山あり谷ありウマ娘 〜気付いたら脱サラしてトレーナーになった話〜 作:ギノっち@カマタラル
「「「「「「「かんぱーい!!!」」」」」」」
複数のガラス同士が当たり、音をこの空間に響かせる。目の前にはここまで道のりを共にしてきた少女達が、各々好きなアルコール類の入ったグラスを持っている。
今日は俺がトレーナーになって10年がたった日。そのお祝いにこうして、かつてのチームメンバーが俺の家に集まってくれた。
桜木「いやぁ〜、こうしてチーム[レグルス]一期生が集まるのも久々だな〜」
マック「そうですわね。最近は皆さんお忙しい様子でしたし」
隣に座る彼女の言葉を聴きながら、俺は一口甘い酒を飲んだ。それを口の中で堪能しながら、今までを振り返る。
思えば、[出来すぎた]と言っても過言じゃない道を歩んできた。
ウララ「ねぇねぇトレーナー!!最近はどう?」
身を乗り出して俺の近況を聞いてくるウララ。見た目は成長したが、中身にあまり変化は感じられない。そんな彼女らしさに嬉しさを覚えながら、最近の事を思い出す。
桜木「順調だよ。皆優秀でさ。補欠の子もスタメンの子も手を取り合って成長してる」
タキオン「ほうほう!それは実に気になるねぇ.........今度データを取らせて貰ってもいいかい?」
桜木「ちゃんと学園の許可取れよ?お前が急に来て怒られるの俺なんだから.........」
相変わらず傍若無人と言うか、周りを気にしないタキオン。まぁそれが彼女の良さであり、らしさでもある。自重して欲しいとは思うが、変わらないでいて欲しいと言うのは俺のわがままなのだろう。
ライス「ふふ♪お兄さま嬉しそう」
桜木「あはっ、バレた?」
ブルボン「マスターの表情から微かな[喜び]を感じ取れます。変わっていませんね」
隣同士で座るライスとブルボン。俺の方を見て優しく微笑む彼女達もまた、俺の記憶に残った姿のままだった。
デジ「皆さん変わりませんね〜。今でも本当に走れそうな感じがしましゅ〜!!」
マック「ふふふっ、さすがにもう長距離は走れませんわ」
桜木「そういうデジタルだって、まだ全然オタクなんだろう?」
デジ「当たり前ですよ!!オタクになった者は生涯オタクとして生をまっとうするって相場が決まってるんです!!」
キラキラとした目で椅子から立ち上がり、力強く拳を掲げるデジタル。彼女のオタク魂も健在で、俺は安心した。
あれから、途方も無い月日が流れた。
俺がトレーナーになって、マックイーン達と出会ってから、もう随分と時間が経った。いつまでもこんな時間が続けばいいとすら思っていた。
けれど、物事には必ず[終わり]が来る。
けれど本当の幸せは物語の中では語られず、[エピローグ]にある。
桜木「.........本当、[奇跡]の様な快進撃だったよなぁ」
マック「.........ええ。本当ですわね」
俺のその言葉に同調するように、ここに居る全員が懐かしい記憶を思い起こして行く。それは正に、俺が辿った最初の道だった。
アグネスタキオン。彼女はとても変わったウマ娘であった。研究が大好きで、データ集めや検証には目がない。そんな存在だった。
その走行スピードの速さは正に光.........いや、光すら置いて行き、目に残るのは彼女の後を追う[残光]だけであった。
その速さを目の当たりにした人達は、口を揃えて言う。[生きる神話]だと。
実際、彼女はそのスピードを持ちながら足は[頑丈]と言う―――
ハルウララ。走るのが大好きで、とにかくレースに出たいと言っていた彼女。ダートを専攻としていたが、シニア級の人気投票にてまさかの有馬記念出走を果たし、元から高かった人気は更にうなぎ登りで上がって行った。
ダート専攻という事で、最初の内は不安だったが、直ぐに芝のコースに順応できた彼女。スタミナも根性、ガッツも持ち合わせている。
それに、彼女は最初からとても[強い]―――
ライスシャワー。引っ込み思案で内気な少女。他の皆とは違い、特にこれに勝ちたいというレースは無く、自分が変わる為に走る。そんな変わった子だった。
当然、意識を向けているのは自分の内面なので、ジュニア。クラシックと大きな活躍は見せられなかった。それでも、惜しい所までは行けた。
そのお陰か、彼女には多くのファンが着いてくれた。初めてG1を勝った時には、大勢から沢山の[祝福]を―――
ミホノブルボン。スプリンターでありながら、三冠を目標に掲げた彼女は、死に物狂いでトレーニングを積んだ。その必死の姿を見て、笑う者や諦めるように言う人は誰も居なかった。
そうして迎えたクラシック。彼女は多くの強敵とのレースを制し、見事[三冠バ]に―――
アグネスデジタル。ウマ娘が好きだと言う彼女。その言葉通り、いや、もはや好きと言うより愛と呼ぶに相応しい位の心酔ぶりを見せていた。
そんな彼女はダートだろうと芝だろうと、ウマ娘の隣で走れるのならばと垣根なく走り、遂にはそのどちらとも適応して行き、しまいには海外G1で勝ちを得る程になってしまった。
だがまぁ、最初からどちらも何となく走れると言われた時はどうしたものかと首を捻ったが、彼女はチーム入団当初から[選手]として―――
―――何故だろう。違和感が拭えない。彼女達とはもう、十年来の付き合いだと言うのに、その道のりに疑いの目を向けてしまう。
俺は何者だ?
俺は何をしてきた?
そんな疑問が尽きないままでいると、不意に俺の手がそっと握られる。
桜木「っ、マックイーン?」
マック「トレーナーさん。私達は貴方に感謝してるんです」
優しく微笑みながら、俺の手に添えただけの手で優しく両手で握り初め、彼女は自分の胸の方へと持って行った。
桜木「な、なになに?もう酔っ払ったの?」
マック「ふふっ、そうかもしれませんわね.........」
メジロマックイーン。俺が[最初]に契約を結んだウマ娘。彼女のおかげで俺のトレーナー人生の最初の一歩はとても良いものになったと思う。
彼女は天皇賞春秋を[連覇]し、しかも春の天皇賞に至っては[三連覇]している。現役生活の中でたった一度の[怪我]もなく、正に[順風満帆]と言っても過言では―――
マック「貴方が居なければ、私達はきっと、あれほど成長出来ませんでした」
思考の沼にハマりかけた時、彼女のその言葉で意識が[この世界]に戻される。彼女のその真剣な眼差しに、その思考を放棄し始める。
マック「ここに居る皆さんが、貴方の事が大好きなんです」
桜木「.........」
そう言われて、俺は改めて皆の顔を見る。そこには自信満々な顔をしていたり、嬉しそうな顔をしていたり、恥ずかしそうに照れていたり、慈悲深く微笑んでいたり、むず痒そうに鼻をかいていたりと様々な反応だった。
そんな皆の様子を見ていると、俺の手を取っていた彼女が深呼吸をし始めた。何か覚悟を決めるようなそれに、俺も少し緊張する。
マック「勿論そこには、私も含まれております.........」
マック「で、でも、皆さんのそれとはまた別の感情でして.........」
桜木「え.........?」
俺の顔を見ながら、徐々にその顔を赤くしていくマックイーン。熱があるのかと思う程に赤くなった彼女の顔を見て心配になってしまうほどに。
けれど、それを指摘することは出来なかった。なんだか、そういう雰囲気じゃないと感じたからだ。
そして彼女は、その顔を俯かせながら俺の手をゆっくりと離した。両手を膝の上に置いて、緊張のまま背筋を伸ばし、言うか言わまいかの押し問答を自分にする様に、視線を泳がせ、目をぎゅっとつむらせた。
少しの静けさの後、彼女はようやく口を開いた.........
