TS魔法少女は誰に恋をする   作:mitose

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第1話

「はっ……はっ……っ!!」

 

 

どうしてこうなった…

 

どうしてこうなった…!!

 

走る。走る。住宅地をひたすらに走る。

 

 

 

狭い路地が目に入り滑り込むように飛び込む。限界が近かったので助かる。

心臓が破裂しそうなほど高鳴るため両手で押さえ、静かに深呼吸し自分を落ち着かせる。

 

段々落ち着いてきた所で息をひそめ、路地から少しだけ顔を出した。

 

 

「――っ!!」

 

 

暗い路地の奥、完全な常闇の更に奥からアスファルトを金属のような物で削る音が、低いうなり声が、

そして明らかに巨大で獰猛な生物の存在を感じる呼吸音が少しずつ近づいてくる。

 

急いで路地に引っ込む。

もう一度深呼吸をしようとするが焦りで上手くいかず、短く速い呼吸を繰り返すことしかできない。

 

半袖から露出した肌に当たる風は酷く冷たく寒い。季節はもう初夏なのに、だ。

まだ梅雨は開けてないが、ほんの数十分前までじめっとした暑さで汗をかいていたくらいなのに。

震える腕はこの寒さのせいかこの状況のせいか、または両方が影響しているかもしれない。

 

 

 

「ほ……ほんとに…どうして……」

 

 

 

僕はこうなる前の状況を思い出しながら独りごちた。

 

 

 

 

 

◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 

 

 

 

青空は山に向かって淡い色になり、綺麗なグラデーションを描いている。

この日は長く続く梅雨の中珍しく晴れ間が覗き、じめじめした空気や気持ちを少しだけ晴やかにさせてくれた。

 

御香原(ミカハラ)市にある公立中学校から徒歩20分ほど南にあるニュータウン前の国道。

そこには下校している学生たちの姿があった。学校から多少距離があるので疎らではあるが。

 

僕の前には一人で帰る者、グループで帰る者、仲睦まじく男女二人で帰る者などが居るが僕は一人。

前の男女に局地的大雨が降ればいいのに、と嫉妬しながら歩いていた。ここだけなんかじめじめしてる。

 

僕、鷹田蓮斗(タカダレント)は3年間の努力も空しく早々に部活を引退した事もあり、

特にする事が無いので本屋に寄って帰ろうとしていた。ん?3年なら受験が控えてるだろ?……はて?

 

 

 

通学路となっているこの国道には地方都市特有のチェーン店が立ち並び、本屋もその並びにある。

そそくさと本屋に入った瞬間、エアコンの涼しい風と共に見知った顔が出迎えてくれた。

 

 

「お?レントじゃねえか」

 

「あれ?ホウタだ。今日部活じゃなかったっけ?」

 

 

実波峰太(ミナミホウタ)、僕の幼馴染で空手部主将。

青み掛かった黒い短髪で180を超える身長とシャツからも薄っすら分かる鍛えられた筋肉。とても同級生には見えない。

ウチの弱小部とは違い、ホウタの空手部は地方大会まで勝ち進んでいるので引退はもう少し先だったはずだけど。

 

 

「弘方(ヒロカタ)のヤツが今日休みだからな。サボリだ」

 

「弘方先生また休んだんだ…。どうせまた二日酔いでしょ」

 

「そ。毎度の事だな」

 

 

ホウタは眉をハの字にし、少し困ったような顔を見せた。

弘方先生は空手部の顧問…なんだけどいつも適当でヤル気が無い。二日酔いで休むとか教師としてどうなんだろう。

そしてここに居る空手部主将もサボリ常習犯、なんでこんな空手部が強いのか。コレガワカラナイ

 

 

「それならちょっと待ってて。新刊買って来るからだけだから一緒に帰ろうよ」

 

「あー悪ぃ。これから先輩んとこ行くからダメなんだわ」

 

 

と右手を立て顔の前に持って来る軽い謝罪のポーズを見せつつ話すホウタ。

まぁ、こっちは特に用事があるわけでも無いしいっか。

 

 

「ん、わかった。それじゃまたね」

 

「おう」

 

 

先輩って誰だろ?部活のかな?

