どけ!儂は金柱の両津勘吉だぞ!   作:ジャックマン

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毎度お馴染みのボーナス争奪戦です


鬼殺隊賞与争奪戦!の巻

「クソ!宇随の奴まるでボルボのご先祖じゃねぇか」

 

「逃がさねぇぜ両さん!」

 

有る晴れた日、両津は私服に着替えた宇随…いや宇随だけではない。

私服の鬼殺隊士全員と追い駆けっこをしていた。

元忍の宇随は縦横無尽に駆け回り三人の嫁と共に逃げ道を塞いで捕まえようとするのだが流石ゴキブリゴリラ両津、僅かな隙間や壁を破壊して違う方へと逃げていく。

 

どうしてこうなったのか、それは産屋敷の一言が始まりだった。

柱合会議で何時も通りの報告を終え早く帰り先日知り合った老人と飲もうとしていたところ、変な話が突然始まったのだ。

 

「最近、鬼の活動が大人しい

もしかしたら良くない事が起きる前兆かも知れないね

此処で現柱と元柱が隊士を鍛える柱合訓練をしてみたいんだけど良いかな?」

 

産屋敷の言う通り最近の鬼の活動は異常に大人しくなっており、鬼殺隊は一部を除いて地力の更なる底上げをするべきと考えたのだ。

一部の柱は難色を示すも、確かに慎寿郎が戻って来ただけで目に見えて変化しているので一概に却下出来ない。

 

全員が無言で納得すると産屋敷は微笑み、輝利哉にある帳簿を持ってこさせ両津に手渡した。

 

「なんだこれ?」

 

「皆の賞与の帳簿だよ

明日一日それを守り抜いたら両さんの好きな数字を書き込んでいいよ

その通りに皆に賞与を渡そう」

 

「な、なんだと!?」

 

ざわめく柱達。

両津に自由に書かせたらそれこそ産屋敷邸の崩壊だって有り得る。

それに両津と仲の悪い人物(胡蝶等)は一銭や一匁とか変な数字を書き込むかも知れない。

逆に蝶屋敷の子供達にとんでもない金額を書き込むかも知れない、つまりどう転んでもマイナスにしかならないのだ。

 

「それと時計を」

 

「む、何故だ?」

 

「流石に時間が解らないと両さんも苦しいでしょ、その為の物だよ」

 

産屋敷が手渡したのは高級な作りの懐中時計だ。

両津はこの時代なら盗聴器や発信器が無いからと無防備に受け取り、それを首にぶら下げた。

 

そして日付が変わると同時に始まる鬼殺隊賞与争奪戦。

最初はなんかサイコロステーキになりそうな男が襲って来たのだが背負い投げで一蹴、間髪入れずに前田や一部鍛冶士が普段の怨みを込めて襲って来るのだが流石柱か、相手にすらならなかった。

 

その事を知り、手合わせしたいと若い頃の闘争心が甦った鱗滝と桑島に一時間近く襲われたり、滅多に無い機会だからと慎寿郎が門弟達を連れて挑んできたのだ。

 

「流石両さんだ!」

 

「煉獄の親父、流石にやりすぎだろ!」

 

「両さん相手に手加減は無用!

これが炎の呼吸奥義、玖の型『煉獄』!」

 

両津相手だからか慎寿郎は容赦なく奥義を放ち、門弟達に進むべき道を示す。

かつては柱として生き、衰えたとは言え技量だけで言えば現柱よりも上の男。

本気の一撃が両津のチャンバラ棒と激しくぶつかると日輪の如く真っ赤に燃えた。

 

「こ、これは!?」

 

「前座だか銀座の奴との時も起きたまっかっか剣じゃねえか」

 

はじまりの剣士が持っていたと言われる赫刀。

そこで何かを悟ると剣を納めて笑い、何か吹っ切れた様に寝転がった。

 

「黒刀の鬼殺隊士は早死にする、この赫刀、そしてはじまりの呼吸

両さんのお陰で全部繋がった」

 

「?」

 

「これは御館様に早く報告しなくてはな!

