立香&妖精騎士ランスロット+α in ぼくのなつやすみ 作:ルルザムート
キャメロット家 リビングにて…
「ごちそうさまでした!」
「「「「「ごちそうさまでした!」」」」」
朝食を食べ終え、歯磨きも終えた僕は早速家の外へ
「さて、今日はどうしよう?」
昨日メリュと近所を見て回ったとはいえ、行ってないところはまだまだ沢山ありそうだ
「いきなり地図を探しにいくのも難しいし…今はとりあえず行けるとこまで行ってみよう!」
…とは言ったもののどこから行こうかな…?
「おや、見ない顔だ、初めまして!」
「あ!初めまして!」
声をかけてくれたのは僕よりちょっと高い身長に、肩まで届く金色の長い髪が特徴的な男の子だ、"ぐらんどおーだー"とひらがなで書かれた白シャツと…下は短パンを履いてる
大人っぽい雰囲気…6年生かな…
「多分君がキャメロット家に越してきた子だね、良ければ僕と一緒に少し散歩をしないかい?」
「散歩?うん!行きたい行きたい!」
というワケで僕ら2人は一緒に行動することになった!
どうやら彼は本を返しに学校に行く途中だったようで僕もそれについて行く事にした
「へぇ、夏休みの間だけの引っ越し?」
「うん!メリュとギルくんとモルモルとアルおじさんとエミヤおばさんと犬のタイコー、夏休みの間みんなと暮らすんだ!」
精霊の木を通り過ぎ、背の高い2本の木が作った日陰の道を2人で歩く
「ところでキミは何の本を返しに行くの?」
「うん?ああ、この島で採れる虫について書かれた図鑑だよ、内容はもう大体覚えたから本を返そうと…あ」
階段を登り、ちょうど学校のグラウンドに入ったところで彼が立ち止まる
「…?どうしたの?」
「…返すはずの本を家に忘れてきてしまったよ!」
「なんだそれ!」
じゃあ何のために来たんだよ!とついつい笑ってしまう
「ははは!ホントだね!あははは!」
それにつられて彼も笑い出す
ひとしきり笑ったところで散歩再開、グラウンド横の細道を歩いて森の奥へ向かう
無造作に置かれた4枚のドブ板と眼下に見える学校を見ながら僕はある事に気付いた
…そういえばこの子の名前を聞いてないな
「ねえ、そういえばキミの名前ーーー」
「ああっ!大変だ、コレを見てくれ!」
慌てた様子の彼に名前を聞くのも忘れて急いで前へ!すると…
「橋が壊れてる!」
森の奥へと続く橋の底が抜けて通れなくなっていた!
「うーん、残念だね…」
「いや…でもジャンプしたら届くかもしれない、ちょっと下がっててくれ!」
そう言って彼はどこからか縄跳びを取り出し、ムチのようにギュッと両手で持つ
え!
これを飛び越えるのは6年生でも…いや、大人でも難しいんじゃ…そもそもなんで縄跳びを?
「やめたほうがいいんじゃない…?」
「大丈夫だよ!よし…行くぞ!3!2!いーーー」
「だああああっ!!待て待て待て!!!」
彼が足を踏み切るまさにその直前!ドドドド!と恐ろしいスピードで走ってきた銀髪の少年がアメフト選手みたいに腰にガッシリとしがみつき、そのまま倒れ込んで彼のジャンプを止める
「カイニス、離してくれ!今の僕は行けそうな感じなんだ!」
彼はしがみつかれたまま、地面でジタバタとカイニスと呼んだ少年を振り解こうとしている
「どう見たって無理だろ!?大体なんで縄跳びなんて持って…いや待て、お前…昨日の夜映画見てたが何の映画見てたんだよ?」
「インディージョーンズだけどーーー」
「思った通りだ!いいかオイ!?あれは映画だ!本気にするな!」
それを見てなんて声をかけたらいいか僕には分からなかったからただボーゼンとそれを見ていることしかできなかった
〜
なんとか彼を説得して来た道を3人で戻る
「ったく、ヒヤヒヤしたぜ…あ、俺はカイニスだ!お前はなんて言うんだ?」
バスターと書かれた赤いシャツと短パンを身につけた彼…カイニスが聞いてくる
「僕は藤丸立香!キャメロット家に夏休みの間だけ引っ越して来たんだよ!」
「あー!お前がメリュが言ってた…へー!ほー!ははっ!また秘密基地で一緒に遊べるやつが増えたな!」
…ん?
