達に、更には世界の舞台に挑んだウマ娘達による夢の祭典。ここ、京都競馬場には多くの生徒達がこの戦いの行方を見届ける為に駆け付けています。』
チームリギルメンバーが準備運動を終えたのを見ていたかのように、京都競バ場内にアナウンスの茂木氏の声が響き渡る
会場の喧騒は一瞬にして鳴りを潜め、未だ現れぬグラバスターのウマ娘達の登場を待つばかりの形となり...そして遂にその姿を見せ始めた
『それでは、グラバスターの出走ウマ娘達の紹介です...まず地下道より1番手のウマ娘が出て参りました』
バ場へ移動する為の地下道、其処から1人のウマ娘がゆっくりとレース場の敷地内へと入ってくる
先ず真っ先に目についたのは彼女の服装だった
水兵の様な紺色を基調とした制服にニット帽、長い袖の割に股下の少し下の辺りまでしか丈の無いワンピース
灰色のショートカットに碧眼、中性的な顔立ちと華奢な体つきのせいで少年とも少女とも見える小柄なウマ娘はゆっくりとターフを歩いて行く
『グラバスター1番手、シーワールド オーストラリア
地を滑る様な軽やかな走りとその機敏なステップでメルボルンカップを始めとしたオーストラリアのレースを席巻してきた期待のホープ、今日もその走りを見せてくれるのか?
対しますはエルコンドルパサー、此方も地を飛ぶ様な走りでダービーを手にし、そして凱旋門賞を戦って参りました。空を飛ぶ偉大なるコンドルと大いなる海の申し子の戦い、最初の勝利をチームに齎すのは果たしてどちらか?』
「Nice to meet you.エルコンドルパサーさん...僕の名前はシーワールド、グラバスターでの経験はまだまだ浅いけれど、チームの名に恥じないレースが出来る様に走るから、どうぞお相手よろしくお願いしますね」
「Oh...て、丁寧なご挨拶痛み居るデース。...貴女と同じでワタシもリギルでは加入が一番最後デスが、これまで幾度とも無く先輩方やライバル達と激しいbattleをしてきました!貴女との熱いレースで、その成果を証明してみせまショウ!」
『続きまして2番手 コンコン 中国
香港カップを連覇中のウマ娘、普段はまったりのんびりしていますが実力は本物。彼女の中華服の長い袖が回り始めた時の最終直線での追い込みは、その際に目が赤く不気味に光っているのと相俟ってコワイの一言です...それと趣味は餃子作り
対しますのはグラスワンダー、鋭い差しを得意とする彼女の一刀は、竹の様にゆらゆら揺れ動き熊の様に突撃してくるコンコンの走りを断ち切れるのか』
2人目として出て来たのは、腕どころか手の平すらすっぽりと隠す様な白に金糸の細かい刺繍が成された所謂チャイナ服を纏い、ガウチョパンツというすそにかけて広がっている独特の黒いズボンを穿いたグラスと変わらない身長のウマ娘
少々くせっ毛の白いゆるふわロングヘアーと両耳をすっぽりと隠す黒い耳カバーに、黒い腰帯には何故か瓢箪が取り付けられているのだが、問題は...
「んふふ~、今日もいい日和ですね~...思わず眠たくなっちゃいます~」
彼女が既に軽い千鳥足になっている事である
「...あの、大丈夫ですか?これから真剣勝負なのに、そんな千鳥足で...」
「あやぁ~?大丈夫ですよぉ~、これが私の平常なのでぇ~...それに私が現状の余裕を無くす位には、貴女は速そうですからねぇ...
因为全力干吧所以请准备《全力でやらせて貰いますから、覚悟しておいてください》?」
「ッ...成程、流石世界トップクラスのチームのメンバーのお一人...ですが、私もリギルのメンバーとしてターフを走って参りました。その成果、その経験...貴女に受けて頂きます」
「...おおっとぉ?これはこれはぁ...ふふふぅ、望む所ぉ~」
心配げな言葉に対して飄々とした口調で返事を行ったが、グラスワンダーを見つめるコンコンの片目は新たなる強敵を認識したのか既に朱い電撃を纏っていた
朱い電撃を輝かせる彼女の並々ならぬ気配を察して一筋の冷や汗が頬から顎へと伝うのを感じると同時に、己を全く甘くは見ていない事が確信できたグラスワンダーもまた本気の顔を見せた
「グ、グラスの目が怖いデース...」
「こ、コンコンの目も赤く光ってて怖い...」
...そして、両社が笑顔のままで火花をバチバチ飛ばし続けているのを隣で見せ付けられたチームメイト2人は何時の間にか互いを抱き締めながらすっかり怯えていた
『...っえ~、はい、3番手に参りましょう
3番手 UMA ブータン
今世紀最大のスカウトだったと真島トレーナーがコメントする謎の葦毛のウマ娘、一体何時からチームに居たのか?彼女の走り方は?得意な距離は?全てが謎のまま...今宵彼女の全てが明らかになるのか?
