〜ハイスクールD×Dに転生したらしい〜 特典は『市丸ギン』…ってはぁ!? 作:四木シロ
投稿が少し空いてしまい申し訳ありません。今回は少し難産でした。また、今話ではTSキャラが出てきますので苦手な方はブラウザバック推奨です。それでは早速どうぞ!!
side:イッセー
ヤバいヤバいヤバい!このままじゃ遅刻しちまう!!
よう、皆!俺は兵藤一誠!現在通学路を遅刻しないために全力疾走中なんだ!って俺は誰に向かって言ってんだ?ーーーというか…日光ってこんなにまぶしく感じてたか?今まで。あとなんか体もだるいし…
「って!こんなこと考えてる場合じゃねえ!急がねえと遅刻しちまう!!」
…ん?あれっ?もう学校の門見えてんじゃん!なんかいつもより着くの早くねぇか?
とか思っていたら門が今にも閉められそうになっているのが見えた。
「ま・に・あ・えぇぇぇ!!」
ズサーーーー!!
トッ!ッパ!カンッ!ッザ!
ふい~、ギリギリスライディングで間に合ったか……ん?なんか俺と別の音しなかったか?不思議に思った俺は横を見ると、
「いや~危ない危ない。ギリギリセーフやね。」
「なんでてめぇがいるんだよ市丸ギン。」
「そない邪険にせんとってぇな。あと、なんでおるんってそら寝坊したからやよ?」
ったく、なんでいけ好かない野郎の顔を二日連続で見なくちゃ…そうだ、ついでに聞いてみるか。
「なあ市丸、お前きのう「兵藤君、これ急がなほんまに遅刻してまうんやない?」ってそうじゃねえか!ヤッベェ!」
「まだボクから言うわけにはあかんのよ。」
後ろで市丸が何か言ったような気がしたが、よく聞こえなかった。まあ、市丸のことなんざどうでもいいか!今は遅刻しないことの方が先決!
♦
何とか遅刻にならず、教室にはたどり着けた…。
「っだはぁ!朝っぱらから疲れたぁ!」
「おいおい、遅刻ギリギリなんてHなDVDで夜更かしでもしたか?イッセー。」
「うるせぇぞ松田。」
「いや、松田氏。もしかしたらウス=イホンかもしれないぞ?」
「うるせぇつってんだろ元浜ぁ。」
席につくといつもの二人が声をかけてきた…。
「このツッコミのキレの無さは重症だな。ホントに大丈夫か?」
「確かに。ホントにしんどいなら保健室に行けよ?」
「いや、体がだるいのはホントなんだけどさ、昨日の夕麻ちゃんのデートから記憶が曖昧なんだよ。っていうか、お前らあん時襲い掛かってきたの忘れてねえからな?」
「「
「はぁ?」
「というか、今イッセーの口からありえない単語が聞こえなかったか?」
「そうだな、よもやイッセーから『彼女』なんて言葉が出るとは…。ああ!もしかして二次元の方か?」
「いやいや、覚えてねぇわけねぇだろ?!」
ついつい声を荒げてしまい、周囲の視線が突き刺さる…
「オッホン!ほんっとに、覚えてねぇのか?」
「ああ、まあ覚えてないっていうより知らないって感じだけど…何か証拠はないのかよ。例えば写真とか。」
そう言えばそうだ!あの時何枚か写真を撮ったはず、それを見れば二人とも思い出す………おい待ってくれよ嘘だろ?!
