〜ハイスクールD×Dに転生したらしい〜 特典は『市丸ギン』…ってはぁ!? 作:四木シロ
読むのと実際に見るのじゃ衝撃が違うなぁ
side:第三者視点
ここはとある学園…。その校庭に男子生徒が三人、川の字になって寝っ転がっていた。
「なあ、元浜、松田、俺たちは何のためにこの学校に入学してきた…。」
「我が駒王学園は女子高から共学に変わって間も無ぇ。よって男女比率は圧倒的に女子が多く、また海外からの美人留学生も多い。男子にとっては夢のような環境だ。」
「しかし我らは入学してこのかた、彼女等はできたこともない…。」
「ああ~彼女欲しいなぁ。」
「言うな、空しくなる。」
この三人は『駒王学園の変態三人組』と悪い意味で有名であった。最初に問いかけたのが『
「おっと、そろそろ行かねえと。」
「? どうしたんだよ松田。」
イッセーが松田に問いかけると…、振り向いた松田は、鼻の下を伸ばし切った顔でグッ!と指を立ててだらしなくにやけていた。
場所は校庭から変わって体育館裏、三人はコソコソしながら移動していた。
「いやぁ実はいいスポットを見つけてな。」
「まったく、それを俺たちに言わずに行こうとするなんてズルい奴だ。」
「抜け駆けなんてさせねえからな?俺たちもしっかり楽しませてもらうぜ!」
三人が話しているスポットというのは、今流行りの店でもなく、世間一般の高校生の遊び場であるカラオケ屋やゲーセンのことでもない…。
「さあ、ここがそのスポットだ。ここからは静かにな?あまり騒ぐとバレちまうからな。」
「わかっている。さあ、この先には桃源郷が…。」
「っておい!これ頑張っても二人しか見れねえじゃねえか!お前らどっちか途中で変われよ?!」
いざ、穴から覗こうとしていると突如後ろから…
「あぁ、こらアカン。」
何処からともなく声をかけられる。三人が目を向けるとそこには手を後ろに組みながらこちらに近づいてくる市丸ギンの姿があった。
「ゲッ!市丸ギン?!なんでこんなところに!?」
「なんやえらい嫌われてるなぁ?それと…こないなところ、はお互い様やろ?君らこそ何してるん?まさか、また懲りずに覗きなんてしよう、なんて言うんやないやろね?」
「イヤ!ベツニ?ってうぉ!!!!」ベシャッ
イッセーがしどろもどろになっていると後ろにいた元浜と松田に突き飛ばされ、前のめりに倒れてしまう。その隙に二人は逃げようとするが……。
「逃がさへんよ。」
ギンは後ろに回していた手を片手だけ前に出した。
「…縄?」
そう、ギンの手には縄が三つ握られており、ギンはそれを思い切り引っ張った。引っ張った瞬間、シュパァン!!
