二度目の異世界で世界最恐   作:霜雪白色

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その後と暴露

魚人騒動の後、案の定というべきか魚人騒動によってトラウマや怪我あったものを除いたクラスメイト達やメルドなどの主要人物を集めて緊急の会議が開かれていた。損傷の少ない魚人の死体を確保し解剖したことで判明した事実を文官の一人が説明していた。

 

「今回の一件、使徒様達が倒した魔物と思われし生物を解体、解析したところ魔石のないことが判明、魔物の類ではないことがわかりました。」

 

ガヤガヤ

 

「静粛にしてください。他にも進化体と思われる個体が現在二匹程確認されており片方は死体の損傷の限りない、完璧に近い状態で倒しておりそちらは研究所に送られました。もう一体は自爆し肉片となることで逃走したとわかっております。こちらは騎士団の総力を上げて捜索しています。対峙した使徒様からの情報では強い毒性を持っているとのこと、進化体ではない個体も数多く逃亡しています皆様には気をつけていただきたいと思います。」

 

逃げられたことに一層ざわめく貴族達、王族も難しい顔をして結界がなぜ無視されたのかと疑問を投げつけた。

 

「結界に関しては突破されたり、綻びが発生した記録はありません。私観ではありますが結界内から発生したのではないのでしょうか」

 

その報告に再びざわめく、魔人族の仕業か?などといった根も葉もない噂に騎士団の一人が顔を強張らせ結界のアーティファクトを守護を強化することを進言した。魚人に結界を破壊されては魔人族が攻めて来るかもしないと思ったからだ。

 

「確かに、魔人族の仕業ならあり得なくは無いな。」

 

メルドがそう呟き王族も許可し、守護を固める事になる。その後も会議は続き一通りのことは決まった後……

 

「何よりの問題は二人の使徒様が使った『星具』でしょう。」

 

文官がそう言うと場が沈黙した。

 

「使徒様方の世界でもこの世界でもない。全く別の世界の武具か」

 

武人として有名な貴族の一人がそう呟くとクラスメイトや教会も空席になっている二つの席に視線が集中する。

 

「使用者を決定すれば死なない限り、使用者の同意を得て特別な儀式をしないと使用者の変更などができず、魔力を使わない特別な武具、ですか」

 

リリアーナ王女がそう聞き文官が頷いた。ハイヒリ王国としてはイレギュラーな存在だ。無論、イシュタルを始めとする何人かは星具の提供という名の強奪をしようとしたが星具の自動返還能力によって諦めざるを得なくなった。零士のものは肉体と完全に融合している為そもそも不可能だった。

 

今回の会議は二人ーー星宮零士と中村恵里の対応を決める会議でもある。二人は地球にいた頃から持っていたと言っていたのだ。

貴族は使徒様の中でも高い実力を持つなら他の使徒様より高待遇にするべきやら殺して星具を奪ってしまえやらそんなことが次々と上がってくる。殺すことを提案された貴族は光輝や愛子の反論によって黙りざるを得なくなった。

少し経ち、貴族は零士に対して婚約者を送りつけようと自分の令嬢の名を挙げ始める。ハジメなどの零士に対して恋心を抱く者や零士をよく思っていないものとしてはあまり良いものではなかった。

なぜ婚姻について話題になったかと言うと零士の星具は肉体との融合をしている完全融合型、完全融合型との間に生まれた子供はその子供の性質によるが一部が遺伝するのだ。その事実を知った王国上層部達は先を見越して零士に大量の婚約者を送りつけようと模索し出したのだ。

この情報は今は自分達なりに魚人の捜索を続けている零士達は言ってなかったが愉快犯のダハーカが分身を生成して報告したのだ。

後日、零士と恵里はダハーカに対して本気で怒る事になるのは言わなくとも良いだろう。

 

イシュタルがゆっくりと手を挙げると会議の場は静かになった。教会の権力が最高峰のハイヒリ王国ならではと言える。そんな静寂の中イシュタルは頬を歪ませて側にいたシスターを婚約者兼監視にすることを告げた。

 

「はじめまして星宮零士様、中村恵里様。この度星宮零士様の婚約者又お二人の監視を命じられた″ノイント″と申します。」

 

「「は?」」

 

「今日からは共に行動する事になりますのでよろしくお願い致します。」

 

「「はぁっ!?」」

 

銀髪碧眼の美少女がそう告げ、一緒に食事をとっていた零士と恵里は珍しく驚愕に声を上げた。

 

その後、零士と恵里がノイントなる人物に問い詰めたところ、星具使いである二人の監視、そして零士との子供を作ってエヒトに献上することが目的と素直に言った。

 

「今夜、早速夜伽に……」

 

「待て待て待て、え、ちょなんで完全融合型のこと……」

 

恵里)ブンブンっ!

