山あり谷ありウマ娘 〜気付いたら脱サラしてトレーナーになった話〜   作:ギノっち@カマタラル

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もう一つのパンドラ

 

 

 

 

 

桜木「平和だなぁ〜」

 

 

 何気なく呟いた言葉。独り言にしてはあまりに壮大で、誰かに聞かせるには、あまりに抽象的すぎるそれは、本当に何を思うでもなく、俺の口から出て行き、大量の水に垂らした一滴のインクのように染み込んで、やがて普通の水に戻っていく。

 夏の暑さは先日のアレでとっくのとうに耐性が付き、例年のテンションはそのなりを潜めている。

 

 

桜木「.........ホント、久々の平和だ」

 

 

 誰も居ないチームルームで一人、デスクに座りながら両手を頭の後ろで組み、窓から差し込む陽の光を堪能する。

 思えば、今までが忙しく、やりがいがあり過ぎたのかもしれない。

 マックイーンの天皇賞制覇。テイオーの菊花賞の為の試行錯誤。ブルボンの三冠。ライスの祝福。そして、タキオンの時限爆弾。

 解決していない事が一つあるとはいえ、道標は既に整っている。やる事が明確で、目標がある程度定まっているなんて、今までなかった事だ。

 

 

桜木「こんな日々が、ずーっと.........続いてくれりゃあなぁ」

 

 

 毒にも薬にもならない日々がもたらしてくれる物は定かでは無い。それでも、それは確かに存在している。

 頭の中で振り返る思い出は、とても綺麗な物だ。一瞬一瞬を切り取ったハイライトが、鮮明に、その時の感情と心を思い出させてくれる。

 けれど、俺は今を生きている人間だ。生きているならば、立ち止まらずに一歩踏み出す事が義務付けられている。

 

 

桜木(宝塚記念。二度目の頂上決戦に向けて.........俺も気持ちを切り替えねぇとな)

 

 

 壁に張り出されたカレンダーには、大きく印を付けられた日付がある。[6月13日]。今から二週間後に控えた大決戦の舞台がととのう日だ。

 前回と同じなら、大した事なんてほとんど無いだろう。けれど、相手はあのトウカイテイオーだ。菊花賞を復帰一発目で走り抜け、見事無敗の三冠バとして君臨した帝王。今回も、どんな復活劇を見せつけられるのかと考えると、マックイーンを担当している身からしたら気が気でない。

 それでも、彼女なら.........一度奇跡を[起こした]トウカイテイオーに勝って、一度奇跡を[超えた]彼女なら、きっともう一度.........!

 

 

桜木(.........って、その可能性を高めるのが俺の仕事だろうが。他力本願は行かねぇだろ)

 

 

 行けない行けない。ついファン目線に偏りすぎてしまっていた。俺はトレーナーだ。彼女を勝たせる事が俺の仕事であり、使命である。それを彼女だけに背負わせようとしちゃ行けない。

 

 

 6月の初め。その日はもう[遠くは無い]

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ーーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

マック「はぁっ......はぁっ......!」

 

 

 ぬるかった風が気持ちの良いそよ風に変わり始めた頃。いつも通りのチーム練習が行われる中、俺はターフでひたすら走り続けるマックイーンの姿を見ていた。

 

 

タキオン「精が出るね、トレーナーくん」

 

 

桜木「タキオン.........まぁな。あと二週間でまた世紀の大決戦。レース以外の問題が終わりゃあ今度はレースだよ。お前は?」

 

 

タキオン「今ひとつって所だよ。可能性を広げては居るが、たどり着くべき場所が見えているとそちらに引っ張られてしまう」

 

 

 やれやれ。と首を振り、自分に対して呆れを見せるアグネスタキオン。彼女はその目標に少しでも早く近づこうとする自分の行動が予想外だったのだろう。だが、それが人間と言うものだ。

 彼女は今現在、この学園の保健室医である黒津木宗也から受け取った薬を分析し、解析している。天才である奴が医者としての本分。あらゆる人を助けられる可能性を[捨て]、彼女を、アグネスタキオンを助ける可能性を[拾った]。

 そして、奴はその捨ててきた物を、彼女に拾わせる事を条件に、それを渡してきたのだ。

 

 

タキオン「だが、結果はいい方向に進んでいるよ。そこは心配しなくても問題ない」

 

 

桜木「そうか。お前の口からそれが聞けるなら、安心だな」

 

 

 不敵に笑うタキオンに釣られて、俺もつい笑ってしまう。データや証拠に裏づいた事しか普段口にしない彼女のそれは、絶対的な安心感がある。

 

 

デジ「トレーナーさーん!ウララさんのタイヤ引き終わりましたー!」

 

 

 向こうの方から大きな声を出しながら手を振るデジタル。傍のベンチでは少し疲れた様子のハルウララがドリンクで水分補給に勤しんでいた。

 

