辺古山「オイ!!起きろっ!!」
耳をつんざく様な罵声と共に、冷水が頭にふりかかる。
驚いて目を開けるが視界はくらいままで、光が見えない。
それと同時に身動きが取れない事に気づく。そして急に目の前が明るくなり、辺古山さんの呆れ顔が映る。
隣で苗木が1人で悶えている。
苗木「やめてっ!!僕に乱暴するんでしょう!!薄い本みたいにっ!!」
辺古山「貴様のその貧相な身体でそんな事出来るか!!」
辺古山さんの鋭いツッコミが入る
辺古山「そもそも貴様は自分の置かれてる状況がわかっているのか!?」
びしょ濡れの髪、イスに縛られた身体、返せないお金、普通の人間なら理解できそうなものだが。
苗木「返せないからってこんなプレイ……。辺古山さんのえっち!!」
辺古山「なんで理解出来ないんだ貴様は!!IQが2か3なのか!!」
苗木「それは違うよぉ!!!」
苗木がアヘ顔で悶えているのを辺古山さんがキレながら蹴り飛ばしている、中々カオスな光景だ。
辺古山「もういい殺す!!貴様だけは殺す!!今ここでぶった切ってやる!!」
辺古山が刀をぬき苗木に振り下ろそうとしたその時、刀身を誰かの手が掴む。
九頭龍「やめとけよ、ペコ」
辺古山「坊ちゃん!?何故ここに!?」
坊ちゃんと呼ばれた少年はタバコをの煙を吹きながらため息をついた
苗木「未成年で煙草はダメでしょ……。」
苗木が急に冷静に呟く、と次の瞬間 グーパンを食らっていた。
九頭龍「次、未成年って言ったらぶっ殺すかんな、気をつけろよ。」
辺古山「口を慎めクズが!!坊ちゃんはこう見えても貴様らより年上だ!!」
苗木「な、なんだって~!!」
苗木が驚きの声を上げる。
辺古山「九頭龍ファイナンス代表取締役社長
【九頭龍冬彦】様であられるぞ!!」
苗木「な、な、な、なんだってえええええ!!」
夜の街に声がこだまする。
九頭龍「で、どーするの?返すの?返さないの?」
辺古山の時とは明らかに違う殺気を感じ、苗木も舞園も思わず無言になる。
九頭龍が深いため息をつき苗木に問いかける。
九頭龍「お前、カジノって行ったことあるか?」
そう言って九頭龍は苗木に煙を吹きかける。
九頭龍「ボンクラ男が10億稼ぐなんてどーせ無理だろ。だから1つ提案がある。」
九頭龍が懐から金をつき出す。
苗木「100万円だ!!」
苗木が飛びつくが九頭龍がすかさず金を後に引く。
九頭龍「バーカ、もちろんタダじゃねぇよ。これを10倍にして返すんだ、カジノでな。」
苗木が唾を飲み込む。
九頭龍が問う。
九頭龍「答えはYESか?それともYESか。」
九頭龍「それともここで俺ににぶち殺されてえかぁ?
あ゛ぁん!?」
苗木も舞園も半べそをかく。
苗木「ひぃぃぃぃぃぃ!!行きます!!行きますからあ!!」
九頭龍が煙を吹きながら言う。
九頭龍「よしペコ、今の録音したか?」
辺古山「はい坊ちゃん、バッチリと。」
九頭龍「よしじゃあお前ら、これに乗れ。」
九頭龍が指を鳴らしたのを合図に辺古山さんがボタンを押す。
シャッターが上がり黒いリムジンが現れる。 目隠しをされて2人とも中に乗せられる。
そこからはハヤテの如く早かった。
車から降ろされ目隠しを外されると、目の前に立っていた巨大なバルーン人形が黄金色に2人の入場を歓迎していた。
九頭龍「2人合わせてじゃなくて、苗木、お前の100万だからな。」
舞園「え?私のお金は?」
舞園がすかさず問う。
九頭龍「お前は借りてねぇだろ……」
舞園「た、確かに……。」
九頭龍「舞園、お前は帰っていいぞ。」
九頭龍が虫をシッシッとする様な手の動きで舞園をあしらう。
しかし、舞園が笑いながら九頭龍に言う。
舞園「私は、苗木くんと一緒でかまいません。」
舞園「そもそも借りればいいって勧めたのは誰でもない、私ですから。それに、友達見捨てて逃げるくらいなら、今ここで死んだ方がマシですよ。」
九頭龍が呆れ顔で言う。
九頭龍「後悔しても知らねーぞ。」
舞園「するならもうとっくにしてますよ。」
迷いのない目で舞園が九頭龍を見る。
苗木「舞園さん……。」
苗木が舞園に抱きつく
舞園「行きましょう苗木くん私は死ぬなら苗木くんとがいいです!!」
舞園「あとさりげなく胸に顔埋めるのやめてください、殺しますよ」
苗木「ごめんなさい」
黒光りするゲートを2人がくぐる。物語はまだ始まったばかりだ。
辺古山「よかったんですか、坊ちゃん。」
九頭龍「いーんだよ、返せないってんなら身体で払ってもらうだけだ。女の方は結構上玉だし100万ぐらいにはなるだろ。」
九頭龍が冷たく笑った