ではこれにて失礼!」

 

帳簿を奪う、そんな役目すら忘れて駆け出した慎寿郎。

それを見て訳が解らないととんでもない顔をしてる両津と、追いかける門弟達。

まるで嵐の様な男だ。

 

「雷の呼吸壱の型『霹靂一閃』」

 

「ぬぉ!?」

 

「雷の呼吸伍の型『熱界雷』」

 

油断した瞬間善逸の超高速の居合いが来てそれをチャンバラ棒で防ぐのだが、その背後から獪岳の斬撃波。

見事なコンビネーションだ。

 

「悪ぃな両津の旦那!」

 

「我つ……オメエそれは反則だろ!」

 

「兄貴相手に反則は無ぇ!」

 

日輪刀の唾がハンドルみたいになってる善逸、つまりあのハイテンションモードだ。

炭治郎曰く、あの後何度かハイテンション善逸と仕事を共にしたが「普段の三割増しで強くなってます」と言う程だ。

 

そこで両津が思い出したのは後輩である本田速人。

元暴走族であり、今では白バイ隊の異常な経歴だけでも腹一杯なのに普段では巨漢に片手で飛ばされてしまう程弱いのだ。

だがバイクのハンドルを握ればその巨漢すらも捩じ伏せる。

 

(我妻の奴、まさか婿入りして本田って名字になるんじゃないか?)

 

「隙有りです両さん!

水の呼吸捌の型『滝壺』!」

 

「ぬぉ!?」

 

雷兄弟の攻撃を受けてよろめいた両津の頭に水の呼吸の中でも一撃の威力が高い型で追撃する炭治郎。

脳天に直撃、普通なら頭蓋骨は砕けて死に至る筈なのにたんこぶ一つと絶望的な結果だ。

 

「儂を殺す気か!」

 

「両さんなら大丈夫だから!」

 

「むー!!!」

 

炭治郎を両手で持ち上げたら今度は妹からの追撃と、両津一人の為に鬼殺隊士……いやそれだけじゃない元柱や鍛冶士等の関係者全員で襲ってくる。

 

「おい炭治郎!

お前は別にボーナスとかいらんだろ!」

 

「必要です!

何時も世話になってる蝶屋敷の皆にお礼がしたいんです!」

 

何て立派な回答だろうか。

それに比べて両津はどうだ、遊ぶ金欲しさ。

何かもうツッコむのも疲れる男だ。

 

「我妻は何でだ!」

 

「じいちゃんへの借金返済だ!」

 

「む……儂と同じだな」

 

ちなみに金額的には大したこと無いので、善逸の返済は既に終わってるが。

もっとも、滋悟郎自体は後々(鬼が居なくなった時)の為に確りと貯金しており時期が来たら全て渡すつもりだ。

 

「ぬぅ……」

 

「もらったぁ!」

 

「甘いぞ!」

 

背後から帳簿を奪いに来た宇随を踏みつけ飛び、屋根から屋根へと逃走していく両津。

一部の隊士は柱とは言え一対全員は酷いのではと思っていたが逆だ、両津相手に鬼殺隊と関係者全員だけで捕まえるのは酷いと変わった。

 

そして冒頭に戻るのだが両津は今度は家の隙間や屋根を通り縦横無尽に逃げ回る。

このままでは不味いと考える隊士が出てくる程にだ。

 

「くそぅ……こうなったら賭場を転々として逃げるか?」

 

木々の間や天井裏を移動しつつ今後の事を考えているとかすかに聞こえた金属が地面に触れる音。

両津勘吉の耳は人混みの中でも小銭が落ちる音が聞こえるほどおかしいのだ。

 

「うぉおおおおお!退け退け退けぇ!!