 

桜木「ウララも大分体力が着いてきたな〜」

 

 

タキオン「そうだね。短距離を走る分には、前に比べると安心出来そうだ」

 

 

桜木「後はあの子の気付く力が、レースで100%発揮出来るかどうか.........」

 

 

 それに関してはレースをこなすしかない。けれど、あの子にはそれを乗り越える心の強さがある。チームの誰よりも強い意志が、彼女の心には眠っている。

 チームの中で最近デビューを果たした二人だが、そこら辺に関しては他の子達より心配事は少ない。特にウララに関してはレースの心配事より、日常生活の方が心配してしまう。

 

 

桜木「.........まぁ、何とかなるか」

 

 

タキオン「そうだねぇ。所で話は変わるんだが」

 

 

桜木「ん?何?」

 

 

タキオン「君はいつマックイーンくんに告白するんだい?」

 

 

 何を言っているんだ?コイツは。にやにやとして俺の事をまるで何をするか分からない檻の中の実験動物を見るような目で見てきやがる。

 俺は頭を抱え、大きく溜息を吐いた。正直この手の問答は既に飽きるほどしていると言うのに、何故今更になってまた.........

 

 

桜木「だぁかぁらぁ!卒業まで待つっつってんだろ!!!」

 

 

タキオン「う〜んダメか〜♪意識外からの質問なら君の本心が聞けると思ったんだがねぇ〜?」

 

 

桜木「本心なんですがこれは.........」

 

 

 全く.........やはりこういう時期の女子と言うのはどんな性格していようが恋バナには興味津々らしい。お前はお前で成就してるんだから別にいいだろ.........ほっといてくれ。

 俺はそう思い、タキオンに背を向けて歩いた。坂路でトレーニングしているブルボンとライスの方を見る為だ。げんなりとしたまま俺は歩いていた。

 すると、背中をトントンと突かれる。人差し指でされたような感じだ。俺はまたかと思い、怒りを感じながら振り向いた。

 

 

桜木「あぁのぉさぁー!!.........?」

 

 

マック「っ、ごめんなさい.........迷惑でしたか.........?」

 

 

 そこに居たのはタキオンではなく、マックイーンだった。どうやらさっきの話をしている最中に最初に提示したスピードトレーニングを終わらせてしまっていたらしい。

 俺の怒りを敏感に感じ取り、身体と耳を縮こませ、少々涙目になっている彼女がそこに居た。

 

 

桜木「い、いや!!ごめんマックイーン!!タキオンかと思って.........」

 

 

マック「お、怒ってませんか.........?」

 

 

桜木「怒ってない怒ってない!!」

 

 

マック「.........ホッ」

 

 

 一安心。と言うように胸を撫で下ろした彼女を見て、俺は少し罪悪感に駆られた。しかし遠くでニヤニヤとしているタキオンを見てきそれも空に消え去った。お前のせいだぞお前の。

 俺は気持ちを切替えるために一つ咳払いをし、彼女がなぜ俺の方に来たのかを問いかける。

 

 

桜木「どうしたんだ?なんか不安とか、不調とかある?」

 

 

マック「いえ。少し疲れたので、休憩にお話でもと.........」

 

 

 彼女はそう言って、少し恥ずかしそうに顔を若干赤らめて、片手で髪をかきあげた。ふわりと空を打つ様に髪が振られ、彼女の良い匂いが鼻に通るが、気にしては行けない。俺は犯罪者にはなりたくない。

 しかし、俺の少し動揺した様子を見て彼女は察したのか、サッと身を引いた。

 

 

マック「も、もしかして汗臭いですか.........?」

 

 

桜木「い、いやいや!!全然だよ!!いつも通りのお花の匂いがする!!なんの花か分からないけども!!」ワタワタ

 

 

マック「.........嗅いだんですか?」

 

 

桜木「」

 

 

 更にその身を一歩引いて警戒態勢に入るマックイーン。いや、だってしょうがないじゃないか。臭い?って年頃の女の子に言われたら臭くないよ!ってフォローするのが良いって思ったんだもん!!なんでそんな承太郎みたいなことするの!!?俺がマヌケだったってこと!!?

 .........実際マヌケなんだけどさ。女の子の気持ちも分からず、ましてやこんな年下の子に本気で恋してるなんて、マヌケ以外の何者でもない.........

 

 

桜木「.........ごめん」ズーン...

 

 

マック「.........はぁ」

 

 

マック「.........少し恥ずかしかっただけです。流して下さっても別に良かったですのに」

 

 

桜木「え?」

 

 

 そう言って、マックイーンは俺に近付いてきた。けれど、顔を見せないようにしているのか、彼女は俯きがちで俺の背負ったバックパックからタオルを取りだし、かいた汗を拭き始めた。

 てっきり、いつも通りの制裁が飛んでくると思ったけどどうやら違ったみたいだ。一安心していいやら、ドギマギしていいやら.........

