長期連休が終わりどんどん更新間隔も伸びて行きますが、
ゆっくりお付き合い頂けますと幸いです。
※念の為※
TS物や憑依物について言及しておりますが、
他作品を貶したりする意図は全く御座いません。
様々な解釈が出来るから創作って良いですよね。
夢があります。
「……失敗、いや変身は解除されてるから成功なのかに…?」
僕は頭を抱えて事務所部屋のソファーに座っている。
今の僕の姿は男子学生の制服を着てる赤髪少女。男子学生コスプレ少女だ。
似合ってるのは右腕に嵌めてるブレスレットのみで制服は無理やり感がある。
「……いやこれは失敗でしょ」
「そうだけど…今のキミはちゃんと人間だに。失ったマナも回復し始めてるに」
とりあえずもう死ぬ事はなさそうだ。別の意味では死にたい気分だけど…。
ソファーの隣に座るマリはちょっと困ってる感じの笑顔を見せてくれてる。
落ち込む気持ちが少し晴れた気がした。天使様…魔法使った?あ、本当に使えそう。
それにしてもこれはどうにかしなくては…。
自宅にも帰れないし学校も行けない。学校はいいかな?…いや卒業はしたいよ。
「あの後、再度魔力検査システムで確認したけど特に異常は無かったにー。
もしかしてキミは自分がレントだと思い込んでる少女だったに?」
「…そんな少女居たら怖いわ!僕は正真正銘レントだよ!!」
と言いつつも一瞬まさか…と思ってしまう。いやいや!今まで普通にレントだったろ!
あの暑い日々を思い出せ!部活に明け暮れたあの日々!いや割と早く引退しちゃったけど。
あの青春の日々を!…いや未だに好きな人と付き合ったり出来ずに居たし。
あ、やばい。自分見失いそう。これホント落ち込むなぁ…。
「冗談だにー。その似合わない制服や生徒手帳、
しっかり名札や写真があるしそれを別人が着る意味はないに」
「……そうだね、ありがとう」
「とりあえず再度検査したデータは前回同様、専門家にも送ってあるに。
コピーの方もずっとは無理だけど数週間はそのまま生活出来るからその辺は安心するにー!」
「わ、私も補助しますので学校の方はおまかせ下さい!」
「!!」
おいコピーそこを変われ!お前が魔法少女して僕がマリに補助してもらうんだ!!
今後めっちゃ羨ましい思いをするコピーに対して強い念を送る。変われ!変われ!
うん、何も返って来ない。いや下手にコピー解除とかされたらヤバイからそのままにしとこう。
暫くはこの体での生活か。
学校に行かなくていいのはありがたいけど辛いなぁ。
僕は未だにこの赤髪魔法少女、今はただの赤髪少女…‥んん?
そいえば髪色ちょっと変わってる。薄い赤色ではあるんだけど魔法少女の時より金色寄りになってる。
ローテーブルにさっき使った鏡があるので借りて再度確認する。…うん確かにそうだ。
瞳の色も赤色から茶色に近い色になってる。きっと赤髪魔法少女が普通の少女だったらこんな感じなんだろうね。
それにしても…マリ程じゃないけどホント美少女だね赤髪少女さん。君モテるよ、良かったね。
ってそう、こんな感じで僕はこの赤髪少女を未だに他人として見てる。ちょっと前にも言ったけど憑依してる感じ。
今はそうだけど今後生活していく内にどんどん『これは憑依してる』から『これは自分だ』になる可能性がある。
その時、僕の記憶はどうなるんだろう。このマリへの恋心も無くなってしまうのか。その辺りが変わるのが怖い。
古今東西、TS物や憑依物の物語は沢山ある。
僕もちょっと見たことあるけど、
それを見る限り記憶や気持ちが簡単に無くなったり大きく変わったりしないことが多い。
まぁ恋心に関しては稀に元同性に対しても発生するパターンはあるけど、
それは頭の中にTS元・憑依元の記憶を強く残した上で対象の幅が少し広くなるだけ。
簡単に無くなったり変わらなかったりしないならそれは大変ありがたい。
だけどそれって本当にありえるのかな?
僕は今、憑依している感覚がある。
僕の『記憶』そしてこの赤髪少女の『心』と『体』が別な気がするのだ。
要するに彼女という本来別の人間の『記憶』として僕がいる感じ。彼女の『記憶』も何処かにあるのかな?
