魔法先生ツインズ+1   作:スターゲイザー

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第15話 誤算と失敗と

 

 

 

 

 悲鳴を上げた木乃香の叫びが響き渡る屋上で最も最初に平静を取り戻したのは、アスカと一番関係性の薄い天ヶ崎千草であった。

 

「どきぃ!」

 

 右往左往するばかりのエヴァンジェリンを突き飛ばした千草は、ネギが抱えている意識のないアスカの傍に片膝をつけた。

 薄手のスーツの胸ポケットから呪符を取り出して傷部分に押し付ける。

 千草が気を送り込んだ呪符が光り、出血の勢いが弱まったがそれ以上の効果は見られない。

 

「あかん。うちの回復用の呪符やとここまでの傷を治すことは出来ん」

「そんな!?」

「吸血鬼! アンタ、治癒魔法は!」

「わっ……わわ、私は不死身だから治癒系の魔法は苦手なんだよ」

 

 苦渋を滲ませた千草にネギが叫びを上げるが、彼女はそんなことには拘わずにエヴァンジェリンを強い視線と共に詰問する。

 狼狽えるばかりのエヴァンジェリンの返答に舌打ちする。

 エヴァンジェリンは不老不死の吸血鬼なので、自分自身の傷は簡単に再生できる。昔には仲間といったものもごく少数ながらいたが過ごした時間は短い。なので、治癒系魔法は習得はしているものの得手とはしていない。

 精々が魔法学校卒業しているネギ達よりはマシという程度しかない。

 

「ちっ、血が止まらん」

 

 血に濡れるのにも構わず新たな治癒用呪符を取り出して発動するが、やはり効果は薄い。

 治癒を専門とした陰陽師ではない千草が作った呪符では、ここまでの即死していないのが不思議なほどの大怪我に使っても効果は薄い。

 このままでは遠くない時間に出血死するのは目に見えていた。

 ネギは駄目、エヴァンジェリンも駄目と頭を高速で働かせた千草は視線を巡らせて、呆然自失とした様子で尻餅をついているネカネを見た。

 身内がこれほどの状態なので呆然自失になっても無理はないが、今は猫の手でも借りたい。

 

「お姉ちゃん!」

 

 千草の考えを読み取ったネギが、茶々丸がアスカを抱えてくれているのを任せてネカネの下へ走る。

 ネカネの下へ走ったネギは改めて彼女の顔を見てギョッとした。

 顔色を失って、目にも光が無い。六年前の故郷が滅びた直後のような危険な状態だった。

 だが、今はアスカの方が先決である。アスカの血に染まっている手を振り上げた。

 

「ごめん、お姉ちゃん!」 

「痛っ」

 

 ネギは力一杯にネカネの頬を張った。

 張られたネカネは痛みに我を取り戻して、改めてアスカの惨状を目撃する。

 

「ア、アスカ……」

「お姉ちゃんは治癒魔法が得意でしょ! 早く、アスカが死んじゃうよ!」

 

 死ぬ、というネギの言葉がまだ顔色が悪いネカネを動かした。

 腕を引っ張るネギの手が血に塗れ、張られた頬も血が付着している。アスカのことを思えば自失している暇はなかった。

 ネギに引っ張られるままに立ち上がってアスカの下へ辿り着いたネカネは、自身の杖を呼び出して固く握る。

 

「治癒魔法と干渉を起こしたら大変です。合図をしたら呪符を剥がして下さい」

「分かった」

 

 呪符に気を送り続けている千草はネカネの方を見ずに頷いた。

 この人がここにいて良かったと内心で思ったネカネは杖を手に精神集中する。

 

「行きます」

 

 合図に千草は呪符を剥がした。

 間髪入れずにネカネは詠唱を開始する。

 

「リシ・トル・キ・ラトレ 汝が為にユピテル王の力をここに 大治癒!!」

 

 温かい光がアスカを覆う。

 ネカネの中位治癒魔法によって、半ば失われていた顔色がみるみる血色を取り戻す。だからといって、一気に回復するわけではないが十分な助けになったのは間違いない。

 六年前のことがあってからネカネは治癒魔法を極めようと修練を続けて来た。

 だが、ネカネには治癒魔法の適性は低かったようだ。ネギやアスカもそうなのだから、スプリングフィールドの家系には遺伝的に治癒系統を不得手としているのかもしれない。

 どれだけ努力しても高位の魔法は習得できない。彼女が修得できたのは魔法学校でも習う治癒(クーラ)よりも一段階上の中級治癒魔法のみ。何かの手助けになればとアスカに治癒魔法をかけ続ける。

 

「くっ」

 

 ネカネの治癒魔法では技量が足りないのか、一度は止まった出血が光が消えるとともに溢れ出す。

 

「リシ・トル・キ・ラトレ 汝が為にユピテル王の力をここに 大治癒!!」

 

