書きたいところなんですけど拙い文章なので、それでも良ければぜひとも楽しんでいただけたら幸いです!
楽しんでもらえるように頑張って頭ひねって書きます!
第二十九話 双山悪童事変 開幕
各々が準備を整え、補助監督達の車へと乗り込んでいく。
「なんか遠足みたいだなー」
「緊張感もてよ、そんな温いもんじゃないぞ」
「いいんじゃない? どうせ明日だし、この位が馬鹿にはあってるわよ」
「さり気にディスんなよ」
「助手席誰座ります?」
「俺が座るからお前達は後ろでいいだろ」
助手席の扉を開けて座ろうとする伏黒。
「じゃあ途中で代わるぜ?」
「いやいい、だってお前ら寝るだろ、特に刹那と釘崎は起きねーし」
「何も言えない…」
「虎杖と交換で座んなさいよ、腰痛いでしょ」
「…まぁ、そこまで言うならそれでいいか」
「はよ乗れ一年ズ」
「「「はーい」」」
四人は車に乗り込み、補助監督が車を発進させる。
京都までの距離を車で移動するため、最初は弾んでいた会話もどんどん減っていき、二時間もする頃には全員眠りに入っていった。
そこからさらに時間が経ち、四人の体感時間的にはそう長くないうちに大江山近くへと到着する。
「皆さん、到着しましたよ」
補助監督の声に四人が目を覚ます。
「あぁっ、よく寝たー」
「ほら刹那、起きなさいな」
「…起きて…ます」
「あっ! てか伏黒と席交代してなくね!?」
「別にいいって言っただろうが。それより早く降りろ」
四人と補助監督が車から降り、大江山を見据える。
「おぉー、これが大江山か」
「思ったより呪力漏れてないのね」
「一級呪物"廻城"のせいですね、今回の構造は"九門"のようです」
「「「くもん?」」」
伏黒以外頭に疑問符を浮かべて復唱する。
「車の中で説明されたけどお前ら寝てたからな」
「改めて説明いたします、この呪具は指定した広さに応じて五段階で複数の門を形成し、最大で十四つの門が形成されます。一戸、三場、四敷、九門、十四城とされており、今回はその九門です」
「何だその命名と法則?」
「命名はともかく、数字は多分忌み数ですかね」
「おそらくそうだと思われてます、三は惨、四は死といったように不吉な言葉を連想させるからだとか」
「ほぇー、やっぱりそういうのって呪術的に意味を持つもんなんだな」
「当たり前よ。昔話やネットの都市伝説みたいな話でも、そこに負の感情さえあればそれに関連した呪霊は生まれるわ」
「はい皆集合ー、明日の任務詳細を話すよ」
夏油が任務の詳細を話すために集合させる。
「さて、今回の任務は異例な事態だ、向こうの言葉を飲み込むなら準一級が最低ラインでゴロゴロいるから二人か三人一組で動くことを心がけてくれ」
「一、二年はそれぞれ学年で動き、七海と伊野はペア、私は日下部と組もう」
夜蛾と夏油が任務のペアを決める。
「あれ、夏油先生は?」
「私は一人じゃないよ、使役した呪霊がいるし。あ、そうそう、門の前は常に呪霊を配置しておくから危険だと判断したら直ぐに外に行って補助監督と美々子と菜々子の治療を受けてね」
夏油の説明に補助監督が補足する。
「明日まで残り三十分、念の為向こう二十kmは避難が完了してますので、万が一呪霊が大江山から出た場合の対処はお願いします」
「あと三十分ですか…伊野君、気を緩めてはいけませんよ」
「分かってますって七海サン、それより今日の動きによっては一級の推薦考えてくれません?」
「…場合によっては考えましょう」
「よっしゃ、やる気出てきた!」
「真希は眼鏡無くなったら終いだからなぁ、棘と俺が常にいなきゃな」
「しゃけ、いくら!」
「そんな弱くねぇよ私は、んなことより誰が一番祓えるか勝負しようぜ」