脳はシナプス、神経細胞のつなぎ目に記憶を蓄えてると聞く。
そのつながりは電気信号の伝達で関わりの有る物と強く繋がる事で記憶としてその人物を形成している。
僕の『記憶』は彼女の脳の中に強く繋がる『記憶』として存在しているから僕は赤髪少女としてここに存在できる。
だけどそれは元々僕の『心』と『体』で培ってきた『記憶』だ。
そして今後は彼女の『心』と『体』によって僕の『記憶』の繋がり方が変わるはず。
それがどの様な変化をもたらすか誰も分からない。
多分さっきの『これは憑依してる』から『これは自分だ』になる可能性、これはかなり高いと思う。
長時間この体で生活する事で僕の『記憶』が整合性を取り始め『心』と『体』に馴染んで行こうとするからだ。
その整合性で例えば、好きなゲームとか家族への感情とかこの恋心とかの『記憶』が弱くなって消えたりしないだろうか?
赤髪少女の『心』と『体』に有用な物じゃなければ消えちゃいそう。考えただけでゾワっとする。
つまり僕は…早く自分の体に戻りたいんじゃぁああ!この体で長時間居ると怖い事起こりそうな気がする!
赤髪魔法少女やる位ならまだ良かったけどこの体は危険だ!いやこうなった時点で赤髪魔法少女も危険だ!
それにマリと仲良くなるなら出来れば元の自分の体がいい!たとえイケメンじゃなくても!
僕が鏡を手に無言で赤髪少女との一方的な対話を続けてるとふいにマリが視界に入る。
ちょっと視界に入っただけで彼女の美少女オーラで昇天しそう。行き先は天国でオナシャス!
「ど、どうしたのマリ、なにか僕の顔についてる?」
「あ、いえ、何をしてるのかなぁと思いまして…。思い詰めてるようでしたし」
「…うん、いやこれからどうしようかなぁと。元の体に戻る方法も今の所分からないし…。
マナ不足で死ぬ事は無くなったけど先が見えないとホント不安なんだよね」
「そうですよね…。今の所専門家の方の調査結果待ちですから…。
あ、そういえばその服どうしましょうか?
私の私服で良ければ奥の部屋あるので何か持ってきますが…」
マリの服!?!?いやソレ着るのはダメでしょ!それは人間風情が手を出して良い物じゃない!
他の人の服でも恥ずかしい位なのに好きな人の服とか袖通した瞬間消し飛ぶって!ホント後悔と申し訳なさで瞬コロよ!
しない、しないよ!?だけど万が一匂い嗅いだりした日にはもう帰って来れないよ!?…しないよホントだよ??
……さっきしてた?証拠はもう無い!証拠ロンダリングは完了しているのだ。あの時は客人用だと思ってたし。
「い、いや!そ、それは止めとこうよ!
と言うかマリは嫌じゃないの!?僕こんなんでも中身男だよ!?」
「今のレンは可愛い女子ですし特に嫌とかはありませんが……?
それに魔法少女から戻ってもそのままでしたから余り男性と接してる感がなくて…」
「……そっか」
「きっとレンにも男としての矜持があるんだに。その姿なのに……ププッ!
まぁ、ミーの所にも少しお金は有るからそれで用意するといいに!」
「ぐぬぬ…」
ミュルは後で殴る。
うーん。マリは赤髪少女に対して信頼を置いてそうな気がする。僕に対してじゃなく。
倒したのは赤髪魔法少女の力だしその後もコレだから仕方ないっちゃ仕方ない。
ちくしょう!赤髪少女!いつか見てろよ!……なんか虚しくなって来た。
まぁいいや自分で買ってこよ…と取り敢えず席を立つ。
「……んじゃちょっとひとっ走りして簡単な服買ってくるよ」
「はい、いってら……!!!!!…だ、ダメです!私が行って参ります!!
れ、レンはここで座って待ってて下さい!!」
「ど、どしたの!?いくら僕だって服くらいは買ってこれるって。
センスは……お察しだけどね!」
「そ、そうではなくてですね!!……とにかくダメです!!」
怒ってるマリも大変可愛いけどなんで怒ってるんだろ??顔も赤いし。
そんなに僕のセンスってヤバかったのかな?見た事無いはずなのに…。
「………あのですね。今のレンは男性の服ですよね。……勿論中も。
あの…その……大変言い辛いのですが………シャツが…」
??………あぁ。確かにこりゃダメだ。
さっきは汚れに気を取られて気付かなかったけどうっすら…。
赤髪少女ごめん、見ちゃった。だけど暫くは一心同体だしもうこの辺りは許して。
君も恥ずかしい僕も(嬉し)恥ずかしい、ここはお互い痛み分けと言う事に…ダメかな?