ホウタは結構交友関係広いからさっぱり分からないなぁ。

 

ホウタと別れまた一人になった僕は、無事手に入れた新刊を脇に抱え、最近流行ってるアウトドア系の雑誌を読んでいた。

 

アレも欲しいコレも良いと考えていると段々トイレに行きたくなる。

本屋の紙とインクの匂いやホームセンターの匂いとか嗅ぐと何故かトイレに行きたくなるよね?ならない?…そう。

 

暫く我慢したがやっぱりトイレに行き、切りが良い所まで雑誌を読んだのち僕は本屋を後にする事にした。

 

 

 

 

 

 

 

本屋の自動ドアを抜けると、店内の冷気に混じってじめっとした不快な空気が流れ肌に触れる。

他に用事は無いので家に帰ろうと国道を渡り自宅までの歩みを進めた所、ふと見たことある顔を発見した。

 

 

―――多仲(タナカ)さんだ。

 

 

彼女、多仲さん…多仲陽葵(タナカヒマリ)さんは僕と同じ学校のクラスメイトだ。

 

薄茶で腰まであるふわっとしたロングヘア、少し幼さの残る整った目鼻立ち、見ると吸い込まれそうな大きい薄茶のタレ目が特徴的で、

文化部だからか細く真っ白の肌をした誰から見ても美少女オブ美少女である。

身長は平均的かやや低い位だが、慌てた時のワタワタした動きが小動物的で大変可愛らしい。大変美少女である。

 

当然のごとくモテるので沢山の勇者だか愚者だかが告白し、次々と撃沈している場面が度々目撃されている。

そして、勇者にも愚者にもなれない僕はただ、実らせ続けた恋心をそのままに彼女を後ろの席から眺めるだけの日々を過ごしていた。

 

 

その多仲さんは学校より北側に住んでいる。住所までは知らないけど大体この辺って所までは知ってる。

え?なんで多仲さんが北に住んでるか知っているかって?友人からの情報や教室内での彼女と友人の会話内容からですが?

聞こえちゃった物はしょうがない。だって聞こえちゃったんですもの。

 

それにしても多仲さんはなんでここに?この辺の店に用があった?うーん…それはおかしい。

彼女が住んでる北側はここより更に便利なスーパーモールがあり大体同じ店が入っているので態々此処に来る必要は無い。

品揃えもそっちの方が良いから正直羨ましい。

 

とか考えていると、彼女は国道を渡り少し早歩きでニュータウンの方に向かい始めていた。

 

友達の家に行くのかな?僕も知ってる人かな?

ま、まぁ、偶然僕も帰り道だしついて行っても大丈夫。問題ない。

そう僕の家もニュータウン内にあるのだ。よって問題はない。

 

 

 

 

 

多仲さんが前を歩いている。

早歩きになっているからか歩き方すら可愛い。さすが美少女後ろから見ても大変可愛い。

ちょうど何故か偶然たまたま歩く方向が一緒なので、時折視線を景色に向けながら彼女に付いて行く。

逆に怪しくなっているような気もするが、彼女は気付いていない様子なのでそのまま行く。

 

 

―――そして僕はいつの間にか多仲さんを見失っていた。

 

 

なんで!?

いつの間にか手前の角曲がってたの?

目を離した時間なんて数秒だった気がするんだけど。

 

そのまま自宅に帰ってもよかったけど、なんとなく気になり道を引き返す事にした。

手前の角を曲がり多仲さんがいるか確認しようとしたが住宅地の奥が暗く確認出来ない。

 

 

…暗い??

