山あり谷ありウマ娘 〜気付いたら脱サラしてトレーナーになった話〜   作:ギノっち@カマタラル

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前の話で引退したので初投稿です


URAファイナルズ編 エピローグ
未来からの訪問者


 

 

 

 

 

「じゃあママ。行ってくるね」

 

 

「大丈夫?グーちゃん」

 

 

「もうっ!お姉ちゃんずっと心配してる!」

 

 

「そ〜そ〜。なる様になるって〜。時間が切れたら帰ってくる様になってるし〜」

 

 

「ごめんなさいね。あの人だけじゃ心配で.........あ、あと伝えるのは出来れば[ママ]の方に.........」

 

 

「もう!分かったから!!もう行くからねっ!!!」

 

 

「あっ―――」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ーーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 桜が咲く季節。春。

 例年であればこれから始まる春のG1レースの為に、ウマ娘もトレーナーも躍起になってトレーニングに勤しんでいるが、今年は違う。

 [URAファイナルズ]。時期にして見れば既に二週間過ぎてしまったが、人々の熱狂は未だ収まらず、そして多くのトレーナー達の余韻も収まっていない。

 

 

 だが.........それは[普通]のトレーナーだったならばの話だ.........

 

 

桜木「はァっ!はァっ!クソっ!!!だからごめんって言ってるだろぉ!!?」

 

 

タキオン「ふざけるなっっ!!!ゴメンで済ませてしまったら君はまた性懲りも無く私の作った薬を勝手に飲み始めるだろッッ!!!」

 

 

桜木「じゃあ机の上に放置すんなァァァァッッッ!!!!!」

 

 

 現在。トレセン学園の廊下でデッドヒートを繰り広げているのは一人のトレーナーとウマ娘。

 俺。[桜木 玲皇]は今、アグネスタキオンの薬を勝手に飲んだ事で彼女の怒りを買ってしまっていた。

 

 

 人通りの多い廊下をまるで水のようなしなやかさですいすいと潜り抜けていく。ウマ娘である彼女にとってはスピードを出せず、もどかしい気持ちも相まってやりづらいだろう。

 

 

 そんな姑息な作戦で差を広げ、曲がり角を曲がって曲がった後、更に曲がってある教室に身を隠す。

 

 

桜木「はぁ.........はぁ.........はぁぁぁ」

 

 

 タキオンの足音が遠ざかって行く。それを聞いた俺は安心し、壁に背中を持たれさせながら床に尻を着かせて息を吐き切った。

 俺が何をしたって言うんだ。俺はただ机の上にあった[飲むな]と札紙を付けられた薬品を飲んだだけなのに.........

 

 

 .........いや俺が悪いな。何が起こるか分からない薬だと思って好奇心で飲んでしまった。

 世の中には[好奇心は猫を殺す]とよく言う。しかし誰かが言った。[好奇心の無い猫は死んだも同然]だと。俺は死にたくない。

 

 

桜木「こっからどうすっかなぁ.........?」

 

 

 俯いたところから顔を上げると、目の前にほのかな光の球体が現れる。普通だったら慌てふためく所だろうが、残念な事にこういった事には慣れてきてしまった。

 またどうせ[Mさん]がくどくどと説教しに来たのだろうと思っていたが.........その目の前に現れた人物を見て俺は度肝を抜かれた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「よう」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

桜木「.........ゑ?」

 

 

 天然のオールバック。不良に見えてしまう顔付き。そして首から下げられた[王冠のアクセサリー].........それを見て俺は思考を停止させた。

 

 

 それは.........紛れも無く[俺]だった。

 

 

「俺は[20年後]の未来から来たお前自身だ」

 

 

「今からお前に、大切な事を伝えなくちゃ行けない。良いな?」

 

 

桜木「.........」

 

 

 何の脈絡も無く話が進んで行く。頭は当然追いつかない。当たり前だろう。ゴールドシップ達という存在のおかげで俺の中では未来の世界は認識出来ている。

 だが、それが俺本人となるとまた別。しかも様子を見るに、彼女達の未来とは違う、この世界の一直線上にある未来.........

 

 

 心の準備は出来ていない。大切な事というのも皆目見当もつかない。

 しかし、俺は思った。そしてその思いのまま、言葉を口にした.........

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「―――ラッキー♪」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「.........ゑ?」

 

 

 先程俺が出したのと同じ呆けた声。しかし俺は自分に優しくは無い。奴とは違うがやはりいけ好かない存在。俺はそいつを.........