「おい、どうした?早く出してみろよ。」
「ねぇ!どこにもねぇ!昨日何枚も撮ったはずなのに…。最初にもらった連絡先まで!」
「いよいよイッセー氏の妄想説が濃厚になってきたな。写真以外にも証人とかいないのか?」
「!!!」
そうだよそうだよ!いたじゃねえか…あの日当日に会った奴が!!つーか、さっき聞こうと思ってたのになんで忘れてたんだよ俺。
「昨日?ボクは会うてないで?なんせ一日中家におったわけやし…。」
「何かそれを証明できるものあるか?」
「なんなんアリバイ確かめるとか、自分ら警察かなんかなん?まあええけど…ほら。」
そう言いつつ市丸は一枚の写真を見せてきた。そこには市丸ん家のリビングと思われる場所のソファーでテレビを背にしてカメラに向かってピースしている市丸が映っていた…。テレビにも時間が映っており、俺と会っていたはずの時間に撮られたのがわかる。というか……くそっ、無駄にイケメンで腹立つ。
「悪ぃな、どうしても確認したいことがあってな。」
「なんや、せっかく見せたのになんで不機嫌になっとんの?」
「別に、ただ面にムカついただけだ。」
「『ただ』、で済ませたらあかんと思うんやけど…。」
「ほらな?イッセーの妄想とまでは言わねぇけど記憶違いなんじゃねえか?これだけいないって証拠があっちゃあな。」
「あれ?ボクの発言ノータッチ?」
「そうそう松田氏の言うとおりだ。今日はもう帰ろうぜ?んでもって帰ってHなもんでも見れば気持ちも切り替えられるだろ。」
「・・・・・・。」
「そうだな、今日はもう帰るか。」
やっぱり夕麻ちゃんとのデートは夢だったのか?
イッセー:side out
side:第三者視点
イッセーたちに軽い取り調べを受けたにもかかわらず、礼の一つも言われないままガン無視を連発してくらったギンは柱によりかかりつつ項垂れていた…。そこに近寄る生徒が一人…
「もう話は良いのかい?ギン。」
「ええ言うか、向こうに切り上げられたんやけどね?裕斗。どうやらもうええみたいや。」
「そっか、ところで…今日が何の日かギンは覚えてるかい?」
「そらもちろん。
「相変わらず用意がいいね。じゃあ早速行こうか。」
そろって教室を出る二人。二人は試合のこと(前話参照)を話したつもりだが、教室内では暴風が吹き荒れていた。
「えっ?やっぱりあの二人って…。」
「会話だけ見るとマジで付き合って1ヶ月とかのカップルみたいなんだよなぁ。」
「あれで付き合ってないとかマジ?」
「え?突きあtt「「ちょっとダマレ」」」
そんな話が繰り広げられているとも知らず、木場とギンは剣道部の道場を借りて二人とも防具を身に付けず向き合っていた。
「防具を着けようとしてないところを見ると…それ程本気でやってくれると思っていいのかな?」
「まあ、あんだけ熱烈にせがまれたらなぁ。それ相応の対応せな礼儀に反するやろ?」
「フフッ、その対応にはありがとうって言っておこうかな?」
「まったく…嬉しそうな顔しよってからに。っとこんだけギャラリーいてるんやから誰か審判役頼めますか?」
「では、剣道部部長の私が。」
「え~部長ズル~い。」「私が出ようと思ってたのに…」
「おおきにです。」
「ありがとうございます。」
そう、剣道部の道場を借りているということもあり、二人の周りは剣道部の部員が囲んでいた。いや、よくよく見ると剣道部以外の生徒もちらほらと見えるなんとも耳が早いことだ。この二人は有名人でもあるので当たり前と言えば当たり前だが…。
「ルールは何でもあり、寸止めの一本勝負でいいよね?」
「それでええよ。お互いに剣
「では、両者ともに準備はよろしいですか?」
「ええです。」
「大丈夫です。」
「では…
始め!!!」
掛け声とともに二人の姿が搔き消えたと思うとすぐさま中央で激しい鍔迫り合いが起こる!!