「す、好きですっ!!!」
「素敵ない、いいい、異性として.........!!!」
桜木「.........!?!?!?」
耳に入ってきたのは俺に対する好意の物。目の前に居る少女は頭から湯気を出し、顔を見なくても先程より赤くなっている事を想像させる。
何を言われたのか、全く理解が出来なかった。何故俺なのか?何故彼女が?そんな言葉が出てくる前に.........
桜木「えええぇぇぇぇぇ!!!!!???」
思わず叫び声を上げながら立ち上がった。心臓はまるで小動物の様に鼓動を早くし、俺の身体にもう必要無いくらい血液の循環効率を高めて行く。
バクバクと脈打つ心臓。息を整えようとしても自然と乱れて行く。目の前のマックイーンはその顔を赤らめたまま、俺の方をじっと見つめてきている。
誰かに助けを求めた訳では無いが、俺は思わず、皆の方を見てしまった。
タキオン「全く、やっと言ったか.........」
ウララ「良かったねマックイーンちゃん!!」
ライス「うわぁ〜.........!ライス告白するところ初めて見た!!!」
ブルボン「私もです。ライスさん。ステータス[高揚]を確認」
デジ「」
どういう状況なんだこれは.........皆彼女の突然の告白に動揺する事はなく、ただただ多数の祝福と一つの呆れと絶命を送っている。
そんなあたふたとした様子を見せていると、タキオンがため息を吐いて俺の方を見た。
タキオン「まぁキミの事だから気付いてないと思っていたが、彼女。ずっとキミに好意を寄せていたんだよ」
桜木「そ、そうだったの.........!!?」
マック「///」
俺の言葉に反応して、彼女はコクリと頷いた。その一連の動きを見て、俺は愕然とした。一体今まで、俺は彼女の何を見ていたのだろうかと―――
『私には、メジロの名を持つウマ娘として、果たさなければならない、高い目標があります』
―――なんだ。これは。なんで今になって、こんな[思い出]が蘇ってきたんだ?
いや、そもそもこれは.........俺の[思い出]なのか.........?
青々としたターフの上。風が優しく流れ、そのターフは波のような模様を作り、彼女の髪を揺らす。酷く鮮明な映像が一瞬、まるでサブリミナル効果の様にして思い起こされた。
[扉]のカギが、一瞬開きかけた様な気がした.........
そしてそのまま、扉が―――
「おっ、もうやってんのか!」
桜木「っ、お前ら.........遅いぞ。十分の遅刻だ」
扉が空いた。俺の家の扉だ。さっきの鍵の音もきっと、この家の物だろう。そうだ。きっとそうに違いない。
やってきたのは俺の親友たち。それぞれ好みの酒やつまみを買って持参してきたようで、俺達の座るテーブルの上にそれらが入ったビニールをドサッと置いた。
神威「ふい〜。10年だって?時が経つのははえーなホント」
黒津木「ホントよ。さぼりんピック金メダリストのあの玲皇選手がまさかの10年選手とはなー。はい翔也金」
白銀「か.........ね?」
黒津木「はァ!!?お前俺と賭けただろうがッッ!!!玲皇が10年経ってトレーナーやってるかやってねぇかッッ!!!」
白銀「やだ.........違法賭博よ玲皇ちゃん.........翔子怖いわ.........」
桜木「今神奈川県警に連絡するね」
いつも通りのバカ騒ぎを目の前で始める二人。それに巻き込まれないよう持ち前の影の薄さでこちらに避難してくる神威。俺はとりあえず警察に連絡しようとしている。
黒津木「くっそ!!!もういい知らねェ!!!だったら俺もこの前玲皇のプリン食ったのバレるかバレないかの賭けの事は無しな!!!」
白銀「はァ!!?それはやったんですけど!!?俺が食ったのバレるのに10万レイズしたんですけど!!?金の切れ目が縁の切れ目だぞテメェッッ!!!」
桜木「テメェらマジでぶっ殺すかんなァッッ!!!」
マジで有り得ない。人の食い物食ってそれがバレるかバレないかを賭けするような奴らだとは思わなかった。もうこの場で八つ裂きにしておでんにしちまおうかな。神威含めて。
タキオン「お、おいおい!!!今この状況で良くそんな事が出来るなトレーナーくん!!?」
桜木「うるさいッッ!!!コイツらは今この場でたたっ殺して魚の餌にしちゃるッッ!!!」
神威「ねぇなんで俺の方指差してんの!!?俺はノータッチなんですけど!!?」
二人「金は賭けてねぇだけで発案は創だぞッッ!!!」
神威「クソァッッ!!!かかってこいやオラァッッ!!!」
もはや家の中は乱闘騒ぎ。先程までの恋愛的なドキドキ感はどこへやらという様子で、俺の心臓は今スリルによってその鼓動のギアを上げていた。
結局10年経ったとしても俺達は何も変わらない。変わりゃしない。それが安心感となり、そしてそれが何故か、[焦り]にもなっていた。
時間が経つに連れ激しさを増してきた。それを止めようとタキオンとマックイーンが近付いてくるが、彼女達の介入ではなく、たった一回のインターホンの音が、俺達の騒ぎを鎮めた。
マック「誰でしょう?他に招待していたのですか?」
桜木「い、いや。コイツらとマックイーン達以外に声は掛けてないけど.........はーい!!」
いつの間にやら人間同士の筈が紐のように複雑に絡み合っていた所から何とか脱出し、ふらっとしながら立ち上がる。コイツらの様に謎技術で合鍵を作っていないので入られる心配は特になかった。本当にやめて欲しい。
玄関の前まで行き、その扉を開けると、俺の目の前には巨大な花束が視界を覆った。
桜木「うおおわっ!!?」
「ハッピーバースデーだな!!おっちゃん!!」
桜木「ご、ゴールドシップ.........!!?なんでここに!!?」
ゴルシ「あん?んだよ!!ゴルシちゃんおっちゃんがパーティーするって聞いてわざわざ宇宙海賊デンデロリーナにとっ捕まってる所情状酌量の余地にして貰って帰ってきてやったんだぞ!!!」
訳が分からない。この子が意味わからないのなんて今に始まった事じゃないが、久しぶりのそのノリについていけない程。どうやら 彼女と顔を合わさなかった年月はそう短くないらしい。
そんな呆けた俺に対して祝いの花束を押し付け、彼女は俺の家へと入ってくる。俺は溜息を吐きながらそれについて行こうとすると、背中を押され地面へと前のめりに倒れ込んだ。
テイオー「やっほーサブトレーナー♪」
スペ「おじゃましまーす!!」
ダスカ「なんだ。結構良い家住んでるじゃない」
ウオッカ「だよな〜!さっきガレージもあったけどよ!!もしかしてバイクとかあんのか!!?」
スズカ「もう。ちゃんと皆挨拶しましょう?久しぶりです。サブトレーナーさん」
桜木「う、うん。皆元気そうでなにより」
