「体は剣で出来ている
血潮は鉄で心は硝子
幾たびの戦場を越えて不敗
ただ一度の敗走もなく、
ただ一度の勝利もなし
担い手はここに孤り。
剣の丘で鉄を鍛つ
ならば、ってうわぁ!?」
「ふむ、あと一歩と言ったところか」
「手応えはあるんだけどな・・・」
放課後、俺はネームレスレッドと宝具を展開する練習をしていた。
何故ネームレスレッドとこんなことをしているのかというと、理由は簡単で俺にも彼の宝具が使えるからだ。
と言うのも、無限の剣製とはそもそもこの世界ではデミ・フェットの宝具である。
そして、そのクローンであるネームレスレッドがほぼ同一の宝具を使用出来る以上、同じクローンである俺に出来ない道理は無いと言うことらしい。
これら全てがネームレスレッドの談ではあるが、俺も訓練の途中などで試しに詠唱をしてみたところ、一瞬ではあるが実際に空間が歪んだのだ。
それ以来彼の元で固有結界を完成させるべく指導を受けている。
「よし、もう一度だ!」
「いや、今日はやめておこう。固有結界と言うものはそうそう乱発して良いものでも無い。今日だけで五回は展開を試みているのだからな。」
「ごもっともです・・・」
と、そこでタイミング良く修練場の扉が勢い良く開かれた。
「シロウー!探しましたよ!さあ、行きましょう!」
扉を開いたのはXだったらしい。
彼女が俺を見るなりそんなことを言って俺を修練場から連れて行こうとする。
「待て待て!急に行くとか言われても何がなんだかわからねえよ!一体何処に連れていくつもりなんだ?」
「それは私が説明します」
俺がX相手に抵抗しているとひょこっと扉の陰から謎のヒロインXオルタ、通称えっちゃんが顔を出す。
「実はですね・・・」
彼女が言うに、商店街の懸賞で三等の大銀河博物館の入場無料券を二人分当てたとのことらしく、二人で行こうとも思ったのだが、普段ご飯をご馳走になったりしていた俺が博物館の広告を見ていたのを思い出したとかで俺を誘いに来たらしい。
「なるほど、そんなこと良く覚えてたな・・・」
「まあ、興味深そうに見ていたので印象に残っていたんですよね」
「なので行きましょう!」
「拒否権はねえのか。いや、行くけどさ」
と、ここで道具を片付けていたネームレスレッドが反応する。
「ほう、大銀河博物館か。ちょうどこの後行こうと思っていたのだが私の船に乗っていくかい?」
「あー、お願いしても良いですか?」
「ああ、任されよう」
ネームレスレッドの提案に乗り、俺達は彼と共に大銀河博物館までやって来た。
「思いの外早く着いたな・・・。よし、私が約束した時間まで余裕がある。私が案内しよう。どうせX嬢の目的は決まっているだろうからな」
「そうなのか、X?」
「ええ、まあ、あれは説明するより見てもらった方が良いでしょうから」
一体何を見に行くつもりなんだ?
俺はえっちゃんと共に首を傾げた。
「ここだ。伝説の刀剣が展示されている場所だ。」
「ああ、なるほど」
Xはセイバー名乗っているから、興味があるのだろう。
俺達はネームレスレッドの刀剣に対しての分かりやすい説明を聞きながらスペースを奥へと進んでいく。
すると、突如他の部屋と雰囲気がまったく違う部屋にたどり着いた。
「ここは・・・?」
「ここには今まで展示されていたレプリカや少し強い刀剣とは格の違う本物が展示されている」
部屋を見ると先程までいたツアーらしき一団が去り、彼らが囲んでいたショーケースが露になった。
炎を見た。
そう表現するしかない、刀剣が飾られていた。
「あれはまさしく伝説の刀剣、都牟刈村正だ。」
「都牟刈村正、かつて神をも倒したとされる運命を絶つ刃ですね。」
なるほど、Xが見たがる訳だ。
これは今まで見てきたものとは全く違う。
「これは今まで見てきた人が作った、いや、作れる武器ではない。これは人が作った神造兵装。まったく、つくづく理解させられる。千子村正と言う鍛冶師の実力をね」
「千子村正?」
「伝説の刀工と言われている男だ。サーヴァントユニバースにおける歴史の中で後にも先にも神の力に彼ほど近づく者は現れないとまで言われている」
千子村正。
どこかで聞いたことがある名前だ。
いや、前世の記憶にもあるのだがそれとは別に。
俺はネームレスレッドの説明を聞いて、もう一度都牟刈村正を見る。
俺は知っている。
あの刀を。
ひどく懐かしい気持ちが胸に浮かんでくる。
俺はどこであの刀を知ったんだ・・・?
意外と寛容な人が多くて草。
まあ、ぼちぼち書いていこうと思います。