〜side士郎〜
「ふう、流石にしんどいな…」
愚痴をこぼしながら士郎は校門へと向かう。昨日は遅くまで動き回り体力的に疲れ果て、今日は朝からセラのいつものお小言で肉体的に疲れ果て、朝練では美綴のこれまたいつもの勝負の誘いとで肉体的にも精神的にも限界を迎えており鍛えているとはいえ士郎の体も悲鳴をあげていた。
(もう何も起こらないでくるよ…)
そう神に祈りながら下駄箱を開けると落ちる一枚の手紙、蘇る記憶と嫌な予感、今までにないくらい士郎はこれがラブレターであることを願った。
「今日の昼休み、屋上で待つ。遠坂凛」
神などいなかった。
「遅いじゃない!15分もたってるわよ!」
「全くわたくしを待たせるなど…本当にあの時の人物と同じなのかしら」
屋上に行くとすでに二人そろってご機嫌斜めの状態で待っていた。
「仕方ないだろ…前の授業の先生にプリント運ぶのを頼まれたんだから」
「他に暇そうにしている子に頼めばいいじゃない?」
「俺が頼まれたんだから俺がしないとダメだろう」
「本当にお人好しですわね…」
士郎が言うと二人は呆れたようにため息をつく。
「まあいいわ、今日聞きたいのはそんなことじゃないしね、人払いも済ませてあるからどんなこといっても大丈夫よ。」
「というと、やっぱり昨日のことか?」
士郎が聞くと二人はすぐに真剣な眼差しになる。
「ええ、そうですわ」
「衛宮くん、本当に昨日のやつは美遊が倒したの?」
二人の質問に士郎は疑われぬようにすぐに返す。
「ああ、昨日のやつは美遊が倒したよ。」
「私たちにはそうは思えないのよ、私たちのあの攻撃を受けて生きてたようなやつが美遊一人に負けたとは思えない。」
「あの騎士は二人の攻撃でもう瀕死だったんだよ、その後にあんなに大きな技を使って俺たちが戦う頃にはもうフラフラだったんだ。」
これは昨日の夜から考えておいた嘘、士郎は二人に質問されることを予想して事前に答えを考えておいたのだ。
「ルヴィアは昨日のことはサファイアに聞いただろ?」
「ええ、たしかにサファイアもそのようにもうしていましたが…」
「ならそれが真実だよ、それじゃ俺は戻るな。実はまだ昼食食べてないんだよ」
「…わかったわ、時間とらせて悪かったわね」
「いやいいよ、また何かあったら呼んでくれ」
そう言うと士郎は足早に自分の教室に戻っていく。士郎としてはなにかボロをだす前にこの場から早く逃げ出したかった。士郎が戻ると二人は話し始める。
「あの感じ、どう思いました?」
「急いでいた感じはあったわね、理由はしっかりしていたけど…」
「言葉の中に違和感があった、じゃなくて?」
凛にルヴィアがきくと凛はそれ!という感じの顔をした。
「衛宮くんがいっていた俺たちが戦うていう部分」
「美遊が一人で戦ったのならあの部分は美遊が戦うになるはずでは?」
「まあ考えすぎかもしれないけど…何かあるとすればすぐにわかるでしょ」
こうして二人は何かに気づきながらも見て見ぬ振りをするのだった。
次はイリヤと美遊sideですよー