「あのさ、カイニス…さん?」
「カイニスでいいぜ!んで、どーした?」
「秘密基地ってなんのこと?」
「………んあっ?」
僕の質問に一瞬固まるカイニス、そしてーーー
「お前、秘密基地知らねーの?」
「うん」
「場所を?」
「場所というか秘密基地があるなんて今知ったよ?」
「…そうか」
な、なんだかカイニスの顔がどんどん怖くなっていってるようなーーー
「………コリャ許せねぇなオイ!?」
「え、カイニーーーうわっ!?」
ドンッ!とさっき駆けつけた時と同じかそれ以上の速さで駆けていくカイニス、その背中はあっという間に見えなくなってしまった
「…行っちゃった」
「ああ、彼の友人として一応言わせてもらうと彼は不器用なだけで友達思いのいい人だよ…あんな風に自分でなんでも解決しようとして、1人で行ってしまうこともたくさんあるけどね」
…そうなったのは多分キミのせいじゃないのかな…?と思ったけど口に出すのはやめておいた
〜
「ここ?」
彼に連れられてやって来たのは潮待ち桟橋、その橋の下へ続く階段だ
「うん、彼はここに来てると思ーーー」
「オイゴラァァ!!」
「ごめんなさーい!!!」
うん、来てるね!と冷静に言う彼に若干戸惑いつつも一緒に階段を降り、桟橋の下へ、するとーーー
「いたいいたいいたい!暴力はんたい!頭が割れちゃう!」ジタバタ
「1人だけのけものにしようとしたお前が悪い!」ぐりぐり!
僕がジャガ村先生にやられてるみたいに頭をグーでぐりぐりされてるメリュが…ちなみにぐりぐりしてるのは言うまでもなくカイニス君だ
「カイニス君落ち着いてーーー」
「小太郎は口挟むんじゃねぇ!仲間外れにすんのは誰だろうと許せねぇンだよ!」
「だがよー、男が女に手をあげるってのはダメだろ…?」
「うっさい!金時も口を挟むなよ?これは先輩としての指導だ指導!」
見れば金時君と小太郎君もいる…あ、ギルくんも来てる!…でも1人だけ知らない子がいるなぁ…?桃…いや紫色の髪をした女の子だ、メリュにも負けないようなかわいい洋服を着てる!
…背が1番大きいから6年生かな?
「まぁまぁ…落ち着いてくれ、彼が困っているよ?知らない人も居るかもしれないから自己紹介から始めないか?」
「あー…あー、お前が言うんじゃ仕方ねえなぁ…」
むー、と若干不満そうな顔をしながらも渋々涙目のメリュから離れるカイニス
「ありがとうカイニス、じゃあ誰から自己紹介しようか?」
その言葉に誰よりも早く答えたのはあの背の高い知らない女の子だった
「はーい!はいはいはーい!私、自己紹介したい!です!」
「ふむ、じゃあちょうどいい、低学年の人から順番に自己紹介するとしよう、みんなもそれでいいかな?」
はーい、とかおう、とかうぇーいとか、そんな同意の返事が返って来た事で女の子は自己紹介を始めた
…アレ?低学年から?じゃあこの子はーーー
「こんにちは!私はプロテア、キングプロテア!1年生!です!」
「いちねんせい!?」
思わず聞き返す!
「えへへ、みんな最初は驚くんです!よろしくね!」
そう言って無邪気な笑顔で手を振る彼女を見て、子供ながらに『ああ、たしかに1年生の女の子だなぁ』と思った
「じゃあ次は私」
次に話し始めたのはメリュだった、なんだかバツが悪そうな顔をしてるけど…?
「改めて自己紹介するのも変なカンジだけど…私はメリュジーヌ、3年生。よろしく、立香。…あと、いじわるしてごめん」
「気にしてないよ、改めてよろしくねメリュ!」
後で知った事だけど昨日の近所探検で砂浜に行った後、秘密基地に連れてってくれる予定だったらしい、それについての『ごめん』だったのかな
「では次は僕の番ですね、僕はギル!メリュと同じ3年生!時々名前を間違えることがあるからみんなギルくんではなくギルって呼んでいますよ、よろしく!」
「うん!よろしく、ギル!」
えっと次は…あっ、僕の番か!