と三人の足に縄が括り付けられており、引っ張られた衝撃で逃げ出そうとしていた二人は地面に突っ伏すこととなった。
「な!いつの間に?!!」
「そら君らがここに来た時やけど?縄を罠として穴の前に置いといただけやよ。」
「まさか我らより先に来ていただと?!」
「あからさますぎやと思わへんかったん?「「「まさか、先に自分だけ覗いたのか???!!!」」」んなわけないやろ。穴見っけた時点で剣道部に言うて段ボールで向こう側から塞いでもろうたわ。」
「我らの桃源郷をぶち壊すとは…貴様それでも男か!?」
「なんでそうなるん…?まあ、それは置いといて、これで君らは逃げられんくなったわけやけど…個人的には投降をお勧めするで?」
「こちらとて、無抵抗で捕まるわけにはいかんのだ!こうなればここで貴様をボコしてでも逃げてやる!」
「よく言った元浜!それでこそ男だ!ここで日ごろの鬱憤を晴らすことができるチャンス!」
「松田の言う通りだぜ!モテない男の苦しみを思い知りやがれぇ!」
「「やめろイッセー!その言葉は俺たちにも効く!」」
「えー?ほんまにやるん?ボク荒事は苦手なんやけど……しゃーないか。」
「松田!元浜!ジェットストリームアタックを仕掛けるぞ!隊列を組め!!」
「「了解!!」」
イッセーの声を皮切りに三人組が縦一列に並び、ギンへと突っ込んでいく。対するギンは後ろに組んでいた手を前に回し、隠されていたものが明らかになった。その手には竹刀が握られており、ギンも変態たちに突っ込んでいった。あわや激突するかと思われたが、ぶつかる直前にギンは跳び上がり、イッセーの肩を足場として思い切り蹴り飛ばし、
「何?!俺を踏みd…おっぶええ!!」
イッセーは地面との熱烈なキスをすることになった。
さらに跳び上がったギンはそのまま後ろ二人を跳び越え、その途中で竹刀を一番後ろにいた松田は空中ひねりの勢いも乗せた竹刀の胴薙ぎを叩き込まれる。
最後に残った元浜は着地したギンの踏み込みとともに返された竹刀で松田と同じく胴に強烈な一本をくらった。
ここまでおよそ3秒。一連の(一方的な)攻防が瞬く間に終わり、しーん、と静寂が流れるが…その静けさはすぐに歓声が上がり打ち破られ、その場を包み込む…。歓声の発生源はいつの間にか周囲を囲んでいた女子たちであった。
「ほい、いっちょ上がりっと…。」
「……ど、どこが『荒事は苦手』、だよ。」
「動きが全く見えなかった…。これがモテる男の力か……。」
「まさか我々のジェットストリームアタックを正面から破るとは…ガクッ。」
「まったく、ボクをネタに巻き込まんでもろて。」
三人を制圧したギンはフゥ、と一息ついて…。パンパン、と手を叩き…
「ほらほら、お客さんのみんなも解散しぃ。時間は有限やで?少しでも充実した練習しぃや?」
ええー、と残念そうな声が上がるが、渋々女子たちは部活へと戻っていったが、ギンがそのうちの一人に声をかけ、
「はい、村山さん。竹刀おおきにね。これで教科書の貸しは返したで?」
実は以前、授業の教科書をギンが忘れてしまい、それを隣のクラスである村山から借りたことがありそのお返しとして剣道部の更衣室の見張りを頼まれた、というものだった。
「本当にお返しなんていいのに。」
「まあまあ、それだとボクの気ぃが済まないんで。」
「そ、それなら!今週末一緒に遊びに行かない?」
「お誘いは嬉しいんやけど、堪忍な?今週末は少し予定が入ってもうてるんよ。また今度誘ってくれへん?誘ってくれておおきにね?」
「そっか~、残念。」
「ほんま堪忍な?」
「いいよ、気にしないで!じゃあね!見張りありがとう!!」
「ほな、また。」
さて、このやり取りをまじかで見させられていた三人はというと……。
「「「…ッ!!……ッ!!!!…………ッ!」」」
血涙を流しながら、声も上げず泣いていた…。先程の竹刀による肉体的ダメージに合わせて目の前で
「なんで覗きの素晴らしさがわからねーんだよ!市丸ギン!お前さてはムッツリだな?!」
と覗きの素晴らしさを力説するイッセー達。松田と元浜がそうだ、そうだ、と続けている。