「俺ら四人だし二手に分かれるか?」
「いや、話によるとこの中から呪霊は出てないようにするみたいだし、呪物の回収は遅れるけど安全重視でまとめて行動しよう」
「りょーかい」
「もうあんたが司令塔でいいわ」
「ぴったりですね」
「夜蛾学長は呪骸動かすだけだし中に行く必要ないんじゃねぇの?」
「この呪物の内と外だと呪力の密度が違いすぎる、直接操る必要があるんだ。広範囲に展開できる術師は私を含めても三人しかいないからな、なるべく戦力にはなるさ」
「へーへー、相変わらず生徒さん思いなことで、俺は死にたくねぇから特級の相手はしませんよ?」
各々、時間がくるまで作戦会議や己の鼓舞などをして時間を過ごす。夏油もまた、親友に電話で連絡をいれていた。
「悟、こっちの様子だけど…少し緊張感に欠けているように感じるよ」
「あーまぁそうだろうね、こっちは歌姫が一番怯えてるけど、生徒達はいい緊張感してるよ」
「本当に大丈夫なんだろうな?」
「大丈夫大丈夫、皆実力は確かだし今日下見で行ったけど、特級は見当たらなかったからそんなに強いのはいないよ。呪霊合術とやらで一級程度はザラにいるけどね、それにスリルがあって良いでしょ?」
「悟…君は生徒が死ぬ可能性は考えないのかい?」
「なんの為にお前をそっちに寄越したと思ってるんだよ、傑がいれば不足の事態はないだろうし、そっちには刹那もいる、苦戦するのが難しいくらいだと思うよ?」
「あまり心配はいらないというのは私も同感だけど、刹那を過大評価しすぎだろう、彼女もまだ十五やそこらの少女だぞ」
「分かってるよ、彼女はまだ若い…末恐ろしいね」
「? それって」
ブツッ
「おい悟!」
そこまで言うと五条は少し乱暴に電話を切り、通話が途絶える。
「全く…なんなんだ」
ー比叡山サイドー
「今回の任務は大変危険なものになるから、必ず最低二人、それか三人以上で行動してね」
「じゃあ歌姫先生ー僕は誰と組めばいいですかー?」
「そこの馬鹿は一人でいいわ、放っときなさい」
歌姫と五条はいつも通りの絡みを見せる。
「相変わらずですね、先生方」
「庵先生もよく付き合ってあげてるよねー」
「東堂、勝手な行動は控えろよ」
「流石に今回ばかりは状況が状況だからな、
「不本意だけど、東堂先輩の術式は私とまぁまぁ相性いいからね」
「では私は西宮と組むか」
「え、加茂君と一緒とか怖いんだけど」
「大丈夫だ、誤射はない」
「そういう問題じゃないよ…」
「三輪はもう組んだカ?」
「いやー相性の良い方がいなくて…メカ丸、よかったら組んでくれません?」
「承知しタ」
「久々の大仕事だ、報酬が楽しみだね憂憂」
「姉さまは今日もお美しいです…♡」
それぞれがそれぞれの時間を活用している。その中で歌姫は緊張感と生徒達の安否の不安の渦中にいた。
「大丈夫…大丈夫…」
「おーい、歌姫サーン?」
「…生徒達は守る…あなたなら大丈夫…」
「んー、そいやっ」
ズボッ
「うひゃあ!!!??」
五条は歌姫の背中に手をズボッと突っ込む。
「何すんのよ馬鹿五条!」
「あのさー、歌姫が弱いのは知ってるけどそんなにあからさまに不安な顔してたら生徒達に心配されちゃうよー?」
五条が生徒の方に指を指しながら歌姫を諭す。
「そんなことっ! いえ…そうね、私がしっかりしなきゃね」
「だーかーらー、自分がしっかりしなきゃって思ってるからそんな思いつめるんでしょうが」
五条はムニっと歌姫の頬をつまむ。
「生徒達が心配なのは分かるよ? 僕だって先生だからね、でもこういう時って先生が弱気になってる所を見せたらさらに不安を煽るだけでしょうが」
「ぅぅ…確かにその通りだわ…まさかあんたに教えられるなんて」
