東方淫戯録〜幻想郷イチャイチャ生活〜   作:如月 愁

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何かすごく久しぶりな気がする……
あ、書き方や雰囲気が変わっているのは4年ぐらい経っているせいにしてください。
作者が悪いですけど時間が悪いんです。

なぜ五人目から七人目まとめているかって?
これ以上長くしたくなかっt……
あと普通にこの話読者にとってもあまり面白くないだろうなと…

長くなりましたがでは、どうぞ。
ちなみに8500文字あります。


第七話 七武将の五人目~七人目

七武将の五人目

加川重憲 別名魔王

 

 

四人目の件が片付いてから数日後——

 

幻想郷、博麗神社。

 

愁「さて……次は五人目だ」

 

霊夢「またよからぬことを考えているわね」

 

愁「(にこ)」

 

霊夢「……その笑顔が一番怖いのよ」

 

レミィ「愁~次は誰なの?」

 

愁「……加川重憲。あだ名、魔王」

 

フラン「魔王? お兄様じゃないの」

 

愁「僕は神だから違うよ」

 

フラン「そっかー」

 

霊夢「(神と魔王の区別があやふやになってきた……)」

 

────────────────────────────────────────────

幻想郷の縁側にて。

愁は足をぶらぶらさせながらスマートフォンをいじっていた。

 

レミィ「……ねえ、何調べてるの」

 

愁「加川の実験記録」

 

レミィ「どこから手に入れたのよ」

 

愁「紫さんが昨日くれた」

 

紫「(スキマの奥から)良い使い方をしてくれるといいけどね~♪」

 

霊夢「(あの人、どこでも出てくるのよね……)」

 

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愁はスマートフォンの画面をじっと見つめていた。

 

加川重憲の実験ノートのデータだ。

神経強化、筋肉増幅、感覚遮断——

本人いわく「人間を超えるための研究」らしいが、配合は完全にでたらめだ。

 

愁「(……あと三回、同じことをしたら死ぬな、これ)」

 

妖夢「愁さん、何かわかりましたか?」

 

愁「うん。こいつ、自分で自分の首を絞めてるよ」

 

妖夢「え?」

 

愁「実験の配合が間違えてる。本人は気づいてない。あと三回同じことをしたら心臓が止まる」

 

霊夢「……じゃあ、放っておいたら勝手に死ぬんじゃないの」

 

愁「でも、三回やるかどうかわからない。そこが問題なんだよね」

 

レミィ「……つまり?」

 

愁「背中を押してあげようかと思って」

 

────────────────────────────────────────────

霊夢「(この子、本当に怖いわね……)」

 

フラン「(さすがお兄様!)」

 

妖夢「(愁さんは一体何者なんですか……)」

 

────────────────────────────────────────────

 

現実世界——加川重憲の自室。

 

夜中の一時。

 

加川は机に向かって実験ノートを広げていた。

 

今日の実験で体がだるい。

でもまだ足りない。

自分の体を「完成形」に持っていくためには、まだまだ先がある。

 

そのとき——

パソコンに一通のメールが届いた。

 

差出人不明。

 

件名は「神経強化薬物の最適解について」。

 

加川「……なんだこれ」

 

メールの内容は、加川が今取り組んでいる実験の——「正しい配合比率」らしき計算式だった。

 

加川「(……これは、俺の研究を知っている誰かが……?)」

 

計算式を見ると、自分のレシピより遥かに「完成度が高く」見えた。

 

加川「(……これを使えば、もっと早く完成形に近づける……)」

 

もちろん加川には気づけなかった。

 

それが、死に向かってじわじわとズレた計算式であることに。

 

────────────────────────────────────────────

幻想郷。

 

霊夢「……で、そのメールを送ったのは誰かしら」

 

愁「(ニコ)」

 

霊夢「……やっぱり」

 

妖夢「愁さん……あなた、本当に怖いですよ……」

 

愁「流血はないよ?」

 

妖夢「そういう問題じゃないです……」

 

レミィ「(愁ってたまにこういう顔をするのよね……でも……)」

 

レミィ「(……なんでかしら、そういうときのほうが頼もしく見えるの)」

 

フラン「お兄様、次は何するの?」

 

愁「待つだけだよ」

 

フラン「待つだけ?」

 

愁「うん。あいつは必ずそのレシピを使う。自分を疑わないやつだから」

 

────────────────────────────────────────────

現実世界——数日後。

 

加川は三回、「改良レシピ」を使って実験を行った。

 

一回目——体が少し熱くなった。いい感触だ。

 