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 思いっきり蹴り飛ばした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 声もあげずにぶっ飛ぶ男。背中は教室の扉を突き破り、身体は廊下へと投げ出された。

 

 

「てん、めェ.........!!!何しや「見つけたぞッッ!!!」.........はい?」

 

 

タキオン「さぁトレーナーくん〜?勝手に薬を飲んだ理由とその懺悔を、みっちり聞かせてもらおうか?ん?」

 

 

「え、あっ、あ.........」

 

 

桜木「未来の世界に帰れるといいなぁ.........」

 

 

 首根っこを掴まれて引き摺られていく男。何とも悲しい光景だろう。男は20年後の俺だと言っていたが、見た目で言えば本当に変わっていない為、普段からあの光景がトレセン学園で見れると言うことを客観的に教えてくれる。

 悲しい.........成人男性が女子学生に怒られてる姿.........とっても悲しい.........

 

 

桜木「.........まっ!俺の事だから怒られ慣れてっだろうしっ!いっか!!」

 

 

 何はともあれ難は去った。悪は滅びた。俺は自由だ。あの男には可哀想なことをしたが、まぁ俺だし。別にいいっしょ。なんか大切な事伝えに来たとか言ってたけど、知らん。マックイーンを連れて来なかったのが運の尽きだ。

 

 

 さてと。しばらくほとぼりが覚め切るまで俺はプラプラとしてますかねぇ.........

 

 

「そ、そんな.........い、今はちょっと.........」

 

 

「良いじゃないですか!どんな感じか聞かせてくださいよ!」

 

 

桜木「ん?アレは.........」

 

 

 廊下から出て少し歩いていると、困っている声と嬉しそうに話している声が聞こえてくる。

 何かあったのだろうか?そんな好奇心.........基、心配さが生まれた俺はその声の方へ向かってみる。

 するとそこには、普段見慣れている[芦毛]のロングヘアーの後ろ姿があった。

 

 

 .........しかし。

 

 

桜木(.........[違う])

 

 

「っ!ごめんなさいっ!わたしトレーナーさんに用事があります!ので!」

 

 

「え!そうだったんですか!ごめんなさいっ!ではまた今度聞かせてくださいね!!」

 

 

桜木「えっちょ!!?」

 

 

 不意に掴まれた腕。彼女は俺を自分のトレーナーだと言って来た。話していたウマ娘は申し訳なさそうにしながらも、俺の静止を聞かずにその場を後にした。

 

 

「.........はぁぁぁ、助かった〜」

 

 

 俺の腕を抱きしめながら、へなへなと力を抜く少女。その顔を見れば普段からよく知っている顔だ。と、付き合いの短い人間は思うだろう。

 

 

 だが俺は違う.........

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「.........[マックイーン]じゃないよね?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「っ、どうして分かったの.........!!?」

 

 

 驚いた顔を見せる少女。やはりその表情も彼女とそっくりだ。まるで瓜二つ。ドッペルゲンガーにでも会っている気分になる。

 だが残念。俺は彼女のトレーナー。その上[一心同体]のパートナーだ。些細な違いに気付くのなんて簡単だ。

 

 

桜木「分かるよ。マックイーンの髪はもう少し紫掛かってるし、それに前髪の分け目が君とは反対だ。それに.........」

 

 

「それに.........?」

 

 

桜木「マックイーンの方が2cm小さい」

 

 

「.........え、キモい」

 

 

 え。なんでそんな事言うの?だって周知の事実じゃない?自慢じゃないけど[繋靭帯炎]の克服を支えきってURAファイナルズも優勝したんですよ?それくらいの熱量はあって当然じゃないの?

 少女は心底嫌そうな目で腕に抱きついたまま俺の事を見上げている。そんな目を向けられた事は一度もない。もちろんマックイーンにも。

 .........あ、でも良いっ。なんかそういう目で見られるの凄く良いっ。新たな扉開けちゃうっ!!

 

 

「ねぇ、話があるから場所変えていい?目立ってるよ?」

 

 

桜木「へ?」

 

 

 少女が指を指した方向を見ると、そこには大勢の学生達がヒソヒソと俺達を見て話し合っていた。

 こ、これはまずい.........!つい最近理事長に「気持ちは分かるがイチャつくなよ」って言われたばかりなんだ!!いつもの冒頭漢字二文字も外して注意されたんだ!!このままじゃまた三時間説教モードに突入しちまう!!