 

そういえばいつの間にか夕方から夜になってる。

んん?今初夏だよね?今日は晴れてるしまだ17時だしそれはおかしい。

そして先程までじめじめとした暑さで汗をかいていたはずなのに今は半袖では寒い位に。

 

辺りは静まり返り、国道からの車の音さえしない。

…と思ったら風の音のような、高音で唸るような音が聞こえる?更に遠くで狼の咆哮が聞こえた。

未だに車などの人工的な音は聞こえない。まるで深森の中に居るようだ。

勝手知ったる我がニュータウンに居る筈なのに。

恐怖のあまり来た道を戻ろうとしたその時―――

 

 

 

―――暗闇の中で激しい閃光が起こる。

 

 

 

まるで一瞬で夜が明けて朝になったかのような閃光。

反射的にその方向へ顔を向けると破裂音と共に建物が破壊され、崩れる音が聞こえた。

現実感の無い、以前動画で見たダイナマイトでビルを破壊し崩れる時のような音。

しかし、その音は衝撃となり僕の体を激しく揺らす。

それが現実で発生している証拠として僕の意識に刻み込まれる。

 

 

「な、なにこれ…」

 

 

無意識に出てしまう言葉。

そして、絶対に近づいてはダメだと理解している筈なのに、無意識にその音の元に向かってしまう。

 

音の主は近かった。

2ブロックほど先の角からコッソリ覗き込むと、そこには家だったと思われる瓦礫の山。

そして反対側の塀に大穴を開けた何か黒い影のような何かが居たが辺りは暗く、どのような形をしているのか判別出来ない。

ただ、少なくとも関わって良い雰囲気でない事は確実に分かる。

 

この崩れた家の家主はたしか…砂山(サヤマ)さんだったっけ…?

……僕にはどうにも出来ない。ごめんなさい。

 

逃げようと後ろへ向き直った瞬間。

塀の大穴がガラリと崩れる音が耳に入りつい振り向いてしまう。

そして…黒い影のような何かと目が合ってしまった。

 

ヤバイ!

僕は恐怖で縺れそうになる足を叱咤し、なんとかもう一度向き直ると瞬時に走り出した。

脇目を振らず走る。

 

これはあれだ、『深淵をのぞく時、深淵もまたこちらをのぞいているのだ』のやつだ!

違う、それはミイラ取りがミイラになるやつ!『窓に!窓に!』の方だ!

SAN値チェックを何とか回避し僕は走りつつ、一瞬しか確認出来なかったその姿を思い出す。

 

 

それは狼のように見えた。

 

 

ただ狼に角はない。

 

 

そして狼は顔だけで自分の身長を超えるような巨大な生き物ではない。

 

 

 

 

つまりあれは―――

 

 

 

 

 

―――化物だ。

 

 

 

 

 

◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 

 

 

 

短く速い呼吸を繰り返す。

少しずつ呼吸の間隔が長くなる。

そして、なんとか静かに深呼吸出来るようになってきた。

 

その間も化物の低い唸り声が近づく。体に響く重低音が大きくなる。

近づく度にまた呼吸が短くなってきた気がする。…落ち着け。落ち着くんだ自分。

 

もうすぐそこまで来ていると思われる気配を感じつつ蹲る身をもっと屈める。

少しでも気付かれないように。

 

そして、長い時間こうしているような気がするが実際は十数秒だったのかもしれない。

 

 

「グルルゥゥゥゥ……グゥァァ…」

 

 

遂に化物が姿を見せた。

 

少しだけ目線を上げ化物を観察する。…本当に大きい、10メートル近くあるんじゃないだろうか。

アスファルトを削るその禍々しい爪はまるでゲームで見る剣のようだ。あの形だと曲剣に見える。

漆黒の毛に覆われ、同じく漆黒の煙のようなオーラをユラユラと纏っている。触れただけで何かヤバイ物に侵食されそうだ。

 

現実離れしすぎて未だに夢を見ている感覚に、一瞬現実逃避しそうになる。ホント夢であってほしい。

 

 

「フシュゥゥゥ…‥グル、グルルルゥゥゥ…」

 

 

化物はそのまま路地を通り過ぎようとしている。

このまま路地に居る自分に気が付かず通り過ぎますように…

その祈りが神に届いたのか、化物は通り過―――

 

 

 

…………ジャリ

 

 

 

「っ!!」

 

 

小石が靴とアスファルトの間で転がり絶望の音を奏でる。

極度の緊張からか、抱えていた足に力が入り過ぎ靴が滑ってしまった。

その音に化物が気が付かない筈もなく、歩みを止める。

 

 

やってしまった!!!!

