全てを無くした少女に呪いを授ける   作:レガシィ

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第二十五話 休息

 硝子から休息を進められ生徒は全員休む、その中で東京校一年生は医務室で休んでいる伏黒の元へ集まってた。

 

「アンタ、いつの間にあのゴリラと仲良くなったのよ」

 

「いや、仲良くなったっつーか…」

 

「そうですね、あんまりその周りの映像見れなかったので気になります」

 

「記憶はあんだけどあの時は俺が俺じゃなかったというか…」

 

「何アンタ酔ってたの?」

 

「あそこってマタタビとか自生してましたっけ?」

 

「俺は猫じゃねーし、釘崎は俺があの状況で酒を飲むと思ってるの? ショックなんだけど…」

 

「でもまぁ、伏黒の怪我が思ったより大したことなくて良かったな」

 

「ピザも食べれてますしね」

 

「…確かに今回、被害は比較的少なく済んだ、けどそれより気になることがあった」

 

「何よ、もったいぶらずに言いなさい

 

「俺が対峙した呪霊、気配が変だったんだ」

 

「変?」

 

「あー! それ俺も思った! なんか相手は一体なのに呪力が何体もいる感じっていうか…」

 

「あ、それなら私も高専に戻る途中、何体かそんな感じの呪霊と戦ったわ」

 

「刹那は? そんなやついなかった?」

 

「それ、最近の呪霊の特徴と一致してますね、今日、僕も祓いました」

 

-

 

「やっぱり! なんで? そういうことってあんの?」

 

「いや、少なくとも俺はそんなこと聞いたことねぇな」

 

「あいつは知ってんじゃない? 宿儺」

 

「待て待て、あいつに聞くのかよ」

 

「だってさ、宿儺、お前このこと知ってる?」

 

「話を、聞け」

 

 顔から宿儺の口と目が出てくる。

 

「知らん、興味もない、それよりそのぴざとやらを俺にもよこせ」

 

「"え、もうねーよ」

 

「なんだと、貴様っムグ」

 

 宿儺の口に刹那はピザをねじこむ。

 

「僕、2ピースも食べませんし、差し上げますよ」

 

 もぐもぐと咀嚼音を鳴らしながら食べて飲み込む。

 

「何だこの味は、食えんこともないが、現代の人間の味覚は分からん」

 

「そんなこと言いながらちゃんと食べるんじゃないの」

 

「食い物を粗末にするなど蛮行に等しき愚かな行為、この呪いの王がそのような愚行を犯すか戯けが、俺は寝るぞ」

 

「呪いの王がまともなこと言ってた…」

 

「意外にまともなこと言うんですよね、この人(?)」

 

「じゃあ、今は分かんねーんだな」

 

「あぁ…」

 

「どしたん伏黒? 暗くなって」

 

「虎杖…お前、強くなったんだな…俺は前にお前のことを助けるのに理由はないし助けたことを後悔したことはないって言ったよな」

 

「また小難しいこと考えてんの、ハゲるわよ」

 

「俺の考えてることにきっと答えはない、俺と虎杖、どっちの答えも合ってるだろうし、どっちも間違っている、あとは自分が納得できるかどうかだ、我を通さずに納得なんてできねぇ、弱い呪術師は我を通せねない。俺も強くなる、すぐに追い越すぞ」

 

「ハハッ、相変わらずだな」

 

「私抜きで話進めてんじゃねーよ」

 

「考え方が恵君らしいですね」

 

「それでこそ、虎杖(ブラザー)の友達だな」

 

 四人で話している中に突然現れた東堂はごく自然に会話に混ざってくる。

 

 ガラッ! バヒュン! 

 

 虎杖は窓を乱暴に開け飛び出ていく。

 

「どこへ行く虎杖(ブラザー)!!」

 

「感謝はしてる!! でも勘弁してくれ!! あの時俺は正気じゃなかった!!」

 

「何を言っている!! 虎杖(ブラザー)は中学の時からあんな感じだ!!」

 

「俺はお前と同中じゃねぇー!!」

 

 二人の追いかけっこのよそで職員が集まり、行われている会議では今回の問題が議論されていた。

 

「さて、と、呪詛師側の狙いがこれに入っているのかな? 呪いのDVDなんて貞子かっての」

 

 そう言って五条は"高専呪術師の皆様へ"と丁寧に書かれたディスクを全員にヒラヒラと見せる。

 