 再度、中位治癒魔法をかけ続ける。

 何度でも、例え自身の命が尽きようともネカネは治癒魔法をかけ続けるだろう。

 必死というよりも鬼気迫る背中を、ネギ達は祈るように見ることしか出来なかった。

 

「どうするどうする」

 

 ネカネの横で経過を見ていた千草は最悪の事態に陥ろうとしている中で思考する。

 このままでは幾らネカネが幾ら治癒魔法をかけ続けようともアスカは助からない。既に流れた血は出血死に相当する量は流れていて、まだ死んでいないのは偏にアスカの強靭的な生命力の賜物に過ぎない。

 ネカネの治癒魔法であっても最期の時間を先延ばしにしているだけ。いずれは魔力が尽きてアスカに残された時は失われるだろう。それどころかネカネも命すら振り絞って治癒魔法をかけ続けかねない。

 その前に止めたとしても恐らくネカネはアスカが死んだ後を追いかねない。ネギもそこまでいかなくても精神を崩壊させない。それほどにアスカ・スプリングフィールドは彼らの支柱なのだ。

 他に手はないかと辺りを見渡した千草の目は明日菜と手を握り合っている木乃香と、明日菜の肩の上で二人を落ち着かせているオコジョ妖精で止まった。

 脳裏に走るのは陰陽師としての適正を知る為に行った幾つかの検査で出た結果の一つと、停電の夜にネカネから聞いた仮契約のこと。

 この選択を選べば留学を終えて京都に戻っても昇進への道を捨てることになる。

 

「生徒が死ぬて時に四の五の言うてられへん」

 

 一瞬、新田の背中が脳裏を過った千草の中で、逡巡が一瞬ならば行動に移すのも早かった。

 立ち上がった千草は木乃香の下へ走った。

 

「オコジョ妖精、仮契約には対象の潜在力を引き出す効果があるて話やけど間違いないか」

「あ、ああ」

「なら、お嬢様」

 

 困惑している二人と一匹を置いて、千草は木乃香を名前ではなく敢えて敬称で呼んだ。

 

「このままやったらアスカは死ぬ」

「そんな!? どうにかならないの!」

「話は最後まで聞き」

 

 途中で口を挟んできた明日菜を視線で黙らせた千草は、改めて木乃香を見る。

 

「あの子を救える可能性があるのはアンタだけや。ええか、勘違いしたらあかんで。あくまで可能性や」

「うちならアスカ君を助けられるん?」

「この中では一番お嬢様が可能性が高い。でも、その代わりにもう京都に戻られへんようになるかもしれん」

 

 一応は関西呪術協会の長の娘なのだ。関東魔法協会と融和の道を歩んでいるが、西洋の技術で魔法使いと契約するなど御法度である。

 場合にはよっては提案した千草共々に破門される恐れもある。

 木乃香は千草の嘘のない目に一瞬気圧されたが直ぐに唇を引き締めた。

 

「かまへん。お父様は怒るかもしれんけど、アスカ君が死なんなら」

 

 うちはやる、と木乃香は迷いを微かに覗かせながらも言い切った。

 千草は眩しい物を見るように木乃香を見つめた。

 後先を考えないで済む無謀さ、失ってはらない物の為に大切な物を捨てる勇気。実際のところ、失った物の大切さを直面した時、木乃香は後悔するかもしれない。それでも、今この時だけは後悔することはないだろう。

 大人になって、社会人になった千草にはない若さの暴走であり、二度と取り戻せぬ青臭さであった。

 

「なら、ええ。時間はないから手短に言うで…………アスカとキスせえ」

「キス!?」

「そや。細かい説明をしている暇はないで。ネカネも限界や。早せえ」

 

 千草に接吻をしろと言われた木乃香は事情を呑み込めずにいるものの、隣にいる明日菜を見た。

 

「お願い、木乃香。アスカを助けて」

「うん、明日菜」

 

 一瞬明日菜の表情に走った細波。それでも彼女は木乃香の手を握って頼んだ。

 親友のお願いを真摯に受け止めた木乃香は走ってアスカの下へ向かう。

 そこでは尋常ではない汗を流して魔力を振り絞っているネカネと、彼女を支えているネギ、アスカを抱えている茶々丸、見ていることしか出来ないエヴァンジェリン、そして倒れているアスカの周りに魔法陣を描いているカモがいた。

 一心不乱に治癒魔法を使い続けるネカネ以外の面々が希望を込めて木乃香を見た。

 膝をついた木乃香は、どいた茶々丸からアスカの頭を支えた。

 

「アスカ君、しっかり……」

 

 血が溢れているアスカの口へと木乃香は自らの口を落した。

 二人の口が重なった瞬間、木乃香の体から柔らかな淡い光が溢れ、特にアスカの身体を集中して包み込んだ。

 

「っ! こ、これは!」

 

