夏休みと言えば?…兄が帰ってくる!
side桜木咲子
メイと模擬戦をしてからまた数週間後、今は夏休みである。
宿題は夏休みが始まってすぐオール(完徹)して3日で終わらせた。私の体力とマッ缶があれば大丈夫だった。その次の日丸一日寝たけどね。
あと、夏休みになると帰省する人も少なくないだろう。何でこの話をしてるのかって?それは…
……兄さんが千葉から帰省してきたからだ。
春樹「咲子、お前超強くなってるな」
咲子「そりゃ、日花先生に鍛えてもらってるからね♪」
春樹「…ほう、あの日花先生に弟子入りしたのか」
咲子「そうだけど、どうかしたの?」
春樹「いや、俺は弟子にしてくださいって頼んで断られたんだよ、懐かしいな」
咲子「私の場合、逆に弟子になってって誘われたんだけど」
春樹「へぇ……って、今何つった!?」
咲子「日花先生に弟子になってって誘われたのよ」
春樹「…そんな事ある?」
咲子「ある」
春樹「アンビリーバボー。ハルキシンジラレナイナ」
…なるぼど、そのネタね。
咲子「……何言ってんだこのゴミぃちゃんは。実際に起きてることなのよ?」
春樹「…あのー咲子さん?俺ガイルネタで言うのはいいんだけど俺結構傷つくからね?演技なのは分かってるけど、ね?」
咲子「……口調まで変わってるわよ、兄さん」
春樹「おう、これは失礼。で、日花先生にどんな特訓つけてもらったんだ?」
咲子「…知りたい?」
春樹「知りたいから聞いてんだろうが」
咲子「まず、毎日指だけの腕立て伏せ千回、腹筋五千回、スクワット五千回、反復横跳び一万回」
春樹「……それを毎日かよ」
咲子「しかも、毎週金曜日は模擬戦。いつも先生に触れもせずにフルボッコにされる」
春樹「鬼かよ…」
咲子「あと、先生の気まぐれで技を教えてくれるわね。炎天桜舞とか。しかも習得するまで帰れません状態で」
春樹「…そりゃそんな特訓したら嫌でも強くなるわな」
咲子「今の私は5連続でオールしても問題ないぐらいの体力と、自動車を両手で問題なく止めるぐらいの力があるわ」
春樹「まさか…俺の妹、人間辞めた?」
咲子「それを言うなら日花先生に言ってよ」
春樹「あー、先生は"半分"人間辞めてるから言わなくていい」
咲子「(日花先生って何で半分だけ人間辞めてるんだろう…)ところで兄さん、きじおさんは?」
春樹「きじおなら家にいると思うぜ」
咲子「ふーん…」
兄さんの親友の飛羽野きじお(ひわのきじお)さんはキジの仮面をつけている。昔は帽子を付けていたが頭が入らなくなったため仮面にしたらしい。
春樹「それでよー、きじおがよー…」
咲子「へー、それはすごいわね」
私は兄さんとしばらく談笑した。楽しかった。
キャラクター紹介
桜木春樹
咲子の兄。5歳年上。千葉で仕事をしている。
飛羽野きじお
春樹の親友で、同じく5歳年上。千葉で仕事をしている。
"兄弟はいない"。
次回もよろしくお願いします。