「人様に迷惑かけとんのに何言うてるん?君らこの学園じゃなかったら即退学もんやよ?それに、誰かに迷惑をかけるぐらいやったらムッツリでも構わへんよ…ボクは。大体、こんなことして、女の子の心に傷を残しでもしたらどないするん?最悪、男性恐怖症なるで?こないな事したら余計モテへんくなるやろうに、そんなんせんかったら君らモt…。」
ーーーモテそう、と続けようとしたギンであったが、引きずっている三人をちらっと見た後、また前を向きなおし、
「ごめん、前言撤回するわ。君らの中で希望がありそうなんは一人くらいかな?」
「おい!なんで言い切った!!あとその一人って誰だ!」
「いや、嘘言うたとしても傷つけるだけやなぁ、と思うて。あと、ボクが言うた人は君らの想像にお任せします。」
後ろでやいのやいの聞こえるが無視し、気が付けばすでに職員室前まで来ていた。
「すんませーん。いつもの三人連れてきました~。」
ギンがノックしながら声をかけると、中からドドド、と地響きが聞こえてきた。
「またか!?お前ら何度やれば気が済むんだ!」
中から出てきたのは生活指導員も兼任している男性体育教員…。因みにガチムチである。
「じゃあ、あとお願いします。」
「おう、市丸もありがとな!」
先生にイッセー達を預け、去ろうとするギンだったが、途中で、あっ、と声を上げて…
「今回は未遂なんで程々にしてやってください。」
「市丸の言いたいこともわかるんだが、何しろこいつらは常習犯だからなぁ…。まあ頭の隅くらいには置いておこう。」
「ボクも言うてみただけですからそこまで気にせんでいいですよ。すんません、失礼します。」
縛られている三人には、バイバーイと手を振ってギンはその場を後にした。
「相変わらず惚れ惚れするような太刀筋だったよ、ギン?」
「いきなり声かけんでや、
ギンが階段前を通り過ぎようとすると、突然声をかけられ少しビクッとしてしまう。階段に目を向けると、そこには金髪碧眼の美少年がちょうど階段を降りているところだった。
「ごめんごめん、ギンを見かけたから居ても立っても居られなかったからさ。」
こちらに笑顔を向けるこの美少年は『
「いつも言うてるけど、発言に気ぃ付けや?捉えられ方によってはボクらにホモ疑惑が浮上すんで?」
そう、先程も言ったがこの駒王学園は元女子高である。つまりは
「ねえ、あそこ見て!」 「うそ!金銀王子様揃い踏み?!」
また、ギンと木場はその顔の良さから『駒王学園の金銀王子』とも呼ばれている。そんな二人がなにやらよさげな会話をしているのだ…
「やっぱり『市×木場』かな?」「いやいや『木場×市』でしょ!」「純朴王子に迫られ、逃げられない飄々王子……良い!」
恰好の養分となるに決まっている。
「ほら言わんこっちゃない。思春期だからしゃーないとしても、題材にされる身からしたらたまったもんやないんやで?」
「あはは、ごめんごめん。でも、ギンとは仲良しでいたい気持ちは本物だからね…。避けたりしないでくれたらうれしいかな?」
「誰もそないなこと言うてないやろ?ボクだって裕斗とはいい友達でいたいわ。」
「「「キャー!」」」
「ギン?君分かってて言ってないかい?」
「はて何のことやら?」
ギンは肩をすくめながら笑って言った。
「ほんで?要件は?」
「あれ?要件がなきゃ声をかけちゃいけないのかい?」
「アカンことはないけど、顔に出とるで?僕は君に用がありますよー、いうて。」
「やっぱりギンにはバレちゃうか…。用というよりお願いなんだけど、明日の放課後少し手合わせ願えないかな?」
「明日かぁ…。ゴメンな?明日は少し外せへん用事があるんよ。ほんま堪忍な?」
「そっかぁ…。用事があるなら仕方ないね…。分かったよ。」
断られると捨てられた子犬のような表情になる木場。
「全っ然納得した、っていう顔には見えへんよ?ゴメンって、そない顔せんとてぇな、代わりと言っちゃあなんやけど来週の月曜なら空いとるから、そこでならええで?」
とギンは謝りながら木場の頭を慰めるように撫でた。