対しますのはフジキセキ、漆黒のエンターテイナーは存在自体が摩訶不思議で出来ているかのような白いUMA娘に対しどういったキセキを魅せてくれるのか?』
3番手として出て来たのは白銀の長髪を後ろで纏めた小柄なウマ娘
白と灰色が基調のノースリーブのドレスとロングブーツを着込み、大胆にも胸の谷間と腋を開け腕には白い手袋をはめたリトルレディは堂々とターフを歩き続けてフジキセキの前に相対した
「アンタが儂の相手のフジキセキね?UMAよ、今日はよろしくお願いするわね!」
「此方こそ宜しくお願いするよ、白くて可愛らしいポニーちゃん?色々と隠し事が多い様だけれど、大丈夫かい?この場で公にしてしまっても...」
「構わないわよ、どうせこれからレースに出れば嫌という程見せ付ける事になるのだしね...それに、貴女レースだけじゃなくマジックもお得意なんでしょう?マジックが得意って事は逆に言えば相手の手品の種明かしも十八番だろうし、何より儂が実力を隠して勝てる様なウマ娘じゃないでしょう?」
「おやおや、私は君に中々の高評価をされている様だね...であれば、その要望には応えないといけないな?君を...そして観客の皆様にも披露しようか、私のキセキの走りをね」
『続きますは4番手...非常に大きなウマ娘が入場して参りました。身長204cmとかなりの高身長を誇ります
4番手 ジャンボナンプラー タイ
その高い身長から繰り出される脚の長~いストライド走法と頑強な肉体からなる抜群の安定感、そして圧倒的な突破力と破壊力を以てしての差込はまるで山が追って来るような迫力があります
対しますのはヒシアマゾン、己よりも何と身長差が40㎝以上もの差があるウマ娘が相手となりますが寧ろ意気軒高、これほど燃えるタイマンは中々無いと闘志が湧きたっている様子
リギルの女傑はグラバスターの巨山を見事打ち砕く事が出来るのか?』
4番手として出て来たのは癖の強い銀のロングヘアーに琥珀色の瞳の瞳をした長身のウマ娘
白柄に黒つばの帽子、赤の半袖シャツと縁に白いラインが入った黒のプリーツスカート、足には黒いストッキングに靴底の両側にキールのような装甲が付いた黒の前チャック式ブーツを履き、白のロングコートを羽織ったその見た目はまるで女性将校の様な見た目だ
だが何よりも目を引くのはその高身長だろう...リギルで最も身長が高いタイキシャトルよりも尚頭一つも大きい彼女が段々と近付いて来るにつれて、その鍛え上げられた体と高さから来る圧が対戦相手となるヒシアマゾンに圧し掛かる
だが、此処で怯むような女傑では無かった
逆に彼女の方からもジャンボナンプラーに対し近付いていき、互いがあと1歩踏み出せば接触する程に間合いを詰めて睨み合う
「...ほぉ、私に対して物怖じせずに対峙して来るとはな。名を聞こう、勇猛なる挑戦者よ」
「アタシの名前はヒシアマゾンだ...ジャンボナンプラーだったか?図体がデカいからって別にそれで勝てる訳じゃないって事を教えてやるよ」
「フフッ、いいな...その闘志。実に戦い甲斐がありそうだ、今まで打ち負かして来た連中の様に簡単に吹き飛んでくれるなよ!」
「上等だ!タイマンで決着を付けようじゃないか!」
『模擬レース10番勝負の大事な折り返し地点
この大事な中盤所となる第5戦目を務めますのは 5番手 トロヤンホース ギリシャ...っと、何だ?王座、らしきものに座りそれを乗せた台座がゴロゴロと進みながら入場して参りましたトロヤンホース、これは何のパフォーマンスだ?