死ぬ!!!!

死――

 

歩みを止めた化物が振り向く瞬間―――

 

 

 

―――またしても閃光。

 

 

 

先程の閃光ほどでは無いが、この暗闇の中なので目眩ましになるには十分な明るさだった。

そして、閃光の中心からレーザービームみたいな光の柱が現れ、化物を貫くように襲い掛かる。

 

激しい爆発音と共に化物が吹き飛ばされる姿が見えた。まだ光に慣れていない目にもそう見えた。

道を引き返すように吹き飛ばされた化物に目をやると、追いかける別の何かが路地前を通過した。

 

化物に比べ小さく、まるで飛んでいるかの如く光を纏い風を切り、何かが駆け抜けて行く。

早すぎてその全てを目に収める事は出来なかったが、少なくとも人間と変わらない大きさに見えた。

 

化物の前で急停止したその姿はやはり人だった。

違う所があるとすれば、自身を囲むように纏うオーラのような光。

闇夜に交じるその光は青み掛かっており、纏う彼女の髪の色と同じ色をしている。

 

なぜ彼女が女性だと思ったかというと、その髪型その服装。

髪。月の光と自身のオーラだけが辛うじて明かりを保っている中でも見える彼女の艶やかな青く長いそれはふわりと揺れる。

服。重力を無視するように広がる彼女のスカートからスラリとした足が見える。

全身が柔らかく見えるほどフリルやリボンをあしらった姿は名称こそは分からないが、

日曜朝で少女を、大きなお友達を魅了するまさしく魔法少女のそれであった。

 

初めて見る人のはずだけど、なんとなくその雰囲気に記憶があるような…。

 

謎の感覚に囚われていると、いつの間にか彼女が動き出していた。

バックステップから流れるように飛び上がった彼女は手に持った武器、彼女と同じ青色のオーラで出来た弓のような武器を引くポーズを取る。

そして弓を引いていた手を離した瞬間、本日3度目の閃光とビームが化物へ向かい始めた。

 

そうか、これまで見ていた閃光は彼女から発せられた物だったのか!

だけどなんだろう…何か違和感を感じる…。

 

 

 

ビームが化物を貫く―――

 

 

 

―――前に弾かれ、光が消えた。

化物がその禍々しい曲剣を振り上げ、ビームを弾き飛ばしたのだ。

 

 

 

違和感の正体に気付いてしまった。気付きたくなかった。

一度目の閃光、一瞬で夜が明けて朝になったかのような光量だったはず。あの距離でそうだったのだ。

二度目の閃光、少しの間目眩ましになる程の光量だったが、一度目の閃光と比べ光量が落ちているのは明らかだった。

そして三度目の閃光、僕はその閃光と軌道をはっきり捉えられた。光量が減っているのだ。

化物に弾き飛ばされた所からも光量が威力と関係がある事は確定な気がする。

 

 

化物と戦う彼女から希望を見出し、少し余裕が出てきていた事で僕はまだ油断していた。

振り上げた曲剣をここからでも聞こえる程の豪風を発生させながら振り下ろす化物。

しかしその攻撃は爪は彼女に触れることは無い。彼女と化物には数メートルの距離があり当然その攻撃は当たらない。

彼女にはビームという武器があるのでそれを使用、また瞬時に使用出来なくても再度距離を取る事は出来るはず。

まだ余裕はあるはず。そう思っていた。

 

 

 

その油断していた僕に現実を突き付けるかのように……彼女が吹き飛ばされた。

 

 

 

なんで!?一体何が起こったの!?