「歌姫は強気でいればいいんだよ、実力が無いんだから態度だけでもね」
「相変わらず一言多いわ、でも、ありがと、あんたは不安とかないから、こういう時でもその態度でいられるのよね」
「まぁね、僕、最強だから。さて、そろそろ時間だね」
五条はハイブランドの腕時計を見ながら言う。
「皆ー! あと一分だよー!」
空気がピリつく中、五条は激励(?)の言葉を言う。
「最強の僕のありがたーいお言葉だよー、この戦い、正直負ける要素がないと思ってる、存分にその力を振るっておいで、双山悪童事変、開戦だ」
不敵に笑う五条の合図とともに比叡山の門が重たく鈍い音をたてながら開く。地獄の門と形容するか、道場の門を叩くがごとくの挑戦と見るか人それぞれの思いを抱え、山へと踏み込む。
ー大江山サイドー
「大怪我はしないように、徹底的に祓い尽くそう。呪術師の意義、大義を見せてあげなさい、さあ、開戦と行こうか」
夏油の一言で門が開き、一同は山へと踏み込む。
「これは…!」
「予想外だな、この量は」
「何よこの呪力の濃度、吐き気がする」
「…玉犬、琿」
山の中では想像を遥かに超える量の呪力が蔓延しており、放たれた呪霊とは違う、野良で湧いた低級の呪霊がまるで自分の家だとでもいうかのように入口付近に滞在していた。
アソボォォォ
ィラッシャーイィイ
ォドウザー
「うぇっ、気持ち悪っ」
「とりあえず、入口を確保しよう、ここを塞がれてはどうしようもない」
夜蛾の一言で一同が戦闘態勢に入った瞬間、呪霊が一瞬にして別の呪霊にほぼ食われる。
「入口は私が確保するよ、皆は当初の作戦通りに動いてくれ、この山は広いからね、手早くいこう」
「…すっげぇー」
「あれが特級かよ、化け物だな…死にたくねぇー」
「各自、最初に決めたグループで散会! 目標どおりに任務を遂行! 死ぬんじゃないぞ!」
了解、一同その合図とともにそれぞれの方向へと進んでいく。
ザッザッザッ!
「よっし、道中の呪霊祓いしつつ呪物の回収でいいんだよな!」
「大まかな動きはそれでいいが三級以下は無視、夏油先生の呪霊が食うだろ。準一以上は対処、特級はちと辛いかもしれないが刹那に頼るぞ」
「援護はしてくださいよ?」
「まっかせなさい! さっさと頂上行くわよ、全員見下ろしてやる!」
「…目的変わってないか?」
「七海サン、俺らは中腹をグルっと一周でいいんですよね?」
「えぇ、頂上付近はおそらく呪物が溜まっている、索敵が得意な伏黒君達のチームに任せましょう」
「了解っす!」
「学長、俺は一応あんたの護衛みたいなもんだが、俺ら下腹にいていいのかねぇ 俺としては大歓迎だけど生徒達は?」
「傑の呪霊が常に監視している、それに生徒達はみな強く賢い、状況判断は問題ないだろう」
「ふーん、ならいいけどねぇ」
「おいパンダ! そいつは私の獲物だぞ!」
「どっちでもいいだろ!? 山程いるんだから!」
「動くな!」
シャッ、ザク、ドンッ、ボゴォッ
「ナーイス棘」
「しゃけしゃけ」
「一年が頂上行ったら連絡するんだっけな、それまでもっと雑魚呪霊の数減らすか」
「オーケー」
「高菜!」
「美々子、ここにも呪霊って出るんだね」
「そうだね、菜々子、補助監督さん達も守らなきゃね」
ー比叡山サイドー
「いくらなんでも多すぎでしょ!」
「吠えるな西宮、お前は索敵をこなせ」
「もー! 分かってるよ!」
「真依、ここは十分で片付けるぞ」
「ちょっ、無茶言わないでよ!」
「無茶なものか、このあと高田ちゃんのYou Tubeプレミアム放送があるんだ、観ないわけにはいかん」
「ほんとにイカれてるんじゃないの!?」
「抜刀!」
ザンッ!