 ふうっと気持ちよさそうに息を吐き、頭を拭いていたタオルを首に掛けたマックイーン。移動する準備は出来たらしい。彼女が隣に来るのを見計らい、俺も坂路に向けて歩き始めた。

 

 

マック「ブルボンさん。調子はどうでしょうか?」

 

 

桜木「どうだかなぁ、まだ走れる訳じゃないから、ライスのトレーニングみて刺激になればと思ったけど.........」

 

 

 ブルボンが骨折して、かれこれ六ヶ月。普通のウマ娘ならばこの六ヶ月を目処に復帰レースを画策するが、彼女は元々スプリンター。治って早々今まで通りのスパルタを叩き込んでいいのか少々迷っている。

 そう悩んでいると、彼女が不意にふふ、と笑いを零した。何かと思いその方を見ると、俺の視線に気付いたマックイーンも、俺の目をじっと見てくる。

 

 

マック「もうすっかり、ベテラントレーナーさんですわね?」

 

 

桜木「やめてよぉ〜!歳をとった実感を与えないでぇ〜!」

 

 

マック「貴方にこうして責任感も植え付けて、身勝手できないようにさせてあげます♪」

 

 

 うぅ.........にこりと笑う悪意の無いマックイーンがとっても可愛い.........そういう意外とお茶目でからかってくるところも親しみやすくて良い.........

 そんな彼女との他愛も無い話をしていると、不意に遠くの方から沖野さん達の練習風景が目に映った。

 

 

桜木「.........もう。本調子みたいだな」

 

 

マック「そうですわね.........」

 

 

 爽やかな風が吹く。それは俺達に、明日や未来がある事を予感させてくれるものだった。その風に乗せられるように、俺とマックイーンは同じ方向を見て、自然と微笑んでいた。

 そこには、骨折を完治させ、ようやく走る事が出来るようになったトウカイテイオーが気持ちよさそうに風を切って走っていた。その姿は、もう心配要らないという程、輝かしい姿だった。

 

 

桜木「.........怖いか?」

 

 

マック「ふふ、いいえ。ライバルですもの。怖がってしまったら失礼です」

 

 

 二度目の春の天皇賞。彼女はあの時、テイオーに少なからず、恐怖を抱いていた。骨折を経験し、出られるかどうか分からない菊花賞に出走し、挙句の果てには無敗で三冠.........それを成し遂げたテイオーに、気圧されていた。

 けれど今は、あんなに身体が震えてしまう程怖がっていたテイオーを、ライバルだと言い切って見せた。この様子ならもう、走る前に抱き寄せる必要は無いかもしれない。

 

 

桜木「じゃあ、誤魔化す為のハグは必要ないな」

 

 

マック「なっ、いえ。そ、それとこれとは話がまた.........」アタフタ

 

 

 そこまで考えが回っていなかったのか、俺がそう言ってから彼女は慌て始める。なんでそんな反応するんだ?もう20代後半のおじさんのハグなんて要らないだろ.........いや俺は嬉しいけども。

 コホン、という咳払いをする彼女の声で、その方に意識を向けると、そこにはジトっとした目で俺を睨むマックイーンが居た。

 

 

マック「私をいじめるのは楽しいですか?」

 

 

桜木「いや〜、最近やられっぱなしだからさ。いつもの仕返しってやつ?」

 

 

マック「.........もう、トレーナーさんのいじわる」ウフフ

 

 

 口では俺への文句が出てきてはいるが、その表情から俺への悪い感情は見当たらない。それどころか、嬉しそうであった。

 .........彼女と、ここまで歩いてきた。沢山の出来事が、それこそ数え切れない程、一つ一つを丁寧に振り替えれない程、濃密で濃い道のりを、時には一人で、時には二人で、時には大勢で歩いてきた。

 ここまで来たんだ。彼女の夢を叶え、自分の夢を見つけ、ようやくスタートラインに立てた。ようやく.........トレーナーとして胸を張れる夢が出来たんだ。

 

 

桜木「.........なぁ、マックイーン」

 

 

マック「?なんですか?トレーナーさん」

 

 

桜木「テイオーと競い合う前に、取らぬ狸の皮算用みたいな事言うみたいで悪いんだけどさ.........」

 

 

 俺はそう言いながら、彼女に身体の前面を全て向ける。マックイーンはそんな俺に疑問を抱くように首を傾げたが、それを全て聞き入れると言うように、俺に一歩近付いてきた。

 

 

桜木「テイオーとの宝塚記念。勝っても負けても.........っていうのはアレだけど.........」

 

 

マック「確かにそこは是非[勝てたら]と言って欲しかった所ですわね」ムスッ

 

