どけ!儂は金柱の両津勘吉だぞ!   作:ジャックマン

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そろそろ締めに向かわないと…


両津と無限列車!(中編)の巻

四人の鬼殺隊士対一体の鬼。

人質さえ居なければ問題無いはずなのに今は動けない。

この中では頭の有る杏寿郎が何か策を考えるがどうしても一手届かないのだ。

 

両津の行動力は確かに凄いがそれはあくまでも個人としてで完結してしまう。

恐らくこの瞬間にも魘夢は何かをしている、歯痒い思いにより歯軋りしてしまう面々。

 

その直後、無限列車が大きく揺れた。

四人は魘夢が何かしたのかと思い体制をすぐに整えるも本人が途轍もなく動揺していた。

 

「な、何なんだあれは!?」

 

「今だぁ!」

 

両津が目の前の魘夢を殴り飛ばすと、これ幸いと杏寿郎が指示を飛ばした。

 

「乗客が無事なのを見たところ恐らく奴はあの分裂体を使って補食しているだろう!

列車の後ろ半分は俺が、前半分は両さんが見る!

二人は鬼の頸を発見、切断せよ!」

 

「はい!」

 

「おう!」

 

「仕方無い、儂も柱らしく天誅してやろうと思ったのに」

 

「なら任せてくれ兄貴!」

 

そう言って壊れたドアから侵入してきたのは一人の鬼殺隊士、その名は……

 

「か、獪岳!?」

 

「兄貴が彼奴を鍛えてくれたんだろ?」

 

獪岳の指差した先には車で親指を立てている善逸の姿。

その手には対鬼用に作られた爆弾が握られており、先の揺れはコイツの仕業だと思われる。

 

「両津の旦那!獪岳の兄貴!野郎にたらふく爆弾食わせてやってる隙に斬ってくれよ!」

 

「あの臆病で弱虫で逃げ腰な善逸が兄貴に関わったらこんなに勇敢になったんだ

兄弟子として礼を」

 

「気持ちは嬉しいが相手は下弦?画面?の鬼だぞ」

 

「見ててくれ兄貴」

 

あらゆる所から出てくる敵に対し、善逸と同じ呼吸音を響かせて日輪刀を抜いた。

その所作には気品と誇りを感じる、今までの彼とは違う『何か』を感じた。

 

「雷の呼吸弐ノ型『稲魂』」

 

素早く半円形に振り抜かれる刀。

その姿を見て杏寿郎は驚きを隠せなかった。

 

(あ、あれが『本当』の雷の呼吸!?

まさに稲妻が如し速さ、ギリギリ見えた程度だぞ!)

 

「凄ぇじゃねえか獪岳、これなら安心して行けるぜ」

 

「へへ、こんなになれたのは兄貴のお陰だ

それより善逸が時間を稼いでる内に頼むぜ」

 

沸いて出てくる鬼を稲妻の速さで切り裂き、エールを送る獪岳。

速さを持つ雷の呼吸の使い手が居るだけでこんなにも戦いやすくなるなんて。

炭治郎は礼を言いすぐに魘夢が居そうな場所を探すのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「それで両さん、何処を探しますか?」

 

「大体この手の輩は一番前に居るのが鉄板なんだよ」

 

「そうなのかマユ毛じじい?」

 

「おう!」

 

走っている最中に出てくる鬼を殴り飛ばす両津と、柱が居るからか安心して話をする炭治郎。

本来は強い鬼のはずなのに……

 

「見えました!彼処が先頭です」

 

「よっしゃあ!」

 

粉砕して中に入るなり大量の鬼で早速歓迎してくれる。

だが、まぁ……良くも悪くも実力だけは凄い隊士三人(内一人は柱)相手では分が悪すぎる。

 

「儂はもぐらたたきが得意なんだよ!」

 

出てくるなり殴り飛ばされてしまい何の為に出しているのか解らなくなってくる魘夢。

 

(あぁそうかこれは夢なんだ、うんうん夢だ夢

こんなあり得ない鬼狩りなんて……なんて……無惨様の言ってた奴じゃないか!?)

