「矢矧、GPSは正常に作動しているか?」
「…………ダメね。GPSもレーダーも、衛星通信もすべてダウンしているわ。大和わ?」
「こっちもすべてダウンしている。」
東シナ海南部、北緯34度12分、東経128度04分の海域にて、計24隻の大艦隊が母港である佐世保へと、二つの輪形陣に分けながら進んでいた。
大和と呼ばれた者。
それは第二次世界大戦にて建造され現代まで、文字通り【世界最恐】【鬼に金棒大和の主砲】【軍艦界のターミネーター】【大矧夫婦】etc……
色々な二つ名で呼ばれる大日本帝国海軍第一艦隊総旗艦【戦艦大和(せんかん やまと)】である。
「しかし、大和兄様。この時期に大型の台風等、過去70年見ても、一度も有りません。
やはり此処は一度停泊してやり過ごす訳にわ?」
大和の後方、輪形陣の最後尾を務める【戦艦武蔵(せんかん むさし)】
が総旗艦である大和に停泊を進言する。
「武蔵さん、流石にここで停泊は自殺行為ですよ。
大和お兄ちゃん。
此処はやはり少し航路を外れてでも台風を突っ切って行ったほうがいいと思います。」
武蔵の次に大和は話しかけてきたのは【駆逐艦雪風(くちくかん ゆきかぜ)】である。
雪風がなぜ大和を兄と呼ぶのか、それは単純に第二次世界大戦から今まで、矢矧と一緒に大和と戦ってきたからである。
「……それは無理だ。
武蔵、雪風、お前も分かっているだろう?
今艦を操艦しているのは俺達じゃない、乗っている人間達だ。
俺達は意識はあるが動けない。
最後に決めるのはいつだって人間だ。」
そう、大和達は人間ではない。
人間風に呼ぶならば【九十九艦神(つくものふなかみ)】と呼ばれる精霊、神霊なのだ。
だからこそ、大和達には人間のような体は無く、意識ノミが独立した物だ。
因みに、大和が九十九艦神として意識が出来た時、真っ先に会ったのは矢矧である。
周りからは【大矧夫婦(やまはぎ夫婦)】と呼ばれるくらいイチャイチャ(イチャイチャ展開は作者の努力次第)している。
「それは分かっているが。
やはりこの体は不便だ。」
「……………………だから体は無いと言ってるだろ。」
記述外で幾度となく交わした言葉に大和はため息を吐く。
「大和、武蔵、雪風、貴方達も いい加減にしなさいな。
それよりもレーダーが回復したkd!?
ちょッ!?大和!!大変よ!!右舷より大型の津波よ!!
大きさは……25㍍!?
そんな、嘘でしょ!?」
「「「「「「「!?」」」」」」」
大和と武蔵の会話を聞いて苦笑していた他の九十九艦神達もとっさのことに驚きを隠せないでいた。
それは四半世紀以上大日本帝国海軍の旗艦を努めていた大和も同じだった。
「矢矧!!津波との距離は!?
乗組員の対応はどうなっているんだ!!」
「距離は約三○○○㍍!!乗組員も気付いた所だけどとてもじゃないけど間に合わないわ!!」
クソ!!
大和は悔しそうに呻く。
きっと、肉体が合ったならば思いっきり歯を食いしばっていただろう。
刻一刻と近づいてくる津波。
乗組員も気付いた時から対処していたらしく、ゆっくりとではあるが津波に向けて船首を立てようと会頭しているが、津波が早く間に合いそうに無い。
圧倒的なまでの大きさの津波。
ガ○ダムよりも大きな津波は、大和達を横からその圧倒的な迄の質量で押し倒していく。(分かりにくい人はは【ポセイドン】と言う映画を見てください。それで大体わかります。)
為すすべもなく津波に呑まれ、海中に引き摺り込まれる軍艦達。
それを呑み込む津波は、まるで今まで散々大和達が倒し、沈めてきた軍艦達の怨嗟の声にも聞こえた。
「矢矧!!」
意識が途切れる間際に、自分の最も大切なものの一人である矢矧に、《有るハズの無い手》を伸ばす大和。
今まで、薄らとしか見えなかった筈の矢矧の手を握った刹那。
大和達の意識は此処で途切れた。
---臨時ニュースをお伝えします。本日未明、坊ノ岬沖を航行していた海軍第一艦隊が忽然と行方不明となりました。大本営はきんky…………
韓A---日本ざまぁm9っ^Д^)プギャー
韓B---いいから早く働け!!ボグッ
韓A---イッタぁ「ボグッ、ドカッ!!」グフ!?…………orzチーン
韓C---………………やりすぎだろお前ら。
用語集
【九十九艦神(つくものふなかみ)】
長い年月を過ぎたり、多くの人達の思いから出来た精霊、神霊。
前者は大和など、後者は金剛など。
【戦艦武蔵】
大和型戦艦二番艦。
大和とは主砲配置や高角砲の位置が違う。
艦これでの容姿は武蔵のまま。
【矢矧】
大和の嫁。以上。