 

桜木「あはは.........面目ないな」

 

 

 どうにも締まらない。俺は自分の後頭部を掻きながら、彼女に謝った。勝っても負けてもの部分を彼女が聞いた時、一目で分かるほど不機嫌になってしまったから、話が脱線してしまった。

 でも、別に彼女の勝利を疑っている訳じゃない。これは社会で生きてきた大人に備わった防衛本能みたいな物だ。そこで生きていると、断言や絶対的な条件付けが出来なくなってしまう。

 .........でも、俺はそんな条件を付けたくない。結末がどうであれ、俺は彼女に、[俺の夢]に付き合って欲しい。俺の夢で.........隣で、俺を祝福してくれるのは、彼女が一番良いんだ。

 

 

桜木「.........宝塚記念。終わったら、今度は[俺の夢]を叶える.........手伝いをしてくれないか?」

 

 

マック「!.........トレーナーさん」

 

 

 

 

 

 ―――彼はそう言って、真剣な眼差しで私を見つめました。そう言われて、私の鼓動は大きく、そしてそれを待ち望んでいたかのように高鳴って行きました。

 

 

マック(.........彼と掴んだ、栄光の盾。それは正しく、彼がいなければ掴めなかった物.........)

 

 

マック(いくら鍛錬を積んでも、レースで勝ったとしても、積もる一方で、返している気になれなかった、彼の恩.........)

 

 

 ようやく。ようやくです。彼に手を引かれ、私の行きたい場所へと.........遠回りや寄り道をしながらも、連れて行ってくれた彼に.........ようやく、今までのお返しが出来る。

 私を夢の場所へと導いてくれたトレーナーさん。今度は私が、貴方を夢の頂へと.........そう思い、私は手を伸ばしました。

 

 

桜木「っ.........ありがとう、マックイーン」

 

 

マック「当然です。ここで断ればそれこそ、メジロとして、そしてウマ娘として以前に、人としてダメになってしまいますから」

 

 

 彼の片手に手を伸ばし、それを両手で包み込みます。最初に会った時に見た綺麗な手が、今ではタキオンさんのトレーニングの成果なのか、ゴツゴツと逞しい物に変わっています。

 けれど、温かさは変わらない.........彼の優しさは、何一つ変わらずに、強くなっています。

 

 

マック「.........さぁ!話してくださいトレーナーさん!このメジロマックイーン、貴方の為なら、どんなレースも走ってみせますわ!!」

 

 

マック「中長距離はもちろん!マイルも短距離も!ダートも走ってみせます!!」

 

 

マック「それこそ、海外だって........!」

 

 

マック「貴方と一緒なら、どこまでも―――」

 

 

 そう。この人となら、どんな険しい道のりでも、光も灯さない真っ暗闇でも、哀しくなるどころか、騒がしくて賑やかで、どうしようも無いほど楽しく歩いていけます。

 どこまでも一緒に.........私はそう。言葉を続けようとしました.........

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「テイオー(さん)ッッッ!!!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

桜木「っ!!?」

 

 

マック「な、え.........?」

 

 

 

 

 

 ―――その声が聞こえた時、あの爽やかに感じていた風は消えた。凪と言うには静けさが痛々しすぎるほどに、その声は俺を.........夢から[覚めさせる]には充分過ぎるほど、痛々しい程にこの世界に響き渡った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ーーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

桜木「.........」

 

 

 アレから、数日が経った。テイオーが倒れ、病院に運ばれて検査を受けた後、去年できたトレセン学園の療養所に今、彼女は居る。

 何故か、俺を先頭にしてチームの面々は後ろに控えていた。このまま足踏みをしている訳には行かない。そう思い、俺はその扉を開けた。

 

 

テイオー「あっ!みんなー!」

 

 

桜木「.........よう。元気さは変わりないみたいだな」

 

 

 先陣を切った俺の役目。それは、まず彼女の今の精神状態を知る事。この分だと安心しても良さそうだ。そう思い、俺は後ろに控えているウマ娘、そして沖野さんに入るように首を向けた。

 

 

テイオー「懐かしいなー!この感じ♪サブトレーナーが海外の話してくれた時みたいだね!」

 

 

桜木「そうだな。今回はまぁ.........お前に話してもらう事になるけど」

 

 

沖野「.........」

 

 

 場の空気が少し、どんよりとする。その空気の発端は他でもない。沖野さんだ。この人はテイオーと病院へ行き、その診断結果を聞いた。

 .........俺はトレーナーだ。そして、この人も同じトレーナーだ。トレーナーだったら、結果はどうあれ、ウマ娘の為に動くのが正解だ。だから俺は、彼女にどうしたいかを聞かなければならない。

 

 

テイオー「もちろん走るよ♪当たり前じゃん!」

 

