side桜木咲子
ー自宅の前ー
ゼイル「……来てしまった」
咲子「…幸い今日父さんはいないから大じょ…ばないわね、母さんがいるし」
ゼイル「………押すぞ?」
ピンポーン!
…ガチャッ。
春菜「咲子、おかえり…あら?」
ゼイル「…どうも、飛羽野ゼイルです」
春菜「…そう、アンタが、ね〜…」じー
母さんはゼイルをじっと見つめる。
咲子「…母さん?」
春菜「なるほど、彼がアンタの彼氏さんね〜♪」
…何故分かった!?
咲子「な、な…なんで分かったの!?///」
ゼイル「……咲子、誘導尋問に引っかかってるぞ」
咲子「…ハッ!?」
春菜「………色々聞きたい事ができたわね。入りなさい」
咲子「ううう…///」
ゼイル「し、失礼します…」
ーリビングー
春菜「…で?経緯を教えてちょうだい」
咲子「…ホントに言わなきゃいけないの?」
春菜「そりゃ、娘が変な人と付き合ってないか確認しなきゃ…ね〜?」
咲子「うっ…」
ゼイル「…咲子、覚悟を決めろ」
咲子「ゑ?」
どんな覚悟?
…そう聞こうと思ったが、時はすでに遅かった。ゼイルはポーカーフェイスのように真顔になり…
ゼイル「俺は11月に千葉から転校してきました。その前は…壮絶な過去でした。きじお兄さんに助けられ、妹と一緒に飛羽野家に引き取られました」
経緯を話し始めた。
春菜「…なるほど、だから飛羽野なのね。…続けて」
ゼイル「それで、転校したその日の放課後、俺は咲子率いるさとかに隊に会いました。みんな良い人たちでした。…その夜、マッ缶…あ、マックスコーヒーです、をベンチに座って飲もうとしてました。その時に、咲子が先にベンチに座ってたので、隣に座る許可をもらってから座りました。咲子は俺の過去について聞いてきました。何故俺の目が腐っているのか、と。俺は驚きました、まさか会って1日も経ってない人に気付かれるとは、と。俺は全て話しました。…正直、嘘だと思われるだろうと思ってました。しかし、咲子は俺を信じてくれました………」
ゼイルの話は長かった。でも、事細かに説明していた。
ゼイル「…すると突然咲子が後ろから抱きついてきました」
咲子「ちょっ!?」
春菜「ふーん…」
…私なら絶対に言えないような内容まで真顔で。私がした大胆な行動を全て。
…公開処刑にあっている気分だ。
咲子「………///」カァァァ
ゼイル「咲子はしばらくこうさせて、と言ってきました」
やめて!もう咲子のHPはゼロよ!
春菜「あら〜大胆ね〜♪」
咲子「ううう〜///」
ー数分後ー
ゼイル「…以上が付き合い始めた経緯です」
春菜「なるほどね…」
咲子「…はうあ〜///」プシュ〜
ゼイル「…大丈夫か、咲子」
咲子「うう…ゼイル〜」ギュッ
私は涙目でゼイルに抱きつく。
ゼイル「安心しろ、俺も超恥ずかしいから」ナデナデ
咲子「じゃあなんで話したのよ」
ゼイル「…話してと言われたからな、仕方ないだろ?」ナデナデ
春菜「あらあら、お似合いね〜」
私はしばらくゼイルに慰められるのであった。
付き合った経緯を親に話すって完全に公開処刑ですよね…
ま、俺は彼女いない歴=生まれた時からの期間…ですけどね。
次回もよろしくお願いします。