千里の果てにあるものは 作:匿名
不定期更新過ぎてもう飽きられてるんじゃないかと思いつつも投稿します。
実は作者は今丁度高校三年生でして、進学やらなんやらで忙しくて投稿できてなかった…という言い訳だけさせてください。
あと、今更ですがお気に入り3000人越えありがとうございます!
なんかもうちょいで4000行きそうな勢いですけど…(恐怖)
感想もいつでもお待ちしております!
マシュが擬似的に展開した宝具をオルガマリーが『ロード・カルデアス』と名づけ、コレでマシュも一人前の英霊の仲間入りだ。…あの白亜の城が見えたのは俺だけだったらしいが。千里眼のせいか?
「さぁて、ここだ」
考え事をしているとキャスターが立ち止まる。ハッとして前を見るとそこは洞窟があった。
「この先に聖杯戦争を歪めた黒幕がいるのか」
「おうさ。気をやられんなよ?この先にいるのはかの高名な騎士王──アーサー王なんだからな」
ニヤリと笑ったキャスターの言葉に絶句する面々。…エルキドゥは楽しげに微笑むだけだったが。
「でも、結局はアーサー王を倒さなきゃ行けないんだよね?ですよね、所長!」
「…ええ、そうよ。どちらにせよこの特異点を解決しない限り私たちはカルデアへは帰れない」
心底嫌そうな顔をするオルガマリーと握りこぶしをして気合を入れている立香を横目にキャスターの先導に従って辿り着いたのは洞窟の中とは思えないほど開けた空間。そしてその中央には黄金に輝く杯。
「あれが聖杯……超抜級の魔力炉心がなんでこんな極東の地にあるのよ!?」
『資料によれば、アインツベルン家によって400年前に作られたもののようです』
そしてその黄金の杯の下には、一人の騎士が佇んでいた。闇に染った聖剣を地面に突き立て美しかった蒼眼などなかったと嘲笑うような色の無い金色の眼でこちらを見つめていた。数秒俺と目が合うが、相手側から目を逸らし、逸らした先にいたマシュを見て笑う。
「──ほう、面白いものがいるな」
「んなっ!?てめぇ喋れたのかよ!?」
口元を歪めて言う騎士王に驚きの声を上げるキャスター。それを聞いて鼻を鳴らした騎士王は淡々と告げる。
「ふん、何をしても見られている故な、案山子に徹していた。──だが」
ゆらりと金色の目が捉えたのはマシュ…の、その手に持つ大盾。
「面白い宝具を持っているな、小娘」
「えっ!?わ、私ですか!?」
「…油断するなよ、マシュ。アレは騎士王ではあるが、騎士の誇りだとかを捨て去った果てにあるものだ」
封じているはずの千里眼が騎士王を見た瞬間に勝手に封印を突き破ってきた。そして見えたのは話している途中に切り捨てられるキャスターや俺、立香、マシュ、オルガマリー…まあ、騎士の誇りなんてあってないようなものだろう。
「ほお、よく分かっているなマーリンと同じ眼を持つ男よ…胡散臭い花の魔術師の顔を思い出す」
「おい、
心の底から寒気がした。あれと同類とか死にたくなってくる。まあ確かに眼の性質は似てはいるが。
「これは失礼した…さて、談笑はこれくらいにしておこう」
心底嫌そうな顔をしているだろう俺を見て口元を歪める騎士王だったが、そう告げた頃には全ての感情を捨て去ったような無表情になり、地面に突き立てていた漆黒の聖剣を頭上に掲げる。
「嬢ちゃんッ!宝具の準備をしな!アレは正しく世界最強の聖剣──アーサー王の振るう二振りの選定の剣の一本だ!」
『──!エクスカリバー!星の内海で鍛えられた最強の聖剣か!!みんな気をつけてくれ!冗談じゃない量の魔力があの剣に集まっている!!』
禍々しい漆黒の魔力が剣に集まり、まるで光の柱のように空へと伸びていく。
「──卑王鉄槌 極光は反転する!光を呑め!」
「──ッ!宝具、展開します!」
