千里の果てにあるものは 作:匿名
ギルガメッシュと別れ、衛宮や遠坂と少し会話をしたあと俺は思惑通りカルデアに勧誘され、マスター候補47番となった。そんなカルデアの中で俺はサボり魔としての名を確立した。なぜかって?理由は単純、レフ・ライノールに勘づかれないようにファーストオーダーの際にサボるためだ。あの爆発に飲まれれば人理修復とか言ってる場合じゃない。レフ・ライノールを始末できないかとも考えたがまあ無理だろう。ソロモン七十二柱と戦えるとは思えない。サーヴァントでもいるなら話は変わるのだろうが。というわけで今俺はとある部屋でロマン──ロマニ・アーキマン。またの名を、ソロモンと空き部屋の一室でケーキを食べてサボっていた。
「美味しいな、このケーキ」
「そうだろう?ボクも奮発して買ったんだ」
「へぇ──ん?誰か来るぞ」
「本当かい?誰かな…」
ウィーンと音がして扉が開くとそこに居たのはオレンジの髪に橙の目をした少女…藤丸立香が居た。このカルデアに来た際に見えた未来で世界を救うために奔走していた少女だ。どのような場所を巡り、どのような敵と戦ったのかはまだ分からない。何せ、見えるはずの未来は焼却されているのだから。見えているのはカルデアに関する未来のみ。つまりあらゆる場所を巡り、人理焼却を乗り越えた後、謎の存在が襲来し隕石によって壊滅させられる未来そこまでしか見えていない。人理焼却以外にも何かあるのか…?とは考えるがそれ以上は見えていないため分からない。恐らく千里眼の力で見えるのは、焼却されない場所に行けばその場所で起こる未来までなのだろう。
「ええと、あなた達は…?」
「俺は薄明悠人。んで、こっちがロマニ・アーキマン…まあ、ロマンって呼べばいいんじゃないかな」
「えぇ!?ボクの自己紹介全部取られた!?」
「あはは…私は藤丸立香です。よろしくね!」
少しそうして雑談していると、唐突にロマンの端末に通話がかかってくる。それを盗み聞きしているとレフからのようで、なんでも直ぐに作戦室に来て欲しい云々との事だった。通話が切れると慌てて作戦室に向かおうとした瞬間──爆音が轟き、俺たちがいる場所にまで振動が来る。千里眼で見てみると、眼に映るのは炎に包まれた作戦室が見える。…あの細工がしっかり機能していればいいんだが。
「ロマン!」
「ああ!藤丸ちゃんはここにいてくれ!」
俺とロマニは作戦室へと走る。後ろを見てみると困惑してはいるものの、覚悟を決めた様子で着いてきている藤丸立香。
「私も行くよ!」
「えぇ!?…ああもう!分かったけどボクの指示には従ってくれよ!?」
「うん!」
俺たちが作戦室につくとそこにはやはり千里眼で見えた通り、炎に包まれ地獄の様相を呈していた。
「…最悪だな。ロマニ、あっちは任せた」
「任せてくれ!キミたちは生存者を探してくれ!」
「マシュー!どこにいるのー?」
藤丸立香がマシュを探し始めたので、俺は細工の確認に行く。…よし、上手くいっていたようだな。その細工を俺用のレイシフトのコフィンに入れ生命の保護を行う。これでよしっと。
「…カルデアスが真っ赤になっているな」
これが人理焼却の影響なのだろう。つまり只今を持って人類の歴史は消滅した。
「グランドオーダー──実証開始」
カルデアスの起動により、俺と藤丸立香のレイシフトが開始する。──運がいい。俺のレイシフト適性が低かったらここでレイシフト出来ずに取り残されるところだった。
冬木の年代はこの世界基準の第五次聖杯戦争の年代になってます。ユルシテ…