服はホントに心苦しいけど土下座も辞さない覚悟で天使様にお願いするしかない。
「矜持……は分かりませんが私の服ではダメなんですよ……ね?
………あの、如何してもダメでしょうか?す、少しだけでもですか??
ちょうどレンにお似合いのが………ああっ!土下座はやめて下さい!
そう…ダメですか…では、幸い学校も終わってますし買いに行って参りますね」
何で彼女はこんなに自分の服着させたいの??僕絶対殺すウーマンになったの??
どうにかジャパニーズビジネスマンズスキルの土下座で難を逃れる事が出来た。
寂しそうな顔をしながら買いに行く彼女を再度土下座で見送る。ホントごめんなさい!
きっとマリの買う服だったら大丈夫。私服もめっちゃオシャレだし。天使様だし。
なんで知ってるかって??偶然を装ってスーパーモールでですね…あっ石投げないで!
暫く待っていたらマリが帰ってきた。相変わらず光を背負ってる。……ん?んん!?
し、私服だぁぁぁあ!マリ様の私服じゃぁぁあ!!うっ……神々しい。かっわ……。
白いブラウスは襟は丸くフリルが付いており、その上にはクリーム色のカーディガンを羽織ってる。
それにライトグリーンのスカートでシンプルに纏まっていた。シンプルだからこそ綺麗な顔がよく目立つ。
そしてその手には紙袋。……ひー…ふー…みー…よー。……多ない??ウチ大家族だったっけ?
「ただ今戻りました!一旦着替えて参りましたので遅くなってしまいました…。
その代わり沢山買って参りましたのでお好きなものをどうぞ!!」
「お、お帰りなさい……凄い大荷物だね…」
「一緒に行けませんでしたしお好きな物じゃない可能性もありましたから…。
サイズも少し余裕を持たせております。私と同じ位ですから私も着れますね!」
いや、君と着回しちゃ結局同じ事になっちゃうんだって!可愛いなまったく!!
その後は一通り着方の説明も兼ねた試着会をさせられた。女子はホント大変だね、めっちゃ尊敬するわ…。
その時のマリは目を輝かせとってもイイ顔してた。コレが可愛いそれが可愛いと興奮しながら。
僕の羞恥心を犠牲にして得た笑顔。この笑顔を守りた…いやもう少し落ち着いてる時のやつがいいかな。
反対にミュルは顔を青くさせながらレシートを眺めてる。大変いい気味ですな!
それそれ!そういうのもっとちょうだい!!
取り敢えず服は2、3着ほどローテ出来る感じにしてもらった。
少ないけど今後は自分で買って来れ……いや、すぐ戻れる予定だから要らないっす。
当然慣れないから恥ずかしいけど慣れるまでは着たくない!
そいや下着も買って来てたけどそれは省略!説明するのもなんが変態っぽいし。
あ、だけどサイズまで分かってたのってどういう事??測ってないよね??
女子は皆服の上からでも分かる鑑定眼でも持ってるの?それ僕も欲しいんだけど。
…きっと彼女だけだろうなぁ。僕の知らない彼女の1面が垣間見れて少しだけ怖い…。
そ、それでも僕の恋心は不変だ!!
その後、暫くお世話になる僕の装備はチェストの一番下に収まる事となった。
そこ僕はあまり近づけない場所なんだけど…。ほら僕、徳足りてないし。
マリはもう僕が男なのを忘れてるんかな…。それは男として辛過ぎる。
着替えも終わった所で魔法少女の仮契約が本契約になった僕は、
魔法少女について昨日聞けなかった事をミュルからご教授頂く事となった。
今の僕の服装?長めのキャミワンピとか言うの。後ろにリボンがある可愛いやつ。
良かったな赤髪少女!今の君かなり可愛いと思うよ。マリの方が何倍も可愛いけどね!
そのマリは塾に行く為に帰ってしまった。受験生だから仕方ない。お前もだろ?しらなーい。
とにかく今この部屋は一人と一匹。部屋内の可愛さ指数が8割減したので酸欠になりそう。
僕は自分の寝床(予定)兼ソファーに座っている。相変わらずフカフカで気持ち良い。
暫くお茶を啜ってたミュルが湯呑をローテーブルに置き、口を開いた。
「……まずは、謝罪するに。レンをこの状況に巻き込んでしまった事。
そしてこれから説明する話の内容についても先に」
これから説明する話に謝罪する事が…?
ミュルは再度湯呑を手にしお茶を口に含んで喉を潤してからまた口を開く。
ホント器用に飲むなぁこの妖精…。
お暇な時などにコメント、ご評価など頂けますと
私の中の私が全力で小躍り(ファイアーダンス)します!