 

思い出すのは無惨がたまに開くパワハラ会議。

内容は実りが全く無いただのストレス解消の為の物だが、ある日を境にそのパワハラが無くなりまるで労るかの様になったのだ。

 

時は数ヶ月前。

一部の鬼は嫌々ながらに会議に参加した。

そこには下弦の鬼だけでなく上弦の鬼まで居り、ある鬼は何故同時にと疑問を抱いた。

 

基本的に鬼の会議は上弦と下弦は別々に行い、無惨の呪いによる同士討ちを防いでいたのにだ。

 

「お前達、生きているな」

 

まさか無惨の第一声がこれかと下弦の鬼達は驚くも上弦の鬼は別に驚いては居ない。

そのまま平和に続く会議、あまりにも不気味な光景だが相手が無惨なので誰一人として理由を聞く事が出来なかった。

会議後、ある下弦の鬼が上弦の弐から聞いた話しを書いていこう。

 

無惨のパワハラ会議は両津に会った後も続いたのだが、何故かパワハラ会議をする度に両津に遭遇してしまい命からがらの逃亡を繰り返した。

そして件のパワハラ鎮静前日、またもや両津と遭遇してしまい最後の手段である爆発四散しての逃亡をしたのだが、驚くことに破片の七割を破壊してきたのだ。

これによりかつてのトラウマ、はじまりの呼吸の剣士を思い出し無惨の中では「パワハラ会議をする度に奴並の怪物と遭遇する」と言うジンクスが出来てしまったのだ。

 

その後の無惨はまさに別人と呼べる位に部下を労り安全第一に動く様になった。

もっとも、それにより違うトラウマを思い出した鬼も居たがそれは別の話し。

 

その後、件の鬼殺隊士の容姿を聞き今こうして遭遇していると理解した魘夢。

気付けば自ら頸を差し出していた。

 

「っ!?

水の呼吸俉ノ型『干天の慈雨』」

 

「あぁ……暖かい……」

 

炭治郎が何かを察し刀を振った。

干天の慈雨、それは水の呼吸……いや数ある呼吸の中で唯一鬼を苦しめずに安らかに斬る技。

鬼自ら頸を差し出して来た時だけに使う慈しみの技だ。

 

その直後、突然無限列車が脱線してしまい線路から投げ出されてしまった。

あわてて乗客を救い出したのも束の間、目の前にはぐしゃぐしゃになった線路が一つ。

 

「な、何じゃこりゃ!?」

 

「すまねえ両津の旦那、調子に乗りすぎて線路まで爆破しちまったぜ!」

 

笑いながら車で近付いてくる善逸にゲンコツを一つ、それによりハンドルから手を離した善逸は何時も通りの臆病に戻ってしまった。

 

「や、やっぱりコイツ本田のご先祖だろ」

 

「いやはや、竈門少年、我妻少年、嘴平少年、両さん、獪岳隊士、五人のお陰でこうして皆が五体満足で帰還出来ることを嬉しく思うぞ!」

 

「炎柱様……」

 

「煉獄さん」

 

「─────」

 

「煉獄」

 

「ぎょろぎょろ目玉」

 

感動して声が出ないと思っていた杏寿郎だが、皆が後ろを指差しているので振り向いてみた。

そこには寂しそうにポツンと立っている上弦の参。

手には『ずっと待ってました』のプラカードだ。

一応説明するなら、列車が線路から外れて善逸が来たと同時に参上したのだが善逸の濃さに負けてしまい気付かれなかったのだ。

 

「あ、すまない」

 

「……」

 

「ほら、今度酒奢ってやるからさ機嫌直してくれよ」

 

「酒より戦いたい……」

 

凄く微妙な空気になってしまい敵の前のはずなのに互いに気を遣い有ってしまう。

果たしてこれからどうなるのだろうか。




獪岳合流の訳
善逸が雷鳴号を置こうとしたところ、たまたま別任務からの帰りを発見
その後、あまりの姿の変わりように感動して二つ返事で参加したとさ




どうしよう、猗窩座さんをカッコよく登場させるかふざけるか悩んでこち亀ならふざけるだろでやったらこうなっちゃった…

やっぱり上弦の弐は

  • ギャグで救うべき
  • シリアスに行こうぜ
  • 気の向くままに
  • ヒロイン増えちゃうね
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