タキオンと奇妙な仲間たち   作:政影

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初URA制覇はタキオンさんでした。


接触篇

 ウマ娘の可能性を追い求めてトレセン学園に来た私――アグネスタキオン――だが……この選択はある意味失敗だったかもしれない。

 何故なら彼女に出会ってしまったから。

 

 

 教室を少々煙まみれにしてしまった私を捕獲に来たバクシンオー君から逃げる途中、彼女に激突したがまさか一歩も下がらず私を抱きとめるなんてね。

 その人間離れした強靭さに素晴らしいモルモットを見つけてしまったという興奮でついその場でトレーナー契約を結んでしまった。

 

 ……まさか彼女が色々な意味で人間離れしていると知ったのはそれから間もなくだったがね。

 

 

 

 

<面白いトレーナーさん>

 

 

「……私の研究室で何をしているんだね、モルモット君?」

 

「えっ、モルモットの食べ方の研究ですよ」

 

 事も無げに言う私の担当トレーナー君。

 艶やかな腰まである黒髪をアップにしパンツスーツを着こなす彼女。

 だが机の上には「冷凍モルモット」と表記された巨大な段ボールが。

 そしてその横には大蛇と言っても差し支えないような白蛇。

 色々とカオスな状況に流石の私も眩暈がしてきた。

 

「タキオンちゃんがモルモットモルモット連呼するからつい食べたくなっちゃいました♪」

 

「ならんだろ! それにその白蛇は何だ!」

 

「タキオンちゃんの健康祈願に参拝した神社で出会ったシラオキ様ですよ?」

 

「はぁ!? フクキタル君に怒られるぞ!」

 

「逆ですよ。フクキタルちゃんが失禁土下座しながら『シラオキサマ、シラオキサマ』って拝んでましたし」

 

 私のツッコミを意に介さず凍ったままのモルモットを素手で半分に折り片方を白蛇に。

 

「はい、半分こです」

 

「シャー♪」

 

 ……丸飲みシーンは見たくなかったな。

 白蛇の体が不自然に膨らんでいる様は何と言うか……冷静沈着な私でもぞわぞわする。

 その様子を愛おしく眺める彼女、私が言うのもなんだが相当な……。

 

「じゃあ私も」

 

「ま、待ちたまえ。まさかそのまま食べる気じゃ!?」

 

「歯応えと素材の味を楽しむには先ずはそのままが良いと思いまして」

 

「うぇ……ミキサーを貸すからせめてそのままは勘弁してくれ。夢見が悪くなりそうだ」

 

「はい。タキオンちゃんはやっぱり優しいですね♪」

 

 ……やれやれだよ、全く。

 まあそんなところが。

 

 

******************************

 

 その時、ふと閃いた!

 このアイディアは、アグネスタキオンとの

 トレーニングに活かせるかもしれない!

 

 アグネスタキオンの成長につながった!

 

 やる気が上がった

 スタミナが10上がった

 根性が10上がった

 賢さが10下がった

 スキルPtが10上がった

 シラオキ様(仮)がトレーニングに現れるようになった

 

******************************

 

 

 

 

<素敵なチームメイト>

 

 

「今日はタキオンちゃんとライスちゃんとグラスちゃんで併走トレーニングね」

 

「ふぅン?」

 

「は、はい!」

 

「分かりました」

 

 併走または併せウマ、ウマ娘同士を走らせることによって闘争本能を刺激してより速さを引き出す。

 単純だけど効果的なトレーニングだ、悪くはない。

 

「一番タイムが良かった娘にはご褒美として私が何でもしてあげるよ♪」

 

 おやおやそんな子供騙しでやる気を上げる気かい?

 まあどうしてもというなら――

 

「お姉さまとあんな事やこんな事を……」

 

「うふふ、トレーナーさんは私の喜ばせ方がお上手ですね」

 

 どうやら他の二人も勝つつもりのようだね。

 悪いが手を抜くつもりはないよ?

 

 

 

 

「芝2000一本目。位置について、よーい、ドン!」

 

 トレーナー君の合図で駆けだす私達。

 恐らくライス君は先行、グラス君は差しでくるだろう。

 私の脚質は先行、一本目は肩慣らしと芝の状態を確認する為に力をセーブ、本命は二本目。

 ふふふ、トレーニングでも勝たせてもらうよ?

