鬼殺隊員ほのぼのログ   作:柚吏

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前回短編のお話として投稿したものです。初回はこのお話からどうぞっ


大正時代Ver.
第壱話 可憐な蝶と寡黙な水


『…今夜は月が綺麗だな。』

 

「そうですねぇ…って、それ意味わかって言ってます?」

 

『…どういうことだ。』

 

「やっぱり分かっていらっしゃらなかったんですね。」

 

『…純粋に綺麗だったから言っただけだ。』

 

少しムスッとして義勇は言う。

 

(相変わらず無愛想ですねぇ)

 

ここは蝶屋敷の屋根の上。任務帰りのしのぶが屋根に登って空を見上げていた所、同じく任務帰りの義勇が隣に座ってきたのだ。突然のことで驚きはしたが、嫌な気はしない。

 

(まぁ、何考えているかわからないのが、義勇さんらしいですけどね。)

 

 

 

夏の夜空は雲ひとつなく、満月が光り輝いている。二人はただ、屋敷内を舞っている美しい蝶たちを眺めていた。

 

 

 

「そういえば義勇さん、那谷蜘蛛山では普段あまり見ない姿を見ましたよ?」

 

『…あれは焦っていたんだ。』

 

「うわぁ、義勇さんでも焦ることってあるんですねぇ♪」

 

『何故楽しそうなんだ。』

 

「別に楽しそうにしてませんよぉ?」

 

(いつもと違う義勇さんが見れてラッキーでした。)

 

 

 

『…最近の調子はどうだ。』

 

 

 

唐突に富岡が問いかける。

 

 

 

「ええ?唐突ですねぇ…ふふっ、順調ですよ。急にどうしたんですか?」

 

『…いや、少し気になって。忙しい様子が見られたからな。』

 

「あぁ、怪我をして蝶屋敷に来る人が最近多いですからね。アオイたちだけでは人手が足りないことがあるんです。そういうときは、私も働かなくては。」

 

『…あまり無理をするな。疲れたように見える。』

 

しのぶは一瞬ハッとした。周囲には心配をかけたくない、と思い、常に疲れは表に出さないようにしていたのだが―

 

(やっぱり義勇さんは何を考えているのかわかりませんね。)

 

クスッと小声で笑うと

 

『なにかあったか』

 

すぐに義勇が反応してくる。

 

「いえ、何でもありませんよ。ご心配ありがとうございます。無理しないよう、心がけますね。」

 

『…ああ。』

 

 

 

しばらくの沈黙の後、不意に義勇が立ち上がる。

 

「もう帰られるんですか?」

 

『ああ。明日はまた早朝の出になりそうだからな。』

 

「義勇さんこそ、無理は禁物ですよ?即戦力の貴方に倒れられたら困ります。それに、蝶屋敷の仕事も増えてしまいますからね?」

 

しのぶは冗談めかして言った。

 

『…もし俺が倒れたら、胡蝶が手当をしてくれるのか?』

 

 

 

またも唐突な問いかけに面食らう。

 

(しかもそれ、ちょっと期待しちゃいますよ_?)

 

 

 

しのぶは一度息を吸い込んでこう言った。

 

 

 

「勿論です。付きっきりで看病してあげますよ。」

 

 

 

 

 

水の凪ぎる月夜の晩に、蝶は美しく舞い続けるのであった―

 




ぎゆしのが好きだ。(他も好きだけどっ)
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