 

「ダハーカ様が教えてくださいましたよ?」

 

「「ハァ」」

 

零士と恵里は頭を覆って大きなそれは大きなため息を吐いた。最近召喚に魚人騒ぎとトラブルが絶えないのにさらに追い討ちで婚約者などと捜索で判明した事実などで頭を抱えたくなった。

零士は能力によって理解してしまったノイントの正体を同じく能力によって察した恵里とアイコンタクトをして黙っていることにした。

 

「魚人騒ぎは……」

 

「あの一件に関しては王族の方々はもちろん、結界のアーティファクトや宝物庫の警備を強めることになりました。結界には破壊された痕跡などもなく魔人族がなんらかの手を使ったと思われているそうです。」

 

現実逃避と共に会議での魚人の一件について聞くとノイントがそう言い、零士と恵里はお互いの能力でノイントが嘘を言っていないのを確信し、一体何が原因で魚人達が現れたのかと考え、独自の調査によって判明したことを言おうとすると……

 

『ハァイ、ノイント、俺が渡した情報は期待通り面白い状況を使っているな』

 

愉快犯(ダハーカ)がやって来た。零士の右腕のみが星具化し手の甲にある蛇の頭部から聞こえて来た。零士と恵里は目を鋭くして文句を言おうと口を開くがその前に珍しくダハーカが真剣な声音で捜索で明らかになった事実を告げた。

 

『文句なら幾らでも聞くさ、それよりも問題なのは魚人共がワープゲートを持っている可能性が高いことと、新たな進化体が発生した痕跡の方が大事だと思うがね』

 

ダハーカが言った言葉にノイントは一瞬固まったがすぐに再起動してダハーカに問い詰めようとするが頭を抱えている零士と恵里の姿にノイントは目を細めて語りかけた。

 

「どうゆうことですか?」

 

淡々とした声音だったが少し棘があるなぁと思いながらも零士は答える。

 

「あー、俺は生物の波長みたいなものを把握できるんだけど、街を練り歩いた限りなんだか、魚人達の波長は無かったんだが下水道に魚人達のものと思われる痕跡があった。」

 

街の中いなかったことと地面をまるで水のように潜水できたことから地下にいると考え、魚人ということもあり下水道に向かったのだ。

 

回想

 

「やっぱりここにいたのか」

 

下水道の内には魚人の鱗が地面に落ちており、ここにいたという証拠だ。しかし、波長による探知や星具の翼を使っても魚人の一人もいないことに違和感を感じた。

 

「どう、零士何か居た」

 

恵里がそう聞いてきたので零士は能力を使った探知や星具の翼を使っても影ひとつもなかったことを話した。

 

「……何かがあるのは確実だね」

 

恵里が警戒心を強めた表情でそう言ってきたので零士も無言で頷き、先へと進んで行った。

 

「なっ!?」

 

恵里は『それ』を見た瞬間思わず声を出し、零士はスゥと目を細めた。『それ』は爪痕だった。4本の大きな鉤爪で引っ掻いた跡が壁に大きく残っていた。その近くには鱗が大量に落ちていた。そして……

 

「こっちは水の跡が途中で途切れてる」

 

下水道の水から道の途中で跡が途絶えている。明らかに不自然に途絶えている。まるでそこから別の空間に行ったかのように……

 

「明らかにワープゲートとか転移魔法のアイテムとかあったぽいよなぁ」

 

「魔人族が犯人だと仮定すると向こうはもうそこまでの技術力を持っているってこと?」

 

「いや、それだったら結界のアーティファクトを壊して進軍してるだろ。」

 

「確かに、そんな技術が有れば人間族は滅んでるか……」

 

零士のボヤキに恵里が魔人族が犯人だと仮定して魚人は魔人族が使役した魔獣ではないかと言うが零士はアーティファクトが手付かずにする理由がないと返す。

その返しに恵里は納得するように頷いて零士がいつの間に持っていた長方四角形の箱にレンズらしきものが取り付けられたカメラに似たものに気がついた。

 

「なにそれ」

 