 

「突いてく、突いてく、突いてく」

 

「うふふふ♪」

 

「ひぃ!?」

 

 殺気を感じて振り向くとライス君は抜き身のナイフ、グラス君は薙刀を持って私の後ろを一直線になって走っている。

 もし速度を緩めれば……月刊トゥインクルの行方不明ウマ娘欄に載るイメージがありありと浮かんだ。

 

 

 くっ、こうなったら……タキオンエンジンオーバードライブ、何人たりとも私の前を走らせない!

 

 

 

「コングラッチュレーション、おめでとうタキオンちゃん♪」

 

「ははは……危うくあの世まで駆け抜けるところだったよ」

 

 結果は何とか一位、その代わり余力ゼロで無様に芝の上に寝転がっている。

 他の二人は……息を切らせているが殺意はそのまま、いやむしろ増加しているんじゃ!?

 

「早速だけどご褒美は何が良い?」

 

 向けられる殺意が増大する。

 下手な事を言えば……考えろ、最適解を!

 私の頭脳はウマ娘界一!

 

「……そうだね、たまにはみんなでスイーツバイキングでも行きたいかな」

 

「うん、分かった。最高のお店予約するから楽しみにしててね」

 

 二人から殺気が消えようやく身の安全を実感できた。

 まだ死ぬわけにはいかないのでね。

 

 

******************************

 

 その時、ふと閃いた!

 このアイディアは、アグネスタキオンとの

 トレーニングに活かせるかもしれない!

 

 アグネスタキオンの成長につながった!

 

 やる気が下がった

 スピードが20上がった

 「先行けん制」のヒントLvが2上がった

 「先行焦り」のヒントLvが2上がった

 「束縛」のヒントLvが2上がった

 「独占力」のヒントLvが2上がった

 グラスワンダーの絆ゲージが2上がった

 ライスシャワーの絆ゲージが2上がった

 

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<完璧なウマ娘>

 

 

 それは突然だった。

 軟体動物を思わせる感触の異物が私の口内に侵入して蹂躙の限りを尽くす。

 その行為の間、私は必死に鼻から酸素を取り込み続ける。

 ようやく解放された先にはトレーナー君の満面の笑み。

 わけがわからないよ。

 

「……はっ、今のは何の真似だね、トレーナー君!?」

 

「え、ただのフレンチ・キスだけど」

 

「いや行為の名前ではなくてだね……そうするに至った経緯を知りたいのだよ」

 

「お姉さま教えて!」

 

「事と次第によってはひなげしの花を落とすことになりますよ」

 

 いつの間にか私の研究室にいるライス君とグラス君、ドアのセキュリティレベルを上げた筈だったのに何で入れたのかな?

 ……どうやらドア自体が無くなっているようだ。

 

「ブロワイエちゃんって知ってる?」

 

「ああ、フランスの有名なウマ娘だろう?」

 

「うんうん、先週フランス行った時に仲良くなってね。フランスだとこれが普通らしいよ」

 

 おい、まて、騙されてるんじゃないか?

 フランスにも取引相手はいるがそんな話は初耳だ。

 

「そうですか……では何故私やライスさんではなくタキオンさんと?」

 

「五十音順だと最初だからね。次はグラスちゃん、最後にライスちゃん」

 

 雑だね、トレーナー君!

 二人ともその場に崩れ落ちてるし!

 

 ……まあ五十音順というのは日本だから良いかもしれないが。

 

「ん、まさかブロワイエ君ともしたのかね?」

 

「そこら辺の記憶が曖昧なんだよね。朝起きたら虫に刺されたような痕がたくさんあったし」

 

 その言葉に強い衝動が湧き上がってきた。

 ライス君とグラス君からも今まで以上の殺気が。

 

 

 どうやら私は私が思っている以上に感情的なウマ娘らしい。

 

 

 超光速でフランスに殴り込みに行かないとね。

 

 

******************************

 

 その時、ふと閃いた!

 このアイディアは、アグネスタキオンとの

 トレーニングに活かせるかもしれない!

 

 アグネスタキオンの成長につながった!

 

 やる気が上がった

 スタミナが30上がった

 根性が30上がった 

 賢さが30下がった

 「ブルーローズチェイサー」のヒントLvが3上がった

 「精神一到何事か成らざらん」のヒントLvが3上がった

 目標レースが凱旋門賞になった

 

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特に感想をいただけるととても喜びます。
※アンケート回答も嬉しいです。


<備考>

アグネスタキオン:最近自分が普通な気がしてきた。

ライスシャワー:ナイフは全部で六本。

グラスワンダー:はくだみの勉強中。

ブロワイエ:実は一目ぼれ。

女トレーナー:ライバルはゴルシ。

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