聖剣を振り下ろそうとする騎士王を見て、焦ったような表情で地面に盾を突き立てるマシュ。俺たちはそれをただ見守ることしか出来ない。というか、流石の英雄王の蔵から宝具を引っ張りだそうにも俺が起動出来ないためマシュに頼るしかない。エルキドゥも同じだ。相殺はできてもその後に斬られれば終わる。…耐えてくれよ。
「────
「仮想宝具──
漆黒の光線とも言うべき一撃が迫る。そして俺たちの前に築かれるのは不朽不滅の防護壁。俺の思う通りの英雄がマシュに宿っているのなら、信じる限りこの宝具は突破されないはずだ。
「うぅああああああああああああ!!!!」
ガリガリと地面を削りながら耐えるマシュ。どうにか手助け出来ないものかと思考していると、突如俺の横にいた少女…藤丸立香が駆け出した。
「藤丸!?何をしているの!戻りなさい!」
「嫌です!行こう!マシュ!!」
「──はいッ!先輩!」
マシュの横につき、手を握る立香。…無茶無謀もいいところだ。でも、これなら──。
「キャスター!マシュと立香に援護の魔術を!ランサー!防ぎきったらお前の出番だ!」
「ハッ、任せなぁ!」
「宝具だね?分かるともッ!」
立香の代わりにキャスターに魔力を流すとその魔力でキャスターが高速でルーンを刻み、マシュと立香に魔術的な加護を与える。その間に俺はエルキドゥへ魔力を回す。
『───マシュが防ぎきったぞ!!』
「良くやった──後は任せろ。ランサー!宝具を!」
漆黒の光線と不朽不滅の防護壁が消えたと同時に空が黄金に染まる。その場にいた全員が空を見ると、そこには黄金に輝く翠の美しき人。
「呼び起こすは星の息吹。人と共に歩もう、僕は。故に──」
天へと昇っていく大量の鎖。それを見て騎士王が聖剣に魔力を貯め始める。
「──やらせねぇよ!アンサズ!!」
炎のルーンが飛んでいく。しかしそれは、強力な対魔力によってレジストされるが、それでも一瞬はそちらに目を向ける。
「──
大量の黄金の鎖がエルキドゥに集まるように融合し、一本の大きな鎖となって騎士王へと突進していく。それを見て騎士王が聖剣で迎え撃とうとするが対応の間もなく黄金の鎖に飲み込まれていく。地面が陥没し、大きなクレーターとなるほどの一撃が晴れるとそこには消えかけている騎士王とこちらへと帰ってこようとしているエルキドゥの姿があった。
「勝った…のか?」
「おうよ、ここまでやりゃ流石の騎士王も──」
キャスターがそう言ったその瞬間、千里眼が起動する。その光景を見た瞬間全力で駆け出す。すると、バン!と爆発するような音と共に騎士王の姿が掻き消える。その身に纏うは聖剣の鞘。
「有り得ない──」
「フッ、今の私に奇跡は無いが…所有者権限で少しならば展開できる。防ぐことは出来なかったが──貴様の首は貰っていこう!」
立香を突き飛ばし、前を向くとそこに居たのは聖剣を俺の首元目掛けて振るう騎士王の姿。せめてもの抵抗で腕を交差させて防ごうとする。そのまま聖剣は俺にぶつかる──前に
「ガァッ…!」
「グッ…馬鹿な、聖剣が…!?」
壁に叩きつけられて肺から空気が抜けて息苦しくなる。頭も打ったのか視界がぼやける。前を見ると聖剣を見つめて驚いたように目を見開く騎士王の姿。薄れゆく景色の中で──白いナニカを見たような、そんな気がした。
こんな感じで特異点Fは終わりです。
まさかの意識不明状態で終わらせるというね。
次回が書けるタイミングがあるか分かりませんがその時にお会いしましょう。
ちなみに、聖剣の鞘ことアヴァロンを纏えたのは騎士王の意地です。聖剣を防がれ、戦いになる前に倒されまいという騎士王の意地でほんの少しだけ展開できた…ただそれだけの事です。
千里眼を持ってるハルトくんにも謎が多いかと思いますが、後々分かるので今はあんまり気にしなくていいです。
感想欄での質問もネタバレになりそうなものはスルーするのでよろしくお願いします。
感想を返せるかもよく分からんのですが。