 

沖野「!.........そう、か」

 

 

タキオン「.........まぁ、分かりきっていた事だけどね」

 

 

マック「ええ。私との再戦は伸びましたが、楽しみが消えた訳ではありませんわ。待っていますからね?テイオー」

 

 

 にしし、と笑うテイオーの姿に俺は安堵を、沖野さんは、どこか苦しそうな表情を浮かべた。他の子達もそれぞれ、安心と喜びを分かち合っていた。

 

 

 ―――次の言葉を聞くまでは

 

 

テイオー「いやぁ〜、でもやっぱり凄いよタキオン!あんな薬を作れるなんてさ!」

 

 

タキオン「.........ん?なんのことだい?」

 

 

テイオー「もぉー!とぼけないでよ〜!菊花賞前のボクにたくさん渡してくれたじゃん![特性クールダウンスプレー]!」

 

 

 あはは、と笑う声が病室内に響き渡る。まさかあのタキオンが忘れる事があるだなんて、そう言った笑いを、皆していた。

 ただ一人、タキオンを除いて。

 

 

タキオン「.........」

 

 

 一人。絶望に打ちひしがれた様な顔をした少女が居た。それは、他でもない。アグネスタキオンであった。

 その顔見て一人、また一人と、この空気の不穏さに呑まれていき、次第に不安と不穏が入り乱れ始めていく。

 ただ、トウカイテイオーの姿を真っ直ぐに見ていながらも、その目線は弱々しく、何かを呟こうとする口も、正確に声を出せていない。そしてようやく、そこから生まれた言葉は―――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「まさか.........使っていたのかい.........?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

テイオー「.........え?」

 

 

 ベッドの上に座る彼女は疑問の声を上げた。それはそれだけだったが、この場にいる全員はそれを、タキオンの言葉に対する肯定なのだと受け取った。

 その言葉を聞き、タキオンはその顔を両手で覆った。その顔が隠れる瞬間、彼女の泣きそうな顔が見えたのは、気の所為では無かったと思う。

 大きな溜息が聞こえてきた後、ゆっくりと彼女は話し始めた。

 

 

タキオン「.........テイオーくん。それは私が菊花賞前に渡したスプレー材の余りで.........前回骨折した時も、同じ要領で使っていたんだね.........?」

 

 

テイオー「う、うん.........」

 

 

タキオン「.........はは、は......こんな事なら、きちんと彼女が使う分だけ渡しておけば良かった.........そうしていれば、こうなる事はきっと.........」

 

 

 ブツブツと一人で、あれやこれやの振り返りを始めるタキオン。その様子に確信はしないながらも、察する者は多く出てくる。テイオーも、その一人に漏れない。

 だが、原因が分かったのならそれを伝えるのが彼女の性。苦しい気持ちと表情を押し殺し、彼女はその無表情にも似た悲しい表情を、表に上げた。

 

 

タキオン「良いかい?私があの時アレを渡したのは、君が[菊花賞]で、1回目の骨折前の、[元通りの走り]が出来る様にするためだ」

 

 

テイオー「うん!そ、そう聞いてたよ!!?だから今回だって「違うんだよ」.........!」

 

 

タキオン「.........[元通り]じゃもう。意味が無いんだ」

 

 

スズカ「.........もしかして」

 

 

 [元通り]ではもう意味が無い。その理由を一番最初に察したのは、スズカであった。

 

 

スズカ「[元通り]じゃ、身体の成長によって強くなる脚力に耐えられない.........?」

 

 

タキオン「.........御明答、だよ」

 

 

テイオー「そんな.........」

 

 

 その言葉に、全員に納得と絶望が訪れる。確かに、クラシック級を走っている時期とシニア級を走っている時期の身体は、それこそ雲泥の差がある程強さが違う。テイオーの肉体は些か早熟の気はあれど、やはり比べれば一目瞭然の違いが出てくる。

 そんな中で、脚の耐久度だけクラシックの時のままだったのなら、今回の事は何ら疑問もない。こうなる事は.........明白だった。

 

 

テイオー「じゃあ、ボクの脚は.........?」

 

 

 先程までの明るい表情から、胸の内から込み上げてくるそれを堪える様な苦しげな物へと変わる。いつもと変わらないテイオーを見ていた分、辛さは何倍にもなって俺達に降り注ぐ。

 誰も、何も言わない。テイオーの脚がどんな状況になってしまったかなんて、誰も言えない。言ってしまえばそれは―――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「もう、走れないの.........?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

沖野「っ.........」

 

 

 本当になってしまう。だから、誰も何も言わなかった。言いたくなかった。けれど、当の本人がそれを口にした。

 唇を噛み締める者。眼を逸らす者。顔を俯かせる者。静かに涙を堪える者。そんな皆の姿が、彼女にとって、最悪の結末を迎えた事を.........彼女に知らせた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 それで良いのか?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 それが、皆が[求める][桜木玲皇]なのか?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