 

 

桜木「カフェテリアっ!カフェテリア行こっか!!」

 

 

「!うんっ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ーーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 お昼時のカフェテリア。お腹を空かせたウマ娘やトレーナー達が集う憩いの場。その中の一つの席に俺とマックイーンに似た女の子は座っている。

 

 

桜木「それで?君の名前は?」

 

 

「う、うん。私の名前はね」

 

 

桜木(う〜ん。順当に行くと多分ポイントフラッグさんなんだろうけど、どうにも雰囲気が違うからなぁ.........まさか)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「[ギンザグリングラス]って言うの」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

桜木(やっぱりね)

 

 

ギン「夢は[ネオメジロ家]を設立すること!」

 

 

桜木「ちょっと待って?」

 

 

 聞き捨てならない言葉が出てきた。なんだネオメジロ家って。そして何故しまったというような形で口を押さえた?

 

 

ギン「まぁそれは今回の話に関係無いから置いといて」

 

 

桜木「いや気になるんだけど」

 

 

ギン「ママからあまり未来の事は言うなって.........」

 

 

桜木「じゃあそんな単語出さないでよ.........」

 

 

 そんな眉唾物な言葉が出てきたら誰だって気になるだろう。せめて概要だけでも教えて欲しい。

 そう思い食い下がってみると、かいつまんで説明してくれた。

 

 

 どうやら未来ではメジロ家は解散しているらしい(マジかよ)。権力自体は存在しているものの、レース界からは一歩を引いて他の事に注力している.........とか。

 想像出来やしない。今になってようやく実感しているが、メジロの影響力の強大さはとても大きい物だ。それが無くなる?無理だ。考えられない.........

 

 

 しかし彼女の説明によって、別に悪い事が起きた訳では無く、元々考えていた事のようだったらしい。

 ウマ娘とは走る為に生まれてきた様なもの。しかしそれを課す事によって、マックイーンの様な存在。つまり強い責任感によって自己を犠牲にするウマ娘が出てくる事を懸念し、その判断を下した.........

 

 

桜木「.........まぁ、大体は分かった。分かったけど.........」

 

 

ギン「?」

 

 

桜木「君は.........その、俺とマックイーンの[子供]って事でいいんだよね.........?」

 

 

 なるべく周りに聞こえない声で彼女に問い掛ける。無言で頷くその姿を見て、俺は頭を抱えた。

 

 

 [未来]が変わっている。本来の歴史であるならば、俺とあの子の間には二人。フラッグとコウキさん。ゴールドシップの父親だけだった。

 それがここに来てルート分岐が発生し、何かを伝えるために俺の目の前に現れている.........

 

 

桜木「.........んで、俺に伝えたい事って?」

 

 

 パシャっ

 

 

ギン「あっ、そうだったそうだった。私が未来から来た理由は.........」

 

 

 パシャっパシャっ

 

 

桜木「.........」

 

 

 パシャっパシャっパシャっ

 

 

ギン「.........えっと」

 

 

 パシャシャシャシャシャシャシャ!!!

 

 

桜木「うるせェェェェッッ!!!誰だこんな所でカメラ連写してる奴ァッッ!!!」

 

 

「うお!!?なんでバレたんだ!!?」

 

 

桜木「っ!!?お、まえ.........」

 

 

 俺を取り囲むような形で居る三人。その全員が俺にスマホ(一人はデジタル一眼レフ)を構えて撮っていた。

 それに怒りが爆発した俺は立ち上がって講義の声を上げる。そしてそこに立っていたのは.........

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『んじゃ、アタシら未来に帰るわ!!』

 

 

『んお?おいおい!んな悲しい顔すんなよっ!白銀がいっからアタシは帰ってくるぜ?姉ちゃん達は分かんねぇけどな!!』

 

 

『うっし!!んじゃタイムマシーンゴルシちゃん号っ!!はっし〜んっっ!!!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

桜木「ご、ゴールドシップ.........!!?」

 

 

ゴルシ「おっほ〜!!!マジでアタシらの事知ってんじゃんっ!!!」

 

 

 自分の名前を呼ばれて嬉しそうに飛び跳ねるゴールドシップ。いつもそう呼んでいる筈だが、一体どういう.........

 

 

 .........いや。今俺と話していたギンザグリングラスはここから一本道の先にある未来から来た。そう説明はされていないが、何となく察せられる。

 つまり、今目の前に居るゴールドシップは[俺達と過ごしたゴールドシップ]では無い。また別の存在の筈だ.........

