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廊下を歩きながら虎杖の方針を決める四人
「報告書、訂正しないとな」
「いや、報告書はそのままにして、表向きには悠仁は死んだことにしよう」
「虎杖君を匿うのかい?」
「いや、最低限戦えるような訓練をする時間が欲しい」
「…交流会まで、ですか?」
「そうそう」
「交流会まで? 何故?」
「傑、若人の青春を取り上げるなんて許されてないんだよ、何人たりともね」
「てことは、皆に嘘つくんですよね? 僕、自信無いんですけど…」
「ダーイジョーブ、刹那はこれから長期任務ってことで悠仁につきっきりになってもらうから、あ、もちろん恵達との時間もあるから心配しなくていいよ」
「…まぁ、確かにある程度僕なら自由が効きますし適任かもしれませんね」
「でっしょー? てことで傑、任務書の改ざんよろしく」
「自分でやれ、と、言いたいところだけど今回ばかりは受けてあげるよ、今度一杯奢れよ」
「何杯でも奢ってやるさ。んじゃ、かいさーん」
「あ、それと美々子と菜々子はしばらく沖縄の方で長期任務だ。私も行っていたんだが、悟の報告ですっ飛んで帰ってきたから向こうの術師に任せきりだ、交流会後に合流することになっている、こっちからの報告はこのくらいだな」
四人が解散し、それぞれ仕事を始める。刹那は他の生徒の元へと行き、疲れを癒やしてもらうつもりだ。少し歩くと、先輩達と同級生を見つける。
突然変異呪骸のパンダ、武器の扱いは学生でもトップの真希、呪言師で語彙がおにぎりの具しかない狗巻がいた。
「ただいまです、皆さん」
「お、来たか刹那」
「高菜、明太子」
「よう、久しぶり」
二年の先輩が刹那を見て挨拶してくる。
「刹那! 会いたかったー!」
釘崎が抱きつき、頬ずりをしてくる。
「…辛くなかったか?」
(バレないように、演技しないと…)
「…やっぱり、人の死は慣れませんね」
刹那は俯いてなるべく暗い声で言うと、伏黒は刹那の頭を撫でる。
「ごめんな、俺が弱いから」
「…恵君のせいじゃないですよ、今弱いならこれからもっと強くなればいいんです、皆で。先輩、交流会のことは話したんですか?」
「ん? おお、さっき話したぞ」
「僕は長期任務でそんなに高専に居ることができなくなるんですけど、こっちにいる間は全力で! 相手になります!」
両手の拳をギュッと握り、全員に向かって決意を発表すると、伏黒の顔が青ざめる
「ま、待て、嬉しいが全力はその、怪我もするかもしれないしな?」
「あら、伏黒、女の子相手だからって手加減とかするのは失礼ってものよ?」
「あー野薔薇、そうじゃねぇ、逆だ逆」
「こんぶ、すじこ」
「あぁ、できれば俺はもう刹那と手合わせはしたくねぇ」
釘崎の発言に訂正を入れる二年生達。
「はぁ? 刹那の術式ってそんなに強いんですか?」
「いや、あいつは体術、武器の扱い、どっちもバケモンだ。術式なんて使った日にゃ触れることすら叶わねぇよ」
「真希は日本刀以外だとなかなかいい勝負するよな、勝ったり負けたり」
「しゃけしゃけ」
「え"刹那ってそんなに強いんですか?」
「「「強い(しゃけ)」」」
「うし、折角だ、先生全員急用で時間あっから合同で体術の訓練すっか」
「分かりました」
「はい!」
「一年全員着替えて運動場集合なー」
着替えた後に伏黒は用事があるため遅れて合流することになり、訓練を開始する。
「ァァァァアアアア!!」
「ほーらパンダのアトラクションだぞ、味わってけー!」
ぐるぐるポ〜ン!
釘崎がパンダによって何度も投げられ絶叫マシンさながらの悲鳴をあげる。
刹那は狗巻と素手の組手をしている。先程から狗巻は何度もカウンターを食らっては、宙を舞っては地面に激突を繰り返している。
「高菜ぁ! すじこぉ!」
「手加減したら組手の意味無いじゃないですかー」
「棘頑張れー、一本取るまで終わんねぇぞー」
「昆布ぅ!?」
「よそ見しちゃ駄目ですよー」
狗巻が再び宙を舞い落下し、遺言を残して再起不能となったところで伏黒がやってくる。
「昆布…すじ…こ」
「おっせぇぞー恵ー」
「もう学ランは限界! かわいいジャージを買いに行かせろぉぉぉー!」
「恵、武器の扱いは私が教えてやるよ、対実践は時間がある時刹那にやってもらえ」
各々、近接の強化に入り先輩+刹那に散々しごかれた一年生達だった。
訓練が終わると刹那は虎杖を匿ってる地下室へと向かい、様子を見に行く。
(術式で痕跡消してきたし大丈夫ですよね…?)