「これ?なんでも風景を写しとるアーティファクトらしい。調査のために騎士の人たちからちょっとの間借りてる。」

 

まんまカメラだった。異世界にてカメラがあったことにもはや呆れるしかない恵里に零士は珍しく苦笑いして鱗や壁の爪痕などを写しとっていく。

このアーティファクト、慣れがないと上手く写らないのだが初めて撮る割には綺麗に撮れている、実は少し星具を使ってアーティファクトの能力を安定化しているのだ。

 

一通り撮った後、保安書や騎士団の人達などにアーティファクトによる写真モドキを渡し、早期に下水道を調査することになった。

零士と恵里は下水道にいた為少し汚れていたので『一緒』に入り、出た後に髪をかき上げていつもスカーフによって隠れているうなじを珍しく露出し、簡単なものに着替えた零士に対して偶然にも魚人騒動の際に助けられて一目惚れをしたメイド達が遭遇して全員鼻血を出して幸せそうに倒れていたのを目撃した恵里の表情がちょっと複雑そうだったのは言わずもがなだろう。

 

その後、クラスメイト達との一応の説明のため、今現在かなり早めに食事を取っていた。

 

回想終了

 

「……とまぁ、こんな感じかな。ご馳走様でした」

 

「ご馳走様」

 

「そうでしたか、詳しい話をありがとうございます。」

 

説明している合間にも食べていた零士と恵里は全て食べ終え、懐からアーティファクトから取り出した数枚ある写真を食器を退かしてテーブルに並べていると……

 

「いきなりなに?クラスメイト集合なんて」

 

零士がメイド達に頼んでクラスメイト達を呼んでもらったのだ。クラスメイトの代表者として園部優香が零士に些か棘のある声音で聞いてきた。

 

よく見ればクラスメイト達の視線が些か別れている。零士と恵里に嫉妬する者、只々実力に圧倒されて尊敬の眼差しを向ける者、魚人騒動で恐怖心を抱き周囲を警戒し続ける者。視線に含まれる感情は違うが一体として考えていることは零士と恵里を特別視していることだろう。

 

今まで零士に対して軽蔑していたが零士と恵里が地球にいた時から星具を持っていたこと、その気になれば人を殺せたことに恐怖する視線が多い。

 

「ちょっと、魚人騒動について使徒様絡みで話すことがいろいろあってね。」

 

零士が周囲に視線を向けるがいつのまにかノイントがいない、おそらくクラスメイト達との話し合いについて部外者であるため退場したのだろう。

 

クラスメイト達は魚人騒動と聞くと強張った表情になる。クラスメイト達も幼体とはいえ魚人を何体か倒しており、訓練で魔獣を殺しているがまだまだ未熟で腹に槍を刺され一命を取り留めた者や目の前で他人が切られて今で尚トラウマになっていえ顔を青ざめた者もいる。

 

「俺達は今回の魚人騒動があったことや使徒達が緊急時にうまく対応できてなかったことから戦術面、もしもの時に対応出来る様に使徒達によるチーム戦の実践訓練があることがメルド団長から聞かされた」

 

「チーム戦?」

 

零士の言ったことに雫が疑問の声をあげたが蟹魚人の戦いで骨のいくつかは折れ、回復魔法の効果も魚人特有のものか治りが遅いため今も包帯に巻かれ、今も急に動いたため痛みで蹲ってしまう。すぐに香織が雫を支えて零士に対して疑問を投げる。

 

「そんなこと私たちは聞いてないけど?」

 

ガヤガヤガヤガヤ

 

「もちろん全員完治してからやるとのことだ。メルド団長も今回のことを受けてより一層訓練に力が入っているみたいでな、実戦に近い形式の訓練や非常時の魔法や薬などを使わない治療法や戦術などの座学もより多く組み込みことになりテストもするとのことだ。」

 

零士が語った内容を聞いてクラスメイト達は顔を引き締めたが座学のテストで何人かが思わず顔を顰めた。テストと聞くとあまりいい気分はしないだろう

 

「なんで聞いてないかだけど座学の一部やチーム戦をメルド団長達ではなく俺たち二人が試験官 ・・・になることになったからだ。」

 

『はぁ!?』

 

「理由は簡単で俺達は異世界召喚って言うか異世界に転移することになるのは二回目だから」

 

『はぁ!!?』

 

「ちょっと待ってください!異世界に転移するのが二回目ってどうゆうことですか!?」

 