そこ小銭は儂のだ!」 

 

「水の呼吸拾壱の型『凪』」

 

「ぬぎゃぁ!?」

 

義勇の奥義とも言える型で動く両津を高速で斬るのだが流石怪物、服がボロボロになっただけだ。

それを見て目を輝かせてる義勇の姿には狂気を感じる。

 

「と、富岡ぁ!!!」

 

「流石勘吉さん、凪じゃこれが限界か」

 

「ぐぬぬぬ!」

 

「とったぁ!」

 

「げっ!?玄弥!?」

 

物陰からガトリングガンを装備したモヒカンの巨漢こと不死川玄弥が両津を狙い打つ。

名前で解る通り実弥の弟なのだが鬼殺隊としては異常な、呼吸を使えない隊士なのだ。

だから彼は火器を用いて鬼と戦うが、大正時代の火器では鬼を殺すのは不可能。

そこに現れたのが両津だ。

何を隠そう両津は銃の扱いがプロを超えて超人レベル、その男の指導と知識により火器のレベルを4つも5つも上げたとなれば下手な隊士よりも圧倒的に強くなってしまうモノだ。

 

「くそー!!!絶対にボーナスガッポリになってやるからな!」

 

(不味い!流石に両さん相手に『がとりんぐ』程度じゃ相手にならないか!

最後の手段だ!)

 

そう思い玄弥の取り出したのはパンツァーファスト、簡単に言えば使い捨ての対戦車ミサイルだ。

命中率は悪いしコストが掛かるからと現代ではあまり見向きもされないこれはこの時代と産屋敷の財力からすれば逆に煙幕として使えたりと戦術に組み込める美味しい存在なのだ。

 

「おりゃぁー!!!」

 

「て、テメエそれは反則だろ!!!」

 

射ち出された弾頭は両津目掛けて襲ってくるがすぐに逃げの体勢を取るが一歩遅く、足下で大爆発。

なのに少しの焦げだけな辺り、見えすぎている神の手を感じてしまう。

 

「嘘だろ…」

 

「勘吉さんに普通の攻撃は効果が薄い!

足止めに切り替えろ!」

 

「はい、水柱様!」

 

そう言い取り出したのは某ゲームに出てくるサブマシンガンを二丁。

当てる気は無く完全に陽動なのだが簡単に引っ掛かり義勇、玄弥、そして駆け付けた密璃の3人に囲まれてしまった。

だが両津とて無策ではない、いや両津勘吉とは金が掛かれば超人的な頭脳すら持てる怪物だ。

敢えて3人を合流させたのだ。

玄弥の射撃がやむなりいきなり密璃のスカートを捲り上げる、玄弥の様な初な男はすぐに目を背け視線をずらしてしまう。

そして義勇には鱗滝が来ていたことを伝え動揺させ、密璃には猫だましを。

 

子供の様な戦い方をするくせに全てが的確な弱点をついてくる嫌らしい男なのだが、良くも悪くも鬼殺隊ではそれを嫌悪する者が少ないのだ。

 

「覚悟!」

 

「悲鳴嶋!!!」

 

その場から駆け出した直後、両津の足下に人の頭はありそうな大きさの鉄球が叩き付けられた。

歪な形の多い日輪刀の中で最もおかしな姿のこれを扱うのは柱の中で最強を誇る『岩柱悲鳴嶋行冥』だ。

 

「南無阿弥陀仏!」

 

「ぬおおおおおおお!儂の呼吸なんちゃらの型ぁ!!!」

 

そう言って下駄を蹴り飛ばす。

それを腕で防ごうとした行冥はぶつかる寸前、咄嗟に回避へと切り替えた。

両津の下駄は最強クラスの威力を持っており、一部の鬼殺隊士の中では下駄を日輪刀にすれば?なんて言っている。

 

「見事だ……」

 

あまりの威力に寒気を感じ、鬼との戦闘以外で大怪我を負うわけにはいかないので此処で撤退を選んだ。

その後はダイジェスト形式になってしまうが勘弁してほしい。

 