 千草が想定以上の光に気付いて声を上げるが、木乃香から放たれた柔らかな光が、その場に居た全ての者の目を貫いた。

 近衛木乃香は、極東最大級の魔力保持者である。その潜在能力を持ってすれば、例え単なる感情の爆発であっても何らかの効果を発揮することは不思議ではない。

 今回は仮契約というベクトルに導かれて、確実に歩み寄っていたアスカの死の運命を覆す。

 効果はそれだけに収まらず、傷を負っていた小太郎や刹那にも現れた。

 

「うんっ」

 

 光が二人の体を覆い、負っていた傷を癒していく。

 アスカに比べれば傷の浅い刹那は右肩から痛みが消えたので、確認すると傷が消えていた。

 

「傷が……ない」

「俺もや」

 

 時間を逆戻しにするように傷が癒えた二人は不思議そうな顔をして立ち上がり、未だに光を放ち続けている木乃香を見た。

 アスカの方も大詰めだった。

 千草の想定を遥かに超える癒しの力が働いて、真祖の真祖の吸血鬼並みのスピードで傷が元通りになっていく。

 だが、瀕死の重傷者を一瞬で完治させるほどの治癒能力。きちんと術式を整えて施される『魔法』であっても難しい効果を、強引な力技とも言える方法で発揮した木乃香は、代償として潜在する魔力の急激な放出は心身ともに大きな負担を掛け、意識はなくなっていないが体から力が抜けてペタンと尻餅をつく。

 木乃香からアスカの頭を受け取った茶々丸は、膝枕をしながら手を傷一つないアスカの胸に当て、もう片方を口元に近づけた。

 

「脈拍・呼吸共に正常。もう大丈夫です」

「良かったぁ」

 

 茶々丸が表情を緩めながら言った途端に、ネギは腰砕けになったように尻餅をついた。

 

 

 

 

 

 場所をホテルの屋上から千草達女性教師の部屋と移したネギ達一行。男部屋でないのは万が一にも新田が訪問する可能性があるかからで、この部屋ならば下手に人が来ることも無い。

 シングルベッドの一つに寝かされているアスカにはまだ意識は戻っていない。

 血を流し過ぎていることもあって本当ならば病院に運び込みたいところだが今は傷一つないのと傷を負った理由を説明できない。なので千草の造血符を張って様子を見ている状態だった。

 木乃香も力技による魔力の引き出しに違うベッドを使い、魔力の使いすぎてネカネが最後のベッドを使っていた。

 

「なにがあった? 答えろ、坊や」

 

 部屋にある数少ない椅子に座ったエヴァンジェリンは機嫌も悪くネギに問いかけた。

 当のネギはアスカが寝ているベッドの足下の床に直接腰かけて顔を上げない。

 

「答えろと言ってるんだ!」

「マスター、落ち着いて下さい」

「アスカが死にかけて、これで落ち着けというのか!」

「今は休んでおられます。ですから、落ち着いて下さいと申し上げているのです。それでは何も言えません」

 

 怒りに駆られたエヴァンジェリンが答えないネギに掴みかかろうとするが、その手を茶々丸が押さえつける。

 目を覚まさないアスカを見ながらの発言に、さしものエヴァンジェリンも口を噤んだ。

 椅子に荒っぽく座る。

 

「ねぇ、ネギ。本当に一体何があったの? 刹那さんも」

 

 黙っていた明日菜が問うがネギも刹那もなにも答えない。

 なにも答えない二人ではなく、あちこちに穴が開いた服のまま小太郎が口を開いた。

 

「俺達は間違ったんや。敵が強すぎた。アスカは途中で引き返そうとしたのに、俺達が押し切ったんや」

 

 そして強い後悔と共に小太郎はこの数十分前のことを語り始めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 バーベキューで龍宮真名から敵のアジトの情報を得たアスカ達一行は、オアフ島の市街地から遠く離れた外れに来ていた。

 辺りに民家のない寂しい場所に立つ掘立小屋が目的の住所である。

 

「住所の場所はここで間違いないんか?」

 

 協力を求められた小太郎は二つ返事で応えて同行していた。今も多数の椰子の実が成っている木で身を隠しながら目標の場所を見据える。

 

「他に人が隠れそうな場所もないし、結界も張られていない。あそこで間違いないわ」

「近所の人の話だと浜辺の管理人さんが偶に使ってた小屋で、その人が亡くなってからは古いから全然使ってないんだって」

「隠れるには絶好の場所というわけですか」

 

 やる気満々なアーニャ、情報収取をして戻って来たネギ、野太刀を手にした刹那。

 一行の目は掘立小屋に集中していた。ただ一人を除いて。

 ホテルを出た時はアーニャよりもやる気に満ちていたのに、この場所に近づいていくごとに無言になったアスカは、何かが気になるようで先程からソワソワと落ち着かない様子で歩き回っていた。

 

「どうしたの、アスカ? らしくないけど」

「ん? ああ」

 

 気になって問いかけたネギに、アスカは曖昧に笑った。

 しきりに首の後ろを触りながら言い難そうに口を開いた。

 