二回目——心拍が上がった。でも大丈夫。想定の範囲内だ。

 

三回目——少し頭が痛い。でも成果は出ている。まだいける。

 

そして四回目。

 

いつも通り、針を刺した。

 

 

朝になっても、加川は目を覚まさなかった。

 

昼過ぎ——救急車のサイレンが鳴った。

 

加川の部屋の方向から。

 

────────────────────────────────────────────

夕方——

 

愁のスマートフォンに短いメッセージが届いた。

 

紫からだった。

 

「五人目、終わり♪」

 

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霊夢「……で、どうだったの」

 

愁「終わったよ」

 

霊夢「……」

 

レミィ「……愁」

 

愁「なに?」

 

レミィ「(そっと手を握る)……お疲れ様」

 

愁「……ありがとう、レミィ」

 

フラン「次は?」

 

愁「……次は六人目だ」

 

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第七.二話 七武将の六人目

矢黒長介 別名闇医者

 

 

幻想郷——博麗神社、居間。

 

妖夢「……愁さん、大丈夫ですか」

 

愁「うん。大丈夫だよ」

 

妖夢「……本当に?」

 

愁「本当に大丈夫だよ」

 

霊夢「(本当に大丈夫かどうかがこっちにはわからないのよね、この子は……)」

 

────────────────────────────────────────────

 

レミィが隣に座ってきた。

 

レミィ「……ねえ、愁。正直に言ってよ」

 

愁「え」

 

レミィ「次の六人目のこと、思い詰めてるでしょ」

 

愁「……」

 

レミィ「黙った」

 

霊夢「やっぱりそうじゃない」

 

愁「……思い詰めてるっていうより、考えてる。こいつだけは少し複雑だから」

 

レミィ「どういう意味?」

 

愁「……こいつが、妹を」

 

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霊夢「……そいつが?」

 

愁「矢黒長介。六人目。こいつが僕の妹を殺して、記憶を失わせた」

 

フラン「(……お兄様……)」

 

妖夢「……」

 

愁「(静かに)だから複雑なんじゃなくて——こいつだけは、ちゃんと終わらせたい。適当じゃなく」

 

レミィ「……愁」

 

愁「大丈夫だよ、レミィ。ちゃんと考えてるから」

 

────────────────────────────────────────────

 

翌日——

 

愁は紫に呼ばれて、スキマの向こう側にある広い部屋にいた。

 

紫「……来たわね。矢黒長介の件でしょ?」

 

愁「はい。情報をもらえますか」

 

紫「もう集めてあるわよ」

 

愁「さすがですね、紫さん」

 

紫「褒めても何も出ないわよ。……でも愁、あなたの顔が少し違うわね」

 

愁「そうですか」

 

紫「こいつは……特別なのね」

 

愁「……はい」

 

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紫はスキマから分厚いデータを取り出した。

 

紫「矢黒長介のプロフィールは知ってるわよね。父は大学病院の院長、母は薬物取り締まりのトップ。両方のコネを使って薬物の売買をしている」

 

愁「はい」

 

紫「一度逮捕されているけど父の権力で揉み消された。それも記録に入ってるわ」

 

愁「……それは知ってます」

 

紫「でも——これは知らないでしょ」

 

愁「……」

 

紫は一枚のファイルを渡した。

 

愁「(目を通して)……これは」

 

紫「矢黒が使った記憶消去薬物の配合と——投与記録ね。あなたの妹に使ったものと、同じ薬よ」

 

愁「(静かに)……証拠として使えますか」

 

紫「完璧に使えるわ。これを持っていれば、どんな権力があっても揉み消せない」

 

愁「……ありがとうございます、紫さん」

 

紫「礼は終わってからでいいわよ。……で、どうするつもり?」

 

愁「まず取引ルートを潰します。次に証拠を送りつける——でも父親のコネが効かない部署に」

 

紫「具体的には?」

 

愁「矢黒の母の職場は薬物取り締まりのトップ。でも、そこには情報が流れてる。だから——同じ省庁の、矢黒の家とコネがない別の部署に直接送ります」

 

紫「……なるほどね。父親には対抗できても、全方向は守れないってわけね」

 

愁「はい。あと——取引の日時と場所も同時に流します。現行犯で押さえれば、父親が動く前に証拠が揃う」

 

紫「(少し微笑んで)愁、あなたいつからこんなに頭が回るようになったの」

 

愁「紫さんの隣にいたら自然と」

 

紫「……それは素直に受け取っておくわ」

 

────────────────────────────────────────────

現実世界——数日後の夜。

 

矢黒は取引現場にいた。

 