どうやらこのパーティーの存在をどこからか聞きつけたのだろう。チーム[スピカ]のメンバーが俺の家へとやってきた。
このチームとも長い付き合いがある。それというのも、マックイーンのライバルである[トウカイテイオー]が在籍しているからだ。よくマックイーンに突っかかってきたのもあり、チーム全体で関わった事もある。
そんな皆に押されて前から地面に倒れてしまったが、ゴールドシップのくれた花束がクッションになったお陰で怪我は無かった。手を着いて花の様子を確認していると、また背後から声が掛けられた。
「大丈夫か?桜木」
桜木「!沖野さん!!古賀さん達まで.........」
後ろを振り返ると、玄関には何故かトレーナー陣の皆が立っていた。沖野さんが苦笑いを浮かべながら俺に手を差し伸べてくれる。
それを受け、俺は素直にその手を取って立ち上がった。
古賀「水臭いぞ〜桜木ぃ!!なんで俺達を呼ばないんだ!!」
桐生院「そうですよ!!私達にもしっかりお祝いさせて下さい!!」
南坂「仲間外れなんて酷いじゃないですか」
俺の周りを取り囲むように、玄関で盛り上がりを見せる。なんで呼んでくれなかったんだと言われ、俺も釈明に困る。
桜木「い、いや。皆とはまた後日って形にしようかと.........今日は最初の担当達と親友だけって形で.........」
黒沼「.........俺達は邪魔だったって訳か」
桜木「そ、そんな事ないっすよ!!?」
黒沼「フッ、冗談だ」
和気あいあいとした様子で、彼等彼女等も俺の家へと入ってくる。結構大きい家に越してきたが、この人数を果たして捌き切れるか.........
そんな事を心配しながら、最後に入っていく沖野さんの背中について行こうとする。すると、俺の視界の横からフラッと現れる見知らぬ人物の背中が見えた。
桜木「っ、あの―――」
『謝らせてくれ』
その人物が振り返り、俺に対してそう言った。けれど、聞こえた訳じゃない。ただ口元が、そう動いた様に見えた。
その姿に、見覚えは無い。無いはずなのに、何故だか胸が苦しい。それでも違和感を覚えた俺は目を擦り、もう一度目の前を見た。
そこにはもう、さっきの男は居ない。変わりに、明らかに日本人では無い三人の人物が、俺を見て立っていた。
『今度はゆっくり話が聞きたいわ』
『お前の筋肉も素晴らしいな!マイフレンド!!!』
『今度は同じ立場で会おう。ミスター桜木』
誰なんだ.........アンタらは一体誰で、なんで俺の心をこんなにも騒がしくさせるんだ。胸を締め付ける何かを抑え込むように、右手で心臓の部分を掴もうとする。
痛いくらいに激しいはずの鼓動。けれど胸の上から触ってみれば、大したことは無い。むしろ、これで本当に体が動いているのかと言うくらい静かで、間隔の広い脈打ちだった。
今度は目を擦らず、真っ直ぐと三人を見る。次第にその姿は朧気に、まるで陽炎のように揺らいでは消えていく。俺に何か、糸のような物を伸ばして.........
[共鳴]が発動している.........
知らない。知らない。知らない。俺はこんな人達とあった覚えなんてない。俺はずっとトレセン学園に居た。最初に出てきた男にも、あった覚えは無い。謝られる筋合いすらない。
だと言うのに、俺は何かを忘れてしまった様に、脳みその隅っこを漁り始める。端の端、隅の隅、隙間の隙間まで、何かを落としてしまったのでは無いかと錯覚する様に.........
ピキリッ。と何かに亀裂が入る音がする。その瞬間。空間全てがまるで慟哭する。耳を押さえたくても押さえられない。あまりに唐突な出来事で、俺にはそれをする余裕が無かった。
ヒビが広がっていく。目の前の景色が遠のいて行く。けれど、それに連れて実際の鼓動はどんどんと早くなって行く。
まるで、[目覚める]様に.........
.........嫌だ。
心の中で、咄嗟にその言葉を呟いた。すると目の前の空間は元通り。まるでさっきの事など無かったかのように正常に戻る。
ここには皆が居る。成功がある。幸せがある。それでいいじゃないか。それが全てじゃないか。
苦しみも、悲しみも、痛みや絶望も無い。そんなものの片鱗すら感じない。それが無いならこの上ない。誰も自分から進んで苦しい思いをする事なんて無いはずだ。
なのに.........なんでこんなに苦しいんだ.........?
「ほう!!どうやらパーティーをしていると言うのは本当の様だな!!」
桜木「!!?」
俺の迷い。それを見計らったかのように空いている玄関から顔を出してきたのは、秋川理事長だった。
俺は先程までの考えを何とか振り払い、出来る限りの笑顔で彼女をもてなそうとした。
桜木「理事長!!!どうしてこんな所に!!?」
やよい「祝福ッ!!キミのトレーナー人生10周年を私も祝いたいと思ってな!!!」
たづな「私も居ますよ♪桜木トレーナーさん!」
桜木「たづなさんまで.........!!!」
扇子をバッと広げ、豪快な笑い声をあげる理事長。そしてそれとは対照的に静かでありながらも、嬉しそうに笑っているたづなさん。二人の姿を見て、さっきまでの事も全部、吹き飛んでしまった。
そんな二人を家の中へ招待しようとする。二人が入ったのを見計らい、俺も元の場所へと戻ろうとしたが、先程の様にまたもや誰かが入ってくる。
だが、知らない人では無い。それは、関わりが薄いながらも、トレセン学園で出会ってきたウマ娘達だった。彼女達までもが、俺のこの10年と言う旅路を祝おうとこの場に来てくれている。こんなに嬉しい事は無かった。
桜木「おいおい.........流石にこんなにはもてなせないって.........」
口ではそんな呆れながらも、中々どうして、嬉しそうな声は漏れ出てしまう。こんなぎゅうぎゅう詰めになった家の中は、生まれて初めてだった。
ここには全てがある。[偽物]なんかじゃない。たとえそうだとしても、[良く出来た偽物]だ。本物と大差変わりない。
首を振りながらワイワイと騒がしいリビングの方へと戻る。そこには皆が居る。俺の家で、俺を出迎えてくれる。そんな様子に嬉しい気持ちになっていると、マックイーンがこっちの方へと近付いてきた。
桜木「.........?どうしたの?」
マック「.........その、先程のお返事を聞かせて欲しくて///」
桜木「.........え!!?ここで!!?」
目の前に居るマックイーンにそう問うと、もはや頷く事すらせず、彼女は恥ずかしさに耐えきれずに顔を両手で覆った。
い、いやいや.........流石に恥ずかしいがすぎる.........ここで告白の返事なんて.........全員知り合いのパブリックビューイングじゃないか.........