木造の階段を降りて部屋に入ると、夜蛾の呪骸に殴られている虎杖の姿が目に入ってきた。
「頑張ってますか? 悠仁君」
「ん? おぉ! 刹那じゃへブッ!」
会話中に殴られる虎杖に苦笑しながら虎杖の横に刹那は座る。
「呪力、初めてあった時は全然だったのにちゃんとコントロールできてますね」
「そういうのって、刹那も見てわかるもんなん?」
「まぁ、それなりに長くこの業界に関わってますし、ほら、またその子起きちゃいますよ」
「うおっと、あぶねー、コツとかねぇの?」
「んー、個人的な考えになりますけど、負の感情は呪力の源なので、常に自分の一番嫌な経験を心に飼う感じですかね、忘れないように」
「負の感情って、具体的にどんなん?」
「負の感情というのは数え切れぬほどある、嫉妬、憎悪、恥じらい、殺意等が挙げられるな。小僧はそんなことも知らんのか」
はぁ、と溜め息をつきながら呆れたように虎杖の頬に現れ横入りしてくる宿儺。
「なんだよ、お前急に出てきて」
「暇なのだ、誰か来たら起こさんか、気の利かぬ小僧め」
「貴方もわりと楽しんでるんですね」
「ケヒヒ、こんな小僧よりも阿頼耶識刹那。お前と話す方が有意義な時間よ」
「それ、長くないですか?いや、苗字は大切なものですけど、別に名前だけで構いませんよ」
予想外な反応に目を見開く宿儺。
「なるほど、悪くないな、今後は名前で呼ぶとしよう」
「え"っ刹那、こんなやつにそんなに気許していいのかよ」
刹那は悩んで言葉を絞り出す。
「なんていうか、僕って多分酷い人間なんですよね。両面宿儺が大昔に暴れたことは知ってますけど、僕はそれを見たわけじゃないから元々あまり憎んでいませんし。宿儺が恵君を傷つけた時も、確かに怒りはしましたけど今はなんともないんですよ…やっぱり、自分じゃないからいいみたいな考えがどこかにあるのかなー、なんて…辛気臭い話しでしたね。すいません、忘れてください」
あわてて手を振って会話をそらすが虎杖の考えは全くの真逆だった。
「え? 全然そんなことなくね? 寧ろその逆で刹那は優しすぎると思うんだけど」
「フフ、お世辞でも嬉しいですよ」
「いやいや、宿儺に身体取られた時、俺途中から意識あったんだけど宿儺殴ってる時の刹那の顔、まさに鬼って形相だったよな?」
「俺に振るな小僧。だがまぁあの時の顔は中々に良かったぞ、思わず身構えてしまうほどにはな」
嬉しそうな顔をする宿儺としぶそうな顔をする虎杖。それをキョトンとした表情で聞く刹那。
「多分今何も思ってないのは、殴りまくってスッキリしたから許したってことなんじゃねーの? 結局俺は戻ってきたし」
「…そう、なんですかね…」
「そう思っとけって! ポジティブに捉えよ──へブッ!」
「阿呆」
呪力のコントロールが疎かになるたびに虎杖が殴られる様を見て呪いの王は罵倒し刹那は笑う。
「ふふ、さぁ、続けてください。僕も横で見てますから」
ラブ・ロマンス映画を二人でなんとなく見ていると、後ろから気配を感じる。
「ゆーうじ!」
「うぉっ! 先生!?」
「刹那と一緒に映画鑑賞かい?」
「五条先生、悠仁君中々飲み込み速いですよ」
刹那は生きてきた中でも新しい刺激であるロマンス映画から目を離すことなく五条に意見する。
「ん、そうみたいだね、驚かせても呪骸が反応しないし、早いとこ次のステップに行こうか」
そういって五条は二人の肩を掴む。
「と、その前に、課外授業だ。呪術戦の頂点、領域について教えてあげる」
次回はみんな大好き頭富士山でるよー