「ギン?僕もう頭を撫でられるような歳じゃないんだけど?」
「なら、機嫌直しぃ。いつまでもしけた表情するもんやないよ。」
本人たちはじゃれあっているようなつもりだろうが、あまりにも周りへの被害が大きすぎた。ギンたちの周囲の道の角や陰では血だまりができており、その中心に女子生徒がぶっ倒れていた。絨毯爆撃もかくやな威力と攻撃範囲である。しかもごく一部は回避不能かつ致命攻撃。木場はギンの手をそっとどかしながら…
「とりあえず、言質はとったからね?来週の月曜日、忘れないでよ?」
「はいはい、まったく…決まったとたんにええ笑顔してからに…。」
ほな、/それじゃ、と言い別れた二人。過ぎ去った後は血の海(女子たちのほとばしる情熱で)であった…。
時は過ぎ、フォーカスは変態三人組へと……三人は説教+反省文を終え、駄弁りながら帰ろうとしていた。三人並んで歩いていると、ふと、イッセーの足が止まった。イッセーは振り返って校舎の一角を見ており、彼の眼は綺麗な緋色を映し、完全に心を奪われていた。視線の先には一人の女子生徒が…。それは駒王学園の中でも絶大な人気を誇る『二大お姉様』が一人、『リアス・グレモリー』が緋色の髪をたなびかせ、教室からこちらを見ていた。
「イッセー?どうしたんだよ?」
「ん?ああ~ありゃあ三年のリアスお姉さまか。やめとけやめとけ、手を出した瞬間、この学園の生徒全員を敵に回すことになるぞ?俺たちも含めて。」
「いや流石に俺もわかってるって!ただ…なーんか目があったような気がしたんだよ?」
イッセーが首を捻っていると松田と元浜はお互い目を合わせ、同時にイッセーの肩に手を置き…
「「気のせいだ、童貞乙。」」
「なっ?!それはてめーらもだろうが!!」
「それを言い出したらケンカだろうがよぉ!」
「よろしい、ならば
ぎゃいぎゃい言っていると、気が付けば校門まで三人は来ていた。だがそこで、今度は松田と元浜の動きがピタっと止まった。急に止まるものだからさっきまでじゃれ合っていたイッセーはそのまま二人にぶつかってしまった。
「痛っ!おい二人ともどうしたんだよ。」
「…おいイッセー。お前知り合いに黒髪長髪美少女いるか?」
「はぁ?いやいねえけどよ。なんだよ藪から棒に。」
「今我らの先にその美少女がおってだな、その美少女がお前のことを恋する乙女のような目で見ていいるのだよ。これはことがことなら…事案ですぞ?」
「俺らの友情にひびが入るな。ことがことなら、な?」
えぇ?マジでそんな知り合いいねえんだけど…、と言いつつ元浜たちの言う方に目を向けると…黒髪に映える白いワンピースを着た、イッセー達と同い年くらいの女の子が門前に立ってこちらを輝く笑顔で見ていた。
「いや?やっぱり俺の知り合いじy「あ、あの!!」」
「あのっ!兵藤一誠さんですか?」
「あ、ああそうだけど…君は誰かな?多分初対面だと思うんだけど…。」
「私、『
ひ、一目惚れです!!付き合って下さい!!」
・・・・・・
「は、はい」
「やった!じゃあこれ、私の連絡先です!明後日の日曜にデート行きませんか?!プランは一誠さんに任せます!決まったら連絡ください!そ、それじゃあ!!」
嵐のような騒ぎが過ぎ去り、しーん、とその場は静まった。しかし、それは本命の大嵐が来る前の静けさであった。
「おやおや?」「おやおやおや?」
「松田さん?」「なんですか?元浜さん?」
「どうやらぁ、ここにぃ、裏切り者がぁ、いるぅ、みたぃ、デスヨ?」
「あらあらあら、それは大変ですわねぇ。急いで粛清しなくてはなりませんわねぇ。ねぇ?元浜さん?」
ギギギと音を立てながら振り返るイッセー。そこには鬼の形相の
「ッハ(笑)!」
挑発するという火に油を注ぐようなその場を収めるとは逆方向に全力で舵を切った。後に起こったのは言うまでもなく…まさしく大惨事大戦であった。怨嗟の化身と化した二人に対し命からがら逃げきったイッセーは家の自室のベッドの上でようやく自分に念願の彼女ができたことを実感し、その事実を噛み締めていた。
一方そのころ…
「なーんや、きな臭いなぁ。この気配……