「流石、速いね。」
「そっちこそ。」
(言うてもこれ、本気でやれば押せるな。力的にはボクの方が上なんかな?いや、向こうさんも全力いうわけやないみたい…一般人[?]相手には本来の力は出せんゆうわけか…)
しかし、ギンが思考に一瞬気を取られた隙を木場は見逃すはずもなく、鍔迫り合いから一気にギンを押し返し一転攻勢に出る。木場は袈裟懸け、逆袈裟、胴薙ぎ、などと怒涛の攻めをみせるがギンはそのことごとくを的確に捌いていく。
「簡単に防いでくれるね。」
「いやいや、全然簡単やないよ?」
木場は袈裟懸け、ギンはそれを竹刀を両手で支えた形で再度起こる鍔迫り合い…先程よりもぎちぎち、ギリギリと竹刀から音が上がりそうなほど押し合いが繰り広げられる。そして今回の競り合いに勝ったのは……
ギンであった。
「っ!!」
「足元がお留守やで?」
そのギンの声が聞こえたかと思うと、木場の視界は突如として90度回転した。何が起こったかというと…ギンの足払いによって木場の体勢が崩されたのだった。さらに倒れてしまった木場に向ってギンの竹刀が叩き切ろうと迫ってくるが…間一髪、木場は横に転がることで躱し、その勢いで立ち上がり体勢を立て直した。
「まだまだ!」
ーーードンッ!!
、とバカデカい踏み込みの音とともにギンが攻め込み木場の反撃を許さない。その苛烈さはギンは竹刀を使っているにもかかわらずまるで槍を使っていると周囲のギャラリーに思わせるほどの突きの嵐だった。しかしそんな嵐の中、木場はその突きを逸らし、時には弾くことでしのぎ、その顔には焦りなど微塵も感じられない。そんな木場の防戦が続くかと思われたが、
(…ここだ!!)
木場は突きの連打の隙間を上手く縫い、切り上げをもってギンの竹刀を跳ね上げた。その少しの時間に木場は素早くギンの背後に回り込み、胴へと一閃を打ち込もうとする。これで勝負が決まったか?!とギャラリーの全員がそう思ったが、次の瞬間、ギンは
「フフッ、本当に楽しいね、ギンとの試合は。」
「でも楽しい時間はいつかは終わるもんや。」
「そうだね。そろそろ決着をつけよう。」
「そこには大賛成や。あんまりヒトの部活場所とるんも悪いしなぁ。というか、こっちの体力もそろそろアカンしな…」
「何か言ったかい?」
「いいやなんも?これが最後や…いくで?」
「うん、来いっ!」
両者構えつつ、それと同時に場の空気もより張りつめていく。その終わりは突然に訪れた…二人とも一斉に飛び出しぶつかり合い数合打ち合い、三度激しい押し合いとなった。
(こっちは割と本気でやっとんのに向こうは力隠しとんのは理由があれど少し癪や。悪いけど本気出してもらうで裕斗?)
(……!!!)
押し合いのさなか、ギンの雰囲気が変わったと思いきや木場の表情が険しくなり今まで以上の強さでギンが押し負け、弾き飛ばされる。木場は一瞬困惑した顔をしたが、好機を逃すようなことはせず、さらに追い打ちをかけるため一気に詰め寄る。今度はギンに不意を突く隙を与えないためにも最速で、真っ正面から。木場は詰め寄りつつ、少し体勢の崩れているギンと目が合った。いつもと違うギンの少し見開かれた目を見た瞬間木場は、
ゾクッ
とんでもない寒気に襲われ、ピタっとその足を止めた。当の本人は蛇に全身を締め付けられるような錯覚に陥っていた。その悪寒は木場の勘違いではなく、ことは一瞬だった…。
ギンは押された体勢から
「そこまで!勝者……どっち?」
「「まあ、ボクの/僕の負けですね。
ん?」」
「最後に倒れていたのは僕なんだからギンの勝ちだろう?」
「いやいやいや。太刀取りなんて邪道をやってもうたんやから『剣士』としてボクの負けや。裕斗の勝ちやろ?」
「でも……」
「いや……」
「しかし……」
「…こら平行線やな。審判さん!決めてもろてええですか?」