 

 

ゴルシ「なっ!なっ!!コイツはコイツは!!?」

 

 

桜木「.........ナカヤマフェスタ」

 

 

フェスタ「!これは驚いた.........当てずっぽうでもねぇ。あのホラ吹き爺さんが言ってた事は嘘じゃないって事か.........」

 

 

 傍らに居たフェスタを抱き寄せて誰かと問われる。それに答えて上げると、彼女も驚いた表情を見せてそう言った。

 なるほどなるほど.........どうやらこのまま行くと俺はナゾナゾ博士宜しく嘘ばっかりつくおじいちゃんになってしまうんだな。いい歳の取り方してるじゃねぇか。

 

 

「この程度、我が祖父にとっては愚問であろう。妹よ、あまり余の臣下を無礼るな」

 

 

桜木「.........え誰」

 

 

「え」

 

 

 偉そうに腕を組んで圧の強い言葉を発するウマ娘。見た感じゴールドシップとナカヤマフェスタの姉妹らしいが.........見覚えは全く無い。

 もしや、彼女が言っていた一番上の姉だろうか?オルフェーヴルの口振りからして暴れん坊というか、少し危ない感じのする姉らしいが.........

 

 

ゴルシ(爺ちゃん爺ちゃん。オルフェーヴルだぜ)

 

 

桜木「ああ、オルフェーヴル?.........オルフェーヴルッッ!!?」

 

 

オルフェ「.........」

 

 

 一回目の名前を呼んだ時には彼女の姿が思い浮かんだ。手入れの行き届いて居ないボサっとしたロングの栗毛ヘアーに口元をいつも隠しているマスク。

 二回目に呼んだ時は目の前の相手を見て驚いた。しっかりと綺麗な手入れが行き届いた光り輝く栗色の髪。前髪には綺麗な白い髪が生えており、表情は自信たっぷりだった。

 今は.........その、申し訳ない事に、若干悲しい顔をしているが.........

 

 

桜木「.........えっと、ごめん」

 

 

オルフェ「え、あっ。待って。タイム」

 

 

桜木「え?」

 

 

 突然言い渡される静止。何が何やら分からないうちにオルフェーヴルは懐から何やらノートを取り出し必死に捲っている。

 何のノートだろう.........いや、あの表紙。どこかで見た事あるな.........アレは確か.........

 

 

桜木(.........あっ、[覇王ノート]だ)

 

 

 思い出した思い出した。確かオペラオーが日々思い付いた覇王的セリフを書き残しているノートだ。

 なるほど。ファンボならぬファンガであったか.........それならあの口調もよく分かる。

 

 

オルフェ「.........良い。許す」

 

 

桜木(場面に合う言葉が見つからなかったか)

 

 

桜木「.........んで、君達はなに?俺に伝えたいこととかあんの?」

 

 

ギン「そ、そうよ!こっちは[家族]に関わる大事な話の最中なのよ!!」プンプン

 

 

 取り敢えず話を戻す為に彼女達に質問をふっかける。そしてそれに便乗する様にギンちゃんもその内容に関わる事を話してくれた。

 え、これそんなに重い話なの?急に聞きたくなくなってきたな.........

 

 

ゴルシ「いやアタシ達は旅行に来ただけだぜ?」

 

 

フェスタ「トレセン学園に入学出来たからな。その祝いに[おやっさん]が連れて来てくれたんだ」

 

 

オルフェ「本来ならば我が姉も連れてくるべきだが.........仕事でな」

 

 

 ああ、やっぱりお姉さんはいるのね.........っていうか旅行で時間を超えるなんて凄い時代だな。未来の世界は相当明るい物だろう。

 そんな関心に浸りながらも、ここに来た本来の目的をまた思い出す。

 行けない行けない。俺は彼女から未来からのメッセージを受け取らなければならない。それが[家族]の.........マックイーンの為ならば尚更だ。

 

 

桜木「じゃあ話は済んだな。写真は幾らでも撮っていいから。俺達の話の邪魔はするなよ?」

 

 

ゴルシ「ちょっと待てよ。アタシらが用は無くても、[アイツ]は話があるって言うからこの時代に寄り道してやったんだぜ?」

 

 

桜木「アイツ.........っ!!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「久しぶりだな。玲皇」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 俺の目の前に立ちはだかる男。その男の姿を見て俺は驚愕した.........染められた白い髪。テレビの中でよく見るサングラス。そしてイラッとくる声。

 そのどれを取ってもそれが[アイツ]だと俺は分かってしまう。分かってしまうが.........それでも、一つだけ絶対に[アイツ]では無いと断言出来る要素があった。

 それは.........

