ウマ娘、チョクセンバンチョー!   作:狐の行商人

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第七走:模擬レース開始と共通点

チョクセンバンチョー視点

 

さて柔軟と準備運動が終わって見れば早速ターボが出る第1レースの準備が進んでいた

仮想するレース形式は芝1600m、左回りの東京レースを意識したものでコーナーを抜けた後に緩やかな上り坂があるみたいだな

ターボの他に14名のウマ娘がそれぞれのゲートに収まり開始された第一レースであるが、ゲートが開いた直後の序盤は宣言通り大逃げを展開したターボが良いスタートダッシュを決めて端をきる形になった

ゲートも1枠1番の好配置、ぐんぐんスピードを上げたターボが調子よく後を追う先行組と差を広げていく

見た所他の逃げの子がいないレースだし調子のいい時のターボのトップスピードは私が一番良く知っているのでこのまま独走で逃げ切れる、と思ったんだが・・・

 

「やっぱターボの課題はスタミナだなぁネイチャさんや」

「だねぇ、トップスピードは結構あるんだけどねぇターボは」

「後半の坂のとこでペース落ちてたのをやられてたね、ツインターフ」

「ツインターボな?まぁアイツは適正考えりゃあマイルとかその辺が現状ベストなんだろうけどもそれを考えても・・・あのメジロマックイーンの方が上手く走ってたんだろうよ」

 

中盤も先頭を維持し続けてからカーブを抜けて最終直線の緩やかな上り坂を息を切らせながら登っていたターボを、後ろから横にも並ばずにするりと追い抜いて1着を得たのはメジロマックイーンなるウマ娘であった

見た限り最高速を維持し続けているターボがスタミナ切れを起こして最後の坂で失速するのを読んで、コーナー手前からペースを上げ、前に居た先行組を追い抜いて距離を詰めていたようだ

あんま息も上がってるようには見えねぇし、距離があるレースの方が強いウマ娘という感じかあれは?

因みに負けてしまったターボであるが次はターボが逃げ切って勝つぞ!とマックイーンに宣言し、当の宣言されたマックイーンも笑顔で次も勝たせて頂きますわと優雅に答えた

此方に帰ってくるターボの顔には負けた悔しさは無く、私やテイオー以外にも速くて強いウマ娘が居る事の嬉しさに輝いてやがった・・・いいねぇ、お前らしいぜターボ

 

「お疲れ様だったなターボ、気持ち良く走れたか?」

「うんバンチョー!でもマックイーンに最後抜かれちゃったからな~、次はゴールまで逃げ切ってやる!」

「おう、その意気その意気!なっはっは」

 

「ネイチャ、バンチョーってターボに対していつもあんな感じで甘いの?」

「あー、甘いねぇ。何か自分に近い感じがするんだってさ?こう、物事に関して一直線な所が」

「あー・・・確かに難しく考える様なタイプじゃ無さげだもんねー」

「おぅい、聞こえてんぞそこ2人ぃ?次はお前らのレースだろはよ行け!」

「?」

 

全く、自覚はあるからターボに甘い所はほっといて欲しいんだがなネイチャさんや?

そして納得してんじゃねえよテイオーコノヤロー、まだ付き合いそんな経ってねえだろうになぁんで納得しちゃうのかね?

わしわしと私に頭を撫でられてるターボは2人の話が良く分かってない様子である、今更知られても困るもんじゃないが気恥ずかしいのでそのまま気付かんで欲しい

 

 

さてターボがクールダウンしに移動した後、続く第2レースが開始されたんだが、こいつも先程のレース形式と同じでどうやら全てこの形式でやるらしい

まぁ各自の現能力の把握もする為のもんだろうし、出来るだけ同じ状況でやらせたいんだろうな

今度はネイチャとテイオーが隣の枠で出たレースであるが、このレース中に何で私がテイオーを見た時にギンシャリの姿を思い浮かべちまったか少しだけ分かった

 

第2レースが始まり、テイオーもネイチャも先行策を取ったらしく集団の中段外側に付ける

お互いの位置取りは私から見るに悪くない、特にテイオーの奴は前を走るウマ娘を上手く風除けにしつつ足を溜めている

ネイチャも外から気を伺いつつ直線からコーナー、そして最終直線へと移り・・・ここでテイオーが一気に加速した

 

(・・・おいおいおい、足ん中にバネでも入ってんのか?急にグンと加速したぞ?)