「うーん…。なら市丸君は反則行為で、木場君は最後の一手という点を考慮して…引き分けってことにしましょう。以上、試合終了。礼!!」
「「ありがとうございました。」」
「二人ともいい試合をありがとね?部員にもいい刺激になったわ。」
「いえいえ、こちらこそわざわざ場所を貸していただきありがとうございました。」
「自分からも、審判役共々ありがとうございました。」
試合が終わり、ギンが荷物のまとめ帰りの準備をしていると木場が近づいてきた。
「ギーン?合気をやってるなんて聞いてないんだけど?あと、最後の競り合いの時やってくれたね?」
「ん?そら言ってへんかったからね。太刀取りの件はわかるけど、競り合いの時?ボクはなんもしてへんよ?」
ギンはしらばっくれたが、木場の言う通り、最後の競り合いの時ギンは木場に本来の力を出させるために木場
「今回は勝負がつかなかったけど、今度は絶対に負けないからね?」
「受けて立つ…って言いたいとこやけど、できればこんな疲れるんは遠慮したいわ。」
「あはは、ギンならそういうかなって思ってたよ。じゃあまた明日。」
「おう、ほなまた。」
そう言いあってお互いに道場を後にした。
第三者視点:side out
side:ギン
いやぁ強かった強かった。まさかあんな速いとは思わんかった。
しかも本来の力はまだ全開やないときた…向こうが全力で来られたら今度は勝てるか本気でわからんなぁ、合気も通用せぇへんやろし。因みに今時間はもう夕暮れを越えて夕飯時、ボクは帰宅中なのだが、実は実家から出て父さんの知り合いから特別価格で一軒家を借り、一人暮らしをしている。
「ただいまー…言うても誰も返事h「おや、遅かったね。おかえりなさいギン。」……なんでおんの?
一人暮らしのはずの家に帰宅し、扉を開けるとそこには銀髪長髪碧眼の
「なんでって、好いた男の家に女が来るのは変かい?こういうのを『通い妻』って言うらしいね。」
「せやね、聞き方が悪かったわ。
ポケットのスマホから音がして見ると、『すいません、止められませんでした』の一文。あの王子様でも止められなかったんならしゃーない。
「というか、『通い妻』なんて言葉よう知ってたなぁ。」
「私が教えたにゃん♪」
こらこら王子さん?くせ者が二人なんて聞い取らんよ…
「なんやヘタレの野良猫が迷い込んでたみたいやな。保健所さん対応してくれるかいな?」
「ちょっ!ヘタレとかひどいにゃん!!」
「ヘタレ言われるん嫌やったらさっさと証拠集めや、
「いや、もうあらかた集め終わったにゃん…あいつらポンポン情報吐きすぎにゃん。おかげであちこち駆け回る羽目になったにゃん。」
「だから最近見かけんかったんか…なら後はしかるべき場所で明かすだけ…この短い間ですごいやん。」ポンポン
「いやそんな逆に素直に褒められると照れるにゃ♪」///
「で?」
「『で?』って?」
「妹さんにはもう会うたん?」
「……」
黒歌の頭を撫でている手に力を込めて、
「く~ろ~か~?あんだけボク言わんへんかった?妹さんに早よ会ってあげな一層疑心は深まるばかりやって。」ギリギリ
「に"ゃ"ーーー!ギリギリはやめてにゃーー!!!」
「まったく…『クイックイッ』ん?」
「黒歌だけ頭撫でられてズルい。」プクーッ
「(なんやこのかわいい生物は…)はいはい、ご飯作ってくれておおきに。」ナデナデ
「フフフ。あれ?ご飯作ったって私言ったっけ?」
「まあこんだけええ匂いさせとればね?それに今着けとるそれ、ボクがよう使うてるエプロンやよ?」
「ああ、悪いけど勝手に使わせてもらったよ。そうか、ギンが良く使っていたのか…道理で君の匂いがすると思ったよ。」
「さらっと変態じみた発言せんで?そんなボク匂う?」
「いや、そんなことはないさ。いい匂いだよ?ところで……そこの黒歌はいいのかい?なんだか痙攣しているけれど。」
「おっと、忘れてた。」パッ