沖野「.........そう「違う」―――さく、らぎ.........?」

 

 

テイオー「サブトレーナー.........?」

 

 

 ゆっくりと幕を下ろし始めた[トウカイテイオーの物語]。こんな終わり方で良いはずがない。こんな所で終わっていい訳が無い。

 俺はその思いだけで、ゆっくりと心を燃えたぎらせていた。

 

 

桜木「お前は、こんな所で終わらない」

 

 

桜木「もし、この世界に神様が居たとして、ソイツがこの[物語]にピリオドを打ったとしても.........」

 

 

桜木「お前を、トウカイテイオーの[波乱万丈物語]を、こんな悲しい結末(バッドエンド)で終わらせたくない」

 

 

マック(!.........ふふ、相変わらず、人を乗せるのが得意ですのね?トレーナーさ―――)

 

 

 

 

 

 ―――立ち上がり、テイオーの傍に近寄り、その言葉を掛ける彼。私は、その姿を見て、いつも通りの.........まるで[ヒーロー]のような、そんな彼を見ていました。

 

 

マック(.........トレーナー、さん?)

 

 

桜木?「まだ皆、諦めるのは早いんじゃないのか?」

 

 

桜??「奇跡だって、まだ一つも起きてねぇ中で、こんな所で諦めちまって良いのか!!?」

 

 

 最初は、気付きませんでした。いつも落ち込んだ時や、絶望の縁に沈んでいる時.........彼は、いつもそうやって、希望を強く持ち、諦めるなと諭してくる彼が.........本当の姿だと思っていました。

 

 

???「もしその奇跡だって、こんな結末を変えられないんだったら.........!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「奇跡だって.........超えてやるッッッ!!!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

マック(.........そんな)

 

 

 誰も、気付かない。彼が仮面を付けていることに、全く気付いていない。今付けているそれこそ.........彼の顔の皮膚に癒着して、外す事が出来なくなった[仮面].........

 皆、そんな彼に乗せられて、希望を抱き、救いを知り、彼に縋る.........今まで私も、それが仮面を付けた姿だと知らずにそうしてきました。

 けれど.........今ようやく、彼が付けている[顔に一番近い仮面]がようやく、目に見えたのです。ヒビが入り、欠け、割れた場所もあるその仮面.........素顔が本来見えるはずの場所は.........まるで何も無い、空っぽのような暗さ.........

 

 

テイオー「.........ありがとう、サブトレーナー」

 

 

桜木「!テイオー、安心してくれ!お前の足を何とかしてやったんだ!今回だって―――」

 

 

マック(っ、元に戻った.........?じゃあ今は、素顔.........なの?)

 

 

 ベッドの上に顔を伏せたまま、トレーナーさんに語りかけるテイオー。それに応えるように、彼はその仮面の存在を消し、胸を叩いて見せました。

 その姿に私は、それが本当の彼なのか、それとも私が気付いていないだけで、またその奥にある仮面なのか.........疑い続けてしまいました。

 

 

 ですが、その思考は、テイオーの.........彼女の言葉で、停止させてしまいました。

 

 

テイオー「ううん。いいよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ボク、走るの止めるね」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

桜木「―――.........」

 

 

沖野「っ、な、何言ってんだよテイオー!桜木がここまで言ったんだぞ!!?コイツが今までどんな奇跡を起こしてきたか「知ってるよ!!!」.........テイオー」

 

 

テイオー「.........正直さ。満足してたんだよね。ボク」

 

 

 寂しそうにそう言葉を零した彼女は、ようやく顔を上げます。それは本当に、どこかやりきったような顔だと感じてしまうほど.........

 窓の方へと顔を向け、トレセン学園のグラウンドに目を向け始めたテイオーは、ぽつりぽつりと、静かに話し始めました。

 

 

テイオー「[無敗の三冠バ]。それがボクの目標だった。それは.........皆が助けてくれたおかげで、何とか達成出来た」

 

 

テイオー「マックイーンとの勝負も、ボクが負けちゃったけどさ.........悔しいって気持ちより。やっぱりなー、凄いなー.........って思ってて」

 

 

テイオー「.........あの結果に、何をどうしたらっていう事を考えても.........頭の中でどう考えてもあの時のボクじゃ、キミには勝てなかったんだよ」

 

 

マック「テイオー.........」

 

 

 にしし、と笑う彼女。この病室に入って最初に見せた時と同じ顔なのに、その顔から感じる物は、それとは真逆の感情。

 そしてまた、彼女は寂しげな顔になり、私の方をじっと見てきます。

 

 

テイオー「そんな万全な時のボクが、どんな想像してもキミに勝てなかった。三回目の骨折からまた復帰しても.........そんなボクじゃ多分、絶対に勝てないと思う」

 

 

テイオー「.........だからさ」

 

 

 .........嫌です

 

 

テイオー「マックイーンには、悪いんだけど.........」

 

 

 聞きたくありません。

 

 

テイオー「.........ボク」

 

 

 お願いです。嘘だと言ってください.........また走ると、言ってください.........!!!

