ジェダイ・ナイト アソーカの相棒は………爆豪!?   作:ナナシのG愛好家

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第1話

 リリリリリリ!!ガチャ。

 

 日本のとある家。その寝室で鳴り響く目覚まし時計に伸びた褐色の肌が、目覚ましを止めた。

 

「ん~、いい朝!!」

 

 ベットの上で上半身を起こし伸びをする褐色肌の少女。髪は白と青の横縞で、一本一本が独立した『髪』ではない。

 人間にしては『異形』な少女そんな姿でもおそれられないのは、この世界には【個性】と呼ばれる超能力が存在するからだ。

 中国で『光る赤子』が発見され、その後も続々と超能力に芽生える人間が出続けた。今では世界人口の約八割が【個性】を持っている。

 彼女の外見も、そう言う【個性】だと受け入れられているのだ。

 また、その個性を悪用する犯罪者が『ヴィラン』と呼ばれ、それを討伐する仕事、『ヒーロー』が、世界で脚光を浴びていた。

 そんな世界で彼女は、自身の中学校の物であろう制服を身に纏い、朝食を食べ、玄関の前で、振り返った。

 

「それじゃあ行ってくるね。お母さん。」

「ええ。行ってらっしゃい。アソーカ。」

 

 自分とよく似た容姿の母に、彼女、アソーカ・タノは微笑んでから扉を開けた。

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 アソーカ・タノはとある中学校に通う中学生。明るく活発で、クラスのムードメーカー。そんな彼女には、誰にも知られてない一面がある。

 

「お母さんも大変だな~。毎朝ああやって見送ってくれるのは。『あの世界』では親の顔を知る前に引き離されちゃったし、親が誰かは分からなかったけど。こういうのは、素直にうれしいな。」

 

 そう。彼女はかつて一度、別の世界で生を受けその世界の惑星をめぐる戦争で戦った、ジェダイと呼ばれる戦士の一人なのだ。正確には、ジェダイからは追放されているが。

 その後反乱軍の幹部となり、銀河を支配しようとした帝国との戦争に勝利して、老体となり息を引き取った。

 そして再び、この世界に生を受けたのだ。俗にいう、『転生』という奴である。

 

「♪~」

 

 鼻歌を口ずさみながら、通学路を歩いていると。

 

「デクゥ!!いつまでそんな事ほざいてんだテメェ!!アァ!?」

「ひぃっ!?で、でもかっちゃん、そんなのやってみないと…………。」

「黙れクソナードが!!テメェにヒーローが務まるか!!」

 

 と言う声が聞こえてくる。

 

「あ~あ。またやってる。」

 

 そんなため息を付くと、アソーカは声のした方向に向かった。

 そこに居たのはとげとげしたヘアスタイルの少年が、地味な少年の胸ぐらをつかんでいた。

 そしてその取り巻き達が、それを見ている。

 アソーカがその取り巻きをかき分けて行けば、

 

「あ、姐さんだ。」

「お疲れ様です。」

「これで二人の喧嘩が終わる。」

 

 などといった声が出る。

 それを無視してアソーカは、二人に近寄って行く。取り巻きをかき分けて彼らにも彼女の姿がはっきりとわかる位置まで行くと、二人も気が付いた。

 

「まったく。二人とも朝っぱらから何やってんのよ。」

「ンだよ縞髪。邪魔すんじゃねぇ!!」

「あ、アソーカさん。」

 

 腰に両手を当てたアソーカがやれやれ。と言う顔で二人を見れば、とげとげした少年、爆豪勝己と緑髪の少年、緑谷出久はそれぞれの声を上げる。

 

「爆豪、アンタ、こんな朝っぱらから騒ぎ過ぎよ。内申響くわよ。」

「ウグッ…………。」

「出久も、どうせまたヒーロー目指すとか言ったんでしょ。言うだけ怒らせるんだから言わなきゃいいのに。」

「確かに…………。」

 

 困り顔で二人をそう叱り、

 

「さ、行きましょ。」

「お、おい待てどこ引っ張ってくつもりだ縞髪テメェ!!」

「ちょ、ちょっと、そんな強引に!!」

 