「にゃんのこれしき。愛の鞭と思えばなんのそのにゃ。」
「はいはい、バカなことやってないでさっさとリビング行くで?折角ヴァーリが作ってくれたんが冷めてまう。」
~少年少女、食事中~
「「「ごちそうさまでした。」」」
「ほんまに美味しかった。また料理の腕上げたんやない?」
「確かに。今までのラーメン狂いのヴァーリとは思えないメニューだったにゃ。まさかあのヴァーリからバランスのいい食事が出てくるなんて…やっぱりギンの説教が聞いたのかにゃ?」
そう、今日の献立は『生姜焼き・ワカメのサラダ・みそ汁・ご飯』というものやった。そして以前ヴァーリの食生活を聞いたときにあまりにもラーメン、ラーメン、ラーメンばっかりと酷すぎたため、割と本気で叱ったんやったっけ。
「で?今日はどうしたんだい?ギンがあんな遅い時間に帰ってくるなんて珍しいじゃないか。」
「帰宅時間が把握されてんのには突っ込まへんけど…。ちょっとした野暮用やよ。」
「ふむ…体のあちこちに見える擦り傷や内出血を見ると一試合した感じかな?」
「うん、鋭すぎて少し引くわ。ちょっとの情報から推測するにしても的確過ぎやわ。」
「なるほど、どうやら合ってるみたいだね。だとしたらその相手には嫉妬してしまうな。」
「いやいや殺し殺されのガチなやつやなくてフツーに競技的な試合やから…。」
「相変わらずヴァーリは戦闘狂なのにゃ~。」
ピリッ!
「ん?」「ほう…」「にゃっ!」
「どこかのバカが悪さをしてるみたいだね。」
「しかも、これ光の力ってことは堕天使の可能性が高いにゃん。ってどうかしたのかにゃ、ギン?」
「…ちょっとこれはまずいなぁ。…ちょっと出てくるわ。ベッドとか自由に使うてええから早う寝とき、夜更かしは美容の敵やよ?…折角の別嬪さん、損なったらもったいないで?ほな、行ってきます。」
こら急がな。間に合わん、なんてなったらしゃれならん!少し焦りつつ、家を飛び出した。
「ねえヴァーリ?」
「なんだい黒歌?」
「ギンってああいうとこズルいわよね。」
「おいおい、顔が真っ赤だぞ?それにいつもの猫語尾も抜けてるじゃないか。」
「鏡を見て言いなさい、あんただってトマト色じゃないのよ。」
ギンが家を出た後そんな会話があったとかなかったとか…
ギン:side out
~時は少々遡り…~
side:イッセー
今は21時過ぎ…やっぱりなんだか体の調子がおかしい。まず視界。今は夜のはずなのに夜目が利く、なんていうレベルじゃないくらいによく見えている。次に体。朝あんなに体が重くてだるかったはずなのに今は嘘のように体が軽い。昨日の記憶といい、何だってんだよ…。
「だーめだ、どうにも気分が晴れねぇ。ちょっと散歩にでも出るか…。」
どうにも心のモヤが晴れないため物理的に気分を変えていこう。
♦
特に目的地も決めずに歩いていたが、気が付けば夕麻ちゃんに刺されたあの公園に来ていた。
「やっぱり、記憶違いとかじゃないよな。」
噴水の前でたたずんでいると一人誰かこちらに近づいてくるのが見えた。
「ほう、こんなところにいるとは…主人はどうした?それともはぐれか?まあどちらでもいいか。」
「えーっと…すいません、どちら様で?」
「む、私の正体もわからぬか…。なりたてなのか?それともこちらを油断させようとしているのか…どちらでも貴様を殺すことには変わりないのだがな。」
トレンチコートの男は物騒なことを言いつつ右手にはいつか見た光の槍が握られていた。
「!!…それは?!」
「ほう、光の槍はわかるようだな。ならば余計にここから生かして返すことは……できん!!」
男から途轍もない殺気を放たれたかと思うと次の瞬間、男は目前まで迫ってきていた。
「うおっ!!」
下がろうとしたが石かなにかに躓いて尻もちをついてしまった。しかしそれが功を奏したようで今、俺の頭上を槍が通過していた。オイコラ!毛何本か持ってかれたぞ?!