いらんもんが入ってきたみたいやね?」
そして日は流れて……
イッセーの待ちに待った、初デートの日がやってきた。
「一誠、どうしたのそんなにソワソワして?」
「いや!何にもねえよ!っと、もうこんな時間か!じゃあ行ってくる!」
「あ、行っちゃった…。まったく、どこに行くかくらい言っていきなさいよ。」
「まあまあ、一誠の歳ならあれくらいヤンチャでいいんじゃないか?」
「いったいどこの誰に似たのかしら?」チラッ
「ははは、いったい誰だろうねぇ?」プイッ
「ごめん!夕麻ちゃん、待たせちゃった?」
「いえいえ、全然待ってませんよ?今来たところです。ってこれ、言うセリフ逆ですね。」フフッ
「はは、確かに。それじゃ早速行こうか?」
「そうですね、行きましょう!エスコートお願いしますね?結構楽しみにしてたんですよ?」
「うっ!退屈させないよう頑張るよ。」
こうしてイッセーの初デートはスタートした。無難なウィンドショッピングに始まり、お昼は近くのレストランで…。午後からはもっと楽しませるぞ!と意気込むイッセーだったが、出鼻をくじかれることとなってしまった……
目の前のこの男によって。
「あれ?兵藤君、えらい別嬪さん連れとるね?もしかして彼女さん?」
「イッセー君?知り合い?」
「いやこんな奴しらないし、関わりたくもないね。さっ、行こうか夕麻ちゃん。」
「なんや連れへんなぁ。まあええわ。…ん?兵藤君、兵藤君、ちょっち耳貸して?」
「ああん?なんだよ。男に言いよられる趣味ねえぞ俺は。」
「ええからええから、彼女さんにカッコ悪いとこ見せたないやろ?」ボソッ
「ハァ?話が見えねぇんだけど…。」
「襟!襟裏にサイズシール付きっぱやで?内緒話のフリして取ったるから。ジッとしぃ。」
「マジかよ!?くっ!頼りたくはねえけど、背に腹は代えられねえ。頼む。」
ギンがイッセーに耳打ちするように近づき、イッセーがギンに隠れて見えなくなった隙に素早くシールを剥がした。
……イッセーのポケットに何かを仕込むついでとして。
「もう、二人で何話してるの?彼女を放っておくのはどうかと思うな~?」
「堪忍したってな?ちょっと秘密のデートスポットを教えとったんで。」
「ええ~、どんなとこ?」
「それを言ったら秘密の意味がないでしょ?後のお楽しみっちゅうやつです。さて、そろそろお邪魔虫は去りますね。ほなまた~。」
「オイコラ!そんなの俺知らねえんだけど?!」
イッセーの小声の抗議を無視して、ギンは足早に人込みへと消えていった。
「ったく、あいつ…。ごめんね夕麻ちゃん、あんな奴気にしなくていいからね?さ、デートの続きをしよう!」
イッセー達は気を取り直し、デートを再開した。楽しい時間というものはあっという間に過ぎるもので、気付けば既に日が暮れ、二人はデートの最終地点である噴水公園に来ていた。
「ここが穴場のスポット?」
「ま、まあね。結構綺麗だろ?(急ごしらえで考えたなんて言えねぇー。)」
「うん、確かにいい所だね。…ここがいいかな時間的にも。」
夕麻はそう呟きながらイッセーに振り向く。
「イッセー君?私たちの今回が初デートじゃない。記念に叶えてほしいお願いがあるんだけどいいかな?誰か来る前に…。」
「う、うん。俺にできることなら何でも言ってよ。(『誰か来る前に』?!シチュエーション的に…ま、まさかキス?!)」
「ありがとう。じゃあ…
「……???ごめん、もう一回言ってくれないかな?なんか聞き間違えたみたいだ。おかしいよな?死んでくれ、って聞こえるなんて…。」
「あら、何も聞き間違えてなんかいないわよ?どうやら貴方は計画の邪魔になりそうなの。だからここで死んでもらうわ。」
ドスッ、
「…え?ゴフッ」
イッセーの胸から光の槍の様なものが飛び出しているように見える…いや、正確には夕麻の手からそれは伸びており、イッセーの胸に突き刺さっていた。それに気づいたイッセーはすぐさまとてつもない痛みに襲われる。
(痛い痛い痛い痛い痛い痛い、痛い!!なんっだよコレ!!なんで俺刺されてんだ?!ヤバいヤバいヤバい!)
