私はストライカーユニットの開発がしたい   作:社畜新兵

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いよいよエンジンの開発に乗り出す3人ですが開発は一発でうまく決まるものではありません。


プロトタイプ!!エンジンは骨董品

「えーと、記念すべき試作エンジン1号機完成しましたが、性能チェックをする前に、ひとこと言いたいことがあります」

汚れた作業服に身を包んだナタリアが、目の前にある今組みあがったばかりの魔導エンジンを見ながら言った。

「何が問題あるんだ?まだ動かしてもいないぞ」

試作責任者のアレクセイが不満そうな顔をしてそう言った。

「どう考えても大きすぎるね、私の設計ではエンジンの外径は20mmだったけど、いざ作ってみたら、どれどれ、ざっと50mmはあるな」

設計主任ロイ・カロラーがスケールでエンジンを計りながら言った。

「この大きさでは背中に背負わなければ使えません。先の大戦レベルですね。骨董品のストライカーユニットじゃあ、ペトリャコフ中佐は納得しませんよ」

ナタリアは魔導エンジンを抱えながら、アレクセイに文句を言う。

「わかった、確かにこいつはバカでかい。だがな、せっかく作ったんだ。動かしてみたっていいだろう?」

アレクセイは自作した台にエンジンを載せ、速度計をつなぐ。

「私に動かせと?」

ナタリアがため息をつきながら言う。

「私からも頼むよ。どれくらいの速度が出るのか、再設計のために知る必要がありますから」

ロイが記録の準備を整えて言う。

「わかりました、では1時間だけ、動かします、クリストファー!!」

父親から引き継いだ使い魔の名前を呼ぶと、ナタリアはまた青白い炎に包まれる。取り付けたスターターの魔導モーターが動き出すと、魔力で出来たプロペラが浮かび上がり、それはゆっくりと回り始めた。徐々に回転が速くなり、やがて魔動力エンジンは行進曲のように、狂いのない正確なリズムを刻み始める。

「400!450!500!少しゆっくり!510!520!530!そのまま!」

アレクセイが速度計をにらみながら、ナタリアに細かく指示を出す。

「む!うぅ、久しぶりですよ!ユニット動かすの!」

ナタリアは耐熱手袋をはめた右手でエンジンをつかみながら、苦しそうにエンジンに魔力を送りつづける。

「我慢してくれ。ロイ!何秒かかった?」

アレクセイが短く言った。

「600!少し遅いが、まぁ良いだろう」 

ロイが秒時計を読み上げる。

「600は掛かりすぎです!300でスクランブルするんですから!」

ナタリアが右手でエンジンを動かしながら言った。

「もう十分だ!止めていいぞ!ナターシャ」

アレクセイは必死にエンジンを動かすナタリアに言った。

「もういいんですか?まだ30分も経ってないですよ。アチチチ」

ナタリアはやけどをしかけている、右手をプラプラ振りながら言った。

「試運転ならこんなもんだろう、十分だ」

アレクセイは満足そうに言う。

「当初の目標の最高速度500km/hは出ましたが、課題は小型化ですね」

ナタリアはまだ熱いエンジンを見ながら言う。

「このエンジンの部品は鋳造で作っているよね?機械加工の削りだしにしたら?」

ロイが提案する。

「手間がかかっちまうし、量産コストも上がるから、鋳造で作りたいが仕方ないな」

アレクセイが渋々提案を飲む。

「プロトタイプはなんでも手作りでしょ!飛行機もストライカーユニットも!」

ナタリアが調子のいい軽口をたたくが、それを二人は無視した。

「ナターシャ、機体の試作も始めたいが、うちの若い連中を使って作ってくれるか?」

アレクセイが壁に貼られた進捗管理表を一瞥するとそう言った。

「ああ、確かに器がなければ、試験飛行はできませんからね。やりましょう」

ナタリアがアレクセイの指示を理解し、答える。

「私とアレクセイはエンジンの設計と試作のやり直しだね。課題は小型化と立ち上がりか」

ロイが顎に手を当てながら言った。

「エンジンの加速を速くしたければ、やはり性能のいい魔導モーターが不可欠ですね」

ナタリアが食らいつくように言った。

「この魔導モーターってやつは、普通のスターターモーターとどう違うんだ?」

アレクセイが、始動用の魔導モーターを指さしながらナタリアに聞く。

「ああ、それはですね、普通のモーターは電気で動きますが、この魔導モーターは魔力で動きます。一番の違いはそこですね。あと電気はバッテリーに蓄電できますが、魔法力は体の外には貯められません。魔法力バッテリーなんて物も今はありませんね。もし開発することができれば、戦艦や戦車がシールドを張れるようになって、戦場ががらりと変わるかも」

ナタリアが長々と説明する。

「で?つまるところ何だ?これは?」

コンコンとスターターを叩いてアレクセイが聞く。

「ああ、私の義手に使われた「世界最小のストライカーユニット」がこれですね。微弱な魔法力を一瞬で増幅して、エンジンの始動に必要な魔力を確保する」

今度は少し要点をまとめて、ナタリアが話す。

「最初からそう言ってくれよ…」

ロイが思わずそうこぼす。

「すみません」

ナタリアはバツが悪そうに言った。

「よし!疑問が解決したところで手を動かすぞ!ネウロイは待っちゃくれねぇからな!」

アレクセイが檄を飛ばし、皆テキパキと動き始める。設計し作って再設計しまた作る。設計開発は地道な仕事だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 




ナターシャの年齢を若くしました25歳は年取りすぎてたのでwww
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