(なんて言ってる場合じゃねえ!早く逃げねえと!!)
男に背を向け脱兎のごとく駆け出した。
~そして時は戻って現在~
「はぁ、はぁ、はぁ…くっそなんで振り切れねぇんだよ…。」
住宅街を全力で走っているのに男との距離が一向に離れない気配がない…男は
「何かしてくるかと思えば何もせず、ただ逃げるだけか…どうやら勘繰りすぎたようだな。よもや結界にも気づかぬとは―――」
後ろからの声が突然途切れたかと思うと…
「もう貴様に用はない。死ね」
後ろにいたはずの男がいつの間にか前方から襲い掛かってきた?!どうにか体を捻り、光の槍の一突きを躱すが、ブロック塀を背にした俺にもう逃げ場などなかった…
「がぁ!!」
槍が俺の身体を貫通し、後ろのブロック塀に突き刺さる。槍は俺の身体を焼いているようで、辺りに人の焼ける嫌な臭いが充満した。
(熱い、あつい、アツい、アツイ!!)
刺される痛みと別に焼ける痛みによって声も出せない。あまりの痛さに意識も飛びかけ朦朧とした状態の中、死を覚悟したが…ふと、俺に刺さっていたはずの槍が目の前の男とともに消失した。
「なんや、危ないとこやったなぁ?兵藤君?」
「ゴホッゴホッ。なんでお前がいるんだよ……市丸ギン。」
イッセー:side out
side:第三者視点
イッセーの目の前にいたのは市丸ギンであった。
「それ、朝も似たようなん聞いたなぁ。ただの散歩やよ?」
「散歩って…って!ンなこと言ってる場合じゃねえ!早く逃げろ、殺されるぞ!!」
「なに心配してくれるん?ボク、君に嫌われとる思うてたけど、兵藤君は優しいんやね?でも…僕が逃げてもうたら君、殺されるやろ?それに、流石に(見殺しするんも)二度はゴメンや。」
「(二度目?)俺のことはいいからほっとけ!死にてえのか?!」
「心配おおきに。でも逃げへんのは変わらへんよ?兵藤君は知らんと思うけどボク、強いから。」
そうこうしているうちに、男がイッセーたちの前に現れた。所々焦げている部分があるあたり、どうやらギンに攻撃されたようだ。
「貴様、普通の人間は結界で近寄れないはず…どうやって入ってきた。」
「んー?結界?そんなんボク知らんで?途中でちゃちな紙切れはあったけど…もしかしてあんなもんを結界言うとるん?冗談やろ?」
「貴様ぁ…!」
「おい市丸!?なに怒らせること言ってんだよ!?」
「まあまあ、見とき。」
明らかに怒っている様子の男が一歩踏み出した瞬間、その足元から大爆発が起こった。
「なっ!」
「うんうん。やっぱり『曲光』と『伏火』、『赤火砲』の組み合わせは使えるな。」
爆風から顔を庇いつつ驚くイッセーとどこか満足気なギン。しかし、そんな爆発の中男は出てきた。その表情から明らかに先程の怒りは全くと言っていいほど見られず、冷静にこちらを観察していた。
「あらら、あんまし効いてない感じ?」
「いや、矮小な人間の術にしては効いたぞ。先程の爆発…俺を最初に飛ばした時に仕込んでいたのか?」
「はて?どうやろな?」
「答えぬか…。まあいい、まだあったとしてもそれを想定して動けばいいだけのこと。」
「っ!!」
「ぐぇっ!?」
ギンがイッセーの襟首をつかみ、引きずるように下がった。二人がさっきまでいた場所には光の槍が2本突き刺さっていた。
「…どうやら仕込めたのは先の一発だけだったようだな。」
「 」
「ほんま無茶苦茶やな…もしほんまに何発もあったらどないする気や。あと兵藤君、いつまで呆けとるん?腰抜かしとる場合ちゃうで?」
「たかが人の術で私が死ぬわけもない。…だがどうやらここまでのようだ。」