「なあ、引き返そうって言ったらどうする?」

「ちょっと、いきなり何を言い出すのよ」

「そうやで。こんなところまで来て」

「だよな」

 

 アーニャと小太郎が言った間にもアスカの足は落ち着きなく動いている。

 その所作からネギは嫌な感じを読み取った。

 

「なにか感じるの?」

「違和感つうか、こう首の後ろを撫でるような嫌な感覚がさっきから止まらねぇ。あそこはヤバい」

 

 言う通り首を後ろをしきりに触りながら、目も落ち着きなく彷徨っている。

 これほどのアスカを一回しか見たことがないネギは、今すぐにでもナナリーを助けるべきだとは思うが一抹の不安を覚えた。

 こういう時のアスカの勘は良く当たる。

 六年前の故郷が襲撃を受ける直前も似たようなことを言っていたので、ここはアスカの勘を信じて戻るべきかと考えたが同時にここまで来て戻るべきなのかと逡巡も覚えた。

 その逡巡がこの先の未来を決定づける。

 

「何言ってんのよ。ここまで来て戻れるわけないじゃない。ナナリーが待ってるって言ったのはアスカよ」

「でもな」

「怖気づいた奴はここで待っとったらええねん。俺は行くで」

 

 そう言って小太郎は一歩を踏み出した。後を追って椰子の木からアーニャも出た。

 親友としてナナリーを一刻も早く助け出したいアーニャの気持ちと、アスカにライバル心を持っている小太郎の気持ち。どちらも分かるだけにネギは二人を止めることは出来なかった。

 

「二人が行ってしまいますが、どうするのですか?」

「………………こうなっちまったら仕方ねぇ。止めて聞くとも思えないし、俺の心配が杞憂だってこともある。二人を追うぞ」

 

 刹那の問いに悩んだアスカだったが追う決断をした。

 二人を追うためにアスカ達も椰子の木を出て、気配を消しながら進む。

 

「アデアット」

 

 遮蔽物に身を隠しながら進んでいると、隣からアーティファクトを呼び出す声が聞こえたネギはアスカを見た。

 そちらを向くと同時に飛んできた銀のイヤリング――――アスカのアーティファクトである『絆の絆』を受け止める。

 

「付けとけ」

「え、でも」

「嫌な予感が増してやがる。万が一の時は合体するぞ」

 

 ゴクリ、とネギはアスカの腕に浮かんだ鳥肌を見て喉を鳴らした。

 

「刹那はアーニャのフォローを。俺達は小太郎の方に回る。なにかあったら周りを見捨ててでも逃げろ、いいな」

「分かりました」

 

 ネギとは挟んで反対方向にいる刹那の方を向いたアスカの首筋に浮かんだ汗が、この先にある危険を物語っていた。

 心臓が痛くなるような緊張感の中で、ゆっくりと掘立小屋に近づいていた一行。

 後少しで五十メートルまで距離を縮めようとした正にその時、アスカが愕然とした声を上げた。

 

「この距離で気づかれただと!? やばい、逃げろ!!」

 

 アスカの叫びに驚いて足を止めた一行。

 前方を進んでいたアーニャと小太郎が振り向いた瞬間、掘立小屋から強力な気配が五つ湧き上がった。

 ゾクリ、と心胆を寒しめる圧倒的と言うにも生温い気配に呑み込まれた一行の中で、アスカだけが次の行動に移ることが出来た。

 

「合体!」

 

 アーティファクトの効果を発動させたアスカと状況を理解できていないネギが強制的に合体する。

 

「ラス・テル・マ・スキル・マギステル 来たれ雷精、風の精 雷を纏いて吹きすさべ、南洋の嵐!」

 

 最強の一撃を放つべく、一瞬で臨界に達した魔力が合体したネスカの両手の間に集まる。

 ネスカ最大の魔法が放たれると思われる場所にはナナリーがいると思われる掘立小屋があった。

 

「なにやってのよ!? あそこにはナナリーが!」

 

 ネスカが何をしようとしているのかを悟ったアーニャが止めようとするが既に遅い。風雷の精霊を押し込めたアスカはその手を振りかぶっていた。

 

「雷の暴風――――――!!!!!!!!!」

 

 ネスカから解き放たれた膨大すぎるエネルギーの激流は、何もかもの存在を許してはおかぬというように事象の全てを粉砕しながら迸る。それらが通る空気は奔騰し、荒れ狂い、もし間に形成すものがあったとしても悉く融解するだろう。

 掘立小屋に向かって走る一条の矢となった雷の暴風は、間にあった椰子の木を一瞬で消滅させて直進する。

 このままでは掘立小屋すら呑み込んでしまうと思われた雷の暴風だが、直前に見えない壁に当たったように斜め上方へと弾かれた。

 

「なに!?」

 