桜木「えっ、と.........流石に今言うのは.........ちょっと.........」
マック「.........では―――」
「―――行動で示して下さいましっ」
両手で顔を隠し、俯いていた彼女が力強く言いながら、俺に顔を向けた。俺はそれに反応する事が出来ず、ただ背中を反らし、彼女の圧に押されるがままだった。
行動で示す。それは一体どう言う意味なんだ?そう聞く前に、彼女はゆっくりと瞳を閉じ、その閉じた唇を少し、前に出した。
それはつまり。そういう事だ。周りが見ている前で、そうしなければならない。けれど、嫌な気分では無い。むしろ、嬉しさで頭が爆発してしまいそうなくらいだ。
桜木「.........っ」
心臓が高鳴る。今度はしっかりと、胸を押さえればその手に伝わる程に、しっかりと鼓動をしている。
深呼吸を一度挟み、彼女の両肩に手を置く。彼女の顔を見て、覚悟を決め、その口に俺は.........深い口付けをした―――
Fin―――
―――「あんた見る目あるなぁ。トレーナーにならないかい?」「私の名前はゴールドシップ!!気軽にゴルシちゃんとかゴルシ様とか呼んでもいいぜ!!」「メジロマックイーンです」「まぁ!新人トレーナーさん!もしかして、私のトレーニングをご覧にいらしたのですか?」「断言出来るよ。君は大化けする。人々の視線を持って行くレベルまで」「貴方は、マックイーンのトレーナーさんですか?」「だから、ちょっと話そうか。お互いの事」「献立表.........?これを、トレーナーさんが全て.........?」「いや、あげるよ。元々君の為に作ったんだから」「メジロの名に恥じぬ走りを、今度こそお見せ致しますわ」「夢ってのは形を変える。俺は今日、あの日の夢をぶっ壊して、新しい夢を見る」「だから未来の話はせめて面白くしてくれよ?アタシを楽しませるようにな!!!」「驚愕ゥゥゥッッッ!!!??」「トゥースッッッ!!!!!はァ.........ァ!!!」「今日のトレーナーさんは、とっても輝いていました」「昔置いてきた夢を、空に返したからな」「おや、目が覚めたかい?」「アグネスタキオン.........?」「というわけでモルモット君!いや、間違えた新人トレーナー君」「え!治験じゃん!」「モルモット君。実験にはまた今度付き合ってもらうよ」「ちゃんと実践してるんだな、偉すぎる」「ええ、私のために、トレーナーさんが頑張って作ってくださった献立表ですもの!」「新人って二人以上担当できたっけ?」「トレーナー研修以来だな、桜木」「それにしても、しっかりエースが板に付いてきましたね」「ウララちゃーん!ボールそっちに行ったよーーー!」「わわわ!?」「「「「かんぱーーーーい!!!!!」」」」「なぁ、自己紹介からしない?いきなり肉焼いて食べ合うのは日本人向けじゃない気がする」「わたし!!ハルウララっていうの!!いっぱい一着取るのが目標なんだー!!」「あ、あの、ライスシャワーって言います.........よ、よろしくお願いします!」「皆さん初めましてですわね」「では問おうッ!!メジロ家という名家からの出生を持つメジロマックイーンッ!!その子と道を歩もうとしながらッ!!君が願うウマ娘の名をッ!!」「アグネスタキオンの熱を、俺は信じます」「実は、退学勧告を受けてしまってね」「目の色って言うより、深さかな」「クク、君の扱いはモルモット。あるいはそれ以下だが、それでも良ければ来るといい」「トレーナーさん!今から3200m走ります!!タイムをお願いしますわー!!」「見違えた.........一週間前とは本当に別人だったよ!マックイーン!!」「これから、ご指導ご鞭撻のほど。よろしくお願いいたしますわ。トレーナーさん」「飲み過ぎたんだ.........久々の友達との飲みだったから、ハメを外し過ぎたんだ.........」「入らないのですか?」「おう、自己紹介してくれ」「あのね!トレーナーが教室に居たのが見えたの!!」「家の隣に越しておいで」「1+1が2になるのはなんでだと思う?」「好きに走っても.........良いんですか?」「トレーナーさんも大人なのですね」「おいおい.........ッ!スプリンターだからって早すぎじゃねえか.........!?」「ミホノブルボン。それがあの、 超高速の逃げを体現したスプリンターの名前だよ」「泣かなくていい。一人じゃ無理だった。 だから、これからは皆で変わろう」「ライス、本当にだめな子だよ?いっぱい迷惑かけるし、まともにレースも出られないのに.........」「一緒に変わっていこう!」「クラシック三冠達成です」「『落ちこぼれだって、必死に努力すりゃ、エリートを越えることがあっかもよ』ってヤツだ」「自己ベスト。更新しました」「おい、それ三日前の夕刊だぞ」「うおーい!!本がぐちゃぐちゃじゃねーか!!」「一緒に頑張りましょう。トレーナーさん」「正に。『ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ』ってところだな」「秋の天皇賞や」「マックイーンとタキオンのデビューが決まった」「私に付き合ってください!!!」「山形ァッッ!!!」「さんをつけろよデコスケ野郎ォォォッッッ!!!!!」「サ・ブ・ト・レ・ー・ナ・ー!!」「トレーナーさんといると、退屈とは無縁になりますわね」「自分の夢くらい自分で信じろ!!!」「これからどうぞよろしくお願いします.........『マスター』」「焼け石に水なんだよ。そうなる事を知っていたとバレた時。君はどうするんだい?沖野君は?」「せめて、気にかけてやってくれないか?」「はぁ、私のデビューを取り消してくれ」「ゴルシちゃんが来たからにはもう安心だな!!!大船に乗ったつもりでゲロゲロしてていいぜ!!!」「ウマ娘の怪我との戦いは、必ず来る。俺の気持ちが分かる様になる日も来るかもしれないが、決して分かるな。若さと優しさを持って、ウマ娘や同期と仲良くしてやれ」「似合ってますわ。トレーナーさん。新しい服ですか?」「遂にマックイーンもデビューかー!!!うぅ、こんなに大きくなっちまって.........!!!」「ジャックポットは狙うべきものじゃない。それだけです」「素晴らしいですッッ!!!」「勝ってこい、マックイーン」「一着で待ってる」「一着で待っててくださいね?」「メイクデビューを制しました!!メジロマックイーンの完勝でした!!」「泣いてないでず.........」「ふふっ、本当にありがとうございます」「あれ、ブっさん」「ふふふ、トレーナーさんは私の知らないことを教えてくれる人ですわ」「じゃーん!マックイーンスペシャル献立表パート3!!」「キ、キタサンブラックです.........!」「やらないか?」「集客率、以前の状態から32%上昇しています。つまり、この姿は的確です」「死ぬかァ!!?消えるかァ!!!土下座してでも生き延びるのかァ!!!???」