 

 

桜木「すいません。厨房の豚が逃げ出してるみたいなんですけど」

 

 

ギン「だ、ダメよパパ!!人にそんなこと言っちゃ!!た、確かに凄く太ってるけど.........」

 

 

「良いんだお嬢ちゃん。焼きそば専門店を開いて数十年。試食を続けて来た今の俺はまるで豚とポタラで合体したみたいな存在.........そう言われるのも無理は無い」

 

 

 な.........なんてことだ.........あの白銀が.........[白銀翔也]という人類史上最強フィジカルを持つアイツが.........こんな姿になってしまうだなんて.........!!!

 鍛え上げられ身がぎっしりと詰まっていた腕はその太さから力強さは感じるものの、全盛期のスタイリッシュさは無くなり、脚も立ち仕事主体で筋肉が肥大化してプロポーションが悪化している。

 そして極めつけは.........腹。腹。腹ァ!!!なんだこの腹はァッッ!!!試食してきたってレベルじゃねぇぞ!!!いまさっきなんか食ってきただろこれェッッ!!!

 

 

「お前に伝えなければならない事が一つある」

 

 

桜木「それは.........俺の[家族]に関わる事か?」

 

 

「そうだ。だがその前に俺の悩みを聞いて欲しい」

 

 

桜木「えっやだ」

 

 

「ありがとう」

 

 

 もうホントにやだコイツ。人の話聞かないじゃん。どうせもうどんなに遮っても話すつもりだろう。もう良いよ。話半分で聞いてやっからさっさと話せよカス。

 

 

「実は店の新作看板メニューに豚のチ〇ポを使おうと思っている」

 

 

桜木「頭悪いっぽいから腕利きの動物病院に連絡するね」

 

 

「因みに宣伝文句は豚のチ〇ポ美味しすぎだろ」

 

 

桜木「くっだらねぇなんだよそれバカバカしい!!!」

 

 

「あっ時間切れだからそろそろ消えるわ」

 

 

桜木「殺されてェのかァッッッ!!!!!」ガタッ!!!

 

 

 思いがけないタイムリミットに俺は立ち上がりながら豚人間の胸倉を掴みあげた。なんだよそれ。テメェ俺に悩ませる暇もなく好き勝手意味分かんねぇ事言っただけじゃねぇか。

 そしてその時間切れを知らせる様にゴールドシップ達の身体が光り始める。どうやら本当にこの時代から消えてしまうらしい。

 

 

ゴルシ「おっしゃー!!次は〜白亜紀〜。白亜紀〜」

 

 

オルフェ「待て。此度の目的はフランス王朝ブルボン期のオペラを拝見すると」

 

 

フェスタ「アタシは世界初のカジノの立ち上げの瞬間を見に行くって聞いたぞ?」

 

 

「玲皇。嘘つくのやめろ」

 

 

桜木「こ、殺してやる.........!!!」

 

 

ギン「.........」ポカーン

 

 

 最後に捨て台詞を吐いて、人騒がせな奴らは消えて行った。俺の心をぐちゃぐちゃに掻き混ぜてから.........

 そんな怒りを渦巻かせていながらも、目の前に居る彼女の事を思い、必死に気持ちを鎮める。何、別に決まった世界では無い。可能性は無限大。アイツを矯正する事だって出来るはずだ。無理に近いが。

 

 

 取り敢えず、面倒な奴らは消え去った。これでようやく元の話に戻れる.........

 

 

桜木「.........じゃあ、改めて聞いてもいいかな?」

 

 

ギン「私は良いけど、その.........周りが.........」

 

 

桜木「え?」

 

 

 チラチラと周りに目を配らせるギンザグリングラス。それに釣られて俺も周りを見ると、全員の視線が俺達に向けられていた。

 不味い、騒ぎすぎたか?確かに勢いに任せて殺すとか言っちゃったし.........そりゃ目立つよな.........

 

 

 よし。ここは早いとこ要件を聞いてこの場を後にした「おい」.........

 

 

ナリブ「生徒から苦情があったぞ。桜木」

 

 

桜木「げっ.........ブっさん.........それに」

 

 

グルーヴ「.........URAファイナルズの時は見直したが、こうなると話は別だな?桜木トレーナー」

 

 

桜木「あ、はは.........?お二人とも、ここは穏便に.........ね?」

 

 

 怖い顔で迫ってくるエアグルーヴ。呆れた顔で俺を見るナリタブライアン。俺の必死の弁解も虚しく蹴られ、二人からは説教と一週間カフェテリア使用禁止を言い渡されてしまった.........