 魔力も気も感じなかった。障壁のような何かに最大最強の魔法を弾かれたネスカが驚愕の叫びを上げる。

 

「来ます!」

 

 この時になって刹那にもアスカが何を感じ取ったのかを悟った。

 刹那が言って小太郎が構えた直後、掘立小屋が内側からの圧力によって押し出されたように粉砕された。

 壁や天井が内側から弾き飛ばされ、その破片に紛れるように飛び出した影が二つ。

 その内の一つが刹那に向かってきた。

 

「えーい!」

 

 飛び出した人影は先行しているアーニャのフォローに行こうとした刹那の跳躍の軌道に合わせるように、両手に持った二刀を構えてそのまま突っ込んでくる。

 

「くっ」

 

 辛うじて反応した刹那は慌てて防御の為にその脚を停めざるを得なくなり、刀と刀が衝突して金属がぶつかり合う甲高い音が響く。

 刹那は刀同士で反発しあって離れ、体勢を崩しながらも素早くバックステップを踏んで現れた第三者から間合いを取る。

 相手は空中からの勢いを殺しきれずにゴロゴロと地を転がり、服についた埃を払いながらゆっくり立ち上がる。

 刹那の視線の先にいたのは、眼鏡をかけた子供の姿だった。フリルやレースの飾りがついたゴシックスタイルのピンク色のワンピースに鍔広の白い帽子。そして眼鏡を掛けた愛らしい容姿とは裏腹に両手には太刀と小太刀が握られていた。

 刹那はぶつかり合った時に、目の前の人物の剣筋に愕然としていた。

 

「何故、貴様が神鳴流を使える!?」

 

 自分の太刀筋と似通った一撃を感じて刹那は驚愕を禁じえない。

 

「どうもぅ、月詠言います。お初に」

「お前は、神鳴流剣士なのか………?」

 

 斬りかかった月詠は鍔迫り合いをしながら間延びした声で自己紹介する。刹那は目の前の妙に間延びした喋りをする人物が本当に同門という事が信じれなくなって思わず聞き返す。

 

「技を使えるだけですぅ。神鳴流剣士いうんはちょっと違いますなぁ」

 

 一度離れて間延びした口調で挨拶をするところを見れば、両手に持っている太刀と小太刀を抜きにしても想像していた神鳴流剣士と著しく違う容貌に刹那は戸惑いを覚える。

 

「見たとこ神鳴流の方みたいやけど、追っ手やないみたいやな。これも仕事なんで本気で行かせてもらいますわ。一つお手柔らかに――――」

 

 そう言うと同時に、笑みを浮かべたまま月詠は刹那に斬り掛かった。

 予想通り、魔物相手用の長い野太刀を使う刹那は対人用の二刀を使う月詠相手ではやはり相性が悪い。刹那が持っている夕凪は、月詠の小柄な体格に比べてかなり大振りな野太刀なので小太刀のスピードに追いつけないのだ。

 刃渡りの短い二本の刀を使い、死角を突くように刀を繰り出し対人に特化した月詠の連戟は、刹那にとってやり慣れていない戦闘スタイルの相手であった。

 

「え~い、やぁ、たぁ、とぉ~」

 

 どこか間の抜けた掛け声だが、その剣筋はそれに似合わぬほどに速く苛烈で、刹那は攻めるどころか防戦に追い込まれて焦りを隠せない。

 刹那の野太刀と月詠の二刀が火花を散らし、風を断ちながら左右から、突き、袈裟、唐竹、逆袈裟、払い、切上、虚実を交え、緩急をつけながら剣と殺意を交し合う。

 間合いを詰め寄られて本来の距離を取れないので野太刀を思うように振り回すことが出来ず、更に手数の差で刹那は押される。

 

(い、意外に見た目と違ってできる…………まずいぞ!!)

 

 特殊な出自と確固たる目的を持っていた刹那は同年代でも飛び抜けた力を持ち、それなりに神鳴流内で名が知られていた。弱ければ幾ら幼い頃の知己であっても護衛に選ばれる筈もなく、本人もそれなりの力があることを自負している。

 二刀流や刹那と互角に以上に渡り合う技量の持ち主ならば、京都にいた頃に耳に入ってもおかしくない。だが、月詠という名を刹那はついぞ聞いたことが無い。

 

「ざーんーがーんーけーん!」

「くっ」

 

 間延びした声だが奥義の威力も申し分なく、刹那は飛び退いて何とか避けたが右肩を斬られた。

 

「綺麗な赤い血ですな。ん? 普通の人間にしては味が美味しすぎる」

 

 噴き出した血が飛んで顔を汚し、頬をついた血を伸ばした舌で舐め取った月詠はニタリと嗤った。

 

「お姉さん、ただの人間と違いますな」

「言うな!」

 

 怒りのままに刹那は月詠に斬りかかった。

 しかし、怒りのままに振るった夕凪は月詠に掠りもしない。それどころか的確に反撃されて刹那ばかりに傷が増えていく。

 流れは完全に月詠に傾いている。月詠に剣士としての実力で劣っていることを刹那は認めなければならなかった。

 