 貴女を怖がり遠ざけたあの春の天皇賞を.........!!!私と貴女の最初で最後にしないで.........!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「走るの、止めるね.........?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ーーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 夕焼けが辺りを優しく包み込み始める。その優しさに身を委ねようとしても、先程の光景が.........テイオーの笑顔が痛々しい物に思えたあの光景が.........その優しさを拒絶する。

 

 

ダスカ「.........結局、今日は何も出来なかったわね」

 

 

ウオッカ「仕方ねーだろ.........あんな事言われて、トレーニングに励めるかっつーの」

 

 

 アレから.........蜘蛛の子を散らす様にして、テイオーの病室から退散した。だからと言って、何かトレーニングをするという訳ではなかった。

 ただ、スピカのチームルームに入り浸って、無言でお互いの傷を、舐めあってるだけだった。

 

 

スペ「.........どう、するんでしょうか?」

 

 

スズカ「.........あの子はもう。自分の今までのレースに満足しちゃってるから、何か未練を感じさせられれば良いんだけど.........」

 

 

ゴルシ「.........トレーナー。なんかいい案ねぇのかよ?」

 

 

 机に突っ伏した状態で、顔を上半分出して沖野さんの様子を伺うゴールドシップ。それを見て、沖野さんはバツが悪そうに頭を掻いた。

 

 

沖野「.........もう。良いんじゃねぇか?」

 

 

ゴルシ「.........は?」

 

 

沖野「テイオーは良くやったよ。骨折しながらも[無敗で三冠]。歴史にその名前をしっかり残したんだ。もう、充分過ぎるほど走ってくれたさ」

 

 

ゴルシ「っ、アンタは.........!!!それで良いのかよっ!!!」ガシッ!

 

 

桜木「!!?や、止めろゴールドシップ!!!落ち着けって!!!」

 

 

 強い怒りをその身に宿したまま、ゴールドシップは沖野さんの胸ぐらを掴み上げた。俺は何とか二人の間に入ろうとするが、それなりの力で持ち上げているのかビクともしない。

 そんな中でも、沖野さんはただされるがまま、抵抗する素振りは一切見せなかった。

 ただ胸ぐらを掴まれたまま、彼はじっとゴールドシップを見ていた瞳を閉じ、口を震わせた。

 

 

沖野「良いわけ.........ねぇだろ.........!!!」

 

 

沖野「お前は分かってない!!!たった一回の骨折でもウマ娘に取っては人生に関わるんだ!!!それを三回だぞ!!?」

 

 

沖野「俺だって.........!!!諦めたくなかった.........っ」

 

 

ゴルシ「.........クソっ」パッ

 

 

 お互い、行き場の無い感情をぶつけ合って相殺した。けれどそれは、正しくぶつけるべき相手じゃない。だからまた、フツフツと自分の中で高まりを見せ始める。

 

 

桜木「.........タキオン、今解析してる薬で何とかならないのか.........?」

 

 

タキオン「.........だったら、私があんなに取り乱すと思うかい?」

 

 

ウララ「.........テイオーちゃん、もう、走らないのかな.........?」

 

 

 俺とタキオンの話が終わり、静寂を迎えた中でウララは呟いた。その言葉を聞いて、この場にいる誰もが、その顔を伏せてしまった。

 

 

沖野「.........解散しよう。これ以上居ても、今日は何にもならん」

 

 

桜木「そう.........っすね」

 

 

 夕焼けが差し込むこの室内で、多くの顔が悲しみに浸っていた。その中でその沖野さんの提案は、この優しい茜色の光よりも、優しく、そして嬉しい提案であった.........

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ーーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

桜木「.........」

 

 

 スピカのメンバーが帰り、レグルスのメンバーも帰った。沖野さんもそれを見届けて、俺と共にスピカのチームルームを後にした。

 あの人はきっと、あのまま帰ったんだろう。俺は一人、まだ受け入れられない現実を相手に、今度はレグルスのチームルームで、孤独に苛まれていた。

 

 

『ボク、走るの止めるね.........?』

 

 

桜木「っ、テイオー.........!!!」

 

 

 そう言って、満足気な顔をして笑ってみせる少女。そしてそれを見届けた、その少女のライバルであり、俺の担当の、なんとも言えない表情。

 握りしめ続けた拳がこれ以上締まらないと言っても、力がどんどん入って行く。その行き場のない力を机に叩きつけようとしても、[俺の求める桜木玲皇]はそんな事はしないだろうと察し、力を抜いてゆっくりとその手を降ろした。

 

 

桜木「.........そうじゃ、ねぇだろ.........」

 

 

桜木「お前の気持ちは.........!!!そんなんじゃ無かっただろ.........!!!」

 

 

 いくら満足そうな顔をして見せても、いくら悲しく無さそうに見えても、アレが.........あの言葉が本心では無いことは、俺には痛い程分かった。

 彼女はあの瞬間。[仮面を付けた]。子供のようにわがままを言わず、起きた現実をただただ受け止め、受け入れ、それを抱えて生きようとする[大人]になってしまった.........!!!