零士のサラッと告げた内容に愛子が思わず声を上げた。

 

「そうよ!何か証拠はあるの!」

 

「証拠ならこれを『ステータス開示』」

 

愛子の言葉に反応した女子生徒に対して零士は異世界のステータスを開示した。実は恵里と相談してクラスがメイトがもし死んでそんなに強いのになんで隠してたんだとならないようにしたのだ。

 

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星宮 零士      

種族:混合人造人間 キメラヒューマノイド 職業:処刑人Lv.90

HP:測定不能 

攻撃力:40000 

防御力:30000

魔力:測定不能

 

スキル:混合怪物 キメラモンスターLv.MAX スラッシュLv.9 ショットLv.9 処刑術Lv.5 陰陽魔法Lv.7

エクストラスキル:幻想異能Lv.MAX 精霊異能Lv.MAX ■■■■■Lv.Unknown 

 

称号:作られた勇者 英雄 冷徹無情 名前の無い怪物 奇跡の子 蛇遣い座の冥王 ■■■■■■■■■■■■

SP:400

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「な、なにこれ!?」

 

突如として現れた光の板状のものに視線を向けるを確認するとすぐにそれを消して波紋のない澄んだ目を向けるとクラスメイト達は身じろぎしてするがクラスメイトの一人は零士に向かって声を上げる。

 

「二度目ってことなら帰る手段も……」

 

「無理、あれはかなり特殊な古代魔導兵器の改修版で十年掛かってようやく一回使えるって代物だ。申し訳ないけど『アイガス』に今もあっちの神様達にも探知されないよう特殊な結界に隠蔽されている」

 

「アイガス?」

 

雫が零士の話の中にあった聞き覚えのない単語に思わず聞き返した。

 

「俺たちが最初に転移した世界で星具のあった世界、月が4つだったり島が浮かんでいたり全ての種族が表向きとはいえきちんとそれぞれ手を取り合い国の形をしている世界だ。」

 

星具のあった世界。それを聞いた瞬間クラスメイト達の表情が強張った。それもそのはずクラスメイト達の大半はそれを使った戦闘を見ていたのだ。

星具がいかに強力かはクラスメイト内だと自分の目と実際に見た者からどれほどだったから聞かされた者で別れるが全員に伝わっている。

 

「……なぁ、さっき光の板に混合人造人間 キメラヒューマノイドって書かれていた気がするんだけど、気のせいだよな」

 

「……あまり、気分の良い話ではないけどいいか?」

 

男子生徒が恐る恐る声をかけてきた。そのことに零士を落ち着いた様子呟く。その目はやけに静かでしかし確かな決意を感じさせる目だった。恵里はその目を見て俯いた。まるで必死に何かを隠そうとするみたいに……

 

そして……

 

「俺はね、アイガスに代々語り継がれる大十二星具勇者その13人目の勇者、蛇遣い座の勇者として人工的に造られた人造人間なんだよ。」

 

脅威の事実が明かされた。




『アイガス』

零士と恵里が最初に来た異世界にして零士と恵里の過去と根深く関わっている世界。

初代勇者の活躍によって種族間の500年戦争を乗り越えて平和になっている世界。
月が4つあり緑の月の『シルフィ』、赤い月『サラマンダー』、青い『ウンディーネ』、黄色の月『ノーム』と魔法に使われる主な属性に関わる精霊の名称になっている。そのため信仰の対象になっている。

『アイガスの種族』
ヒューマン、エルフ、ドワーフ、マーメイド、妖精、ビューマン、竜族、魔族と大きく分けて8つの種族がある。ビューマンは獣人族のこと。初代勇者に活躍のおかげで500年戦争が終結し、互いの戦争行動の禁止を神によって他国の襲撃が出来なくなっている。しかし、種族による差別は未だ根深く奴隷にすることも少なくない。奴隷の存在は未だ残っており、そのことに各国が頭を悩ませている。

『大十二星具勇者』

500年戦争に神によって呼ばれた初代勇者の所持していた黄道大星具を仲間や国に裏切られた経験から他者との繋がりと星具の能力別に扱うことを重要視したことにより独自にそれぞれの特性別に12個に分けてそれぞれが最も相性の良い勇者のこと。
基本アイガスに住んでいる人物がこれに当てはまるが長い時を経て劣化しており異世界から呼ばれることが多くなっている。事実零士達が異世界に転移際の勇者の半数が異世界人だった。
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