 

グッ、と溜めていたであろう力を解放して踏み込んだと思ったら水平に滑る様に加速しだした、何だありゃあ?

後ろで走ってたネイチャもその加速の上がり幅に驚いてやがるが一体何をしたんだ?いや待て、さっきテイオーはどう加速した?

踏み込んだ瞬間にグンと加速した訳だが、あれは一体どういう・・・そうか、アレはギンシャリの奴と同じで独特の歩法があるのか!

だとすると考えられるのは!

 

(足首か!?アイツの加速の理由は、あの足首の柔らかさにあるのか!?)

 

以前ストレッチの重要性を説いてたキシ母ちゃんが足首の柔軟性があると膝や股関節の可動域も広くなるって言ってた、ような気がするが実際それが半端なく柔らかい奴を目にするのは初めてである

背丈が私より小さいテイオーであるが、あの柔らかい足首のお蔭でぐんぐん伸びていき最終的に必死に追い縋る2位のネイチャや他のウマ娘に差を付けてあっさりゴールしていきやがった

ネイチャは其処から少し遅れて2着でゴールしたが、バ身は4つ5つも開けられていた

ネイチャのスピードが遅い訳じゃあ決してない、それ以上にテイオーの奴の加速が凄かったのが外から見ていて良く分かる

成程通りであの時ギンシャリの奴が思い浮かんだ訳だぜ、アイツも器用な事してやがったしなぁ

 

「どうバンチョー、僕の走り見てたでしょ?どうだった?速かったでしょ?」

「おう、言ってた通りにばっちりとな?だがあんだけ速いとはな、驚いたぜ。それに、随分と足首が柔らかいんだなお前さんは」

「む、意外と鋭い事言ってくるんだね?バンチョーには分かんないだろうなと思ったのに」

「なはは、確かに私の頭だけなら分らんかったかもしれんがな?生憎体の構造に詳しいんだわ、うちの母ちゃん」

「あ、そういえばそうだったね」

「ただ、お節介かもしれんが一言言っとくぞテイオー」

「ん?何々?」

「足首のケアはしっかりしとけよ?」

「え?まぁそれはするけど、どうしたの急に?」

「いや、ちと気になっただけだ・・・」

「ふーん?まぁ、一応覚えておくよ」

「今はそれでいい。さて、次は私がテイオーに走りを見せる番だな?」

「・・・情けない走り何てしないでよね?君は何時か僕と同じレースで戦うんだからさ」

「ああ、勿論だ。お前も見てる事だしな、今度は私の走りを見せてやるよ」

「まぁ、どんな走りだろうとレースではきっと僕が勝っちゃんだけどね!」

「あぁん?なんだとテイオーコノヤロー、まだワシワシされ足りないのかぁ?」

「うひゃっ、ネイチャ助けてー!?」

「いやー、さっきアタシよりに先に1着でゴールしたテイオーさんを助ける道理が無いんだよねぇ?あっはっは~」

「うええっ、何で僕の肩掴んでるのー!?ちょっ、離して!?」

「バンチョー、ゴー」

「イエッサー」

「ちょっ、ちょっと待って止めてストップタイムタイムー!?」

 

この後ターボがクールダウンから帰ってくるまで滅茶苦茶テイオーの頭を撫で繰り回した

 

 

 

南坂トレーナー視点

 

うーん、今年の新入生のウマ娘の皆さんもやはりいい走りをしますね

今までの4レースで走った生徒の中だとツインターボさん、トウカイテイオーさん、ナイスネイチャさん、ダイワスカーレットさん、ウオッカさん、メジロマックイーンさんが特に秀でていますが、他のウマ娘の皆さんもこれからの学園生活できっと伸びて来るでしょうし、もし担当になれたら一指導者として彼女達の能力をしっかり育ててあげたいですね

まぁ、僕程度の能力では東条先輩や沖野さんみたいには出来るかどうか分かりませんが・・・

・・・いえ、下ばかり見ていても駄目ですね、チームを組む許可を頂いたのですし僕もこれから頑張らないと

 

「第4レースまで終えたけれど、南坂君はまだ動かないのね?」

「えっ、ああそうですね・・・まだ何とも言えませんから。ただ、候補は2人程決めています」

「そう、どの子かしら?」

「第1レースで思い切った逃げをしていたツインターボさんと、第2レースで良い走りをしていたナイスネイチャさんですね」

「ナイスネイチャ?意外ね、第2レースだとトウカイテイオーの方が良い走りをしていたけれど?」

「確かにトウカイテイオーさんの方が素質も現状の能力もありますが・・・それでも、最後まで1着を諦めずに走っていた彼女の背を押してあげたいんです」

「第1レースのツインターボも似た様な理由かしら?」

「はい、メジロ家の御令嬢であるマックイーンさんの方が素晴らしい走りをしていました。でも、最後の坂まであれだけの逃げを打てた彼女の走りは中々真似出来る物ではありませんし・・・それに」