「ここはこんなものカ、主に建物に集まっているナ、このまま行こウ、行けるカ?」
「ハイ!」
「ギャアァァァー!!!!」
「あっはは、何その色気も何もない叫び声。アラサーの悲痛な叫びみたーい」
「降ろせー!!」
「え、ここから降ろしていいの?」
「やっぱり降ろさないで!」
開戦すると同時に事前に準備された資料に従ってそれぞれが動き始める。
「お、入口の確保は終わったかな。じゃあ私もそろそろ呪霊の回収に移るか」
ダッダッダッ
「伏黒! これ俺ら登ってんの、下ってんの!?」
「分からん、これワンチャン領域に入ってるな」
「こじ開けますか?」
「こんな呪霊が出るってことはよっぽど山頂に行かせたくないのね、分かりやすいわ」
上に向かって走ってる筈なのに体が下ってる感覚に一同は困惑し立ち止まる。
「どうすんの? あんたの鵺で捜索するために高いとこに行くのに、これじゃいつまで経っても頂上いけないわよ」
「でもこれ不完全な領域だから、今すぐ何かあるわけでもないですね」
「仕方ねぇ、なるべく温存しときたかったが無理矢理抜けるか」
「恵君は駄目ですよ、呪力を温存しないと、僕がやります…あ、その必要は無さそうですね」
「何この音…?」
ドドドドド
音のする方向に目をやると、四足歩行の醜悪な見た目の人型の呪霊が口を大きく開け、地面を食らいながら猛スピードで四人に向かっていた。それを見た虎杖と釘崎は深く息を吸う。
スゥー
「「いやぁぁぁーーー!!!!!!」」
「キモいキモいキモい!!」
「待って、あいつめっちゃはえぇ!!」
「虎杖! 釘崎抱えて跳べ!」
「どこに!?」
「あれに乗ればいいんじゃないんですか?」
「マジで言ってますセツナさん!?」
「お先に失礼ー」
伏黒は玉犬に抱えられ近くの木に登り、刹那は呪霊の背に向かって跳ぶ。
「あーもー! 文句言うなよ釘崎!」
「嘘! ウソ!! うそ!!!」
虎杖も釘崎を横抱きにして刹那の後に続く。
スタッ
「っとと、着地には成功しましたけど、これって領域内だから多分山は下りてないんですよね」
「こいつ直線にしか移動できねーのかな?」
虎杖が足にあたる部分を見ると、どこまでも伸びているのが分かる。すると伏黒が上から鵺に抱えられ着地する。
「良かった、無事だったか」
「ディズニープリンセスかオメェはよ」
「なんでそうなんだよ」
八つ当たり気味に伏黒に向かって釘崎は涙目で文句を言う。
「どうする? こいつ、ここから叩くか?」
「多分この呪霊、体をどんどん伸ばしてるんですね、本体は上じゃないですか?」
「なるほど、そうなりゃやることは決まったな」
「上まで登りながら攻撃して本体を叩くか」
「地面? を攻撃して走るのは初めてですね」
伏黒が影から薙刀を取り出し、刹那も刀を抜くと虎杖が突然声を張る。
「あ! 俺いいこと考えた!」
「「嫌な予感がする」」
「釘崎ちょっと抱えるぞ」
「良いけど丁寧に扱いなさいよ」
そういって虎杖は釘崎を抱えると作戦を説明する。
「俺が走るから、釘崎が釘をこいつに打ち込みまくって攻撃すんの」
「…悪くないアイデアだ、それで行こう」
「おい私の意見は聞く気なしか?」
「一番虎杖悠仁! 行きまーす!」
「ちょっ待っ」
ドヒュンッ!!
「いやあああぁぁぁぁ!!」
伏黒が賛成すると本人の了承なしに伏黒が決定し、虎杖はスタートダッシュを決める。
「…追いかけましょうか」
「俺らが追いつく頃には終わってるかもな」
得物をしまい、二人を追いかける。
──
「釘崎! どんな感じ?」
「意外と快適に打ててるけど、上まであとどんくらい?」
「分かんないけど多分あともうちょい」
「ふーん、ほい、簪っと」
バキン バキン バキン!
指をパチンと鳴らして適当に簪を放ち、呪霊の動きを制御し攻撃していく。
「見たところダメージは入ってるし、本体もうヘロヘロなんじゃないの?」
「だとしたらラッキーだな! っと、そろそろ着くな、刹那と伏黒が追いつくまで待つか?」
「いや、多分こいつ倒したら領域解除されるし倒しちゃいましょ」
「りょーかい!」
ドヒュンッ!
スピードをさらにあげて跳びはね、本体と思しき人型の呪霊の前に着地する。
「本体はそんな大きくないわね」
「すげー、釘崎の言った通りもう少しだな」
虎杖は拳を構える。
「しゃあ! 行くぞ!」
ダッ! カインカイン!
虎杖が駆け出すと同時に釘崎は釘を飛ばす。
釘は呪霊の目に正確に刺さり、虎杖は助走をつけて人体の腹にあたる場所に水平に突き蹴りを繰り出す。
ドッゴォ!
「恨みはないわ、じゃあね、簪!」
ドスッ!ドスドスドス
呪霊を祓うと同時に領域が解除されたのか、伏黒と刹那が二人に追いつく。
「お、祓ったのか」
「お疲れ様です」
「まーね、余裕よあんなやつ」
「って、ここ結構頂上近いな、急ごうぜ」
ー東京校一年班、目的地目前ー
多分この位のボリュームがあと数話続きますので、投稿頻度下がりますご了承ください。
なんか戦闘シーンが上手くいかない、、、