この登場には対する筈のエアグルーヴも困惑した表情で迎えざるを得ません。まさかレースの場にこういった形で入場をしてくるウマ娘が居るとは流石の女帝も想定出来なかった様子です、無理もありません私も驚いております』
対戦相手のエアグルーヴだけでなく、リギルメンバーや会場の観客すらどよめかせながら入場して来た5番手のトロヤンホースはゴロゴロと走る王座を乗せた4輪の台座らしき乗り物に乗ったままエアグルーヴの前まで移動させた後に彼女の少し手前で台座を停止させ、ゆっくりと降りて来る
ブロンドのロングストレートに、白と淡い白色を基調としたドレスのような衣装は肩から胸元に至るラインが露出しており、スカートも動きやすさを重視したのか膝より上の丈となっている
頭にはギリシャ出身であるからなのかオリーブの髪飾りを装着した彼女は何処となく気品を漂わせながらゆったりと台座からターフへと降り立った
「...ふぅ、お待たせして大変申し訳ありませんエアグルーヴさん。
「え、あ、あぁ...エアグルーヴだ、此方こそ宜しく頼む...で、あれは一体何のつもりだ?正直意味があったとは思えない入場の仕方だったのだが...」
「あれ、ですか...その、何と言えばいいのか分からないのですがああやって入場しないと私どうしても落ち着けず本調子が出せなくて...あの、その、形式美...のようなものだと思って頂ければ、と」
「そ、それでいいのか?...いや、まぁ走りに問題が無ければ良いとしよう...本当は良くはないかもしれんが...」
「あ、あの、それと一応なのですが走りに関しては問題ありませんわ、私もグラバスターの一員ですから...女帝と呼ばれる貴女に挑み、勝てる可能性はあると思っていますので...」
「...言うじゃないか。それもパフォーマンスではない事を祈るぞ、トロヤンホース」
「はい!私の走り、貴女にお見せ致しますわ!」
『さて此処からは後半の組み合わせとなります...リギルもグラバスターも残り5名ずつ、まだまだお互いに実力者を残した両チームの選手の振り分けはどのようになっているのか...その組み合わせ発表は
後編に続きます』
―――――――――
東条ハナ&真島トレーナー&黒沼トレーナー
中の人ネタとJWC制作監督の名前ネタに巻き込まれたおハナさん
傍から見れば教職員とは思えないようなコワモテな格好のオッサン二人に挟まれて流石のおハナさんも畏縮していた模様
『真島』という名前はJWCシリーズの映像監督の真島監督(と某所の兄さん)から
シーワールド 二つ名『海の申し子』(二つ名に関しては作者が勝手にこんなのかな?で付けています)
グラバスターの一番手、身長は一番下で脚質は差し
騎手が海賊?であったが敢えて水兵や海兵の様な感じの見た目
チーム内では最も若手であり(カルキンJrが騎手としては最年少なのが由来)、今後を期待されているホープ...濃ゆい面子の中ではまだマトモ?な方
対戦相手がエルなのは前述の通り空VS海という組み合わせ方で対戦距離は中距離を想定している
コンコン 二つ名『崑崙熊猫』
グラバスターの二番手、身長は中位で脚質は追込
典型的なチャイナ服に袖余り、中華服によくあるズボンという見た目をしている(尚飲んでいるのは人参味のサイダー...そしてこれで酔う体質らしい)
騎手がリー・ラオチューという名前であり老酒という中国の酒の名前からの採用
対戦相手がグラスなのは追い込み時に目が光る...というかレース時に雰囲気が変わる為(目どころか100円で動くアレになってるとか言わないお約束)
想定している距離は中距離となっている
UMA 二つ名『Unknown』
グラバスターの三番手、身長は二番目位に低く脚質は不明
元UMAは白く巨大な雪男?であったが何となく小柄なキャラに置き換えた
騎手に関してもUMAに関しても謎が多く作者もコイツに関してはウマ娘になった際にどういうレースをするのかが全く想像出来ないのが実情である
対戦相手がフジキセキなのは秘密の『シルクハットから鳩が出せるし、何もないところからシルクハットが出せる』という手品(何が起きるか分からない)要素からの抜擢
想定している距離はマイルとなっている
ジャンボナンプラー 二つ名『不動の荒神』
グラバスターの四番手、身長はチーム内ダントツの1位で脚質は差し
2mを超えるウマ娘界でも屈指の長身を誇るやべー奴になった
シングレで見られたラフプレー程度ではびくともしないであろう体の頑強さと軸の強さがある
(あのバーニングビーフが吹き飛ばせず逆に返り討ちにした実績あり)
対戦相手がヒシアマゾンなのは、彼女なら多少の身長差なんて気にもかけずにガンガンタイマンを仕掛けていくだろうなという作者のイメージからである
想定距離は中距離となっている
トロヤンホース 二つ名『Palladion』
中盤の大事な五番手、身長は上寄り
時折中の人()が出て来たり中のウマがジャンボナンプラーだったりする奴、今回は台座に乗って登場
そのまま台座で走らせる事も本音を言えば考えたのだが、流石にウマ娘世界ではそれはちょっと出来かねると思ったので普通に走る模様
対戦相手がエアグルーヴなのは出走馬紹介時にトロヤンホースが『ヨーロッパ王者』として紹介されている為、王者VS女帝の構図になる事と...台車で出て来るトロヤンホースに困惑するエアグルーヴの構図をアテーナ―が書けと囁いた()のでである
想定距離は中距離となっている
グラバスターの残りメンバー
『日本総番』
『????』
『?????』
『????』
『???????』
1期軸終了後に多少幕間を挟む予定です、あるとすればどれが見たいですか?
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チームスピカの話
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チームカノープスの話
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チームコールサックの話
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親や他のウマ娘との話
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