 

 

 

 

「刹那!」

 

 小太郎のフォローに行くどころか逆にフォローを必要としている刹那にネスカは叫んだ。

 だが、よそ見をしていられるのはそこまでだった。

 ネスカの前にも白髪の学生服をした少年が音もなく忍び寄っている。

 眼前に出現した人物はネスカが放った拳を蠅でも払うようにあっさりと逸らすと、がら空きの腹に手を添える。

 

「がっ……ふっ!?」

 

 次の瞬間にはネスカの身体は揺るがされ、外面ではなく内面に損傷を与える打撃によって口から大量の血を吐き出した。

 だが、この程度で怯むネスカではない。間近にいる少年に向かって拳を振り上げる。

 

「野郎っ!」

「これでまだ動くんだ」

 

 白髪の少年は僅かに上体を逸らすだけでネスカの拳を躱す。

 

「でも、僕を相手にするには君では役不足だよ」

 

 先の一撃で行動不能にさせるだけのダメージを与えたのに、攻撃してきたネスカに若干の驚きを持って見るも、自身には取るに足らない相手だと判断しながら蹴り飛ばす。

 防御されたことに頓着せず、呪文を唱える。

 詠唱が完成した白髪の少年は自身を中心に白い煙を発生させた。

 

風よ(ウェンテ)!」 

 

 直接攻撃系ならば、こんな近距離ではどんな効果であってもも避けきれないと判断したネスカは、煙を吹き飛ばす風を生み出して踏み出した。

 踏み出した勢いのまま風によって開いた煙の中を突っ切って攻めを選ぶ。

 自身への被害を省みない特攻。奇しくもネスカの選択は最も正しい行動を取っていた。

 

「へぇ、石化の煙と分かったのかな」

 

 今度は白髪の少年も表情こそ変わらないが驚く番だった。

 反応の早いネスカを確実に捕らえ、かつ広がりやすい煙で石化させるつもりだったのだ。まさかその煙の中を突っ切るとは蛮勇が過ぎる。

 煙を突っ切って自身に迫ってくる影にフェイトは僅かに目を見開いた次の瞬間、肉を打つ打撃音が響いた。

 

「……が……あはっ…………」

 

 煙を突っ切って来たネスカに白髪の少年は確かに驚いた。それでも一瞬驚きの表情を浮かべても直ぐに気を取り直し、放たれた一撃を冷静に捌いてカウンターでネスカの腹に肘を入れていた。

 

「驚かされたけど、それだけだ。君は弱い」

 

 ネスカの失敗を挙げれば、不意打ちにも近い状況でありながらも彼我の戦力が大きすぎたこと、たったそれだけのことだった。

 

「ぐ、あぅ……」

 

 白髪の少年の足元でネスカは打たれた腹を押さえて蹲って呻く。カウンターという事もあって、そのダメージは大きく直ぐには動けそうにない。

 蹲ったネスカにトドメを刺そうと白髪の少年が魔力の籠った手を振り上げた。

 

「…………っ!」

 

 ネスカとてエヴァンジェリンの戦いに何も学ばなかったわけではない。

 蹲っていたネスカの姿が解ける。風精で作った偽物であった。

 煙を突破すると見せかけて風精を囮にして、本物は白髪の少年の背後に回って拳に雷を溜めていた。

 

「雷華豪殺拳!!」

 

 アスカの最強の技をネスカの能力で放つ。オリジナルを遥かに凌駕する完璧な一撃。

 

「甘い、見えているよ」

 

 しかし、白髪の少年はそれを予め知っていたかのように反応して、ネスカの渾身の一撃を半身になることで容易く躱す。

 標的を失った空を抉るに留まった。

 抉られた空気が戻るよりも早く、拳撃を躱した白髪の少年の弾丸のような右拳によるカウンターを放つ。

 決めるつもりの一撃を躱され、逆にカウンターを貰ったネスカは、ガンッという人間の肉体で生まれる音だとは思えない重低音と共に弾き飛ばされて地面を削りながら背後にあった大きな木の幹に叩き付けられた。

 木をへし折って更にその後ろの木の幹へ。それらを五度ほど続けてようやく止まった。

 

「あ"……かはっ……う"……」

 

 背中を強かに打ち付け、肺の空気が全て逃げる。たったの一撃で余りの衝撃に呼吸もままならず、反撃しようにもまるで身体がいうことを聞いてくれない。

 ネスカは僅か数合のやり取りで、白髪の少年との間に埋めようのない実力差を感じ取っていた。それでもこの状況で敵に弱みを見せるわけにはいかず、痛む体を制御して立ち上がろうとする。

 

「まだやる気かい? 勝負は既に見えているだろう」

「だからってやられるわけにはいかないんだ!」

 