夜中の二時。

人気のない倉庫。

いつもの場所、いつもの時間。

 

——のはずだった。

 

矢黒「(……なんか、嫌な感じがするな)」

 

そのとき——倉庫の出口に、懐中電灯の光がいくつも見えた。

 

矢黒「……!」

 

警察だった。

 

しかも見慣れない部署の制服だった。

 

矢黒「な、なんで——!」

 

逃げようとしたが、もう遅かった。

 

────────────────────────────────────────────

 

愁はのんびりお茶を飲んでいた。

 

霊夢「……もう動いたの」

 

愁「うん。たぶん今頃捕まってるよ」

 

レミィ「相変わらず手が早いわね」

 

愁「待つの、苦手だから」

 

霊夢「それで終わりじゃないでしょ。父親が動くんじゃないの?」

 

愁「動く前に証拠を送った。矢黒の家とコネがないところに——妹への投与記録も含めて全部」

 

霊夢「……全部?」

 

愁「全部」

 

────────────────────────────────────────────

 

矢黒の父親が病院の不正経営を理由に捜査対象になった。

 

翌々日——

 

矢黒は保釈されたが、自宅には戻れなかった。

 

財産は凍結。

病院も閉鎖の危機。

母親は辞職。

 

矢黒の「権力」は、跡形もなく消えた。

 

矢黒は一人になっていた。

 

取り巻きはいなくなった。

権力もなくなった。

薬物の仕入れルートも潰れた。

 

実験台もいない。

 

なら——自分だ。

 

矢黒は、部屋に残っていた「最後の薬」を取り出した。

 

これさえ打てば、何かが変わるかもしれない。

これさえ使えば、まだやり直せるかもしれない。

 

────────────────────────────────────────────

 

矢黒は目を覚まさなかった。

 

父も母も、そのとき捜査の対応で手が離せなかった。

 

異変に気づいたのは、昼になってからだった。

 

────────────────────────────────────────────

 

その夜、愁は縁側に一人で座っていた。

 

レミィが後ろから来て、黙って隣に座った。

 

しばらく二人とも何も言わなかった。

 

夜風が吹いて、木の葉が揺れた。

 

レミィ「……終わった?」

 

愁「……終わった」

 

レミィ「……」

 

愁「……なんか言って、レミィ」

 

レミィ「……お疲れ様。よく頑張ったわ」

 

愁「(少し笑って)……ありがとう」

 

レミィ「(そっと肩に頭を乗せて)……もう一人よ」

 

愁「……うん。もう一人」

 

────────────────────────────────────────────

 

霊夢「(遠くから二人を見て……)(……あの子、こういうときだけ素直になるのよね)」

 

妖夢「霊夢さん、覗いてますよ」

 

霊夢「覗いてない、偶然見えただけよ」

 

妖夢「同じことです」

 

────────────────────────────────────────────

第七.三話 七武将の七人目、そして終わり

坂本健一郎 別名大魔王

 

 

幻想郷——博麗神社。

 

フラン「ねえねえ、次で最後なんでしょ?」

 

愁「そうだよ」

 

フラン「じゃあ派手にやろうよ!」

 

愁「……派手にはしないよ」

 

フラン「えー!なんで!」

 

霊夢「あんた毎回それを言ってるじゃないの」

 

フラン「……そうだっけ」

 

レミィ「そうよ」

 

フラン「……ちぇー」

 

────────────────────────────────────────────

 

愁は縁側に座って、空を見上げていた。

 

妖夢「愁さん……今回は、どんな顔をしていいかわからないんですが……」

 

愁「そうだね」

 

妖夢「……七人目ですよ。本当に最後ですよ?」

 

愁「……うん」

 

妖夢「……愁さんは、終わったらどうするんですか」

 

愁「え?」

 

妖夢「七人全員いなくなったら、その後は?」

 

愁「……そんなこと、考えたことなかったな」

 

妖夢「(そう言って微笑む愁を見て)(……この人は本当に……)」

 

────────────────────────────────────────────

七人目——坂本健一郎。

 

別名大魔王。

 

愁がかつていじめられていた頃、それを「陰から全て管理していた」男だ。

 

父は国会議員。総理大臣とも繋がっている。

権力の網は細かく、深く広がっている。

 

これまでの六人は——事故に見せかける、自滅を誘う、告発する——そういった手が通じた。

 

だが坂本は違う。

 

こいつは「証拠が出ても揉み消せる」人間だ。

こいつは「追い詰めても逃げ道がある」人間だ。

こいつは「自分では絶対に動かない」人間だ。

 

