side室見メイ
ー寮部屋ー
ガチャッ
メイ「ただ今ー」
俺は誰もいるはずのない部屋にそう言います。ま、いまsー
『お帰り♪』
メイ「………え?」
今、声がしたような気が…気のせいですよね?
『気のせいじゃないわよ♪』
メイ「だ、誰ですか!どこに居るんですか?!?」
『アンタの中に居るのよ』
な、中、ですか…?
『そう、中。詳しくはアンタの夢の中で話すわ。じゃーね』
そして声はしなくなりました。
メイ「今のは何だったんでしょうか…?」
………とりあえず忘れて夕食でも食べるとしますか。
『…………』
ー数時間後ー
メイ「さて、寝ますか…」
明日もいい一日になりますように……。
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「メイ、起きなさい!」
メイ「ん……んん?」
俺は自分に似たような声に起こされました。
メイ「ここは…夢…ですか?」
目が覚めたのは真っ白な空間でした。
「そう、気付くのが早かったわね」
私は目の前にいる少女に気付きます。
桃髪で、橙色の目、そして青いパーカー…目の色とパーカーの色以外私と瓜二つの姿でした。
「ふふっ、同じ人なんだから、そりゃ似てるわよ」
メイ「同じ人?貴女は…誰ですか?」
ナオ「私は室見ナオ。アンタの別人格よ」
別人格…?つまり…
メイ「え…私って、二重人格だったんですか!?」
衝撃の事実です。
ナオ「ま、二重人格といっても、そうなったのはつい最近だからね♪」
メイ「…いつこうなったんですか?」
ナオ「そうね…咲子と連携技を作ろうとした時、覚えてるでしょ?」
メイ「はい、陽天梅桜を編み出した時ですか?」
ナオ「そうそう♪その時、咲子のエネルギーとアンタのエネルギーが混ざったでしょ?その時偶々混ざったエネルギーの一部がアンタの魂に入り変異して、私という人格が生まれたってワケ」
メイ「は、はぁ…」
ナオ「それとね、性格9割メイ1割咲子みたいな感じかな?だからメイの特技はほぼできるよ」
メイ「じゃあ、一人称が俺ではなく私だったり敬語で話さなかったりするのは咲子さんの部分ですか?」
ナオ「そうなるわね。でも、私とアンタではっきり違うのは…」
メイ「違うのは?」
ナオ「属性よ」
メイ「……え?」
ナオ「アンタは梅属性、私は桜属性なのよ」
メイ「…What?」
ナオ「英語で反応しても無駄よ。事実だから」
メイ「つ、つまり…俺は1人で陽天梅桜が使えるようになったんですか!?」
ナオ「それはできないわ。エネルギーの割合の問題で」
メイ「そ、そうですか…。人格の交換ってできますか?」
ナオ「できるけど、余程のことがない限りするつもりは無いわね。あと、私のことは誰にも話さないでくれる?話す時がくるまで」
メイ「…分かりました、話しませんよ。これからよろしくお願いします、ナオ」
どうせ同じ人ですし、呼び捨てでいいでしょう。
ナオ「ふふっ、こちらこそよろしくね、メイ」
ガシッ!
そして俺、室見メイにナオという人格が増えたのでした。
キャラクター紹介
室見ナオ
メイの別人格。陽天梅桜によるエネルギー融合により生まれた。
ナオが活躍するのは少し後の話になります。
次回もよろしくお願いします。