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ーーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

桜木「な.........なんで.........!なんでこんな事に.........!!!」

 

 

ギン「げ、元気出して?パパは悪くないわっ!悪いのはパパの運よ!!」

 

 

 カフェテリアを追い出された。ブっさんに首根っこを掴まれ外に放り出される姿は正にペットの躾のシーンそのものだっただろう。凄い屈辱的だ。

 カフェテリアのすぐ外で地面に両手を着く。普通だったらもう彼女の話を聞いている所だったのに.........気付けば一週間のカフェテリア出禁.........激しい怒りが湧いてくる。

 

 

桜木「殺してやる.........!白銀翔也を殺してやる.........!!!」

 

 

桜木「次いでに宗也と創も仲良く地獄に叩き落としてやる.........ッッ!!!」

 

 

桜木「俺は優しいからな.........!!!一緒の墓に骨壷ぶち込んでロードローラーで下敷きにしてやる.........キヒ、キヒヒ.........!!!」

 

 

ギン「.........怖ぁ」

 

 

 頭の中でのシミュレーションを何度も繰り返し感情を落ち着かせる。犯人俺。喪主俺。思い出の手紙読む人俺。墓購入者俺。ロードローラー操縦者俺で構成された完全スカッと状態。みるみるうちに溜飲が下がって行く。

 ふぅっと息を吐きながら立ち上がる。流石にこれ以上未来の娘に無様な姿は晒せない。こういう時は何事も無かったかのように切り替える事が大切だ。

 

 

桜木「取り敢えず移動しよっか。今の時間ならトレーナー室に誰も居ない筈だし」

 

 

ギン「あっそっか。そろそろお昼休みも終わりだもんね」

 

 

桜木「そうそう。んじゃ行きましょうか」

 

 

ギン「.........人が変わり過ぎて怖い」

 

 

 最後の呟かれた言葉は聞かない事にして、俺達はトレーナー室へと足を向けたのであった.........

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ーーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

桜木「どうぞ。散らかってますけど」

 

 

ギン「え?パパのトレーナー室にしては片付いてるよ?」

 

 

桜木(マジかよ)

 

 

 案内した俺のトレーナー室。兼チームルームであるこの部屋は雑多に物が置いてある。

 チームメンバーのぱかプチ。簡単な実験用具。様々な生き物昆虫図鑑。可愛らしくデザインされた手作りの絵本。よく見る機体からニッチな機体までが揃ったプラモデル。ウマ娘に関する様々なポスター。

 .........一応隠しているが、応援ユニフォームももちろんある。彼女の要望で来客の目に付かないよう隠している為見つかる事は無い。

 

 

 そんな部屋より汚くなっているのかこのトレーナー室は.........自己管理能力の低さは自覚しているが、まさかこれ以上に汚くなるだなんて.........一体どうなっちまうんだ俺のチームルームは.........

 

 

桜木「ま、まぁそれは置いといて。さっきの話の続きをお願いするよ。俺が何をすべきなのか.........」

 

 

ギン「うん。あのね、これからパパとママには―――」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「そこまでです」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 瞬間。背筋が凍る。本来ならば聞くはずの無い声。ありえないと思いながらも、俺はチームルームの入口を見た。

 そこには.........今この光景を一番見られたく無い人物。そう、俺にとっての全てと言っても過言では無い。[メジロマックイーン]がそこに立っていた。

 

 

マック「.........」

 

 

桜木「ま、マックイーン!!?授業中じゃ.........」

 

 

マック「.........はぁ。相変わらず話を聞かない人ですわね」

 

 

桜木「え?」

 

 

 おでこに指先を当ててやれやれと言った様子を見せる彼女。俺はまた何かを聴き逃してしまったのだろうか?

 考えても答えは出てくれない。そんな俺に痺れを切らし、彼女は呆れながらもその答えを教えてくれた。

 

 

マック「[URAファイナルズ]は今までに無い形態のレース。本来ならば一レース終えれば少しの休息期間が必要不可欠」

 

 

マック「しかし、それをせずにトレーニングからの翌週出走。疲労は溜まりますし、終わったとしてもまた大きなG1レースが始まってしまいます」

 

 

マック「それを危惧した理事長が特例で出場者に遅い春休みを設定した。お忘れですの?」

 

 

桜木「.........そだっけ?」

 

 

マック「はぁぁぁ.........本当、忘れっぽいんですから.........」

 

 

 腕を組んで窘めるように俺を見る。そんな彼女に対して俺は申し訳ないと思いつつも、笑う事しか出来なかった。

 昔からこの性分なんだ。記憶力はある方だが、発揮する時としない時の差が激しいし、その条件がよく分かっていない。それでいつもチームメンバーにも迷惑を掛けているし、直したいとも常々思っているのだけれど.........