「観念ッ!!もう助からないぞ♡」「あ、ありがとうございました!!」「随分と手馴れてますのね」「せっかくだから、なんかお願いしていくか?」「.........それではトレーナーさん。また明日」「クォラァァ!!!どういうつもりでウチのハチマキ盗ったんや!!!返答次第とかそんなもん関係なくタダじゃ置かないでッ!!!」「世紀の頂上決戦。楽しみにしているよ。トレーナー君が応援するんだ。私も君の勝利を願おうじゃないか」「あ、あの!頑張って勝ってね!タマモクロスさん!」「タマちゃん!!ウララもね!!1着取るのが目標なの!!一緒だね!!!」「勝率は五分五分です。どちらが勝つかは分かりません。ですが、マスターの言葉をお借りするなら。私は貴方の勝利に賭けます」「応援していますわ!タマモクロスさん!勝った暁には是非その景色の感想を教えてくださいまし!!」「負けたくないなんて思うな.........常に勝ちたいと思え。それだけだ」「.........[稲妻]の雷鳴は遅れて聞こえてくる。音に気付いた後にはもう姿は残らへん」「ウチはただの[稲妻]ちゃう、[白い稲妻]や。それを今日、ここで証明する為に立ってる.........だから」「勝負や。オグリキャップ」「バッキャロォォォォーーーーッッッ!!!!!」「やだぁ、私はァ!負けたくないィィィィッッ!!!」「俺は.........今の俺は.........ッ!」「『ㅤㅤ』だって超えてるんだぜェッッッ!!!!!」「シラオキ様に祈りを捧げていたのです!!シラオキ様はいつも私達を見ていてくれています!!」「君が彼女の事を思うのなら、移籍をオススメするよ。君の私欲が無ければの話だが.........ね?」「さようなら!!![桜木]さん!!!」「そんなのどうでもいい。アタシは目先の勝ち負けより、[未来]の事を思っておっちゃんにマックイーンを託したんだ」「.........怖かったんだ」「これでメジロマックイーンは俺のもの.........!!俺の出世は確定だ.........ばっかだなァ!!スランプなんざ早々簡単に脱せられる訳ねぇだろうがァッッ!!!」「先輩、悪いが俺はマナーを知らねぇ。若いからな」「全く、珍しく連絡よこしたと思ったらアンタ、昼に行くから用意しとけって何様よ!!」「「ふーん、デートかよ」」「トレーナーさん!お魚さんが泳いでいますわ!」「ちょいちょいちょいちょい!」「さぁさぁさぁさぁ!」「初めまして桜木トレーナー。マックイーンの祖母です」「メジロ家ってコント集団だったんだな.........」「人は変わる。私が妻に出会ったように、雷に打たれたように一瞬で変わる事もあれば、変わった事に時間をかけて気が付くこともある」「気ーがー狂ーいーそう!!!!」「なななななー」「ふふ、あんなに苦労したのに、もう次を考えていらっしゃるのですか?」「ああ、また聞かせてくれ。マックイーンの事」「夏は合宿ッッ!!!」「勝利は勝利ッ!私は勝利をリスペクトするッッ!!!」「鏡みてから言ってくれる(ますか)(かい)?」「除☆外ッ!」「夏はポケモンッッ!!!」「何だこの厨パ!?」「だから嫌いなんだよポケモンはよォッッ!!!」「「「これからウ○コ食うってのにカレーの話してんじゃねぇよッッ!!!」」」「逆だ逆ゥッッ!!!」「「「ゴッドハンドクラッシャーッ!!!」」」「流しそうめん!!!??」「さっきのお返しですわ。トレーナーさん」「死にたいらしいな(^^)」「逃げろォォォォォッッッ!!!!!」「融合すんのはクマと俺達のデッキだァァァァァッッッ!!!!!」「死ねぇぇぇッッ!!!玲皇のコントロォォォラァァァッッッ!!!!!」「俺も許さねぇしこのトミーガンも許さねぇぇぇぇッッッ!!!!!」「ガトチュゼロスタイルッ☆!」「俺も仲間に混ぜてくれよ」「おい!!!喧嘩してる場合じゃねえぞ!!!アレお前らの私物だろ!!!」「海に帰れェェェェェッッッ!!!!!」「俺のWiiが!!!?????」「俺のGCメモリーカードが!!!?????」「俺のスマブラが!!!?????」「俺のWiiリモコンが!!!?????」「夏祭り.........」「ダメだ。そんな事したら、 花火は見れてもお祭りは楽しめないだろ。今は羽目を外すべきだ。特にマックイーンはな」「バカ」「ああ、花火でもしようと思ってな」「何気に初めてじゃね?このメンバーでやんの」「見ろ。白銀花火。別名をジョンだ」「見れば分かりますよ。責めて睡眠くらいしっかりとってください」「ゴルシに告白する」「私がどうしましたの?」「.........天皇賞春。頑張ろうな」「ととと、トレーナーさん!!!??私、自分で走れますわ!!!」「安心してくれ!!!俺は命がかかってる時なら運はいい方だッッ!!!」「ドリャァ!!!」「また、行きましょうね。夏合宿」「かっこいい.........」「アクセサリー.........ですか?」「そういうところ(です)(だよ)」「桜木さん!お久しぶりです!」「あと、さっきの最後の踏ん張り、もう少し体の姿勢を上げた方がいい」「.........勝ちますから、絶対」「負けないぞ、うちのマックイーンは」「えー?そうならない為のこれなんじゃないのー?」「一着で.........待ってる」「トマトハイッテナイパスタだ」「行けェェェェッッッ!!!!!」「マックイーンだマックイーンだ!!!メジロでも、マックイーンの方だーーー!!!!!」「桜木さーん♪居るのは分かってるんですよ?」「あちゃー。外しちゃったかー」「あら、意外と反射神経がよろしいのね」「えー!?サブトレーナーさん捕まっちゃったんですかー!?私もこの玩具使いたかったのにー!」「エルも桜木さんとヒーローごっこ。したかったデース.........」「スケート行こうよ!!!」「ヒィィィ!!!??怖ーよマックイーン!!!」「ほら、しっかり立って。私の手を掴んでください」「いや俺は綺麗だと思うけど.........」「いらっしゃい!菊花賞ぶりだなぁライアン!!」「いや、二人とも仲が良さそうで!」「邪魔者はとっとと退散させていただきます。ええ、どうせ私は邪魔者ですからっ」「.........夜の自主練の事か?」「前にした約束、まだ覚えてますよね?」「やるだけやってみるさ。俺に何ができるか、分からないけど」「道、ですか.........?」「俺は.........強くないんだよ.........」「トレーナー.........さん.........?」「ごめん.........!ごめんね.........!!!」貴方にはありますか?私と共に、メジロ家の使命を共に背負い、『ㅤㅤㅤㅤ』になる覚悟が.........?」「.........ごめん、俺が落ち着かないんだ」「勝ってきます。トレーナーさん」「一着で.........待っててください」「ああ、一着で待ってる」「さ、サトノダイヤモンドです.........!」