先ずはしのぶだ。

彼女は蝶屋敷の三人娘を使い追い詰めるも、義勇の空気読まずの参戦により逃げられる結果に。

杏寿郎とは一対一で戦闘を行うも両津式ジャイアントスイングで投げ飛ばしKO。

そして不死川兄弟と竈門兄妹のタッグと戦うが何とか勝利。

そして運命の時

 

「ぬおおおおおおお!儂は勝ったぞ!!!」

 

産屋敷から渡された時計を見て零時になったのを確認すると猛ダッシュで産屋敷の元に。

それを満面の笑みで迎え入れる産屋敷。

 

「わっはっはっはっ、どうだ儂の底力は!」

 

「見事だよ両さん

そうだ、中を確認させてもらっても良いかな?」

 

「良いとも良いとも、勝者の武勇伝を存分に聞かせてやるぞ」

 

勝ったからか大笑いしながら帳簿を産屋敷に渡した時だった。

鳴り響く大きな時計の音。

それを聞き頭にハテナマークを浮かべる両津。

 

「今が零時、日付の変わりを示す音だよ♪

両さんの手元には帳簿は無いから私の勝ちだね♪」

 

「な、なんだとーーー!?!?!?」

 

最初に渡した懐中時計は怪しまれない程度に時間を進め、両津が来てからそれを然り気無く受け取る作戦だったのだ。

ガックリと項垂れる両津と笑顔の産屋敷。

 

「それで両さん、今回の修理費はこれくらいだよ♪」

 

死刑宣告と共に渡される被害額の書かれた書類。

 

「これじゃ儂の一人負けじゃねぇかーーー」

 

「両さんのボーナスは補填に当てるから殆ど残らないね」

 

「クソーーーー!もう争奪戦はコリゴリだー!」

 

チャンチャン




感想で予想された方が居た通り煉獄さんの刀が真っ赤に染まりました…父親の方ですが

鬼殺隊の実力
水柱富岡義勇
原作と違って錆兎の件が心の中で片付いたので原作ラストの柔らかい感じ
本当に嫌われてない皆の弟

風柱不死川実弥
不器用ながら弟とちょくちょく話す様になっているからか無茶苦茶な作戦はしてない
意外にもかまぼこ隊全員と義勇を気に掛けているお兄ちゃん

霞柱時透無一郎
大きな変化無し
両津とは「一郎おじさん」「ちびすけ」と気さくに話している

恋柱甘露寺蜜摛
此方も原作と大差ない
ただ、たまに両津にご飯を作っているので料理の腕は上がっている

音柱宇随天元
上弦の陸との戦いが無いので引退していない
両津、慎寿郎とよく博打していたり飲みに行っている

炎柱煉獄杏寿郎
上弦の参と戦って居ないので生存
父親が覚醒してるので実力はどんどん上がっている

蟲柱胡蝶しのぶ
物凄く実力が上がっている
両津への説教効果

蛇柱伊黒小芭内
甘露寺グッズのお陰で常に士気が最高なのでえげつない程強くなってる
人当たりがわりと良い感じで柔らかくなってる

岩柱悲鳴嶋行冥
両津に負けられないと鍛練をより詰んでいるので実力は少し上がっている
金の呼吸を真似して白髪の天パのオーラが出てきたとか何とか

竈門炭治郎
原作での大事なイベントがちょくちょく飛んでいるので実力は無限列車辺り
ただおかん力は高くなっている

我妻善逸
誰だコイツってレベルで強化されてる
漆の型会得済みで2人で捌の型を開発中

不死川玄弥
両津から現代の銃火器知識を教えて貰ったので里で絶賛制作中
本体の実力は原作と大差ないけど武器が超強化されているので鬼畜じみて強い

やっぱり上弦の弐は

  • ギャグで救うべき
  • シリアスに行こうぜ
  • 気の向くままに
  • ヒロイン増えちゃうね
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