 叫んで、ネスカは魔力を振り絞って気勢を上げた。

 

 

 

 

 

 仲間が危機に陥っている分かっても小太郎は振り向くことすら出来なかった。

 

「くっ、なんやねんこれは!?」

 

 狗神を前面に押し出して防御しながら気を体の前面に集中するが、放射状に広がる弾幕に足を止められていた。

 少しでも防御を緩めれば突破されることに危機感を抱いている小太郎は、一歩でも動くことが出来ない。全力で防御しているにも関わらず、まるでゴム弾を撃ちつけられているように全身が殴打されているのだ。

 一瞬でも力を抜けば、その瞬間に小太郎の体は蜂の巣になるだろう。

 故に動けない。動いた時が小太郎の死ぬ時だ。

 

「よく持ち堪える」

 

 崩壊した掘立小屋で間断なくマガジンを入れ替えながら五十メートル以上離れた小太郎を封殺し続けるナーデレフ・アシュラフは、僅かばかりの感嘆を滲ませながらその手は止まらない。

 ナーデの少し後ろで、ハルバートの刃先を地面につけた筋骨隆々の男が鎧を鳴らしながら大きな息を吐いていた。

 

「ふぃいいい、久々に全力で展開すると疲れるぜ」

「よくやった、フォン」

「へへ、ボスの為なら水の中、火の中。こんな程度どうってことないぜ」

 

 フォン・ブラウンの肩を軽く叩いたゲイル・キングスは目を細めて五十メートル先を見た。

 ナーデに行動を抑えられている小太郎、刹那も月詠に圧倒されている

 

「邪魔者は予想していたがこの程度か」

「さっきの雷の暴風は中々だったけどよ。パワーだけだな、ありゃ。けっ、フェイトに言いように遊ばれてやがる」

 

 最後に白髪の少年――――フェイト・アーウェンルンクスと戦っているネスカに視線を向けた二人は、取るに足らない敵だと興味を失った。

 

「大事の前の小事だが、ここに来るまでの動きが早い割に質が低い」

「仕方ないぜ、ボス。俺達が強すぎんだ。でも、雑魚が多いと萎えるぜ」

「それがお前の悪い所だ、フォン。慢心は過ぎれば敗北を招くぞ」

「いけ好かない奴らだが、この程度の敵に負けませんて」

 

 と、二人が喋っている間に戦況が動いた。

 襲撃者の中で最も力の大きいネスカがフェイトに潰されながらも風精を呼び出し続けている。

 

「なんだ、ありゃ」

 

 十が百、百が千と魔力が続く限りの多重召喚。呼び出された半分がフェイトに襲い掛かる。

 流石のフェイトも風精を無尽蔵に作りだすネスカの傍にいてはマズいと判断して、一端距離を取りながら向かってくる分を両手に握った黒曜の剣で次々に迎撃していく。

 残りの風精は刹那に襲い掛かっていた月詠に突撃して行った。

 

「ほう、一人だけまともな者がいたようだ」

 

 風精を召喚し続けながらネスカが小太郎の前面に立った。

 目に見えるほどの風の障壁が立ち上がり、ナーデの銃撃を防御する。

 動けるようになった小太郎を下がらせ、風精を次々と惨殺している月詠から離れることが出来た刹那も同じように動く。

 

「逆に一人、愚か者も混じっていたようだ」

 

 ゲイルは戦いの行方を無視して、動くに動けなくなったアーニャに向けて闇の魔法の射手を放った。

 

「きゃっ」

 

 もう少しというところで掘立小屋の壁の瓦礫を破壊されたアーニャの姿が晒される。

 隠れる物がなくなったアーニャはゲイルたちを見た。見てしまった。

 

 

 

 

 

「きゃあああああああああああああああああああああっっっっ!?」

 

 突如として戦場に響き渡ったアーニャの悲鳴に、逃げの一手を打とうとしていたネスカ達の意識が割かれた。

 悲鳴の聞こえた方へ視線を向けるとハルバートを持った若い男に意識を失っているらしいアーニャが捕まえられているところだった。

 意識の分割は体の硬直を招いた。その一瞬の隙をフェイトは見逃さない。

 

「逃がさないよ」

 

 黒曜剣を持ったフェイトがネスカへと迫る。

 

「とどめ」

 

 振りかぶった剣を止めることは出来ない。回避も不可能だ。風精を苦もなく斬り捨てていたことから防御してもたかが知れている。

 合体状態での負傷は、合体を解いても二人に降りかかる。故にネスカは合体を解いた。

 

「アスカ!?」

 

 合体を解かれたネギはフェイトの攻撃の射線上から外れる。

 二人に別れたネスカに驚きながらもフェイトの攻撃は止まらない。その場に留まらずをえなかったアスカを切り裂かんと黒曜剣が振り下ろされた。

 

「うぉおおおおおおおおおおおっっ!!」

 