「『メジロマックイーン』は、伊達じゃない.........ッッ!!!」「メジロマックイーンリードを1バ身!!2バ身と広げて行きます!!!」「行っけェェェェッッ!!!マックイィィィィーンッッ!!!!!」「っ!ああ.........!!!!!最っっっ高の............!!!!!今まで見てきた中で一番の眺めだよ.........!!!!!」「貴方はどれがレグルスか、分かりますか?」「意味なんて、先に考えたら意味無いんだよ」「「.........ひとりじゃない〜♪」」「それにしても、今思えばあっという間の三年間だったなー」「テぇーーイぃーーオぉーー?」「思えばカンヌってダッセーからよ!!!この際ゴルシ国際映画祭にしようぜ!!!」「カンヌに謝れェェェェェッッ!!!!!」「だから太ぇって!!!」「太くねぇですってッッッ!!!!!」「カカッ、変わらねぇな。桜木」「その人は桜木さんにとってどのような人ですか?」「一番信用出来るトレーナーだ」」では、バレた時の罰を、文句を言わず、甘んじて受け入れることです」「チームの事。よろしく頼む」「見ねぇ。[菊花賞]で良いだろ?」「その菊花賞だって!見れねぇかもしれねぇんだぞ!!!」「出来るっ!!!」「なんてったって今の俺はッッ!!!」「『ㅤㅤ』だって超えてるんだぜッッッ!!!!!」「あっ.........」「よう」「何、が.........よう、ですか.........!!!」「良かったね、マックイーン」
「誰のせいだと思ってますのッッ!!!」「マックイーン達とテイオーの事。よろしく頼むな」「遣米使先遣隊隊長の」「ナリタブライアンだ」「ブっさんンンンんッッ!!!?????」「自制心だ」「ハァ!ダメダァ!オデハァ!アノコタチヲトレーニングサセナケレバ!オデノカラダハ!」「俺はジミーだよ」「貴方凄いのね!!三冠なんて!!」「コイツは、俺が俺で居られる、大切な物です」「全く、いつまでもうるさいやつだ.........」「乗れ」「.........アンタ、名前は.........?」「ニコロ・エバンス。今夜初めて人を殺すヒットマンだ」「た、助けてくんない.........?」「トレーナーではなく、怪盗だろう?」「向いてないぞ。この職場」「.........余計なお世話だ」「ヘイブラザーッ!筋肉こそが正義ッ!そうは思わないか!!」「平和ボケしたジャパニーズがッッ!!!」「I'm not the name Japanese(俺はジャパニーズなんて名前じゃない)」「My name is Reo Sakuragi. and―――(俺の名前は桜木 玲皇だ。それと―――)」「―――That's Mr.Sakuragi to you, punkッ!!(―――さんをつけろよデコ助野郎ッ!!)」「フィナーレが近いぞ。ジャパニーズ?」「よう」「.........黙れ」「さぁ来いよ。付けたくもねェお面ずっと付け続けてるチキン野郎」「今の俺は文字通り」「『ㅤㅤ』だって超えてるんだぜ?」「俺はレールの上をただ歩いているだけだッッ!!!邪魔をするなァッッ!!!」「チッ!頑固者のアンドロイドがッ!だったら俺がこの[デトロイト]で ッ!テメェを[ビカムヒューマン]させてやらァッッ!!!」「サンキュー。ゴールドシップ」「俺は、分からない.........」「なぁお前、トレーナーにならねぇか?」「何をやってるんだアンタは!!?」「飛ぶぞォォォォォォッッッ!!!!!」「馬鹿野郎ォォォォォッッッ!!!!!」「呼び捨てて構わない。俺達はトモダチ、だろ?」「凱旋門賞」「お前も来い。今度は勝つ」「恐れるな。前を見ろ。常に壁を壊せ。仲間を信じて、お前の道を歩け」「行くぞ.........![パリ]へっ!!!」「ごめんなさいね、エディ院長は今.........え?ウソ.........!!?」「桜木くん.........!!?」「っ!!???嘘だろ.........!!?」「でも、力になれそうも無いわ」「日本はもう、日本ダービーの日か」「じゃあ今日が、運命の日って訳ね」「ここで逃げたら.........ここで終わったら.........ッッ!!!」「死んでも死に切れねェ.........ッッッ!!!!!」「アイツは鬱陶しいが、スゴい奴だ。 会長と私と、並び立てるかも知れない、本当に強い奴なんだ」「分かった、こっちの出す条件をクリアすれば、私がついて行って上げる。ちょっと待ってて」「いいか、渡らなければ行けない橋ほど、脆くて、不安定で、落ちそうなんだ」「けれど、 魅力はある。落ちない橋ほど、落ちた時の衝撃はデカイんだよ」「あんなの恥ずかしいに決まってるでしょ!!?」「俺の安心沢先輩を返せェェェェェッッッ!!!!!」「十日間もイチャラブしてたんだね.........ナリタブライアンとかってさ」「俺の右手が「ホントのことだろッッ!!!??」」「あの、さ.........?[走り方に問題がある]......って.........?」「[テイオーステップ]だ。あの走法が、お前の足に負担を掛けている」「あ......はは...そっか.........」「まだ終わりじゃねえぞ」「お前の夢は、まだ終わってない」「でもボク.........トレーナーやサブトレーナーに迷惑掛けて―――」「迷惑なんて誰でも掛ける。俺だってお前より沢山の人に迷惑掛けた。それはお前のせいじゃなくて、俺がやりたい事をやった代償だ」「それでも大人は子供の夢を守るものだし、子供は大人の背中を見て憧れるもんだ。後悔はしてない。反省もしない。だからもし、迷惑を掛けたお詫びをしたいってんなら―――」「お前が大人になった時、子供達にカッコイイ背中を見せてやってくれ」「多分☆!!!」「まだ終わってませんわよ?」「お、おおお俺だけか!!?コイツらも同罪だろ!!!」「はァ!!?」「言うと思った」「この瞬間を待っていたんだ!!!」「俺を裏切ったのか!!?俺を売ったのか!!?」「「「俺達の満足は!!!これからだッ!!」」」「この裏切り者ォォォォォッ!!!」「信じるなよ。ソイツの言葉を」「人間ってのは、能力に限界があるな.........」「なんの事だ.........?何を言っている!!?」「俺はァ!!人間を辞めるぞ!タキオォォォ―――ンッ!!」「お前の薬でだァァァ―――ッッ!!!」「逃がしませんわよ!!!トレーナーさん!!!」「「「うるせぇ早く行くぞッッ!!!」」」「俺のジュースが!!!」「私の食べ物を返せェェェ―――ッ!!」「食べたァ!!?この(走ってる)中の中でェ!!???」「「「デュエッ!!」」」「こんの裏切り者ォォォォォッ!!」「乗るなエース!!!戻れェ!!!」「あばよガキ共ッ!!一生妄想の中でちゅぱちゅぱしてろォッ!!」「それ捨てといてぇ?」「ゴミカスゥゥゥァァァアアアアッッッ!!!!!」「帰ってきたぞぉぉぉ―――ッッ!!!」「せめて、エールを送らせてくれ.........」