 

 

桜木「あっそうだマックイーン!!この子なんだけどさ!!」

 

 

マック「?.........そういえば、私に似ている方が居ると思いましたが」

 

 

ギン「わっわっ本物だ.........!本物のメジロ家だ.........!!」

 

 

 そういう言い方はどうなのよ。貴女マックイーンの娘なら毎日会ってるでしょ.........それとももうそんな雰囲気を感じさせなくなってるの?会ってみたいよ本当.........

 

 

桜木「この子実はさ」

 

 

マック「大方[未来]から来たのでしょう?」

 

 

桜木「え、なんで知って―――」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「おいッッ!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 響き渡る声。怒りに満ちたその声は明らかに俺に向けられている事が分かった。またもや入口の方を見ると、今度はボロボロになった未来の俺がその両足で踏ん張って立っていた.........

 

 

マック「タキオンさんが引き摺っていたので助けたんです。話も一通り聞きましたわ。肝心な事は聞けませんでしたけど」

 

 

桜木「そんな事しなくて良いから(邪念)」

 

 

「俺は20年後の未来からやってきた桜木 玲皇だッッ!!!」

 

 

桜木「知ってる」

 

 

「20年後の未来にお前は存在していない.........ッッ!!!」

 

 

桜木「ファ!!?じゃあお前誰ッッ!!?」

 

 

「ここで俺に.........殺されてしまうからだァァァァ―――ッッッ!!!!!」

 

 

桜木「ギャァァァァ!!!!!自分殺しィィィィィ!!!!!」

 

 

 ふらりとした立ち姿からは予想出来ない強襲。その変わり様にマックイーンやギンザグリングラスも反応する事が出来なかった。

 飛び掛ってくる自分自身。それに対処する方法は思い浮かぶ事はなく、俺はその両手で情けなく自分の頭を守った。

 

 

 だが.........

 

 

「ぐえっ.........!!?」

 

 

桜木「っ、なんだ.........?」

 

 

 突然、呻き声をあげる男。少しの間空中で静止した後、重力によって地面へと落ちて行く。

 しかし完全に落ち切る事はなく、まるで首を掴まれた様に不安定な状態になってしまった。

 

 

 一体何が.........

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「はぁ.........こうなると思った」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

桜木「っ、その声.........!!?」

 

 

ギン「ま、[ママ]!!?」

 

 

 ゆっくりと宙に浮いた様な状態から地面へと降ろされる俺の姿。その後ろから現れたのは、俺のよく知っている人物の知らない姿だった。

 

 

 普段から彼女はお洒落に気を使っている。上品でクラシカルな私服の彼女から得られる栄養素は確かにある。

 だが、今目の前に居るのはジーパンと白いTシャツを着た彼女だった。すっかり日常に溶け込んでいる姿も中々素敵だ。

 

 

 それに何より、[サイドテール]だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 もう一度言おう。[サイドテール]なんだ.........

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

マック「.........どうして黙ってるんですか?」

 

 

桜木「えっ?いや、その。大人のマックイーンも好きだなぁって.........」

 

 

二人「.........///」

 

 

 今のマックイーンももちろん最高に素敵だ。整ったプロポーションに類を見ない程のスレンダーさ。正直体型的に俺好み.........と言うのは語弊を生みそうだが敢えて言おう。とっても好きだ。

 けれど未来のマックイーンも素敵だ。身長や顔に変化は無いものの、現役を引退した影響か少し今よりふっくらとしている。一般人からするとまだ全然スレンダー体型だが、そんな彼女もまた.........

 

 

マック「それで、わざわざ未来から来た理由はなんですの?」

 

 

「え?貴方達まだ言ってないの?」

 

 

二人「うん」

 

 

「.........本当頼りないわね。まぁいいわ。えっと.........これを見てくれる?」

 

 

桜木「え?俺?」

 

 

マック「あ、それ.........」

 

 

 彼女のポケットから取り出されたのはちょっと太めのペンの様な物。もしやこれが未来で作られているボールペン.........なのか?

