全てを無くした少女に呪いを授ける   作:レガシィ

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いつの間にかお気に入り200近くになってて驚きました!
応援ありがとうございます!
拙い国語力で不快にさせてしまうこともあると思いますが、鋭意制作してまいります!


第二十ニ話 品定め

 毎日授業を受け、任務をこなし、時々遊んだりする。そんな日々を過ごしていたが八月半ばにちょっとした事件が起きる。

 

 体術の授業の休憩中にそれは起きた。

 

「もっと自販機の種類増やせないのかしら?」

 

「無理だろ、入れる業者も限られてるしな」

 

 二人の影がパシリをしている釘崎と伏黒の前に現れる。

 

「なんでこっちいるんですか禪院先輩」

 

「あ、やっぱり?なんか雰囲気近いわよね?」

 

「嫌だなぁ伏黒君、それじゃあ真希と区別がつかないわ、真依って呼んでちょうだい」

 

「コイツらが乙骨と三年の代打か…」

 

「あれ?刹那はどこ?あの子一年よね?」

 

「ふむ、できれば会いたかったが、いないなら仕方ないな。本来の目的は元々こっちだ」

 

 思いがけない名前が出てきて二人はフリーズする。

 

「なんで京都校の先輩が刹那のこと知ってるんですか」

 

「ん?あぁ、共に拳を交えた仲だからな」

 

「色々お話ししたのよ、この前御三家に挨拶しに来た時に」

 

 なぜかキメ顔をしながら答える東堂と澄まし顔で当然のように言い放つ真依。

 

 そして突然東堂は上着を脱ぎだし伏黒に向かって質問する。

 

「そんなことより、伏黒恵!答えろ、お前はどんな女が好み(タイプ)だ!」

 

「はぁ? なんで初めてあった人にそんなこと教えなきゃならないんですか」

 

「そうよ、ムッツリにはハードル高いわよ」

 

「おい」

 

「京都校三年東堂葵、自己紹介終わり、これでお友達だな。早く答えろ、男でもいいぞ」

 

「なんでそれを言わなきゃならないんですか」

 

「品定めだ、性癖にはその男の全てが反映される。女のタイプがつまらん奴はそいつ自身もつまらん、俺はつまらん男が大嫌いだ」

 

 東堂が持論を説明すると、伏黒は仕方なしに答える。

 

「別に、その人に揺るがない人間性があればそれ以上は何も求めません」

 

 伏黒は東堂を真っ直ぐ見て答える。

 

「あら、アンタにしては悪くない答えね、巨乳好きとか抜かしてたら私が殺してたわ」

 

「うるせぇ」

 

 直後、東堂は涙を流す。

 

「退屈だよ、伏黒」

 

 ゾクッ

 

 伏黒が身の危険を感じ、全身に悪寒が走る。

 

 ドォッ! 

 

 伏黒は咄嗟にガードするがとてつもない衝撃のラリアットと共に遥か後方へと吹き飛ばされる。

 

「ちょっ、伏黒!」

 

 釘崎が追いかけようとするが、後ろから真依に捕まり銃を向けられる。

 

「あ~あ可哀想、二級術師として入学した天才でも東堂先輩の前じゃただの一年生だもんね、後でなぐさめてあげよーっと」

 

「…似てるって思ったけど全然だわ、真希さんの方が百倍美人。寝不足か?毛穴ひらいてんぞ」

 

「口の聞き方、教えてあげる」

 

 釘崎に煽られ真依がキレると突然真依は銃を取り上げられる。

 

「真依先輩…何があったかは知らないですけど、銃は人に向けたら危ないですよ、野薔薇ちゃんも先輩には敬語を使うべきですよ?」

 

「「刹那!」」

 

 釘崎と真依は同時に名前を呼び、釘崎は真依の拘束から抜ける。

 

「今日任務じゃなかったの?」

 

「近場だったのですぐに終わりました」

 

「久し振りねぇ、刹那」

 

「お久しぶりです真依先輩、打ち合わせの付き添いですか?」

 

 刹那が現れたことで一気に緊張感が切れる。

 

「ところで、お二人は何を…?」

 

「こいつがマウント取ってくるからムカついたのよ!」

 

「敬語を使わない後輩を躾けようとしたのよ」

 