「宗也ァ.........!!」「またまたやらせていただきましたァン!!!」「どうでも良いのだァァァッ!!」「これが生きる為の私の足掻きだァァァァァッッッ!!!!!」「お前、アタシがなんで走ってんのか分かるか.........?」「は.........?」「お膳立てはしてやったぜー!!!さっさとおっちゃん捕まえて今までの鬱憤晴らしちまえ!!!」「マックイーンだとぉぉぉぉぉ!!!?????」「貴方の考えてる事など手に取るようにお見通しですわ!!!」「怖かった!!!!!」「バカァァァァァァァァッッッ!!!!!」「貴方が取るべき責任は!!!!!変わってしまったチームを元に戻すことです!!!!!」「.........良いのかな」「モルモットくんッ!!君は最高のモルモットだー!!!私から逃げられると思うなー!!!」「トレーナー!!!ウララ!!!トレーナーと一緒に頑張りたいよー!!!」「ら、ライスも!!!お兄さまと一緒に変わりたい!!!」「私もです!マスター!!まだマスターとZガンダムを買いに行くというオペレーションが遂行されてません!!!」「私まだ桜木トレーナーさんがどんな人か分かりません!!!分からないのにさよならなんてあんまりです!!!」「私も!!!サブトレーナーさんのおすすめのラーメンが食べたいです!!!」「そうよ!!!アンタのせいで今日のショッピングが台無しになったんだから!!!荷物持ちくらいしなさいよね!!!」「おおお、オレも何か言わねーと.........あ!!今度オレと一緒にバイクの免許取ろーぜサブトレーナー!!!それで今日の事はチャラだ!!!」「そうだよ!!!このままチームトレーナーやめちゃってどうすんのさ!!!ボクの菊花賞.........はまだ分かんないけど、出れた時経費で入場出来ないよ!!?」「.........なぁおっちゃん」「みんなああ見えて、おっちゃんの事が好きなんだ。勿論そこにはアタシも居る」「みんな、おっちゃんの居るトレセン学園が大好きなんだ」「.........っ、っ!」「桜木ー!!!お前が居ないとチームの雑用係が当番制になっちまうー!!!チームルームが滅茶苦茶にされちまうぞー!!!」「俺もまだお前に謝れてねー!!!今じゃなくていい!!!今度面と向かって!!!お前とお前のチームに謝らせてくれー!!!」「お前の悪いところだぞー!!!一人で抱え込んでんじゃねー!!!俺達にもお前の苦しみを感じる権利はあるはずだー!!!」「悪いと思ってんなら最初っからやんじゃねー!!!お前に悪役は端から向いてねーんだよー!!!」「玲皇ー!!!奇跡を超えるんだろー!!?奇跡ってのは常識が通用しねーから奇跡なんだぜー!!!」「おかえりなさい.........!!!トレーナーさん!!!」「.........ただいまっ!」「自分の目で信じたものを疑わず、ただひたすらに突き進む。それがトレーナーであり、桜木さんに足りない部分です」「『ㅤㅤㅤㅤ』ってのも、悪くないな」「今日会えるとは限らなかったではありませんか.........」「夢を追う者。信じるべきはその背中だけです」「変わってこい。ライス」「花が開くまで、待ってる」「.........うん。変わってくるね!お兄さま!!」
「俺は、ドキドキしてる」「それは何故ですか?」「証明してこい。ブルボン」「みんなを踊らかせる姿を、待ってる」「貴方にとって、チーム『ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ』とは.........一体なんですか?」「星のレグルスが、『ㅤㅤㅤ』の胸にあるように、『ㅤㅤㅤㅤ』の中心は、このレグルスなんです」「ここが俺の、居場所なんです」「私が人を楽しませる記事を書く理由は、[ここが私の居場所]だから、それだけです」「先生!!!」「人気者ですわね」「死にますよ?」「さ、佐枝って誰.........!!?」「告白のね」「「「こっくはくっ!!こっくはくっ!!」」」「おっおーい!!野次ウマ娘どもォッッ!!!」「来いよデジタルゥッ!オメェだよ―――」「よろしく」「やってやろうじゃねぇかこの野郎ォォォォッッ!!!」「結婚をする上で必要な物は、お金でも、立場でも、職種でもありません。信頼関係です」「本当に良かったのか?」「そもそも、メジロ家は代々レースに関係する一族です。トレーナー資格を持っていようとその仕事をしていないのならば意味はありません」「お腹が空いたね」「シチュー!!」「食事の仕方は色々だ。どれが正しいかでは無い。どの食べ方が一番自分に合っていて、どの食べ方が一番食材を愛するかを探すのも食事の楽しみだ」「美味しかった?シチュー」「ええ、やっぱり貴方のご飯が無ければ頑張れませんわ」「ハハハ!!どうだみんな!!うちのマックイーンは強いだろ!!なぁゴールド.........シップ.........?」「.........まだ終わってねー」「この度は、レースに関係する方々にご迷惑をおかけし、まことに申し訳ございませんでした」「『強引に内側に入れ』と言う、トレーナーの指示があったともされていますが?」「そんなことありませんわっ!!あれは私の判断で行ったことです!トレーナーさんはなにも関係ありません!!」「.........今回の件。責任はトレーナーである俺にあります」「見ててよねマックイーン。ボクが三冠を取る所.........!!」「ユメを叶えろ」「その姿を、俺達に見せてくれ」「.........ボク、絶対勝つよ」「絶対.........!! 勝つから.........!!!」「夢ってのは、呪いと同じと思わないか?」「叶えられなかった未練や後悔を背負ってその先を生きる事になる。アンタも.........分かるだろう?」「しらねぇのか?夢ってのはな、時々すっごい切なくなるが、時々すっごい熱くなるんだぜ?」「テーーーイーーーオーーーーーッッッッッ!!!!!!!!!!」「ボクはッッ!!!」「.........ボクは、怪我をした。怪我をして、自分の中で全部グチャグチャになっちゃって、どうしようって.........」「けど.........そんなボクを、走れるって.........!走って欲しいって言ってくれた皆が.........!!!嬉しかった!!!」「みんなーーーーーっっっ!!!!!」「ボクは最強無敵のウマ娘っ!!トウカイテイオーだぁぁぁーっっ!!!!!」「私は.........その、遠慮しておきますわ」「.........え?」「あっ、私、おばあ様に電話をしないと、お先に失礼しますわね.........」「皆さん、本当に.........本当に申し訳ありませんでした.........っ」「......俺には、分からない.........!!」「あの子がどうして欲しいのかもっ!!どうしたら心配掛けさせ無いのかもっ!!俺にはっっ!!!何もっっっ!!!!!」