「じゃあ次はぼ「では次は僕の…
「「あっ」」
小太郎君と声が被り、僕は後でいいよ!と小太郎君に伝える
「ありがとう!僕は風磨小太郎、4年生。この島の不思議な話を色々知ってるから興味があったらお話ししよう」
「うん!よろしく!」
不思議な話…?気になる…
では気を取り直して、僕の番だ
「じゃあ次は僕!えっと、夏休みの間だけキャメロット家に引っ越して来た…えっと、藤丸立香って言います!4年生です!えっと…えーっと、夏休みの間、よろしく、ね!」
…っ
どうしよう、緊張しちゃった。うまく言えたかな…?
そう思ったがそれは杞憂だったらしく、みんなから拍手と共に歓迎されて緊張がほぐれた
「ヨシ!んじゃ次は俺だな!俺は坂田金時!5年生だ、こうして会うのは2回目だな!今度一緒にカブトムシでも捕りに行こうぜ、立香!」
「うん!行こう!よろしく金時!」
次はーーー
「次は俺か。さっきも自己紹介したが俺はカイニスだ、金時と同じ5年生だな、なんかコイツのことで困ったことがあったらいつでも言ってくれ、よろしくな!」
つんつんと、彼の着ている『ぐらんどおーだー』服をつつきながらカイニス君が言う
「…?僕は困ったことなんてしてないと思うよ…?」
「…ま、それもそうか、なんだかんだでみんな楽しんでるしな!」…俺はいつもハラハラしてるが。
今、最後に何か聞こえたような…
「…?まぁいいか、最後に僕だね!…そういえば自己紹介、まだ一度もしていなかったよ、ごめんね」
「大丈夫だよ!」
「…え、お前自己紹介もせずに一緒に散歩しよう、とか言ったのかよ?」
マジかよ、と言うカイニスにいやぁ、知らない人を久しぶりに見かけてつい忘れてたんだ、気をつけるよ。と彼は言う
「それじゃあ改めて…こんにちは、立香!僕はキリシュタリア、キリシュタリア・ヴォーダイム。6年生だよ、名前が長いから気軽にあだ名をつけてくれて構わない、宜しく!」
…8月3日、3日目の夏休みは立香にとって、かけがえの無い友人の出来た日として終わった
…
〜その日の夜、大こち山の山頂にて〜
「かんら、から、から!」
今にも星が降りそうな夜空の下で、山頂から眼下に見える海や家、学校、船着場を見下ろしながら
「うんうん、心配で様子を見に来たが…特に小槌のせいで何か問題が起こった、ということは無いようだな!安心安心!」
花の魔術師が『何も言わずに小槌を貸してくれないかい?』と言ってきた時には何を企んでいるのかと勘ぐったものだが…うん、これならいい!
「来て日の浅い僕でも分かるほど、僕の弟子は少々頑張りすぎだからな!羽を伸ばせるのはいいことだ!」
「そ、そうですか?ありがとうございます、お師匠様!」
「遮那王では無いわ!全く…」
そんなぁ…と、しょげる遮那王。
…ちなみに今
うん?何故かって…脱走しないようにだが?
「お師匠様ぁ〜私も主人殿達と遊びたいです〜」
「だ、め、だ!例え小槌で記憶と肉体年齢を調整したとしても、お前は加減というものを知らん!
…師匠である僕が断言しよう、お前がここで
全力で遊ぶのが遮那王だ、ついていける者は極少数であろう
「お師匠様、いくら私でも加減くらい心得ています!」
「…なら聞くが、この時間帯、お前は何をして過ごす?」
「それはもちろん!日が登るまで
…僕の思った通りじゃないか!
フタを開けるわけにも行かないので虫かごを揺らして遮那王の頭をぶつけさせる
「ほれ見たことか!…さて、小槌の力も問題なさそうだし、そろそろカルデアに戻るぞ」
「そ、そんな!お師匠様、慈悲を!どうかこの私に慈悲を!」
無い!ときっぱり言い切って僕たちはカルデアへと戻った…
メリュジーヌの誕生日ボイスを聞いてテンションがおかしくなっている作者のルルザムートです、ハイ。
実を言うとキリシュタリア&カイニスの話も書きたいなと以前から思っており、モンハンの方でとあるキャラを倒す切り札として出したいと思っていましたがどう書いても書きたいものからズレる気がして没に…
どっちかって言ったら彼のことで書きたいのは日常系では?と気付いたのはぼくなつを書き始めたあたりですかね?彼らもガンガン出していきたいと思っていますのでよろしくお願いします!