色も赤になりましたし、これからも頭絞って一層頑張ってまいります!!
──
ザッザッザッザッ
「上手くはいかなかったが…俺がお前の中にいることを、ゆめゆめ忘れぬことだな」
宿儺の領域展開によって更地となった場所の前へ立ち、そのまま虎杖と意識が代わる。
「…これ…お前が…?」
虎杖は戦闘の記憶が脳裏によぎり、目の前の光景に、ただただ唖然とするしかなかった。
そして虎杖は考えを深くしていくうちに、自分自身の罪の重さを痛感していく。
「ヴァ"ア"ぁ"ぁ"あ"!!」
一歩間違えば人を殺した恐怖、友を殺しかけて重症を負わせてしまった絶望、逝った祖父の遺言を完遂しようとするために考え続ける焦燥。
虎杖は自分にできる最大限のことを探し始める。
「はぁっ…はぁっ…行かなきゃ…」
──
一級術師、七海健人は考えていた。
片眼に上半身の大火傷、特に当てもなく地下ホームを歩き、大量の改造人間と対峙する。
「そうだな、マレーシア、クアンタンが良い…」
お金を稼ぎ、物価の安い国で失った時間を取り戻すように山程買った本を一ページずつめくる。そんなことを考えながら改造人間をなぎ倒していく。
ドチャッ、ゴチャッ
(違う、私は今、伏黒君を助け…それより直毘人さんや真希さんは、二人はどうなった? …疲れた、疲れたな。もう疲れたんだ、もう充分やったさ)
改造人間を全て倒し終えると、どこからか真人が七海の前に現れる。
「…いたんですか」
「いたよ、ずっとね。少しお話するかい? 君には何度か付き合ってもらったし」
七海健人は真人、死を前にしてかつての同級生を想う。
(灰原…結局、私は何がしたかったんだろうな、逃げて、逃げたくせにやり甲斐なんて曖昧な理由で戻ってきて)
想像の中のかつての友が左に指をさす。
その方向には虎杖がいる。
(駄目だ灰原、それは違う、言ってはいけない。それは、彼にとって呪いになる)
己の言葉を否定しようとした。それでも七海は虎杖を呪術師として認めてしまっていた。
「虎杖くん」
ボコッ
「後は頼みます」
バァンッ
真人によって七海の上半身はバラバラに弾け飛ぶ。
「……お前は…何なんだ!! 真人!!」
「そんなデケェ声出さなくても聞こえてるよ!! 虎杖悠仁!!」
ギュアッ
ピッ、ドゥッドドドッ!
虎杖は真人に向かって駆け出すが真人は改造人間を使って虎杖の動きを制限する。
ザリリッ
虎杖が攻撃を回避し立ち上がるが真人は後ろから大技の準備をする。
ギョリギョリギョリッッッ
「多重魂、[撥体]!!!」
虎杖に変形した改造人間が口を大きく開けて強大な威力で向かっていくが虎杖は歯を掴み地面を抉りながらもそれを止める。
ガガガガガ、ガシッバキバキバキッ、ピタッ
「ばぁ」
バキィッ、ズザァァァァ
ボダダダッ
口の中から真人が現れ虎杖の顔面に重い一撃を加え、虎杖の顔には斜めに傷ができて血が流れ出る。
「もっと踏ん張りがきけば、顔面を貫けたかな」
「どうしてオマエは、何度も…何人も!! 人の命を弄ぶことができるんだ…!!」
「くははっ、指折り数えて困り顔で殺せば満足か? 次からそうするね♡」
真人は腕の形を真人が殺した虎杖の友達の顔に変形させる。
タスケテー
「ペラッペラのお前にはペラッペラの解答を授けよう、虎杖悠仁」
ドチュ、うわー
「オマエは俺だ」
「あ"?」
「いちいちキレんなよ、呪いの戯言だろ? …だがな、それを認めない限りオマエは俺に勝てないよ」
「ベラベラと…よく喋るな、遺言か?」
虎杖は血を拭い髪をあげる。
二人はそれぞれの構えを取り、一瞬の静寂が流れる。真人は虎杖の心臓を貫くために呪力で身体を強化する。虎杖は七海の遺言を履行し集中状態にはいる。
真人は虎杖の心臓目掛けて拳を突き出す。しかし拳は空を切り、真人の視界から虎杖が消える。
虎杖は真人の拳を古武呪術の動きを無意識的に扱い、力を殺さず巡らせ、躰道の卍蹴りを繰り出した。そしてそのままの勢いで更に腹に蹴りを繰り出す。
ベキィッ!! ドグッ
ギャリィッ!