 

 

「よ〜く見て?ほら、ここの上の部分」

 

 

桜木「へ?なんか変な形だね―――」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ―――ピカッ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ―――そのペンの様な装置から光が放たれ、彼の眼球に直接当たりました。

 するとたちまち彼は意識を無くし、その場に崩れ落ちて行ったのです。

 

 

「ざまぁみやがれっっ!!!」

 

 

「パパ。帰ったらお説教だから」

 

 

ギン「パパ可哀想.........」

 

 

「グーちゃん。貴女もよ」

 

 

「「.........ふぇ〜」」

 

 

 慣れたような流れで嘘泣きをするお二人。それに意を返す事もせず、彼女は私の方へと向き直りました。

 

 

マック「.........[ニューラライザー]。ですわね?」

 

 

「正解。タキオンさんに作って貰ったのよ。ややこしくならない様睡眠作用まで付けてもらってね」

 

 

 やっぱり.........先程トレーナーさんに見せたのは何を隠そう、私が大好きな映画の一つに登場するSFチックなアイテム。光を見せる事で相手の記憶を消す事が出来る便利なアイテムです。

 それを私に見せびらかした後、彼女は元のポケットにしまい込んで話を始めました。

 

 

「さぁ、忘れてる事は無い?」

 

 

マック「わ、忘れている事?特にこれと言っては.........」

 

 

「.........[貴女]の方は?教える気は無い?」

 

 

 私の言葉にムスッとした彼女はそのまま私の胸に視線を向けてそう言いました。

 すると私の傍に仄かな光の玉が出現し、やがて一人のウマ娘へと形を形成して行きました。

 

 

『無いわ。忘れているのが悪いのよ』

 

 

マック「なな、なんですの一体!!寄って集って忘れている忘れているって!!私はそんなに忘れっぽくありませんっ!!!」

 

 

ギン「そうだよママっ!!メジロマックイーンさんをママと一緒にしないでっ!!」

 

 

「グーちゃん。話がややこしくなるからパパと先に帰ってなさい」

 

 

「やだ〜!!パパ白銀の息の根を止めるんだいっ!!!」

 

 

「パパ。返り討ちに会うんだから止めなさい」

 

 

 あぁ.........もう状況が混乱を極めています.........主に私の娘であろうウマ娘と未来の彼のせいで.........

 未来の私は頭を抱え、傍に現れた彼女も耳を塞いで顔をしかめた後早々に消えてしまいました。

 

 

「.........本当は自分で気付いて欲しかったけど、仕方ないわね.........ちょっと耳を貸しなさい」

 

 

マック(全く、人をなんだと思ってますの?忘れている事なんて一つも―――)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(そろそろ[アレ]。有効期限が切れるわよ?)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

マック(.........[アレ]?)

 

 

 直接明言されずに示される存在。そして有効期限という言葉。そう言われてもピンとは来ません。

 来ませんが.........何だかこう、胸にモヤモヤとした実感が確かに生まれました。忘れている。確かに私は何かを忘れています.........

 

 

「.........それじゃ、私達は帰るわね。行くわよ?」

 

 

「「はい.........」」

 

 

マック「ちょ、ちょっと待ってくださいっ!!!確かに忘れていましたわ!!!でも何を忘れているかまでは.........」

 

 

「そ・れ・は、自分で思い出しなさい?」

 

 

 指を振りながらそういう未来の自分。まるで母親に叱られた気分になってしまいます。

 ぐうの音も出ない正論。それに言葉を詰まらせながら、私は光に包まれて行く三人をただ見送る事しか出来ずに居ました.........

 

 

「.........はぁ、まぁ?貴女も疲れてるでしょうし。忘れちゃった事には仕方無いわね.........だから―――」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「―――彼とのんびり、[温泉]にでも行ってきたら?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 落ち込んだ私を見かねたのでしょう。彼女は私を気遣ってくれました。

 そして光の中へと消えて行く三人.........私の娘である存在。[グーちゃん]と呼ばれていたウマ娘は手がちぎれそうな程に私に手を振って、その姿を消して行きました.........

 

 

マック(.........そうよね。URAファイナルズで大変だったんですもの)

 

 

マック(この人と温泉旅行にでも行って―――)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(―――[温泉旅行].........?)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 温 泉 旅 行.........?

 

 

 おんせんりょこう.........?

 

 

 オンセンリョコウ.........?

 

 

 onsenryokou.........?

 

 

 温泉旅行.........?

 

 

 温泉旅行ッッッ!!!?????

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あぁぁぁぁぁぁッッッ!!!?????」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ―――響き渡る絶叫。その日少女は遂に思い出した。自分が忘れていた存在を。

 

 

 その場にへなへなと力無く座り込み、暫くの間呆然と天井を見上げる。

 

 

 そして程なくしてハッと意識を取り戻すと、駆り出された様にその部屋から急いで自分の寮部屋へと向かって行く。

 

 

 取り残されたのは、ソファーで眠る呑気な男だけであった.........

 

 

桜木「ムニャムニャ.........マックイーン.........」

 

 

桜木「オンセン.........イコ.........Zzz」

 

 

 

 

 

 ......To be continued

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