 と、二人を中学に向けて引っ張って行く。

 

「流石姐さん!!」

「あの修羅場を一瞬で!!」

 

 と、地元のガキ大将である爆豪の舎弟(的な何か)達からそんな声が上がるが、無視することにした。

 

(何で私は爆豪の組の姉御になってるんだろう…………。)

 

 そんな事を考えながら。

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

《Side アソーカ》

 

「はーい。それじゃあ進路希望の紙を配るぞ~。」

 

 と、先生がやる気の無さそうに紙を配ろうとして

 

「といっても…………。」

 

 と、手を止める。

 

「だいたいみんな、ヒーロー科志望だよなぁ!!」

 

 と言ってプリントをばら撒く。職務放棄…………。

 

「「「イェーイ!!」」」

 

 みんなも自分の個性を見せびらかしながら大騒ぎする。学級崩壊…………。

 

「センセ~。皆とか一緒くたにすんなよ。こんな没個性どもとさぁ。」

 

 その瞬間、いつも通り(と言っては難だけど)爆弾投下する爆豪。いつも鎮火するの私なんだけど…………。

 

「ああ、そう言えば爆豪、雄英志望だったな。」

 

 その言葉に、周囲がざわつく。それもそのはず。雄英高校と言えば、偏差値79.受験倍率は800越えの、超名門。ヒーロー科は東の雄英、西の士傑と呼ばれる二台高校が、トップヒーローへの登竜門と言われていた。

 それにざわつく皆に爆豪は不敵に笑った。

 

「そう言えば、アソーカと緑谷も雄英志望だったよな。」

 

 その言葉で、私と出久に注目が移った。

 

「まぁね。私だってヒーロー目指してるんだし。望みは高く持たなくちゃ。」

 

 そんな事を言いながら、地面に落ちてる進路相談表に手を向ける。

 フッ、と進路相談表が浮かび上がり、みんなの机に分配される。かつて私がジェダイだったころに使っている、フォースだ。これを【念動力】として【個性】に登録してる。本来の個性は、ちょと危ないからね。

 

「それにしても…………。」

 

 と、一人の生徒の言葉を筆頭に、クラス全員の視線が、出久に集中した。

 

「緑谷ァ~?無理だろ!!頭いいだけじゃ雄英には入れないぜ~!!」

 

 その言葉でドッと辺りが笑う。そんなこんなで、ホームルームは続いた。

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

【放課後】

 

 《No Side》

「オイこらデクゥ!!」

「ヒィッ!!」

 

 幼少のころ、爆豪にデクと言うあだ名を付けられてから、これは周囲公認のスラングとなっていた。今も緑谷は、学校の屋上で、三人ほどの青年に囲まれていた。

 

「お前雄英受けるんだっけ?」

「無理だろ~ギャハハ!!」

 

 と、囲んで緑谷をあざ笑う。

 

「でも……でも……そんなのやってみないと分からないじゃないか…………。」

「ハァ?うるせぇよ。」

 

 そう言うとその青年は、【個性】で指を伸ばし、緑谷のカバンからノートを取り上げた。

 

「そんな夢見る緑谷少年には、オシオキだぜ!!」

「や、やめて!!」

 

 そんな言葉に耳を貸さず、ライターでノートを燃やしてしまった。しかも、火が燃えている間、緑谷が止めに行かないように残りの二人が【個性】を使い抑える。

 

「あ、ああ…………。」

「でもさぁ、そんな君にも、一つだけ、雄英受かるチャンスがあるよ。」

 

 と、ニヤ着いた笑みでノートの燃えカスの前で崩れ落ちる緑谷に、彼は近づいた。

 

「何だっていうのさ!!」

 

 涙ながらに怒鳴った緑谷に、屋上のフェンスを指さした。

 

「来世じゃ個性があると信じて…………屋上からのワンチャンダイブ!!」

 

 その言葉に周りがドッと沸いた。

 

「ギャハハ!!ウケる!!」

「何だよそれ、もっかい言ってくれよ。なんだっけ?ワンチャンダぶふぇ!?」

 