真人は腕を変形させて地面ごと虎杖のいた場所を抉り、攻撃を中断させる。
「いいね、ラウンド2だ……!!」
ダダダダダッ
ボグッ、ダンッ、ジャコッダァンッ!
二人は駅のホームを駆けながら壮絶な死闘を繰り広げる。真人が腕を変形させて攻撃するが、虎杖は魂の形を掴んでいる、真人の天敵。一筋縄ではいかずに心理戦も並行して繰り広げる。
「怖い怖い」
(リスクの冒し所をトチると死ぬな、しばらくは改造人間主体で攻めるか)
(時間差変形、自切、切合、前より手数が増えてるな)
ダッ
真人は角を曲がって虎杖の視界から消える。
それを追いかけるがその先には二人の非術師の男がいた。
「学生!?」
「おいコッチ来いよ! そっち化け物だらけで危ねぇぞ!!」
(真人は…上か!!)
階段を見て男達を通過しようとすると口の中から真人の拳が虎杖を殴る。
ドゴッ
(クソ…コイツ!!)
「ちょっとさぁ」
「え」
真人はそのまま隣の男を変形させて剣に変える。
モモモッ
「想像力足りてないんじゃない?」
「やめろ!!」
「馬鹿か? それはオマエ次第だろ」
(虎杖のメンタルには改造人間の方が効く、そして俺達はもう一枚ダメ押しのカードを手に入れる)
──
二人が戦うのとほぼ同刻、真人は自らの分身を地上に送っていた。
「さっきの見た? ヤバくない? 俺さっきまであの辺ウロついてたんだよね」
「ツギハギ…オマエか。ウチの馬鹿にちょっかい出したっていう特級呪霊は」
「! 参ったなぁ俺って有名人?」
「あぁ、尻尾巻いて逃げたってな」
釘崎は煽るようにケタケタ嘲笑う。
「いいね、始めよう」
(コイツの術式は魂云々ってのと、手に触れるなって話よね)
「逃げ虫くらいは払っておかないと」
キキキンッドドドッ
「ノーコン…」
ゴドンッドゴッ
釘崎の放った釘で隣の建物の看板が落ち、それを盾に真人を蹴り飛ばす。そして看板の上から釘を打ち込む。
パチンッ
「簪」
バスバスッ
「アハハッやるね、でも…基本効かないんだよね」
(口振りからしてアイツと親しいんだな、この女の死体を晒して心を折る!!)
ズァッドドドッ
真人は腕を鉄球に変えて釘崎に投げつける。
ドッ
「ハッ! 当たるかよんなもん!」
「そうでもないかもよー?」
ボボンっ
鉄球を避けると釘崎の真横で鉄球から棘が無数に生えそれを転がって回避する。
ゴロロッ
「ほーら、横になると狙われちゃうよー」
バビュンッドゴォッ!
「くっ!」
ドスッ
バスバスッ!
釘崎は地面に直接釘を打ち込み、地雷式に真人の足を狙い、真人は姿勢を崩して膝を着く。
釘崎は釘を飛ばそうとする。
(殺った!)
「!」
狙った瞬間、真人の腕が片方ないことに気付く。
「しまっ」
ドゴッ!
体から離れた真人の腕が気づいた釘崎の脇腹にクリーンヒットする。
「かはっ」
「はい、おしまい」
真人は腕を巨大化させて釘崎に振り下ろす。
パシッ、ヴェンッ、ギュオンッ
ドゴォッ
(! 何だ今のは!?)
「…身体がフリーズした?」
「やーっと手応えありそうな呪霊が出てきはったなぁ」
直哉は釘崎の襟を掴み抱えて軽口を叩く。
「誰よアンタ!」
「助けてもろた癖して偉そうやな自分、己の立場考えーや」
「ゔっ助かったわよ」
ボトッ
「痛っ! ちょっとレディは丁重に扱いなさいよ!」
直哉は手を離し悪態をつく。
(この術式…俺は知らないな、でもあの七海術師位、いや、もっと強いな)
今、直哉は黒閃の影響でゾーンの状態に入っている。
二体一、形勢がひっくり返る。
「良いね、殺し甲斐がありそうじゃん」
「俺の心を代弁してもろておおきに」
直哉は煽りながら足をトントン鳴らし戦闘体制に入る。
「ちょっと待って下さい」
「嬢ちゃんは黙っとき、雑魚は今の渋谷で生き残れんで、とっとと引っ込みーや」
ギュアッ!