何が起こったか分からないが、化物の何かしら攻撃を彼女が受けた事は理解できた。

この戦闘の詳細を確認したく路地から身を乗り出していた僕の上を錐もみ回転で吹き飛ぶ彼女が見えた。

 

僕の遥かに後ろで強く叩きつけられる音。その音はあまりにも重く、普通の人なら間違いなく助からないと思われる音だった。

急いでその方向に目を向けるが既に彼女のオーラのような光は弱くなっており、そして今消えた。

 

月明りでは詳細までは見えないがどう考えても倒れている。起き上がるような素振りも見れない。ピクリともしていない。

魔法少女のダメージ軽減魔法か何かあったとしても防ぎきれなかったのだろう。

 

え…え…マジ??ここは化物を圧倒して勝利の場面の筈では!?

い、いやそれより…これは本当にヤバイんじゃないの!?

 

 

「グルゥゥゥ……グオォォォォォン!!!」

 

 

化物の咆哮が後ろから聞こえる。

振り返る余裕もなく駆け出す。転がるように駆け出す。

ヤバイ!死ぬ!死ぬ!!死ぬ!!!

 

考える余裕など無い。ただ助かりたいが為に走る。

しかし不運は立て続けに起こる。

化物に追いつかれる前に何かに躓き、体が地面に叩きつけられてしまった。

 

激しい痛みに顔が歪むが、何とか体を捻り化物の方を向く。

化物は目の前に居た。猶予はない。もう何も考えている余裕は無かった。

無意識に躓く原因となった細長い何かを手に取る。

そして、ただ訪れる死を目の前に最後の抵抗として、掴んだ物を投げる為に腕を振り上げ力を加えた。

 

悔しい。何も理解出来ないまま死ぬ事が。

悔しい。圧倒的な力に対し何も出来ず死ぬ事が。

 

 

 

死を覚悟した次の瞬間―――本日4度目の閃光。

 

 

 

その閃光は一瞬だったが今までの青いオーラを感じる光では無く、温かく赤み掛かった光であった。

光が消える。目の前には化物が腕を振り上げる姿が見える。その曲剣…爪が月明かりでギラリと光る。

腕を振り下ろそうとする動作が見えたが、僕も負けじと最初で最後の反撃、手に持った細長い何かを投げるように振り落とす。

 

僕は何故か細長い何かを投げる事が出来なかった。後は激しい痛みを伴う死が待つだけだった。

せめてその瞬間を見ないように、いつの間にか瞑ってた目を僕は更に強く瞑った。

 

 

 

 

 

……………??

 

強く目を瞑って数秒。まだ何も起きてはいない。

いや、痛みを感じる事が暇が無い程の力で消し飛ばされたのかな?

 

自身の最後、もしくは天国の姿を見る為に目を開け始めたその時、

質量の重い物がズゥンと倒れる音が聞こえた。

 

目を開けた僕の目の前には化物が、しかしその姿は変化していた。

倒れている化物の下半身が見える。消えた上半身との接合部には揺れる光。赤いオーラの光の線が出来ていた。

その上半身も更に数メートル奥に存在していたが、こちらも同じく接合部に赤いオーラの線がある。

 

そして変化は化物だけではなかった。

僕が投げられなかった細長い棒のような物、握った棒の先端から先、そこにも赤いオーラを纏った物があった。

その形はまるで大剣のような形となっており、煙のようにユラユラと赤いオーラを発生させていた。

 

 

 

は??え??えええ…??

いやなにこれ??大剣??なんで僕が??

これであの化物を…切ったの??それにこの剣はどこから??

 

 

「…なんとか間に合わせる為に急いで来たらとんでも無い物を見てしまったにー…」

 

 

気配も無く現れた者から発せられた声。

後方より発せられたその声に急いで振り向いた。

 

…ネコ?いやイヌかな??

へちゃむくれてるイヌのようなぬいぐるみ。

そのブサ可愛いぬいぐるみがフワフワと浮きながらこちらを見ていた。

……なんだこれ?

 

 

「それでキミは…どこ所属の魔法少女かにー?」

 

「………は?」

 

 

静寂の中、妙に高く間の抜けた声だけが響いた。

僕は変化した物がもう一つあったことにまだ気付いていない。

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