だから——愁は三日間、何もしなかった。

 

ただ、考えた。

 

────────────────────────────────────────────

三日目の朝。

 

霊夢「……ねえ、愁」

 

愁「うん」

 

霊夢「あんた、三日間ずっと考えてるじゃない」

 

愁「うん」

 

霊夢「(隣に座る)……珍しいわね。いつもはもっと早く動くのに」

 

愁「……こいつだけは、ちゃんとしたかったから」

 

霊夢「……」

 

愁「六人まではさ、みんなどこかに弱点があった。自業自得になる部分があった。でも坂本は……こいつだけは、自分では絶対に動かない。他の人間を使って、自分は安全なところにいる」

 

霊夢「……それで?」

 

愁「だから——こいつには、自分の手で掘った落とし穴に落ちてもらう」

 

霊夢「……どういうこと?」

 

愁「(少し間をおいて)こいつの一番の弱点は、「自分が一番賢い」と思っているところだよ」

 

────────────────────────────────────────────

 

紫のもとへ——

 

愁「紫さん。坂本の秘書と、直接のコネクションを全部出してもらえますか」

 

紫「もちろん揃ってるわよ。……今回は、私も少し手伝うわ」

 

愁「え?」

 

紫「あの子の記憶のことは……私も関わっているもの。最後ぐらいは一緒にやらせて」

 

愁「……ありがとうございます、紫さん」

 

紫「礼は終わってからでいいって言ってるでしょ」

 

────────────────────────────────────────────

 

まず——愁は坂本の秘書に接触した。

 

正確には、紫がスキマを通じて「接触の糸口」を作った。

 

秘書の名前は田口という。

 

坂本健一郎の父親の秘書を長年務めている人物だ。

 

田口は最初、愁の話を聞かなかった。

 

でも——「矢黒長介が今どうなっているか」を話すと、態度が変わった。

 

田口「……あなたが、そういう人ですか」

 

愁「何者かと聞かれたら、答えにくいですが」

 

田口「……坂本家の件は……ずっと、おかしいと思っていた」

 

愁「ならば、協力してもらえますか」

 

田口「……証拠として使えるなら、渡せるものがあります」

 

田口から受け取ったのは——

 

坂本が関与した薬物取引の詳細な記録。

 

さらに——

 

愁の妹への「指示書」。矢黒長介に命令を出した記録だった。

 

愁「(それを見て、少しの間、動かなかった)」

 

田口「……大丈夫ですか」

 

愁「……はい。ありがとうございます」

 

田口「……坂本には、これ以上好き勝手はさせられない」

 

 

次に——愁は坂本本人を動かすことにした。

 

坂本に「取引の話」を、匿名で持ちかけた。

 

内容は——「幻想郷(普通には行けない世界)の技術」だ。

 

愁が現代に持ち込んでいる技術の一部を「設計図」として見せることで、坂本の興味を引く。

 

こいつは権力も欲しいが——それ以上に、「誰も持っていないもの」が欲しい人間だ。

 

予想通り——坂本はすぐに食いついた。

 

指定した場所は廃工場。

 

昼でも人気のない場所だ。

 

────────────────────────────────────────────

その日——愁は一人で廃工場に向かった。

 

レミィ「(心配そうに)本当に一人で行くの?」

 

愁「うん」

 

レミィ「私も——」

 

愁「来なくていいよ、レミィ。今回は僕が行きたい」

 

レミィ「……」

 

愁「(少し微笑んで)終わったら、すぐ戻るよ」

 

レミィ「……わかった。でも絶対戻ってきなさいよ」

 

愁「もちろん」

 

────────────────────────────────────────────

廃工場の中。

 

坂本は護衛を三人連れて来ていた。

 

そして——正面に、横川愁がいた。

 

坂本「……横川愁」

 

愁「久しぶり、坂本」

 

坂本「なぜここに——」

 

愁「呼んだから来てくれたんでしょ。ありがとう、ちゃんと来てくれて」

 

坂本「……何が目的だ」

 

愁「(穏やかに)終わらせに来たよ」

 

坂本「……! お前ら——」

 

護衛三人が愁に向かおうとした瞬間——

 

三人とも、音もなく崩れ落ちた。

 

坂本「なっ……なんだ、なにをした!」

 

愁「眠ってもらっただけだよ。一日は起きないから安心して」

 

坂本「きさま……何者だ……!」

 

愁「(少し考えてから)人間かどうか聞かれたら、難しいとこだけど——神だとは言われてる」

 

坂本「ふざけるな——!」

 

────────────────────────────────────────────

 