 その瞬間、大笑いしていた奴の一人が、殴り飛ばされた。

 

「へぇ、面白れぇ事してんじゃねぇか。で?何だっけ。俺にも聞かせろよ。」

 

 そこには、悪魔のような微笑みをした、爆豪がいた。

 

「か、かっちゃん!?」

「ば、爆豪!?」

 

 緑谷といじめっ子は同時に驚く。

 

「で、何だっけ?ワンチャンダイブ?そうだなぁ。ちょうどいいや。たかが指を伸ばすだけの没個性。テメェじゃヒーロー無理だろ。来世に望みをかけて…………やってみるか?」

「ひ、ヒィッ!!も、もうしねぇよぉ!!」

 

 爆豪に詰め寄られた彼らは、大慌てで逃げて行った。

 

「チッ、ウゼェモブどもが。」

 

 彼らを尻目に見た爆豪は、そう言うと緑谷の方に来た。

 

「か、かっちゃんその…………、ありがとう。」

 

 脅えながら幼馴染にお礼を言う緑谷だったが、爆豪は彼に無言で近付くと、

 

「ふざけてんじゃねぇぞデクゥ!!」

「ヒィッ!!」

「何でオマエがヒーロー科受けるんだ!?記念受験か!?アァ!?」

「い、いや、僕だって…………。」

「あんなモブどもにも抵抗できないクソナードに何ができるってんだ!?」

「そ、それは…………。」

「テメェにゃ、無理なんだよ!!諦めろや!!」

 

 そう言って彼を投げ飛ばし、歩いて行った。

 

「僕は…………僕は…………。」

 

 緑谷は投げ飛ばされたまま、緑谷はそう呟いていた。

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

《No Side》

 

 そのまま帰路についた爆豪だったが、通学路の一つ目の交差点で足を止めた。

 

「や、爆豪。」

 

 アソーカが、そこで壁に寄りかかり待っていたのだ。

 

「…………何の用だよ。」

「分かってるクセに。また出久になんか言って来たんでしょ。」

「…………歩きながらでいいだろ。」

 

 いつもとは違う感じに顔を歪め、そう言いながら彼女の前を歩いていく。

 

「で、何でそんな顔してんのよ?」

「…………折れた。」

 

 軽い口で、そんな事を言ったアソーカは、爆豪の言葉で、顔を顰めた。

 

「…………出久が?」

「ああ。いじめっ子一人に勝てなくて何がヒーローになるだ。っつったらな。」

「絶対もっと棘のある言い方したでしょ…………でも、そっか…………成功したら成功したで、うれしいやら悲しいやら…………。」

 

 アソーカも、いつもより少し悲しそうな顔をする。しかし、その顔は肩の荷が下りたかのような表情をしていた。

 

「仕方ねぇよ。アイツがヒーローになったとして、アイツを死なせてオバサン悲しませるわけにはいかねぇからな。」

「無個性でヒーローは…………やっぱり無理だよね。いつだって死と隣り合わせなわけだし。」

「ああ…………。」

「出久も、運が悪かったって諦めてもらうしかないね。」

 

 そう言って、二人はそのまま帰路についた。

 少し離れた後ろで、緑谷が隠れてその話を聞いていることを知らずに。

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

《No Side》

 

 緑谷はそのまま、とぼとぼと、帰り道とは違う方向に歩いていた。

 

「僕は…………僕は…………。」

 

 虐められてる緑谷にとって、いじめっ子たちを止めてくれるアソーカは、心の支えだった。しかし、そのアソーカが、自分にヒーローになれない現実を完全に突き付けた爆豪と、仲良さそうに、「出久にヒーローは無理」と言っているところを見てしまった彼は、失意の果てにいた。

 

「ワンチャン……ダイブ………。」

 

 そう呟いて、近くの雑居ビルに入って行く。階段を上り、屋上に来た。誰も見てないのを確認して、フェンスを乗り越える。

 

「かっちゃん…………。君のせいだ。」

 

 彼を責めるように一言。そう言うと、彼は屋上から飛び降りた。

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