「…ふぅ、思ったよりも時間かかったみたいやなぁ。」
「そうね。これ以上私の眷属をイジメるのはよしてもらおうかしら。」
戦場に緋色が降り立つ。そこに姿を現したのは駒王学園3年の『リアス・グレモリー』その人であった。
「
「いやいや、こちらとしてははぐれを善意で消しておこうと思っただけなのだがね…。今度から誰の者かわかりやすいように名札でもつけておくといい。今日のところは退くとしよう。」
「待ちなさ「私のことを追うのもいいが、その場合貴様の眷属はどうなるかな?」ッチ!!」
男は背中から黒い翼を生やし、その場から離脱していく…。
敵も去り、一息ついたところでドサッとギンたちの後ろから音が聞こえた。それはイッセーが倒れた音であった。
「っ!!イッセー!?」
「…大丈夫。どうやら気ぃ失ってるだけみたいです。敵もおらんなったから安心したんやないですかね?」
ギンは素早く駆け寄り、脈や軽い触診をしたところ気絶をしただけのようだ。ただ、とギンは続けて…
「ボク治療系には疎いんで、グレモリー先輩頼めますか?」
「あ、貴方も貴方であんまり動揺していないのね…。問い詰められるものだと思っていたのだけど。」
「いやまぁこんな時こそ冷静にならなあかんでしょ。それにもう夜も更けてもうてますし…後日先輩から説明もしてくれはるんやないですか?」
「ええ、そのつもりだから明日私の使いを送るわ。」
「わかりました。改めて、兵藤君の治療の方頼んでええですか?」
「勿論、私の眷属だもの。自分の眷属の面倒は自分で見るわ。」
そう言いつつ、イッセーを肩に担ぐリアス。
「ほな、リアス先輩また明日。」
「ええ、また明日。イッセーについてはこちらに任せなさい。」
「それじゃ「市丸君!」…はい。」
「遅くなったけど、私の眷属のことを守ってくれてありがとう。礼を言うわ。」
「いえいえ、言うてほとんど役にも立てへんかったんで。それに、先輩がもう少し遅れてたらボクも殺されてたと思いますし…。」
「あらそう?私はそうは思わないけど?だって貴方見たところまだぜn「先輩。早よせな兵藤君のケガもっと酷なりますよ?後遺症でも残ってたらえらいことですし。」そうね。今日のところはそういうことにしといてあげる。」
そう言ってリアスはコウモリのような翼を背中から生やし、飛んで行った。
「『
そうぼやきながらもギンは帰路についた。
♦
おまけ
「好きに使うてええとは言うたけど、流石にソファーで寝られるんは気が引けるわ。」
ギンの目の前にはソファーで横になっている
「お休み。ええ夢を。」
運び終えた後そう言いながらギンはそっと扉を閉めた。その時、二人の顔が少し赤みがかって見えたのは気のせいだろう。
こんにちは、四木シロです!今回も読んでいただきありがとうございます!前書きでも言いましたが、投稿がかなり空いてしまい、申し訳ありません。実は一度書いてたものが吹っ飛んだり、戦闘シーンの描写に難航したりで少々手こずりました。
感想、高評価等をしていただければモチベーションがとてつもなく上がるので、どうか!!どうか!!(切実)
視点の変化
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正直、邪魔
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わかりやすくていい
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どっちでもいい