「おっちゃんとマックちゃんの事なんて、アンタら以外誰も分からへん。正解はこれから、おっちゃんとマックちゃんで探すんや」「.........よう」「どうして.........?」「っ.........離して、ください.........!」「離して!!!」「嫌だッッッ!!!!!」「勝てなくなったから、俺が期待しなくなるとでも思ったのか?」「レースであっちゃいけない事したから、皆期待しなくなるとでも思ったのか?」「だって.........!!そうではありませんか.........!!?」「変なこと言うかもしれないけど.........マックイーンはさ、ユタカなんだよ」「え...あ.........?」「.........やめよう。こんなこと」「っ.........では、もう.........『ㅤㅤㅤㅤ』は、おしまいですのね.........!!」「っ、ぅぁあ.........ああぁ.........!!」「だから、今度は二人でちゃんと、『ㅤㅤㅤㅤ』になろう」「俺達は.........!ひとりじゃないんだから.........!!!」「おはようございます、トレーナーさん」「お、おう.........おはよう」「桜木トレーナー。君は今、多くのウマ娘を同時に育成している」「その中で感じたはず.........この子達が距離や適正に関係なく、正当に評価されて欲しいと.........!!」「[全ての距離][全てのコース]を用意した大レース.........その名も―――ッッ!!!」「[URAファイナルズ]ッッッ!!!!!」「今日はコーヒーでは無いんですのね」「そうなのよ。どちらかと言えばココアの方が好きなんだ。子供っぽいけどね」「感謝祭でアタシ達三人で何かやりたいなーって!!!」「バンドとかどうだ?」「愛のパワーを舐めるな」「ただ宣伝して欲しい訳じゃない。『学園公認の宣伝者』として、宣伝して欲しいんだ」「実はアタシ!!桜木さんのファンなんです!!」「ふふ♪私としても嬉しい限りですわ♪」「ヒーローショーが見たいです!!!」「ど゛お゛し゛て゛だ゛よ゛お゛ぉ゛お゛お゛お゛ぉ゛!!」「不全ッ!!これではいつもの感謝祭と全く変わらない!!」「あの.........本当に実現できるのですか?」「出来らァッッ!!!」「マスター。催眠など効く訳がありません。他の対策を探した方が効率が良いかと」「私!!『ドモン・カッシュ』!!『可愛いアイドル』を目指す『辛党』の女の子だ『ニャン』!!!」「流派ッ!!東方不敗はァ!!!」「っ!!王者の風よッ!!!」「やったー!!これで晴れて逃げ切りシスターズ!!全員リポーターになれたね!!」「おいおい.........それ写真じゃなくてビデオだぜ?」「問題ありません。思い出にはピースが付き物だとお父さんに教わりました」「ヘルカイザーが.........犯し、た......失態.........は、ヘルカイザーに.........拭わせる.........っ」「では行きましょう!!ビバ!!バトルキングダム!!」「お前ん家初出場ばっかやんけェ!!!」「似合わねぇなぁ.........その髪形」「うっさいっすよ.........」「それにしても、でかくなったなぁ、桜木」「初めまして。桜木トレーナー」「.........『ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ』」「あの子達の走る背中が、俺は何よりも好きなんです」「.........三年間、ありがとう。マックイーン」「トレーナーさん.........ええ、そして、これからも.........」「バカ、素直になれよ」「ハハハハハハ!!!」「勝手に着いてこい。俺と同じ景色が見てぇんだったらな」「はっ、最初からそう言やよかったんだよ」「人が喋っている時に私語を挟むな」「実は、私にはトレセン学園の知り合いが二人います。それは、ミスター桜木と、ナリタブライアンです」「ようこそ。お前の夢が見つかる。日本のトレセン学園へ」「.........ふっ、変わらないな。貴様は」「あ、貴方いま!!ニコと言いませんでしたか!!?つ、つまりそれって.........」「プロレスならマックイーンも出来るぞ」「話を振らないでください!!」「ミスター桜木。俺はもしや嫌われているのか?」「私は、テイオーに勝てるのでしょうか.........?」「最後まで悩み抜いて、『ㅤㅤ』を超えて見せろ、マックイーン」「ダメだ。お前がしっかりしないことで迷惑を被る奴もいる。自覚を持て」「怖いに、決まってるじゃありませんか.........」「チームのトレーナーであるけど、君のトレーナーだ」「「マックイーン(テイオー)が絶対勝つぞ!!!」」「考え事か」「あの子が、メジロマックイーンが、俺の夢そのものだ」「フッ、期待している」「日本中を巻き込んだ大決戦。例え、人口の半分がお前の一着を望んでいなくても.........」「勝ってこい、マックイーン」「勝って、『ㅤㅤ』を超えてこいッ!マックイーンッッ!!!」「お前の一着を.........俺は待ってる」「.........[必ず]、勝ってみせますから」「マックイィィィィィーンッッッ!!!!!」「諦めてんじゃねェぞッッ!!!」「たとえ.........!!!日本中がお前の一着を望んで居なくともッ!!!」「たとえ!!!つまらない強さだと言われてもッッ!!!」「俺はッッ!!!俺だけは.........!!!お前の勝つ姿が見たいんだ.........!!!」「今の[お前]は.........いや、『ㅤㅤㅤㅤ』はッッ!!!」「『ㅤㅤ』だって超えてるんだぜッッッ!!!!!」「なんや、可愛そうやと思っとんのか?」「折れてます。骨折です」「え「ええええぇぇぇぇぇ!!!??」.........」「楽しんでこい、ウララ」「お前の楽しそうな話、待ってる」「魅せつけて来い。タキオン」「
「[君の夢]になる」
―――なんでなんだ。
今まで、忘れていたじゃないか。
ここには、全部あるじゃないか.........
なのに、なんでこんなに.........
心が空っぽなんだ.........
―――男の脳裏に過ぎった、[この世界]では無かった思い出。それは、男と共にあった一つの小さな飾りが呼応した物だった。
生まれた意味は無い。それはただ装飾者をよく見せる為だけに生まれた。それ以上でも以下でもない存在。
そんな小さな存在が.........その形に意味を持つ程に、男と、少女達と、多くの時間を過ごして来た。
やがてそれは、[心]を持つ程になっていた.........
空っぽになった男の[心]を、満たす程の心に.........
やがて、男は口を開いた。口付けをする事はなく、その本心を、この世界に伝えるように.........
―――「ㅤㅤ」
山あり谷ありウマ娘
第百三十五話
......To be continued