 

 

桜木「.........なぁ、マックイーン」

 

 

桜木「俺は、今度も[奇跡を越えられる]かな.........?」

 

 

 教室に飾られた写真。二度目の天皇賞を制し、そのトロフィーを嬉しそうに掲げたマックイーンを中心に、スピカとレグルスの皆が、嬉しそうに写っている写真。

 それを見て、俺はここに居ない彼女にそれを問う。そんなことをしても、答えなんて帰ってこない。こんな笑顔が見られる日常が、自然と帰ってくる事は無い。

 

 

桜木「.........帰ろう」

 

 

 どうしようも無い。彼女は、一人で自分の気持ちに決着を着けたのだ。どんなに子供に見えたとしても、彼女の覚悟と心はもう、大人のそれなのだ。

 だとしたら、俺からはもう。何も出来ない.........ウマ娘を支えるべきトレーナーならば、それに反することは出来ないのだ。

 荷物を纏め、俺もチームルームの鍵を閉める。まだぐちゃぐちゃで、とっちらかったままの心で、俺はトレセン学園の廊下を歩き始めた。

 

 

「―――そだ!テイオーがもう走らないなんて!!!」

 

 

桜木(.........そうか。噂はもう広まっちまってるか)

 

 

 大方、俺達が病室から退散した後に誰かが彼女を訪ねたのだろう。今のトウカイテイオーなら、引退する事も包み隠さずに話す筈だ。

 

 

「仕方ありません。それがテイオーの覚悟なら、私達他人があれこれ言う事は出来ません」

 

 

「そ、そうだよ〜!」

 

 

「.........テイオー」

 

 

 少女達の悲しみが、俺の心にも伝わってくる。切磋琢磨し、その走る背中を目標にしてきた者達にとっては、酷く辛いものだろう。

 .........けれど、俺にはどうする事も出来ない。

 

 

「皆さん、まだ時間はあります。彼女の考えも変わる可能性を待って、出来る事を考えましょう」

 

 

桜木「.........出来ることなんて―――」

 

 

 何も無い。そう言って俺は、そのチームルームを素通りしようとした。けれど、気が付けば俺は、そのチームルームの扉に手を掛けていた。

 自分の心に、屁理屈が生まれた。ウマ娘を助ける為にトレーナーをやっているのなら、別に[トウカイテイオーを助ける]事をしなくても良いんだ。

 今俺は、トウカイテイオーが走れない事に[悲しんでいるウマ娘を助ける]為に、行動したっていい訳だ。

 

 

「.........?さ、桜木さん?」

 

 

桜木「話は聞かせて貰ったぜ。チーム[カノープス]の皆さんよ」

 

 

桜木「俺はお節介焼きの桜木玲皇.........」

 

 

 教室に入って、俺はその中に居る面々の顔を見る。確かに、悲しみに浸っている。それはさっきの俺達と、何ら変わりは無い。

 けれどこの子らは、そしてこの子らのトレーナーは、救われようとしている。救おうとしている。自分達を、担当達を。

 あの時の俺達には無い芯が、この子達には宿っている。

 

 

ネイチャ「あの、一つ聞かせて貰って良いですか?」

 

 

桜木「ん?」

 

 

ネイチャ「私達が今考えてるのは、テイオーの意志と反する事です」

 

 

ネイチャ「それを.........テイオーが所属するチームのサブトレーナーさんが、どうして.........?」

 

 

 真剣な面持ちで、テイオーと共に走った事もあるナイスネイチャがそう言うと、一人を除いてその首を縦に振った。

 そんな事決まり切ってる。俺がトレーナーになった理由は、一つだけ。それは今も変わらずに、俺を突き動かしている原動力だ。

 

 

桜木「俺は、ウマ娘の夢を守る為にトレーナーになったんだ.........だから―――」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「[担当じゃないウマ娘]の夢を、守ったって良い」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 以前は、テイオーの[夢守り人]として。今は、そのテイオーの友人の[夢守り人]として、俺は立ち上がった。

 こうして、チーム[カノープス]と、俺個人による同盟が、発足されたのであった.........

 

 

 

 

 

 ……To be continued

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