愁は坂本に近づいて、一枚の封筒を置いた。

 

愁「それに入ってるのは——あなたが今まで関わってきた犯罪の記録、全部だよ」

 

坂本「……何?」

 

愁「薬物取引の詳細。指示の記録。通話データ。矢黒長介への命令書——それと、僕の妹に何をしたかの記録も全部」

 

坂本「……そんなものが存在するわけが——」

 

愁「田口さんが持ってた。長年の積み重ねってすごいね」

 

坂本「田口が……! あいつが……!」

 

愁「それは今、複数の機関に同時に送信されてる。父親のコネが届かないところに、全部」

 

坂本「……っ! 止めろ——!」

 

愁「もう遅いよ」

 

────────────────────────────────────────────

 

坂本の手が震えていた。

 

愁「……坂本、一つだけ聞いていい?」

 

坂本「……なんだ」

 

愁「僕の妹のことを——覚えてる?」

 

坂本「……」

 

愁「(目を見て)覚えてるんだね」

 

坂本「……それが何だ。お前も、お前の妹も——ただの道具だった。弱い奴が悪い。それだけだ」

 

愁「………………そう」

 

────────────────────────────────────────────

 

愁は何も言わなかった。

 

怒鳴りもしなかった。

泣きもしなかった。

拳を振るいもしなかった。

 

ただ——坂本をまっすぐ見た。

 

その目には、怒りも、憎しみも——なにもなかった。

 

あるのはただ、静かな「終わり」だけだった。

 

────────────────────────────────────────────

 

愁「(静かに)……ありがとう。正直に言ってくれて」

 

坂本「……なに?」

 

愁「謝ってほしかったわけじゃないから。ただ——確認したかっただけ。こいつは本当に終わらせていいやつかどうか」

 

坂本「……お前、何を——」

 

愁「うん。大丈夫。確認できたよ」

 

────────────────────────────────────────────

 

その夜——坂本健一郎は、証拠とともに逮捕された。

 

父親の手が動いたが——証拠を受け取った機関の動きのほうが速かった。

 

田口の証言もあった。

 

坂本は拘置所に入れられた。

 

数日後——坂本は拘置所の中で、かつて自分が切った「裏の仲間」に処された。

 

流血は——なかった。

 

────────────────────────────────────────────

 

七人目死亡

 

──七武将、全員終わり──

 

────────────────────────────────────────────

 

幻想郷——

 

愁が戻ってきたとき、縁側にはレミィが待っていた。

 

フランも、霊夢も、妖夢も、さとりも——みんないた。

 

レミィ「(立ち上がって)……終わった?」

 

愁「……終わった」

 

レミィ「(そっと抱きついて)……本当に?」

 

愁「本当に終わった」

 

しばらく二人はそのままでいた。

 

────────────────────────────────────────────

 

霊夢「……お疲れ様」

 

愁「ありがとう、霊夢」

 

妖夢「愁さん……本当にお疲れ様でした」

 

フラン「お兄様!お疲れ様!ご飯作ったよ!」

 

愁「え、フランが?」

 

フラン「もちろん咲夜さんに手伝ってもらったけど!」

 

咲夜「(遠くから)ほとんど私が作りました」

 

フラン「(小声で)そこは言わなくていいんだよ咲夜……」

 

愁「(声に出して笑う)……ありがとう、みんな」

 

────────────────────────────────────────────

 

夜——

 

愁は一人で縁側に座っていた。

 

風が涼しかった。

 

幻想郷の空は、いつも通りきれいだった。

 

レミィ「(隣に来て座る)……ねえ、愁」

 

愁「うん」

 

レミィ「これで本当に全部終わったのね」

 

愁「……うん」

 

レミィ「……どんな気持ち?」

 

愁「(少し考えて)……軽い、かな。ずっと何かが重かったんだけど——なくなった感じがする」

 

レミィ「……そっか」

 

愁「……でも、妹のことはまだ終わってないから」

 

レミィ「……うん。それは一緒に向き合いましょ」

 

愁「……ありがとう、レミィ」

 

レミィ「(頭を肩に乗せて)……当たり前じゃない。私はいつでもここにいるわよ」

 

 

 

星が多い夜だった。

 




どうでしたか?
七武将編、長い間(投稿せずに放置してましたが)お付き合いありがとうございました!
次回からはまたイチャイチャ回&妹の記憶を取り戻す話に戻っていきます。
誤字があれば教えてください。
感想・評価してくださると作者のモチベーションが上がります。どんどん書いてください!
絶対送ってきてください!

では、また~
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