光の槍は引き抜かれ、それと同時にイッセーは地面に倒れ伏した。
「恨むなら貴方に
そう嘲笑をこぼし、背中に黒い翼を生やして空へと飛び立っていく夕麻。それをただ見ていただけのイッセーはヒューヒュー言いながらも自分の胸に手を当て、改めて自分の現状を実感した。
(うわ、手ぇ真っ赤だ…これ致命傷だろ…)
イッセーの周囲は自分の血で水たまりができており、誰が見ても助からないであろうことは明白であった。
(見渡す限り、赤、紅、緋…ああ、緋色と言えば…綺麗だったなぁリアス先輩。どうせ死ぬならその前にあのでけぇおっぱい揉みてえなぁ…まあもう無理か。)
そんなことをイッセーが思っている横で、その周りには魔法陣のような何かが広がっており、その中心にはギンがイッセーのポケットに仕込んだあの奇妙なチラシがあり、光を放っていた。魔法陣と共鳴するようにさらにチラシの光が強くなり、目もくらむような今までで一番の光が放たれたかと思うと…
そこには先程までイッセーが思い描いていた、
『
リアスはイッセーを一瞥すると蠱惑的に微笑み、
「あら?やけに強い思いに惹かれて来てみれば…貴方、面白いわね。いいわ、助けてあげる。」
ーだから、私のために生きなさい?ー
そうリアスが言った瞬間、先程とは比べのもならないほどのまばゆい光がその場を包んだ…。
その現場を誰かが見ているのには気づかずに…
「ふぅ、どうやら吉と出たみたいやね。でも、兵藤君には悪い事してもうたかも…一発殴られる程度で済めばええなぁ。」
それは公園のすぐそばのマンションの屋上、黒い影がそこをじっと見ていた。
「さて、見届けたしそろそろ行こか?」
そう言って影は町の中へと消えていった…。
翌日、イッセーは自室にて
「イッセー!いつまで寝てんの…ってあんたなんで上裸なのよ!起きてるんだったら早く着替えなさい!風邪ひくわよ?!それと、時間大丈夫なの?」
母が部屋に入って来、矢継ぎ早にまくしたてる。そして最後に付け加えたような母の言葉通りにイッセーが部屋の時計を見てみると…遅刻ギリギリの時間となっていた。
「ヤッベ!?」
イッセーは頭がぐちゃぐちゃになりながらも急いで学校へと向かうことにした。
まだ自分に起こった変化を自覚しないままに……。
第三者視点:side out
まいど!四木シロです!今回も読んでいただきありがとうございます。現在下に視点についてのアンケートもありますので、回答していただければありがたいです。また、感想や誤字報告などもしていただければ幸いです!では、ほなまた。
視点の変化
-
正直、邪魔
-
わかりやすくていい
-
どっちでもいい