 二人共こいつがこいつがと話の収集がつかなくなりかけた時、刹那が二人の手を取る。

 

「良く分からないですけど、取り敢えず仲直りしましょうよ」

 

「「なんでこいつと!?」」

 

 手を振りほどこうとするが、二人共なぜか全く力がはいらずに無造作に握る刹那の手を振りほどけない。

 

「…刹那、術式使ってるわね?」

 

「ちょっ、こんな下らないことに術式使うの?」

 

 そう言うと刹那がムッとした顔をして反論する。

 

「くだらなくなんかないですよ、誰だって親友と尊敬する先輩が仲違いするのは見たくないですっ」

 

 刹那の持論を二人は聞き、手を握るまでとはいかず、打ち合わせる。

 

 パァン

 

「今回は"親友"の刹那に免じて許してあげるわ」

 

「"尊敬される先輩"の優しさよ、今回は見逃してあげるわ」

 

 お互いにマウントを取りあうと、そこに真希が現れる。

 

「意外だな野薔薇、お前真依と仲良くなったのか?」

 

「真希さん!違いますよ、誰がこんなやつと!」

 

「落ちこぼれの真希じゃない」

 

「落ちこぼれはお互い様だろ、お前だって物に呪力篭めるばっかで術式もクソもねぇじゃねぇか」

 

「呪力がないよりマシよ、上ばかり見てると肩がこるからたまにはこうして下を見ないとね」

 

「あ~やめやめ、底辺同士でみっともねぇ。交流会でケリつけようぜ、野薔薇、刹那」

 

 手をヒラヒラ振って釘崎と刹那に目配せする。

 

「ギタギタにしてやるわ!」

 

「野薔薇ちゃん、人気アニメのいじめっ子みたいな言い回しになっちゃってますよ」

 

「刹那も災難ねぇ、こんなゴリラに囲まれて」

 

「あんたんとこの三年もゴリラだろうが」

 

「それは否定しないわね」

 

「やっぱお前ら仲いいだろ?」

 

「「良くない!」」

 

「仲いいですね」

 

「「良くないってば!」」

 

 三人で話していると、そこに東堂と狗巻、パンダに抱えられてるボロボロの伏黒がやってくる。

 

「あらら、恵君、随分こっぴどくやられましたね」

 

「でも恵、結構健闘してたぞ」

 

「しゃけ!」

 

「先輩…頭痛いんで…あんまり大声出さないでください」

 

 伏黒はぐったりしながら答える。

 

「帰るぞ、真依」

 

「あら、もういいの?」

 

「これから高田ちゃんの個握があるからな、電車の乗り換えを間違えようものなら何をしでかすか分からんぞ、俺は。それに今回の交流会、退屈し通しってわけでもなさそうだ」

 

「葵先輩、あんまり暴れないでくださいね」

 

「おぉ刹那、居たのか。悪いな、お前と話したいのは山々だが時間が迫っている、交流会でまた会おう」

 

 東堂は頭の上で二本指をたて、さっさと走っていく。刹那もなんとなく手を振る。

 

「じゃあね、交流会はこんなものじゃ済まさないわよ」

 

 真依も東堂の後を追って行く。

 

「何勝手に勝った感出してんだ!制服置いてけゴラァ!!」

 

「ちょ、野薔薇ちゃん落ち着いて!」

 

 腕をブンブン振って威嚇する釘崎をなだめる。

 

「よせ野薔薇、ここじゃ勝っても負けても貧乏クジだ。交流会でケリつけんぞ」

 

「…真希さん、さっきの呪力が無いって本当ですか?」

 

「あぁ本当だよ、私は呪力がないから呪霊も眼鏡が無いと見れねぇしお前たちと違って初めから呪具、呪力のこもってるもんを使ってる」

 

「じゃあなんで呪術師なんか…」

 

「実家への嫌がらせだよ、出てった奴が大物になってたらおもしれぇだろ?」

 

 真希はいたずらにニヤリと笑って見せ、釘崎は頬を赤らめ、元気に言い放つ。

 

「私は真希さんのこと尊敬してますよ!」

 

「僕もです!」

 

 二人の後輩は真希に向かって羨望の眼差しを向ける。

 

「はいはい、分かったよ」

 

 照れくさそうに真希は答えた。




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