 閃光が二人の姿を覆い隠したので、ネギにはアスカが何をしたのかは分からなかった。

 一瞬の閃光の後、アスカがネギの方へと弾き飛ばされて来た。

 

「あ……アスカ!!」

 

 運良く受け止めることが出来たネギはその状態を見てとった。

 左肩から右脇腹まで走っている切り裂かれたような跡。敵がどうなったかを確認するよりもその背中に迫る二つの気配。

 

「ネギ!」

「ネギ先生!」

「僕に掴まって下さい!」

 

 捕まったアーニャを助けることは出来ないと判断したネギは二人に言いながら、ポケットに入れていた集団転移魔法を発動させた。

 

 

 

 

 

「失態だぜ、フェイト。敵を逃がしてんじゃねぇよ」

 

 襲撃者が逃げたのを確認したフォン・ブラウンは、戻って来たフェイトに早速文句を言った。

 フォンは仕事で最近知り合ったフェイトのことが気に入らないようで、事あるごとに突っかかっている。それはゲイルがフェイトに大きな信頼を預けていることに対する不満がそうさせているのだろう。

 

「そう言わんといてぇな、フォンはん。襲撃者達は結構やりましたで」

 

 黙ったままのフェイトの代わりというわけではないが、ニコニコと笑ってご機嫌な月詠が弁明する。

 

「テメェには言ってねぇよ」

「ええやん。うふふ」

「相変わらず気持ち悪りぃな。こっちによるな、しっしっ」

 

 不自然なほどにご機嫌な月詠を見て、気持ち悪そうにフォンは体を引いた。

 

「面白い人に会えましてん。まさかこんなところであんな人に出会えるとは思いもしまへんでした。あの人の血の味。ふふ、ふふふふふふふふ」

 

 完全にイッてしまっている月詠に黙しているナーデすらも、こっそりと距離を取った。

 

「フェイト、何故だ」

 

 フォンと違ってゲイルは言葉少なに尋ねた。

 貴様なら苦もなく殺せただろうと言外に滲ませたゲイルに、フェイトは口の端に垂れていた血を拭った。

 

「反撃を受けて出来なかった。それだけだよ」

「ほぅ、貴様がか」

 

 感嘆しているゲイルの足下にオッケンワイン家から連れ去った少女とは別の少女を見たフェイトは目を細めた。

 

「どうするの、その子?」

「記憶を読み取る。襲撃者の目的と素性も知れよう。フォン」

「ほいさ」

 

 獲物のハルバートを置いたフォンは、意識を完全に失っているアーニャの頭を掴んで瞼を閉じた。

 

「超能力って言ってましたったけ。変わってますな。これで記憶を探れるんやから面白いわ」

「しっ」

 

 まだまだご機嫌で呑気な月詠を黙らせたフェイトは、自分よりも少し遅れてこの一行に合流しながらも関わろうとしないナーデを見た。

 元より仲間関係にあるといっても他人に対して興味を持たないので直ぐにフェイトは撃った銃の手入れを行なっているナーデからフォンに視線を戻した。

 

「へぇ、こいつの連れはあの英雄様の子供らしいぜ。他にはワーウルフに神鳴流ときたか。豪勢なこって」

「英雄……」

 

 と、フォンの呟きを聞いたフェイトの脳裏に一人の男が浮かび上がった。

 相対した金髪の少年の眼差しがその男のと重なる。

 

「サウザンドマスター」

「そうだ。良く解ったな」

「なんとなくね」

 

 ならば、合点がいったとフェイトはあの激突の瞬間を思い出す。

 

(彼は如何なる防御も回避も不可能と悟って、全魔力を込めて反撃に出てきた。反撃することで防御に変えた一瞬の閃きと戦闘センス、そしてあくことなき闘争心。英雄の血というやつも馬鹿には出来ないね)

 

 実力の差が大きいのでフェイトが競り勝って重傷を与えたが、その代価として拳を頬に入れられた。

 

「顔を殴られたのはナギ・スプリングフィールドに次いで二度目だ。この報いは大きいよ」

 

 与えた傷は大きいだろうが死にはしないと不思議な確信を得ていたフェイトは、本人も知らない間に薄く笑った。

 

 

 

 

 




敵オリキャラその4

名 前:フォン・ブラウン
年 齢;23
職 業;騎士、ハルバート使い、念動力者
人間性:ゲイルに絶対の忠誠を誓っている人。他はゴミ屑
備 考:二十年前にゲイルに拾われてから一緒に行動している。ゲイルに対する気持ちは人というより神様に信仰を捧げているようなレベル
戦闘力;1500



敵キャラその5

名 前:フェイト・アーウェンルンクス
年 齢;見た目10歳ぐらい
職 業;魔法使い
人間性:情動が薄い。人形みたい
備 考:ナギのことを知っているらしい
戦闘力;10000



フェイト一人だけレベル違い過ぎ


次回

「二日目」

少年達は体勢を立て直す。今は雌伏の時。

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