直哉が釘崎に退却するように促すと真人は腕を槍のように伸ばして攻撃する。
パシッヴンッ、バゴォッ
ドゴッドゴッ
直哉は投射呪法で動きをとめて本体に近づき蹴り飛ばして釘崎に戻っていく。
「嬢ちゃんにアイツ倒せるわけないやろ」
「そうじゃない、詳しい説明は省くけどアイツに攻撃は通用しないのよ」
「へぇ、何ぞ策でもあんのん?」
「あるわ、多分結構効く」
「その言い切る度胸、おもろいやん、その策乗ったるわ、何すりゃええ」
「どっかで動きを完全に止めて、それと掌には触れないで」
「何で?」
「即死する」
「了解や」
「作戦会議は終わったかな? それじゃあ、再開しよう」
ニヤリと嗤いながら真人は両腕を武器に変形させる。
ドパパパッ!!
直哉は投射呪法を駆使して真人を四方八方から殴りつける。
(速い!! 目で追えない!!)
キキキンッ、ガンッドスドスッ
「うおっ、危ないやないか!」
釘崎の援護射撃を避け、直接真人に釘を打ち込む。
「それが出来るなら充分でしょ!」
パチン
バスバスバスッ
真人の頭に頭に簪が入り、目ごと貫く。
(くっ、視界がっ!)
釘崎野薔薇は考えていた。目の前の男の強さを、自分が今、最も足手まといになっていることを。
ドゴッバゴッ
「女にもね、やらなきゃなんない時があんのよ!!」
釘崎はトンカチを振りかぶる。
「!!」
ヴェンッ
直哉は釘崎に練られている呪力の感覚を知っている、自身がつい先程味わった成功の味。釘崎野薔薇は持ち前の根性と、研ぎ澄まされたセンスによりその一撃を生むことに成功する。
【黒閃】
黒い火花は、今日は機嫌が良いようだ。
「ガブォッ…でもなぁっ効かないんだよ!!」
ガシッ、ボキンッ
片腕を破壊されるがもう片方の手で釘崎の首を刎ねようとするが、直哉がその手を掴みへし折り、投射呪法で再び動きを止める。
ヴンッ
「最高のお膳立てね! 褒めてあげるわ!!」
ブジュッ
「芻霊呪法、共鳴りぃ!!!」
ドクンッ
釘崎は釘を真人の額に釘を打ち込み、共鳴りを繰り出す。
釘崎は共鳴りで真人の肉体を通して魂を撃ち抜く算段だった。結果共鳴りは分身を通して本体の魂を捉え、そして本体の受けたダメージは再び分身へフィードバックした!
「!!」
ビチャビチャッ
「ほぉー、やるやん嬢ちゃん、褒めたるわ」
「上から言わないで頂戴」
(まさか、まさかだ、俺の天敵は虎杖悠仁、だけではなかった!!)
「それより嬢ちゃん気づいとるか?」
「ええ、遠くで私の呪力が爆ぜる感覚、この半端な呪力、アイツ分身かなんかで術式使えないわね」
ぐちゅり
「……正解」
釘を抜きながら不敵に嗤う。
「行くで、一気に片付けたるわ」
「いや…逃げまぁす」
バゴンッダッッ!
真人は直哉の足元を砕き、振り向いて逃げる。
「ちょ、追いかけなさいよ!」
ヴンッ
直哉は油断で地面を砕かれ、作っていた動きと別な動きをしてしまい一秒フリーズしてしまう、意図せず真人は直哉の動きを止め、逃げるだけの時間を稼ぐことに成功する。
「くっ! 待てこらぁ!」
キキンッ
釘を飛ばすが真人に当たることはなく明後日の方向に向かっていく。
真人は本体と合流するために地下五階へと向かう。
ダッ
地下五階に着き、虎杖と真人の本体がいる場所へと走る。真人は分身と入れ替わる。
本体が死角となって釘崎は入れ替わりに気づいていない、加えて先程の戦闘で釘崎は掌への警戒を解いている。
パシンッっ!!
「ハハッ! もろじゃん!!」
釘崎は頭を抑え、その後の自分をイメージした。
お気に入り五百人いったら何かしようと思うんですけど何がいいですかね?コメントを催促するわけではないですが何かあったらどんどんお願いします!