「……先刻の交流会、天元様の結界に侵入され特級呪物、宿儺の指六本、受胎九相図1〜3、更には少数ではありますが、いくつか呪物が盗まれました。その時に天元様の護衛の亡くなった術師のポケットに入れられていたものです」

 

 伊地知は入手の経緯を話し、冥冥が五条からディスクを受け取り確認する。

 

「呪力の残穢は無し、非術師に協力でもさせたのかな、いずれにしろ、中身はろくでもないものだろうけどね」

 

「本当は生徒にも見せるべきかもしれないけれど、何が映ってるか分からないし、確認したいところだけれど、どうする?」

 

「これだけ狡猾な呪詛師がわざわざ高専って指定してるあたり、言葉通りにしなければ発動するような術式が隠されているかもしれない。私は大人しく全員で見るべきだと思うね」

 

「僕も冥さんの意見に賛成、動画そのものに呪力の残穢がないあたり強い呪いじゃないだろうし、最悪のことを想定するなら結界でも張ればいいでしょ」

 

「となると、交流会の続きはこれを見て決めるか」

 

「夜蛾、準備は頼んだぞ」

 

「はい、明日の朝にこれを見るように準備を進めておきます」

 

 会議は終わり、京都校と東京校の教師たちは残りの仕事に取り掛かっていった。

 

 翌日

 

 両校の生徒達は詳細を説明され、視聴覚に集まっていた。

 

「お、一年ズ、集まんの早かったな」

 

「ツナ、すじこ」

 

「真希先輩! ♡」

 

「先輩達治ったんだな!」

 

「あぁ、俺は呪骸だし、真希は比較的軽傷、棘は重症だったが硝子のおかげで全快だ」

 

「恵も元気そうだな」

 

「まぁ包帯巻いてますけど一応は」

 

 入口付近で話していると京都校の生徒達も起きてくる。

 

「ちょっと、こんなところで溜まってたら邪魔よ、そんなことも分からないのかしら?」

 

「んだとコラ、寝起きで化粧ミスったか? 口元がたらこんなってんぞ」

 

「貴方こそ昨日撃ったところ大丈夫? 元々お馬鹿さんなのにさらに頭が悪くなったりしてない?」

 

 二人がバチバチと火花を散らしていると他の京都校も続々と集まってくる。

 

「おはよう虎杖、お前の早起きは昔から変わらんな」

 

「おっす、でも何度も言うけど俺とお前は同中じゃねーって」

 

「やぁ伏黒君、体調の方は大丈夫かな?」

 

「俺は平気ですけど加茂さんの方が怪我、やばいんじゃないんですか?」

 

「刹那ちゃんは朝弱いんですねー」

 

「………はい」

 

「すごく眠そうだけど、大丈夫?」

 

「……低血圧なものでして」

 

 意外にも、全員それほどいがみ合うこともなく普通の高校生のような会話をしていると、五条が後ろから現れる。

 

「はーい、皆席についてねー、暗くなるけど映画じゃないからポテチやコーラは禁止だよー」

 

「じゃあテメーの手に持ってるケーキの箱はなんだよ」

 

「だって僕生徒じゃないし、先生はオッケイ」

 

「うわー! 先生ずりぃ!」

 

「そんなわけ無いでしょうが、あんたは教師の自覚を持ちなさい、また遅刻よ」

 

 既に部屋に待機していた教師陣の歌姫が五条に向かって注意する。

 

「冗談だって、これ中身はあのDVDだし」

 

「なんでそんなものの中に入れてんのよ!?」

 

「手頃な箱がなかったからいっかなーって」

 

「いいわけあるかぁ!!」

 

 二人の会話をよそにして生徒達は席につく。

 

「って、もう時間じゃないほら、早く持ってって!」

 

「はいは〜い」

 

 生徒達の前に夜蛾が立ち、詳細を語る。

 

「今日のことは昨日も話した通りだ、先日の侵入者が残していったディスクを君達にも見てもらう。無論、罠の可能性もあるため結界を張っている上、五条も警戒をしている、異常な事態だ、混乱は避けるようにして視聴してくれ」

 

「異常事態ねぇ、そんなもんここ最近お腹一杯味わったっての」

 

「まぁ、確かにな…」

 

 虎杖を見ながら釘崎と伏黒は呟く。

 

「それじゃあ、流すよー」

 

 五条の合図と共にDVDを再生する。




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