「それに、何かしら?」

「レース後のツインターボさんがマックイーンさんに宣言していたでしょう?次は勝つから、って」

「・・・そういう子の背を押してあげたいのね南坂君は」

「いいんじゃないの?そういうスタンスも」

「沖野さん」

「どうだったの?テイオーやマックイーンの勧誘の方は」

「駄目だったよ。二人共今はまだ学園に入ったばっかりだし決めかねてる、ってさ」

「当然ね、入って当日にそう簡単には決まらない子も多いもの。特にテイオーはルドルフに大分懐いてるし、うちを受けに来るかもしれないわ」

「んー、それはどうだろうねぇ?まぁ、俺は俺で今回でめげずに何度か行ってみるさ・・・それで?南坂君の方はどうなの?」

「僕の方はナイスネイチャさんとツインターボさんに声を掛けようかと思っています」

「おっ、メンバー候補絞ったんだな?けどその二人なら・・・次に出て来るチョクセンバンチョーも誘った方がいいぜ?確か同じ学校出身で相当仲が良いって話だ」

「貴方一体どこから仕入れたのその情報」

「多分キシさんからじゃないですか?」

「残念、これはリンさんからだ。この前飲みで奢って貰った時にちょいとな」

「・・・貴方もだけどリンも何やってるのかしら?」

「彼女滅茶苦茶飲むんだよな、ザルだよザル。お蔭で美味い酒と飯食わせて貰えたけどね」

 

飲みの事についてあれこれ話し始めた東条先輩と沖野さんから視線を外し、グラウンドを見ると第5レースに参加するウマ娘の皆さんがゲート前に集まり始めていました

チョクセンバンチョーさん以外にもサンバイザーさんやリオナタールさんを始めとした期待の新星が多いレースになりそうですから、楽しみですが・・・?

今、バンチョーさんと目が合ったような・・・いえ、気のせい、ですよね

―――――――――

 

 

 

チョクセンバンチョー

 

次回にようやく出走予定のかつての天才を知るウマ娘

独特の歩法以外にも共通点があるがまだ気付いていない

ツインターボにはどうしても甘くなっちゃう

 

 

 

トウカイテイオー

 

究極テイオーステップの片鱗を醸し出すような走りをした後の主人公

1期3話辺りで既に沖野さんからスカウトは来ていた事がほのめかされている

前回に引き続き今回もまたわしゃわしゃされた、背が縮んだり伸びなくならないか心配してる

 

 

 

ナイスネイチャ

 

やっぱりテイオーには勝てなかったけど頑張って2位にはなれたネイチャさん

同期のキラキラウマ娘筆頭との最初のレースはビター風味だった模様

その後テイオーへのわしゃわしゃの刑に参加、遠慮なくわしゃわしゃされるテイオーに対して良い笑顔をしていたご様子である

 

 

 

ツインターボ

 

終盤までは良い調子だった我等が師匠、今回は相手が悪かった

けど今度は勝つぞとマックイーンに対して宣言して満足している

早く実装されないだろうか?タマモクロスと一緒に待っています

 

 

メジロマックイーン

 

第1レースでちょい役出演した御令嬢

彼女にとっては1600は持ち前のステイヤー素質に対して大分短そうなのでゴール後も余裕ありそう

いきなり今度は勝つ宣言されたけどターボ師匠の素直な宣言なので好印象を持っている、きっと次も負けませんわ

 

 

 

トレーナー陣

 

前回に引き続きレースの様子を見守っているトレーナー達

既にテイオーやマックイーン等結果上位勢にスカウトや勧誘に行った者も多数いるが、沖野さんみたいに皆断られている

カノープスのチームメンバー構成を見るにこういう理由で勧誘してそうだなぁなんて思って書いてます

1期軸終了後に多少幕間を挟む予定です、あるとすればどれが見たいですか?

  • チームスピカの話
  • チームリギルの話
  • チームカノープスの話
  • チームコールサックの話
  • 生徒会の話
  • 親や他のウマ娘との話
  • JWCの面々の話
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